年収別「買える家」の価格は?住宅購入の目安を徹底解説
年収300万〜800万円の住宅購入価格の目安を返済負担率から算出。頭金・金利・返済期間による変動も含めて、無理のないマイホーム購入計画を解説します。
年収の何倍まで家を買える?
住宅購入の目安としてよく「年収の5〜7倍」と言われますが、実際には金利・返済期間・返済負担率によって大きく変わります。無理のない返済計画を立てるには、返済負担率25%以下が安全ラインです。
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2024年度)」によると、住宅購入者の年収倍率は全国平均で7.0倍。ただしこれは借入額ベースの数値で、実際に無理なく返せるかどうかは別問題です。
返済負担率25%・金利1.5%・35年返済で計算すると、無理なく借りられるのは年収の約6.8倍。年収500万円なら借入約3,400万円+頭金が「買える家」の目安です。自分の条件での正確な金額は年収別 買える家の価格シミュレーターで年収・頭金・金利を動かしながら確認できます。
年収別の購入可能額(返済負担率25%・35年・金利1.5%)
| 年収 | 月々返済額の上限 | 借入可能額 | 頭金なし | 頭金500万円 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 62,500円 | 約2,040万円 | 約2,040万円 | 約2,540万円 |
| 400万円 | 83,333円 | 約2,720万円 | 約2,720万円 | 約3,220万円 |
| 500万円 | 104,167円 | 約3,400万円 | 約3,400万円 | 約3,900万円 |
| 600万円 | 125,000円 | 約4,080万円 | 約4,080万円 | 約4,580万円 |
| 700万円 | 145,833円 | 約4,760万円 | 約4,760万円 | 約5,260万円 |
| 800万円 | 166,667円 | 約5,440万円 | 約5,440万円 | 約5,940万円 |
計算の流れはシンプルで、「年収 × 返済負担率 ÷ 12 = 月々返済額の上限」を出し、そこから金利・返済期間をもとに借入可能額を逆算(元利均等返済)します。
なお、2026年時点の変動金利は0.5〜1.0%前後のため、変動金利で計算すると借入可能額はさらに増えます。同じ条件で金利0.5%なら年収500万円で約4,010万円(+610万円)。ただし後述する金利上昇リスクを織り込むと、審査用には低め、生活設計用には高めの金利で見積もっておくのが安全です。
「借りられる額」と「返せる額」は違う
住宅購入で最も多い失敗が、金融機関が貸してくれる上限=買っていい金額だと思い込むことです。
- 借りられる額(審査上限): フラット35の総返済負担率は年収400万円以上で35%。年収500万円なら借入約4,760万円まで審査が通る可能性があります
- 返せる額(生活基準): 教育費・老後資金・車の維持費を残せるのは負担率20〜25%。年収500万円なら約2,720万〜3,400万円
その差は1,360万円以上。審査に通ることと、35年間払い続けられることはまったく別問題です。しかも返済負担率は「額面年収」に対する割合なので、手取りベースで見ると負担感はさらに重くなります。
年収500万円・負担率別の月返済額と手取り比
年収500万円の手取りは約390万円(月約32.5万円)が目安です。負担率別の月返済額を手取りと比べると次のようになります(金利1.5%・35年)。
| 返済負担率 | 月々返済額 | 借入可能額 | 手取り月収に対する割合 | 生活への影響 |
|---|---|---|---|---|
| 20% | 83,333円 | 約2,720万円 | 約26% | 貯蓄・教育費に余裕 |
| 25% | 104,167円 | 約3,400万円 | 約32% | 標準的。計画的な家計管理が必要 |
| 30% | 125,000円 | 約4,080万円 | 約38% | 貯蓄が難しくなるライン |
| 35% | 145,833円 | 約4,760万円 | 約45% | 手取りの半分近くが住居費。危険水域 |
「手取りの3割以内」という家賃の目安と同じ感覚で見ると、額面ベースの負担率25%がほぼ上限だと分かります。賃貸の適正家賃と比較したい場合は家賃の適正額シミュレーターも参考になります。
返済負担率とは?
