マンション管理費の相場は月1.15万円(158.6円/㎡)|修繕積立金の目安と30年総額【2026年・国交省調査】
マンション管理費(共益費)の全国平均は戸当たり月11,503円・158.6円/㎡(国交省 令和5年度マンション総合調査、駐車場使用料等の充当を除く)。東京圏は194.9円/㎡。修繕積立金の実際の平均は13,054円で、ガイドライン(令和6年改定)の目安335円/㎡の約5割。規模別・地域別・築年別の早見表と、70㎡で864万〜1,250万円になる30年総額を試算。
マンション管理費(共益費)の全国平均は戸当たり月11,503円、㎡当たり158.6円です(国土交通省「令和5年度マンション総合調査」、駐車場使用料等からの充当額を除く)。70㎡なら月約1.1万円で、東京圏は194.9円/㎡(70㎡で約1.4万円)と2割強高くなります。
修繕積立金の実際の平均は戸当たり月13,054円(181.9円/㎡)ですが、国交省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)が示す目安は延床5,000㎡未満の20階未満で335円/㎡(70㎡で月23,450円)。多くのマンションが目安の5〜7割しか積み立てておらず、将来の値上げを前提にしています。70㎡・50戸で管理費・修繕積立金が月1.2万円ずつなら、30年間で今のままなら864万円、積立金を目安まで段階的に上げると約1,139万円です。
管理費と修繕積立金の違い
| 費用項目 | 用途 | 性質 | 値上がりリスク |
|---|---|---|---|
| 管理費 | 共用部分の清掃・管理員の人件費・エレベーター等の点検・共用部の電気代・管理会社への委託費 | 毎月ほぼ一定 | 人件費・電気代の上昇分 |
| 修繕積立金 | 外壁・屋上防水・給排水管・エレベーター更新など、12〜15年周期の大規模修繕の積立 | 計画に沿って増額されることが多い | 大きい(段階増額で当初の約1.7倍) |
どちらも管理組合に払う費用で、ローンを完済した後も住んでいる限り払い続けます。賃貸の「共益費」は管理費とほぼ同じ役割ですが、修繕積立金にあたる負担は家賃に含まれています。
管理費の相場(国交省 令和5年度マンション総合調査)
以下はすべて「管理費収入(使用料・専用使用料からの充当額を除く)」の平均です。駐車場代を管理費の赤字補てんに回しているマンションもあるため、充当分を除いた「区分所有者が実際に払っている額」に近い数字を使っています。
総戸数規模別
| 総戸数 | ㎡当たり(月) | 70㎡換算 | 実際の戸当たり平均 |
|---|---|---|---|
| 20戸以下 | 176.2円 | 約12,300円 | 14,282円 |
| 21〜30戸 | 178.7円 | 約12,500円 | 13,948円 |
| 31〜50戸 | 161.2円 | 約11,300円 | 11,682円 |
| 51〜75戸 | 152.2円 | 約10,700円 | 10,934円 |
| 76〜100戸 | 144.8円 | 約10,100円 | 10,155円 |
| 101〜150戸 | 162.3円 | 約11,400円 | 11,183円 |
| 151〜200戸 | 135.8円 | 約9,500円 | 9,540円 |
| 201〜300戸 | 167.1円 | 約11,700円 | 10,298円 |
| 301〜500戸 | 142.0円 | 約9,900円 | 10,002円 |
| 501戸以上 | 164.7円 | 約11,500円 | 12,929円 |
| 全体 | 158.6円 | 約11,100円 | 11,503円 |
30戸以下の小規模マンションは管理員や清掃の固定費を少ない戸数で割るため割高です。ただし200戸を超えると共用施設が増えるため、「戸数が多いほど安い」とは言い切れません。
地域別・階数別
| 区分 | ㎡当たり(月) | 70㎡換算 |
|---|---|---|
| 東京圏 | 194.9円 | 約13,600円 |
