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失業したら何ヶ月分の資金が必要?失業保険と必要貯蓄額を解説

失業時に必要な資金を失業保険の給付額・給付日数から算出。自己都合と会社都合の違い、健康保険・年金の負担額、月別の収支シミュレーションを解説します。

失業後の生活費、貯蓄だけで何ヶ月持つ?

突然の失業や転職活動の長期化に備えて、「何ヶ月分の生活費を確保すべきか」は誰もが気になるテーマです。結論から言うと、月間生活費25万円の人が6ヶ月間失業すると、必要資金は約180万円(生活費150万円+健康保険・国民年金・住民税など約30万円)。35歳・年収400万円・勤続5年の自己都合退職なら失業保険は約52万円受け取れますが、それでも自己負担は約128万円に達します。

失業保険(雇用保険の基本手当)があるとはいえ、給付額は在職中の賃金日額の50〜80%にとどまり、自己都合退職の場合は待機期間・給付制限により最初の1〜2ヶ月は無収入です。さらに退職後は、在職中は給与天引きだった社会保険料・住民税を自分で払う必要があり、この「見えない請求」だけで月約5万円が生活費に上乗せされます。

失業保険だけでは足りない部分を貯蓄でカバーする必要があるため、事前の資金計画が重要です。自分の条件での正確な金額は失業期間 必要資金シミュレーターで月別の収支まで自動計算できます。

生活費×失業期間別の必要資金早見表

まず全体像をつかむために、月間生活費と失業期間の組み合わせ別に必要資金の総額をまとめました。年収400万円(社会保険・住民税の固定費が月約5.0万円)を想定し、シミュレーターと同じ計算式(生活費+固定費×月数)で算出しています。

月間生活費3ヶ月6ヶ月9ヶ月12ヶ月
15万円約60万円約120万円約180万円約240万円
20万円約75万円約150万円約225万円約300万円
25万円約90万円約180万円約270万円約360万円
30万円約105万円約210万円約315万円約420万円
35万円約120万円約240万円約360万円約480万円

ここから失業保険の受給額を差し引いた金額が、実際に貯蓄から取り崩す「自己負担額」です。失業保険がいくら受け取れるかは退職理由・勤続年数・年齢で大きく変わるため、次章から順に見ていきます。

失業保険の基本:給付率と給付日数

基本手当日額の計算

失業保険の1日あたりの支給額(基本手当日額)は、退職前6ヶ月の賃金をもとに計算されます。

基本手当日額 = 賃金日額(退職前6ヶ月の賃金 ÷ 180) × 給付率(50〜80%)

給付率は賃金日額が低いほど高く設定されています。失業期間 必要資金シミュレーターと同じ計算式(35歳・30〜44歳の上限7,715円を適用)で月収別に試算すると次のとおりです。

退職前の月収賃金日額給付率基本手当日額月額換算(30日)
20万円6,667円約74%約4,914円約147,000円
25万円8,333円約67%約5,591円約168,000円
30万円10,000円約60%約6,040円約181,000円
35万円11,667円約54%約6,265円約188,000円
40万円13,333円50%約6,667円約200,000円
50万円16,667円50%7,715円(上限)約231,000円

月収30万円の人の場合、失業保険は月額約18.1万円。在職中の手取り(約24万円)と比べると月約6万円の不足が生じます。月収が高い人ほど給付率が下がり、年齢別の上限額(30歳未満6,945円・30〜44歳7,715円・45〜59歳8,490円)もあるため、「月収の6割ももらえない」ケースが珍しくありません。在職中の手取りとの差を正確に知りたい人は手取り計算シミュレーターとあわせて確認してみてください。

給付日数:自己都合 vs 会社都合

給付日数は退職理由雇用保険の加入期間で大きく異なります。

#### 自己都合退職の場合

雇用保険の加入期間給付日数
1年未満なし
1年以上10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

#### 会社都合退職(倒産・解雇)の場合

雇用保険の加入期間30歳未満30〜34歳35〜44歳45〜59歳60〜64歳
1年未満90日90日90日90日90日
1年以上5年未満90日90日※90日※180日150日
5年以上10年未満120日180日180日240日180日
10年以上20年未満180日210日240日270日210日
20年以上240日270日330日240日