返済負担率は年収に対するローン返済額の割合です。
| 返済負担率 | リスク | 目安 |
|---|---|---|
| 20%以下 | 低い | 余裕を持った返済 |
| 20〜25% | 普通 | 推奨ライン |
| 25〜30% | やや高い | 共働きなら可能 |
| 30〜35% | 高い | 審査上限(金融機関) |
| 35%以上 | 非常に高い | 借入困難 |
金融機関の審査では返済負担率35%が上限ですが、実際の生活を考えると25%以下が安全です。教育費・老後資金・車の維持費など、住宅ローン以外の支出も考慮する必要があります。
なお、返済負担率の計算にはすべての借入の返済額が含まれます。自動車ローンやカードローンがある場合、住宅ローンの借入可能額はその分だけ減ります。月3万円の車のローンがあると、借入可能額は約980万円(金利1.5%・35年換算)も減る計算です。
金利による購入可能額の変化
金利が上がると同じ月々返済額でも借りられる金額が減ります。年収500万円・返済負担率25%・35年返済の場合:
| 金利 | 借入可能額 | 0.5%との差額 |
|---|---|---|
| 0.5% | 約4,010万円 | — |
| 1.0% | 約3,690万円 | −320万円 |
| 1.5% | 約3,400万円 | −610万円 |
| 2.0% | 約3,140万円 | −870万円 |
| 3.0% | 約2,710万円 | −1,300万円 |
金利1%の違いで数百万円の差が出ます。2024年以降、日銀の利上げにより変動金利も上昇傾向にあるため、変動金利を選ぶ場合は将来の金利上昇リスクも考慮しましょう。銀行ごとの金利差も無視できないため、住宅ローン 銀行別比較シミュレーターで主要行のトータルコストを比べておくと確実です。
金利上昇リスクを数字で見る(3,000万円借入の場合)
変動金利で借りた後に金利が上がると、月々の返済額と総利息はどれだけ増えるのか。借入3,000万円・35年返済で比較します。
| 金利 | 月々返済額 | 総返済額 | 総利息 |
|---|---|---|---|
| 0.5% | 77,876円 | 約3,271万円 | 約271万円 |
| 1.0% | 84,686円 | 約3,557万円 | 約557万円 |
| 1.5% | 91,855円 | 約3,858万円 | 約858万円 |
| 2.0% | 99,379円 | 約4,174万円 | 約1,174万円 |
| 2.5% | 107,249円 | 約4,504万円 | 約1,504万円 |
| 3.0% | 115,455円 | 約4,849万円 | 約1,849万円 |
金利が0.5%から1.5%に上がるだけで月々約14,000円・総利息で約590万円の負担増。変動金利で目一杯借りると、金利上昇時に家計が破綻しかねません。対策は次の3つです。
- 負担率に余裕を持たせる: 金利上昇後も25%以内に収まる借入額にする
- 金利2〜3%でも返せるか試算しておく: シミュレーターの金利スライダーを動かすだけで確認できます
- 変動と固定を比較して選ぶ: 住宅ローン 変動 vs 固定シミュレーターで金利上昇シナリオ別の総利息を比較できます
返済期間でも借入可能額は大きく変わる
同じ月々返済額でも、返済期間が短いほど借入可能額は減ります。年収500万円・負担率25%・金利1.5%の場合:
| 返済期間 | 借入可能額 | 35年との差 |
|---|---|---|
| 20年 | 約2,160万円 | −1,240万円 |
| 25年 | 約2,600万円 | −800万円 |
| 30年 | 約3,020万円 | −380万円 |
| 35年 | 約3,400万円 | — |
注意したいのは完済年齢です。多くの金融機関は完済時年齢80歳未満を条件としていますが、実際に80歳まで返済を続けるのは現実的ではありません。45歳で35年ローンを組むと完済は80歳。「65〜70歳完済」から逆算した返済期間で借入可能額を見るのが実務的です。
頭金はいくら用意すべき?