| 名古屋圏 | 157.2円 | 約11,000円 |
| 京阪神圏 | 153.6円 | 約10,800円 |
| 北海道 | 142.3円 | 約10,000円 |
| 中国・四国 | 124.8円 | 約8,700円 |
| 九州・沖縄 | 133.1円 | 約9,300円 |
| 単棟型 6〜10階建 | 161.5円 | 約11,300円 |
| 単棟型 11〜19階建 | 148.9円 | 約10,400円 |
| 単棟型 20階建以上(タワー) | 198.6円 | 約13,900円 |
タワーマンションの管理費は単棟型全体(160.4円/㎡)の約1.24倍です。高層用エレベーター、防災センターの常駐、ゴンドラを使う外壁の点検・窓清掃、ラウンジなどの共用施設に費用がかかります。
修繕積立金の目安(国交省ガイドライン 令和6年6月改定)
ガイドラインの目安は「長期修繕計画の計画期間(30年以上)全体で、専有面積1㎡あたり毎月いくら積み立てれば足りるか」の平均です。
| 建物の区分 | 平均値 | 事例の3分の2が入る幅 | 70㎡換算(平均) |
|---|---|---|---|
| 20階未満・延床5,000㎡未満 | 335円/㎡ | 235〜430円 | 23,450円 |
| 20階未満・延床5,000〜10,000㎡ | 252円/㎡ | 170〜320円 | 17,640円 |
| 20階未満・延床10,000〜20,000㎡ | 271円/㎡ | 200〜330円 | 18,970円 |
| 20階未満・延床20,000㎡以上 | 255円/㎡ | 190〜325円 | 17,850円 |
| 20階以上 | 338円/㎡ | 240〜410円 | 23,660円 |
機械式駐車場がある場合は、1台あたり月額の修繕工事費×台数÷総専有面積を加算します。1台あたりの目安は2段(ピット1段)昇降式6,450円、3段(ピット2段)昇降式5,840円、3段(ピット1段)昇降横行式7,210円、エレベーター方式・垂直循環方式4,645円です。50戸×70㎡のマンションに3段式が20台あれば5,840円×20台÷3,500㎡=約33円/㎡が上乗せされ、70㎡で月約2,300円増えます(駐車場使用料で修繕費を賄う会計なら加算不要)。
実際の積立額は目安の半分程度
一方、実際の修繕積立金を完成年次別に見ると、ガイドラインの目安を大きく下回っています。
| 完成年次 | 管理費(戸当たり) | 修繕積立金(戸当たり) | 修繕積立金(㎡当たり) |
|---|---|---|---|
| 令和2年以降 | 14,122円 | 9,666円 | 123.8円 |
| 平成27〜令和元年 | 11,901円 | 12,587円 | 176.0円 |
| 平成22〜26年 | 12,410円 | 12,058円 | 163.6円 |
| 平成17〜21年 | 12,175円 | 14,101円 | 175.4円 |
| 平成12〜16年 | 13,059円 | 15,102円 | 195.3円 |
| 平成7〜11年 | 10,567円 | 13,563円 | 180.1円 |
| 平成2〜6年 | 11,141円 | 13,519円 | 206.5円 |
| 全体 | 11,503円 | 13,054円 | 181.9円 |
新しいマンションほど修繕積立金が安いのは、新築時に低く設定して後から上げる段階増額積立方式が主流だからです(現在の積立方式は段階増額47.1%・均等積立40.5%)。
段階増額方式の値上げはどのくらいか
同調査で段階増額の修繕積立金を実際に増額した組合を見ると、計画当初の平均149.3円/㎡に対して最終的な額は平均254.4円/㎡で、約1.7倍に上がっています。初回の引き上げ幅は平均67.2円/㎡(70㎡で月約4,700円)です。
ガイドラインは、段階増額でも初期額は均等積立にした場合の0.6倍以上、最終額は1.1倍以内にするよう求めています。延床5,000㎡未満・70㎡(平均23,450円)に当てはめると次のとおりです。
| 判定 | 修繕積立金(70㎡・月額) | 意味 |