※30〜44歳・加入1年以上5年未満は、ハローワークの正式な給付日数表では120〜150日ですが、シミュレーターでは余裕をみて90日で保守的に計算しています。

会社都合の場合、45〜59歳で勤続20年以上なら最大330日(約11ヶ月)の給付が受けられます。自分の条件での日額・給付日数・総額は失業保険シミュレーターで個別に計算できます。

自己都合退職の給付制限

自己都合退職の場合、退職後すぐには失業保険を受給できません。

ステップ期間
ハローワークで求職申込み退職後すぐ
待機期間7日間
給付制限期間原則1ヶ月(2025年4月改正。5年以内に3回以上の自己都合離職は3ヶ月)
初回振込認定日を経て、実際の入金は退職から約2〜2ヶ月半後が目安

2025年4月の雇用保険法改正で、給付制限は従来の2ヶ月から原則1ヶ月に短縮されました。離職期間中や離職前1年以内に自ら教育訓練を受けた場合は、給付制限自体がなくなります。ただし、離職票の受け取り・求職申込み・認定日のサイクルを挟むため、実際に口座へ入金されるまで退職から2ヶ月前後かかるのが実情です。このためシミュレーターでは、資金計画に余裕を持たせて「最初の約2ヶ月は無収入」として計算しています。この期間の生活費+社会保険料は全額貯蓄から出ていきます。

自己都合と会社都合で、自己負担はいくら変わる?

同じ人(35歳・年収400万円・勤続5年・月間生活費25万円)が6ヶ月失業した場合を、退職理由だけ変えてシミュレーターの計算式で比較します。

項目自己都合会社都合
給付開始3ヶ月目から1ヶ月目から
所定給付日数90日180日
基本手当日額5,760円5,760円
6ヶ月間の総受給額約52万円約104万円
必要資金の総額約180万円約180万円
自己負担額約128万円約77万円

必要資金の総額は同じでも、自己負担額には約52万円もの差が付きます。会社都合(倒産・解雇・雇い止めなど)に該当するかどうかは離職票の離職理由コードで決まるため、退職時には必ず確認しましょう。また、退職する月によってボーナス・有給消化・社会保険料の損得も変わります。退職タイミング最適化シミュレーターで「何月に辞めるのが得か」も事前にチェックしておくと安心です。

月別の収支シミュレーション

ケース1:自己都合退職(35歳・月収30万円・勤続5年・独身)

月間生活費20万円・貯蓄100万円のケースです。社会保険・住民税の固定費(月約5.4万円)を含めると月の支出は約25.4万円。失業保険は日額6,040円×90日で、給付があるのは3〜5ヶ月目だけです。

失業保険支出収支貯蓄残高
1ヶ月目0円(待機+給付制限)254,000円-254,000円746,000円
2ヶ月目0円(給付制限中)254,000円-254,000円491,000円
3ヶ月目+181,200円254,000円-73,000円418,000円
4ヶ月目+181,200円254,000円-73,000円344,000円
5ヶ月目+181,200円(最終月)254,000円-73,000円271,000円
6ヶ月目0円(給付終了)254,000円-254,000円17,000円

貯蓄100万円は6ヶ月目でほぼゼロになり、7ヶ月目には赤字転落です。独身・月20万円の生活でも、自己都合退職で半年の転職活動を想定するなら最低100万円、理想は150万円以上の備えが必要と分かります。

ケース2:会社都合退職(42歳・月収35万円・勤続15年・家族あり)

月間生活費24万円・貯蓄200万円のケースです。固定費(月約6.1万円)込みで月の支出は約30万円。会社都合なので給付制限はなく、給付日数も240日(8ヶ月分)あります。失業保険は日額6,265円で月約18.8万円です。

失業保険支出収支貯蓄残高
1ヶ月目+187,950円300,700円-112,800円1,887,000円
2ヶ月目+187,950円300,700円-112,800円1,774,000円
3ヶ月目+187,950円300,700円-112,800円1,662,000円
6ヶ月目+187,950円300,700円-112,800円1,323,000円
8ヶ月目+187,950円(最終月)300,700円-112,800円1,098,000円

会社都合なら1ヶ月目から給付があるため取り崩しは緩やかですが、それでも8ヶ月で約90万円の貯蓄が減ります。家族がいると生活費を大きくは削れないため、貯蓄200万円は「安心ライン」ではなく「最低ライン」に近い水準です。家族構成別の入力で試したい人はシミュレーターの詳細設定で年齢・勤続年数・離職理由を変えて確認してください。