頭金の目安は物件価格の10〜20%です。
| 頭金 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 0円 | 手元資金を温存 | 金利が高くなる場合あり |
| 物件価格の10% | バランスが良い | — |
| 物件価格の20% | 金利優遇・審査有利 | 手元資金が減る |
フラット35では頭金10%以上で金利が下がるため、長期的な総返済額で見ると頭金を入れた方が有利なケースが多いです。
ただし、頭金のために貯金をすべて使い切るのは危険です。生活防衛資金として最低6ヶ月分の生活費は手元に残しておきましょう。頭金の割合別に月返済額・総利息・必要自己資金がどう変わるかは頭金シミュレーターで比較できます。
住宅購入時の諸費用も忘れずに
物件価格の6〜10%が諸費用としてかかります。
| 諸費用 | 新築の場合 | 中古の場合 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | なし(売主直接) | 物件価格の3%+6万円 |
| 登記費用 | 30〜50万円 | 30〜50万円 |
| ローン手数料 | 借入額の2.2% | 借入額の2.2% |
| 火災保険 | 10〜30万円 | 10〜30万円 |
| 不動産取得税 | 0〜20万円 | 0〜30万円 |
| 合計目安 | 物件価格の3〜6% | 物件価格の6〜10% |
4,000万円の物件なら、120万〜400万円の諸費用が別途必要です。諸費用もローンに含められますが、その分だけ毎月の返済額が増えるため、できれば現金で準備したいところです。
マンションは管理費・修繕積立金で「実質」の借入可能額が下がる
見落としがちなのが、マンション特有の毎月の固定費です。管理費・修繕積立金(平均月2〜3万円)と固定資産税(年10〜20万円)は、住宅ローンと同じ「住居費」として毎月の家計から出ていきます。
年収500万円・負担率25%(月104,167円)の場合、そこから管理費・修繕積立金2.5万円と固定資産税の月割1万円を差し引くと、ローン返済に回せるのは月69,167円。金利1.5%・35年で逆算すると:
- 名目の借入可能額: 約3,400万円
- 管理費等を差し引いた実質: 約2,260万円(−1,140万円)
「借入可能額いっぱい」でマンションを買うと、管理費・修繕積立金の分だけ確実に家計が圧迫されるということです。シミュレーターの詳細設定に管理費・固定資産税を入力すると、この「実質の借入可能額」を自動計算できます。管理費の相場感はマンション管理費 適正診断、固定資産税の目安は固定資産税 計算シミュレーター、戸建ての場合の修繕費は持ち家 維持費シミュレーターで確認できます。
ケーススタディ:3つの世帯の「買える家」
同じ計算式でも、ライフステージによって「適正な借入額」は変わります。金利1.5%・35年返済(ケース3のみ25年)で試算した実例です。
ケース1: 28歳・単身・年収450万円(頭金200万円)
負担率25%なら月93,750円まで返済可能で、借入約3,060万円+頭金200万円=約3,260万円が上限です。ただし単身は収入減リスクを1人で負うため、負担率20%(月75,000円・借入約2,450万円)に抑えるのが現実的。また都市部の中古マンションを選ぶ場合、管理費・修繕積立金2.5万円+固定資産税月割1万円を差し引くと実質の借入可能額は約1,920万円まで下がります。「独身のうちに買うか、賃貸で柔軟性を残すか」は賃貸 vs 持ち家シミュレーターで生涯コストを比較してから判断しましょう。
ケース2: 35歳・夫婦+子ども1人・世帯年収700万円(頭金500万円)
審査上は負担率25%で借入約4,760万円+頭金500万円=5,260万円まで狙えます。しかし子どもの教育費(1人あたり約1,000万〜2,500万円)と、時短勤務等による収入減リスクを見込むと、負担率20%(月116,666円)・借入約3,810万円+頭金500万円=約4,310万円が安全圏。夫婦で借りる場合はペアローン vs 連帯債務で住宅ローン控除や手数料込みの実質コストを比較しておくと失敗がありません。
ケース3: 45歳・年収800万円(頭金1,000万円・70歳完済)
35年ローンなら借入約5,440万円まで可能ですが、完済は80歳。70歳完済=返済期間25年で組み直すと、負担率25%(月166,667円)で借入は約4,170万円に下がります。頭金1,000万円を足した約5,170万円が現実的な予算です。年齢が上がるほど「期間を延ばして月額を下げる」戦略が使えなくなるため、頭金の厚さと繰り上げ返済の計画がカギになります。
購入前にチェックすべきポイント
- 他の借入を整理する: 車のローンやカードローンがあると借入可能額が減る
- 将来の収入変動を考慮: 共働きが前提なら、片方の収入減少リスクも想定
- 管理費・修繕積立金: マンションの場合、月2〜4万円が住宅ローンに上乗せ
- 固定資産税: 年間10〜20万円が継続的にかかる(固定資産税シミュレーターで試算可能)