|---|---|---|
| 0.6倍未満 | 14,070円未満 | ガイドラインの初期額の下限を下回る。値上げ・一時金の可能性が高い |
| 0.6〜0.9倍 | 14,070〜21,105円 | 段階増額の途中。今後の値上げを見込む |
| 0.9〜1.2倍 | 21,105〜28,140円 | 均等積立に近い水準 |
| 1.1倍(最終額の上限) | 25,795円 | 段階増額でもここまでに抑えるのが目安 |
ガイドラインに載っている段階増額のイメージは、購入時に修繕積立基金36万円を払い、初年度は月6,000円、5年ごとに月3,000円ずつ上げて26〜30年目に月21,000円という例です。値上げは総会の決議が必要で、直近の増額で「計画通りの額まで増額できた」組合は59.4%、「引き上げはできたが計画通りの額までは届かなかった」組合が26.4%ありました。値上げが計画通りに進まないと、大規模修繕時に一時金(徴収予定がある組合は5.8%)や借入れで不足を埋めることになります。
30年間のトータルコスト
マンション管理費・修繕積立金シミュレーターの既定条件(70㎡・50戸・築15年・管理費と修繕積立金が月1.2万円ずつ)では、30年間の総額は次のとおりです。
| シナリオ | 計算 | 30年総額 |
|---|---|---|
| 今の金額のまま | (12,000円+12,000円)×360ヶ月 | 864万円 |
| 積立金を6・11・16年目に段階的に上げ、目安23,450円に到達 | 管理費432万円+積立金707万円 | 約1,139万円 |
| 初年度から目安どおり | (11,270円+23,450円)×360ヶ月 | 約1,250万円 |
建物のタイプ別に、ガイドラインの目安どおり払った場合(70㎡・全国平均)の30年総額も比べます。
| 物件タイプ | 管理費の目安 | 修繕積立金の目安 | 30年総額 |
|---|---|---|---|
| 小規模(20戸・延床約1,800㎡) | 12,320円 | 23,450円 | 約1,288万円 |
| 一般(50戸・延床約4,600㎡) | 11,270円 | 23,450円 | 約1,250万円 |
| 大規模(200戸・延床約18,000㎡) | 9,520円 | 18,970円 | 約1,026万円 |
| タワー(300戸・20階以上) | 14,490円 | 23,660円 | 約1,373万円 |
延床面積は専有面積×総戸数×1.3と仮定しています。小規模とタワーは大規模より30年で250〜350万円多くかかり、東京圏ならタワーの管理費は月約1.8万円で30年総額は約1,490万円です。いずれもローン返済とは別に必要なお金です。
住居費の全体像で考える
| 費目 | 月額の目安(70㎡) | 計算・確認先 |
|---|---|---|
| 住宅ローン返済 | 借入額・金利・期間で変動 | 住宅ローンの返済額で確認 |
| 管理費 | 約1.0〜1.4万円 | 規模・地域で変動(本記事) |
| 修繕積立金 | 現在1.0〜1.5万円 → 目安1.8〜2.3万円 | 段階増額で上昇 |
| 固定資産税・都市計画税 | 築年数・立地で変動 | 固定資産税シミュレーター |
| 駐車場代(任意) | 0.5〜3万円 | 機械式は修繕費も高い |
「家賃並みのローンなら買い」と考えがちですが、管理費・修繕積立金・税金まで含めると賃貸時より月3〜5万円多くかかることも珍しくありません。購入前に賃貸 vs 購入シミュレーターや年収から考える購入可能額シミュレーターで総額を確認しておきましょう。中古を買ってリノベーションするなら中古リノベ vs 新築シミュレーターで、修繕積立金の差も含めた総額を比べられます。
物件選びで確認すべき4つのポイント
1. 修繕積立金がガイドラインの0.6倍を下回っていないか
重要事項に係る調査報告書で、今の修繕積立金・積立残高・滞納の有無を確認します。専有面積×ガイドラインの目安(延床5,000㎡未満なら335円)×0.6を下回る場合は、近い将来の値上げを前提に家計を組みましょう。修繕積立金の仕組みも参考になります。