退職後に来る「見えない請求」:国保・年金・住民税

退職すると、在職中は給与天引き&会社が半分負担していた社会保険料が全額自己負担になります。しかも失業して収入が途絶えた後に、前年の所得を基準にした請求が届くのが厄介な点です。年収400万円の人なら、内訳はおおむね次のとおりです。

項目月額の目安備考
健康保険(任意継続 or 国保)約1.7万円年収の約5%で概算。前年所得・自治体で変動
国民年金17,920円(2026年度)シミュレーターは月16,980円で概算
住民税約1.7万円前年所得ベース。退職翌年も請求が続く
合計約5万円6ヶ月で約30万円、12ヶ月で約60万円

生活費を月25万円に抑えても、実際の支出は月30万円。「生活費だけ」で資金計画を立てると2割前後も過小評価になります。とくに住民税は前年所得に対して課税されるため、失業して収入ゼロでも満額の納付書が届きます。退職後1年間にかかる税・保険料の総額は退職後にかかるお金シミュレーターで詳しく計算できます。

健康保険の選択肢:任意継続 vs 国保

選択肢月額保険料(目安)特徴
任意継続(最長2年間)約25,000〜40,000円在職中の保険料の約2倍(上限あり)。扶養家族も込み
国民健康保険約15,000〜50,000円前年所得ベースで計算、自治体により異なる
家族の扶養に入る0円年収130万円未満などが条件。使えるなら最有力

どちらが安いかは前年所得と家族構成次第です。目安として、扶養家族が多い人は任意継続、単身で前年所得が下がる人・会社都合退職の人は国保が有利になりやすい傾向があります。会社都合(非自発的失業)の場合、国民健康保険料は前年の給与所得を30/100として算定する軽減措置があり、実質7割引きになるケースもあるため、国保が一気に有利になります。2年間の総額比較は任意継続 vs 国保シミュレーターで、国保料そのものの計算は国民健康保険料シミュレーターで確認できます。

国民年金は「免除申請」を忘れずに

退職後は厚生年金から国民年金(2026年度:月17,920円)に切り替わります。失業中は失業による特例免除の申請ができ、本人の前年所得を除外して審査されるため、全額または一部免除を受けられる可能性が高いです。全額免除でも将来の年金額は1/2が保障されるため、未納のまま放置するのが最悪の選択です。免除申請は市区町村の窓口で、離職票または雇用保険受給資格者証を持参すれば手続きできます。

必要な貯蓄額の目安

退職理由と家族構成別に、最低限必要な貯蓄額をまとめます。

退職理由独身(月支出20万円)家族あり(月支出30万円)
自己都合退職100〜150万円150〜200万円
会社都合退職60〜100万円100〜150万円

これは失業保険の給付がある期間の不足分をカバーする金額です。転職活動が想定より長引くリスクも考慮して、上記の1.5倍を理想の目標額としましょう。

年収別の推奨貯蓄額

年収月間支出の目安自己都合退職の推奨貯蓄会社都合退職の推奨貯蓄
300万円18万円90〜135万円54〜90万円
400万円22万円110〜165万円66〜110万円
500万円25万円125〜188万円75〜125万円
600万円28万円140〜210万円84〜140万円
700万円32万円160〜240万円96〜160万円

なお、失業に限らず病気・ケガなども含めた「生活防衛資金」としては、一般に独身で生活費3〜6ヶ月分、家族ありで6ヶ月〜1年分が目安とされます。自分の家族構成・雇用形態に合った金額は生活防衛資金シミュレーターで、目標額までの積立計画は貯金目標シミュレーターで計算できます。

失業中の支出削減チェックリスト

失業期間中は「収入を増やす」より「支出を減らす」ほうが即効性があります。月の支出を2万円削れば、6ヶ月で12万円=必要貯蓄が12万円減るのと同じ効果です。

  • 国民年金の特例免除を申請する — 月17,920円(2026年度)が最大ゼロに。効果最大の手続き
  • 国保の軽減措置を確認する — 会社都合退職なら前年給与所得を30/100として算定。必ず自治体窓口で申請
  • 住民税の減免制度を調べる — 失業を理由とした減免がある自治体も。納付が苦しい場合は分納相談も可能
  • スマホを格安SIMに乗り換える — 大手キャリアからの乗り換えで月3,000〜5,000円削減。格安SIM乗り換えシミュレーターで節約額を確認
  • 電気・ガスのプランを見直す — 在宅時間が増えると光熱費は上がりがち。水道光熱費シミュレーターで全国平均と比較
  • 生命保険を見直す — 過剰な保障は失業中の固定費を圧迫。生命保険見直しシミュレーターで必要保障額を再計算
  • サブスク・使っていない固定費を解約する — 動画・アプリ・ジムなどを棚卸し