- 金利上昇への耐性: 変動金利なら「金利2%でも返せるか」を必ず試算する
よくある質問
Q. この計算の前提データはどこから?
返済負担率の基準は住宅金融支援機構「フラット35」の審査基準(年収400万円以上は総返済負担率35%以下・400万円未満は30%以下)、年収倍率の相場は同機構「フラット35利用者調査(2024年度)」(全国平均7.0倍)、管理費・修繕積立金の相場は国土交通省「マンション総合調査」に基づいています。本記事の早見表はすべて年収別 買える家の価格シミュレーターと同じ元利均等返済の計算式で算出しています。
Q. 数字が実感と合わない場合は?
実際の融資審査では勤続年数・勤務先・他の借入状況・団体信用生命保険の加入可否などが考慮されるため、本記事の早見表とは差が出ます。特に変動金利では審査金利(通常3〜4%)で計算されるため、実際の借入可能額は少なくなりがちです。シミュレーターなら金利・返済負担率・返済期間を自由に変えられるほか、詳細設定で管理費・修繕積立金・固定資産税・ボーナス払いを反映した再計算ができます。
Q. 年収倍率7.0倍で借りるのは危険?
フラット35利用者調査の平均7.0倍は、超低金利と共働き世帯の増加を背景にした「実際に借りた額」の平均です。金利1.5%・35年・負担率25%で無理なく返せるのは年収の約6.8倍が上限で、金利が2%に上がると約6.3倍まで下がります。倍率だけでなく、自分の家計での返済負担率を必ず確認しましょう。
Q. 共働きの場合は世帯年収で計算していい?
ペアローンや収入合算を使えば世帯年収ベースで借入可能額を増やせます。ただし産休・育休・時短勤務による収入減があると、返済負担率が一気に跳ね上がります。世帯年収で計算する場合は負担率を20%程度に抑えるか、「片方の収入だけでも最低限返せる額」を上限にするのが安全です。ローンの組み方はペアローン vs 連帯債務 比較シミュレーターで比較できます。
Q. 住宅ローン控除はどのくらい戻ってくる?
住宅ローン控除は年末のローン残高の原則0.7%が所得税・住民税から最長13年間控除される制度です(新築・省エネ基準適合住宅の場合。借入限度額は住宅性能により異なります)。借入3,000万円なら初年度は最大約21万円。控除額の13年間合計は住宅ローン控除シミュレーターで自動計算できます。
関連シミュレーター
住宅購入の資金計画に役立つシミュレーターをまとめました。
- 年収別 買える家の価格シミュレーター — 年収・返済負担率から借入可能額と購入可能価格を逆算
- 住宅ローン 月々返済額シミュレーター — 借入額・金利・期間から月々返済額と総利息を計算
- 頭金シミュレーター — 頭金割合別の月返済額・総利息・必要自己資金を比較
- 住宅ローン 銀行別比較シミュレーター — 主要10銀行の住宅ローンをトータルコストでランキング
- 住宅ローン 変動 vs 固定シミュレーター — 金利上昇シナリオ別に変動と固定の総利息を比較
- 賃貸 vs 持ち家シミュレーター — 管理費・修繕費まで含めた生涯コストで賃貸と購入を比較
シミュレーターで購入可能額を計算
年収・頭金・金利を入力するだけで、あなたが無理なく購入できる住宅価格がわかります。年収別 買える家の価格シミュレーターで、マイホーム計画の第一歩を踏み出しましょう。
詳細設定ではボーナス払いや管理費・修繕積立金・固定資産税も考慮した、より精密なシミュレーションができます。