2. 長期修繕計画の値上げ予定
長期修繕計画には、何年目にいくらへ上げる予定かが書かれています。大規模修繕の主な工事は外壁補修・塗装、屋上防水、鉄部塗装、給排水管の更新、エレベーターの更新で、2回目(築24〜30年前後)以降は設備更新が重なって費用が膨らみます。計画が5年以上見直されていない場合は、工事費の上昇を反映していない可能性があります。
3. 管理形態と管理会社
管理会社にすべて任せる全部委託が一般的で、一部委託や自主管理は管理費が安くなる代わりに理事会の負担が増えます。国交省の調査には管理形態別の管理費の平均はないため、同じ規模・地域の物件と管理委託契約の内訳(管理員の勤務時間・清掃回数・点検項目)で比べるのが確実です。
4. 「管理費が安い」は必ずしもお得ではない
管理費が極端に安い物件は、清掃や点検の回数が少ない、駐車場使用料で赤字を補てんしている(駐車場の空きが増えると値上げ)、といった事情があることがあります。マンション管理費シミュレーターで規模・地域の目安と比べ、±20%を超えて安い場合は理由を確認しましょう。
よくある質問
Q. 管理費と共益費の違いは?
実質的に同じものです。分譲マンションでは「管理費」、賃貸物件では「共益費」と呼ばれることが多く、どちらも共用部分の清掃・設備維持・管理員の人件費に充てられます。本記事の相場(全国平均11,503円・158.6円/㎡)は分譲マンションの管理費です。
Q. 70㎡のマンションだと管理費・修繕積立金の合計はいくら?
国交省の実際の平均では、管理費が月約1.1万円(158.6円/㎡)、修繕積立金が月約1.3万円(181.9円/㎡)で合計月約2.4万円です。ただし修繕積立金はガイドラインの目安(20階未満・延床5,000㎡未満なら月23,450円)を下回る物件が多く、将来は合計月3.5万円前後まで上がる可能性があります。
Q. 修繕積立金はいつ、どのくらい上がる?
段階増額の物件では5年ごとなどの計画見直しで上がるのが一般的です。国交省調査では、増額した組合の㎡単価は計画当初149.3円→最終254.4円(約1.7倍)、初回の引き上げ幅は平均67.2円/㎡でした。ガイドラインは最終額を均等積立の1.1倍以内に抑えるよう求めています。
Q. タワーマンションの管理費はなぜ高い?
国交省調査で20階建以上の管理費は198.6円/㎡と、単棟型全体の約1.24倍です。高層用エレベーター、防災センター、ゴンドラでの外壁点検、共用施設の維持費がかかります。修繕積立金もガイドラインで20階以上は別枠(平均338円/㎡、幅240〜410円)です。
Q. この記事の前提データはどこから?
管理費・修繕積立金の実額は国土交通省「令和5年度マンション総合調査」データ編(管理組合向け調査、使用料・専用使用料からの充当額を除く)、修繕積立金の目安・機械式駐車場の加算額・段階増額の考え方は同省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)です。いずれも2026年10月20日に国交省の公表資料で数値を確認しました。70㎡換算・30年総額は㎡単価から計算した概算です。
Q. 計算した金額が実感と合わない場合は?
管理費・修繕積立金は物件ごとの個別性が大きい費目です。延床面積の区分(5,000㎡未満かどうか)で修繕積立金の目安が335円から252円へ大きく変わるため、パンフレットや重要事項説明書で延床面積を確認し、シミュレーターの詳細設定で区分・機械式駐車場の台数を選ぶと精度が上がります。それでも大きくずれる場合はお問い合わせフォームからお知らせください。
関連シミュレーター
- マンション管理費・修繕積立金 適正診断シミュレーター — 規模・地域・延床面積から目安と30年総額を診断
- マンション vs 戸建てシミュレーター — 管理費・修繕費を含めた35年の実質コストを比較
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- 年収から考える購入可能額シミュレーター — 無理のない物件価格を逆算