シミュレーターで必要資金を計算しよう

失業時の必要資金は、年収・家族構成・退職理由・生活費によって大きく変わります。当サイトの失業期間 必要資金シミュレーターを使えば、失業保険の給付額・給付日数と健康保険・年金・住民税の負担を含めた月々の収支を自動計算し、貯蓄が何ヶ月目に底をつくかが一目で分かります。

「今の貯蓄で失業しても大丈夫か」を確認するために、ぜひ一度シミュレーションしてみてください。

よくある質問

Q. この計算の前提データはどこから?
失業保険の給付率(50〜80%)・所定給付日数・基本手当日額の上限額は、厚生労働省・ハローワークが公表する雇用保険制度(基本手当)の基準をもとにした概算です。国民年金はシミュレーターでは月16,980円で概算しています(2026年度の実際の保険料は月17,920円)。健康保険料・住民税はそれぞれ年収の約5%として計算しており、前年所得や自治体によって変動します。本記事の早見表・ケーススタディはすべてシミュレーターと同じ計算式で算出しています。

Q. 数字が実感と合わない場合は?
基本手当は実際にはハローワークが離職票の賃金から算定するため、賞与の比率が高い人や残業代の変動が大きい人は概算とずれることがあります。シミュレーターの詳細設定で年収・勤続年数・年齢・離職理由を実態に合わせて調整してみてください。健康保険料は任意継続と国保の選択で大きく変わるため、任意継続 vs 国保シミュレーターでの個別比較もおすすめです。正確な金額はハローワーク・市区町村窓口でご確認ください。

Q. 自己都合退職の給付制限は2ヶ月?1ヶ月?
2025年4月の雇用保険法改正で、原則2ヶ月から1ヶ月に短縮されました(5年以内に3回以上の自己都合離職は3ヶ月)。また、離職期間中や離職前1年以内に自ら教育訓練を受けた場合は給付制限がなくなります。ただし求職申込みや認定日を挟むため、実際の初回入金は退職から2ヶ月前後かかるのが実情で、シミュレーターも「最初の約2ヶ月は無収入」として保守的に計算しています。

Q. 失業保険をもらいながらアルバイトはできる?
可能ですが条件があります。週20時間以上働くと「就職」とみなされ支給が止まるほか、待機期間(7日間)中の労働は待機が延長されます。1日4時間以上働いた日は基本手当が支給されず後回しに、4時間未満でも収入額によっては減額されます。働いた日は必ず失業認定申告書に記載してください。申告漏れは不正受給(3倍返還)の対象になります。

Q. 貯蓄が足りない場合はどうすればいい?
まず国民年金の特例免除・国保の軽減・住民税の減免など「支払いを減らす制度」をフル活用しましょう。それでも不足する場合、求職者支援制度(月10万円の給付金+無料の職業訓練)や、社会福祉協議会の緊急小口資金・総合支援資金などの公的貸付が利用できる場合があります。生活費の切り詰めと並行して、在職中から生活防衛資金シミュレーターで必要額を把握し、計画的に備えておくのが理想です。

関連シミュレーター

失業・退職前後のお金の計画に役立つシミュレーターをまとめました。

まとめ

失業保険は在職中の賃金の50〜80%しかカバーできず、自己都合退職では給付開始まで約2ヶ月の無収入期間があります。さらに国保・国民年金・住民税で月約5万円の固定費が上乗せされるため、生活費25万円・6ヶ月の失業なら必要資金は約180万円、失業保険を差し引いても自己負担は約128万円(35歳・年収400万円・勤続5年・自己都合の場合)です。独身なら100〜150万円、家族ありなら150〜200万円の備えを目安に、免除・軽減制度を活用しつつ、シミュレーターで自分の条件での必要額を確認しておきましょう。

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