賃貸の保証会社費用はいくら?種類別の料金と節約のポイント
賃貸契約で必須になりつつある保証会社の費用を、信販系・独立系・LICC系の3タイプ別に徹底比較。初回保証料・更新料の相場、居住期間別の総額、審査基準まで詳しく解説します。
賃貸の保証会社、なぜ必要になったのか?
近年、賃貸物件の契約時に保証会社の利用が必須となるケースが増えています。国土交通省の調査によると、賃貸物件の約80%が保証会社の利用を求めており、連帯保証人だけで契約できる物件は年々減少しています。
その背景には、2020年4月の民法改正で連帯保証人の「極度額(責任の上限額)」の明記が義務化されたことがあります。大家さんにとっては連帯保証人だけでは回収リスクが高くなり、保証会社の利用を必須にする物件が急増しました。
保証会社は、入居者が家賃を滞納した場合に大家さんへ立て替え払いをする仕組みです。入居者にとっては「連帯保証人が不要になる」「親に負担をかけない」というメリットがありますが、その分の保証料を入居者が負担する必要があります。
では、保証会社の費用はいくらかかるのでしょうか。タイプ別に詳しく見ていきましょう。
保証会社の3タイプと特徴
保証会社は大きく信販系・独立系・LICC系の3つに分類されます。それぞれ審査基準や費用体系が異なるため、自分に合ったタイプを理解しておくことが大切です。
| タイプ | 代表的な会社 | 審査基準 | 審査の厳しさ |
|---|---|---|---|
| 信販系 | オリコ、ジャックス、エポス | 信用情報(CIC等)を照会 | 厳しい |
| LICC系 | 全保連、日本セーフティー、Casa | LICC加盟社間のデータ共有 | 中程度 |
| 独立系 | フォーシーズ、日本賃貸保証、あんしん保証 | 自社独自の基準 | 比較的ゆるい |
信販系はクレジットカードの審査と同様に個人信用情報(CIC・JICC)を確認するため、過去にクレジットカードや携帯料金の滞納がある場合は審査に通りにくくなります。一方、独立系は信用情報機関を参照せず自社の基準のみで審査するため、信用情報に傷がある方や自営業の方でも通りやすい傾向があります。
LICC系は「全国賃貸保証業協会(LICC)」に加盟している会社で、加盟社間で家賃滞納の情報を共有しています。過去にLICC系の保証会社で滞納歴がある場合は審査に影響しますが、信販系ほど厳しくはありません。
タイプ別の保証料比較
保証料の体系は「初回保証料+年間更新料」が一般的です。タイプによって費用に大きな差があります。
| タイプ | 初回保証料 | 年間更新料 | 月額プラン |
|---|---|---|---|
| 信販系 | 家賃の30〜50% | なし(月額型が多い) | 家賃の1〜2% |
| LICC系 | 家賃の50〜80% | 1〜2万円/年 | なし |
| 独立系 | 家賃の50〜100% | 1〜2万円/年 | なし |
たとえば家賃8万円の物件で比較すると、初回保証料は以下のようになります。
| タイプ | 初回保証料(家賃8万円の場合) |
|---|---|
| 信販系(30%) | 24,000円 |
| 信販系(50%) | 40,000円 |
| LICC系(50%) | 40,000円 |
| LICC系(80%) | 64,000円 |
| 独立系(50%) | 40,000円 |
| 独立系(100%) | 80,000円 |
初回だけ見ると信販系が安く見えますが、月額プランがある信販系では毎月の支払いが積み重なるため、長期で住む場合はトータルコストに注意が必要です。
居住期間別の保証料総額シミュレーション
家賃8万円の物件に住んだ場合、居住期間ごとの保証料総額を比較します。どのタイプが最もお得かは、住む年数によって変わります。
| 居住期間 | 信販系(初回30%+月額1.5%) | LICC系(初回50%+年1万円) | 独立系(初回100%+年1万円) |
|---|---|---|---|
| 1年 | 38,400円 | 40,000円 | 80,000円 |
| 2年 | 52,800円 | 50,000円 | 90,000円 |
| 3年 | 67,200円 | 60,000円 | 100,000円 |
| 4年 | 81,600円 | 70,000円 | 110,000円 |
| 5年 | 96,000円 | 80,000円 | 120,000円 |
| 10年 | 168,000円 | 130,000円 | 170,000円 |
短期(1〜2年)なら信販系が最も安く、3年以上住むならLICC系がお得になる傾向があります。独立系は初回が高い分、更新料は比較的安い会社もありますが、総額では高くなりがちです。引っ越しの頻度が高い方は信販系、腰を据えて住む方はLICC系を選ぶのが合理的です。
保証会社の審査基準
保証会社の審査で見られるポイントは以下の通りです。審査に不安がある方は、事前に対策しておきましょう。
| 審査項目 | 内容 | 重要度 |
|---|---|---|
| 年収と家賃の比率 | 家賃が手取りの3分の1以下か | 高 |
| 雇用形態 | 正社員>契約社員>派遣>パート>無職 | 高 |
| 勤続年数 | 1年以上が望ましい | 中 |
| 信用情報(信販系のみ) | クレジットカード・ローンの延滞歴 | 高 |
| 過去の滞納歴(LICC系) | LICC加盟社間で情報共有 | 高 |
| 年齢 | 高齢者は審査が厳しくなる場合あり | 中 |
| 緊急連絡先の有無 | 親族の連絡先があると有利 | 低〜中 |
一般的に、年収が家賃の36倍以上(年収300万円なら家賃約8.3万円以下)であれば審査に通りやすいとされています。フリーランスや個人事業主の場合は、確定申告書の控えや通帳のコピーを用意しておくとスムーズです。
保証料を節約する5つの方法
1. 保証会社を比較して選ぶ
物件によっては複数の保証会社から選べる場合があります。不動産会社に「他の保証会社は選べますか?」と聞いてみましょう。初回保証料が30%の会社と100%の会社では、家賃8万円の場合で56,000円もの差が出ます。
2. 連帯保証人を立てて保証料を下げる
保証会社によっては、連帯保証人を追加することで初回保証料が10〜20%割引になるプランがあります。親族に連帯保証人を頼める場合は交渉してみる価値があります。
3. クレジットカード払いでポイント還元
信販系の保証会社では、家賃をクレジットカード払いにできることがあります。月額保証料込みの家賃をカード払いにすれば、還元率1%で年間約1万円分のポイントが貯まります。
4. 長期入居を前提に保証プランを選ぶ
2年以内に引っ越す予定なら月額型の信販系、3年以上住むなら初回+年間更新型のLICC系が有利です。入居時に自分の住む期間をある程度想定して選びましょう。
5. 保証料が安い物件を選ぶ
物件情報に「保証会社利用料:賃料の30%」などと記載されている場合があります。同じエリア・条件の物件でも保証料が異なるため、物件選びの段階で保証料も比較対象に入れるのがおすすめです。
保証会社利用時の注意点
家賃滞納時の対応
保証会社は大家さんへの家賃を立て替えますが、入居者の支払い義務がなくなるわけではありません。滞納が続くと保証会社から督促→法的手続き→退去勧告と段階的に進みます。滞納2ヶ月で督促が本格化し、3ヶ月以上で法的措置に移行するケースが多いです。
更新料の支払い忘れ
年間更新料の支払いを忘れると、保証契約が失効する可能性があります。更新時期は入居から1年後が多いですが、保証会社によって異なるため、契約書で確認しておきましょう。
退去時の精算
原状回復費用も保証の対象になっている場合があります。ただし、保証の範囲は契約内容によるため、退去時のトラブルを避けるために保証内容を契約時にしっかり確認しておきましょう。
保証料の会計処理(個人事業主向け)
自宅兼事務所として使用している場合、保証料は事業使用割合に応じて経費計上が可能です。
| 項目 | 勘定科目 | 按分方法 |
|---|---|---|
| 初回保証料(20万円未満) | 支払手数料 | 事業使用面積割合で一括計上 |
| 初回保証料(20万円以上) | 長期前払費用 | 契約期間で按分して計上 |
| 年間更新料 | 支払手数料 | 事業使用面積割合 |
| 月額保証料 | 支払手数料 | 事業使用面積割合 |
初回保証料が20万円以上の場合は、契約期間に応じて按分して計上する必要がある点に注意しましょう。自宅の30%を事業に使っている場合、保証料の30%が経費になります。
シミュレーターで計算してみよう
保証会社のタイプや家賃、居住予定期間を入力するだけで、保証料の総額が自動で計算できます。信販系・LICC系・独立系を並べて比較し、あなたにとって最もお得な保証プランを見つけましょう。