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学資保険は本当にお得?返戻率の実態とNISAとの比較で徹底検証

学資保険の返戻率・教育費の総額・NISAとの比較をデータで検証。どんな家庭に学資保険が向いているか、お得な加入方法まで解説します。

学資保険、入るべきか迷っていませんか?

子どもが生まれると必ず話題になるのが学資保険です。「教育費の準備=学資保険」というイメージが根強い一方で、近年は新NISAで教育費を準備する家庭も増えています。

ソニー生命の調査によると、子どもの教育費の準備方法として学資保険を利用している家庭は約42%。しかしその割合は年々減少しており、代わりに投資信託(NISA含む)が増加傾向にあります。

この記事では、学資保険の返戻率の実態を明らかにし、NISAとの比較で「本当にお得なのか」を検証します。

教育費はいくらかかるのか?

学資保険の必要性を考える前に、教育費の総額を把握しましょう。

幼稚園〜大学までの教育費

進路パターン教育費の総額
すべて公立(大学は国立)約800万円
高校まで公立+大学は私立文系約1,050万円
高校まで公立+大学は私立理系約1,200万円
中学から私立+大学は私立文系約1,700万円
すべて私立(大学は私立理系)約2,300万円

※文部科学省「子供の学習費調査」「私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査」を基に概算。

大学4年間の費用内訳

教育費の中で最大のヤマ場が大学進学時です。

費目国立大学私立文系私立理系
入学金約28万円約23万円約25万円
年間授業料約54万円約82万円約114万円
施設費等約15万円約18万円
4年間の合計約244万円約410万円約551万円

これに加えて、一人暮らしの場合は仕送りが月額7〜10万円(年間84〜120万円)かかります。4年間で336〜480万円の追加出費です。

つまり、私立理系で一人暮らしの場合、大学4年間だけで約900万円〜1,000万円が必要になります。

学資保険の返戻率の実態

主要学資保険の返戻率比較

保険会社・商品受取総額払込総額(18年)返戻率月額保険料
ソニー生命「学資保険III型」200万円約184万円約108.7%約8,500円
明治安田生命「つみたて学資」200万円約189万円約105.8%約8,750円
JA共済「こども共済」200万円約190万円約105.3%約8,800円
フコク生命「みらいのつばさ」200万円約187万円約107.0%約8,650円
日本生命「ニッセイ学資保険」200万円約188万円約106.4%約8,700円

※0歳加入、18歳満期、保険料払込18年の場合の概算。

現在の学資保険の返戻率は105〜109%程度。18年間で5〜9%しか増えないのは、正直なところ「お得」とは言いにくい水準です。

返戻率の推移

学資保険の返戻率は年々低下してきました。

加入時期返戻率の目安背景
1990年代120〜130%高金利時代
2000年代前半110〜120%金利低下
2010年代105〜110%低金利政策
2017年(標準利率改定後)100〜105%マイナス金利導入
2024年以降105〜109%金利上昇でやや改善

2017年のマイナス金利時代には返戻率が100%を切る(元本割れ)商品すら登場しました。2024年以降は日銀の利上げにより若干改善していますが、かつてのような高返戻率には程遠い状況です。

学資保険 vs NISA 徹底比較

制度の比較

比較項目学資保険新NISA(つみたて投資枠)
元本保証ありなし
期待リターン(18年)5〜9%約100〜150%(年利5%想定)
税制優遇一時所得控除(50万円まで非課税)運用益が完全非課税
親の死亡保障あり(払込免除特約)なし
流動性低い(解約で元本割れ)高い(いつでも売却可能)
インフレ対応対応できない対応できる
手続きの手間加入後は放置証券口座の開設・商品選択が必要

18年間の運用シミュレーション(月額1万円の場合)

項目学資保険(返戻率107%)NISA(年利5%想定)NISA(年利3%想定)
払込総額216万円216万円216万円
18年後の受取額約231万円約349万円約280万円
利益約15万円約133万円約64万円
税金ほぼ非課税非課税非課税

NISAで年利5%運用できれば、学資保険の約10倍の利益が出ます。年利3%の控えめな想定でも、学資保険の約4倍です。

ただしNISAには元本割れリスクがある

シナリオ学資保険NISA(全世界株式)
好調(年利7%)231万円(固定)約430万円
普通(年利5%)231万円(固定)約349万円
やや不調(年利2%)231万円(固定)約257万円
暴落(年利▲2%)231万円(固定)約178万円(元本割れ)

18年という長期間なら元本割れの確率は統計的に低い(過去のデータでは15年以上の投資で元本割れはほぼゼロ)ですが、100%の保証はありません。大学入学直前に暴落が来る可能性もゼロではないのです。

学資保険の「本当のメリット」は死亡保障

学資保険がNISAに勝る最大のポイントは親が死亡した場合の払込免除特約です。

払込免除特約の価値

契約者(通常は親)が死亡または高度障害状態になった場合、以後の保険料支払いが免除され、満期金は予定通り受け取れます

状況学資保険NISA
親が健在のまま満期を迎えた満期金を受け取る運用益+元本を引き出す
親が途中で死亡保険料免除+満期金を全額受取積立が停止。それまでの運用分のみ

たとえば、子どもが3歳のときに親が亡くなった場合を考えましょう。

項目学資保険NISA
払込済み保険料(3年間)36万円36万円
残りの15年分の保険料免除(180万円分)積立停止
18歳時の受取額231万円(満額)36万円+運用益

学資保険なら3年分の保険料だけで満額の231万円を受け取れます。これは実質的に「子どもの教育費に特化した生命保険」と言えます。

学資保険が向いている家庭・向いていない家庭

向いている家庭

  • 投資が怖い・よく分からない家庭: 元本保証で確実に教育費を準備できる
  • 貯蓄が苦手な家庭: 強制的に積み立てる仕組みがある
  • 片働きで家計の大黒柱が一人の家庭: 払込免除特約の死亡保障が大きな安心材料
  • 生命保険に未加入の家庭: 教育費の準備と死亡保障を同時に得られる
  • 18年後に確実にまとまった資金がほしい家庭: 進学時期は決まっているため確実性が重要

向いていない家庭

  • すでに十分な生命保険に加入している家庭: 死亡保障が重複する
  • NISAやiDeCoを活用している家庭: 投資に慣れていれば高リターンを狙える
  • 教育費の貯蓄がすでに十分ある家庭: わざわざ低利回りの商品に拘束する必要がない
  • 共働きで収入が安定している家庭: 片方が亡くなっても家計を維持できる

学資保険の返戻率を上げるコツ

加入するなら、少しでも返戻率を上げる工夫をしましょう。

方法返戻率への影響具体例
0歳で加入する+1〜2%加入が遅いほど返戻率が下がる
年払い・一括払いにする+0.5〜1%月払いより手数料が減る
払込期間を短くする+1〜3%18年払いより10年払いの方が高い
不要な特約を外す+0.5〜1%医療特約は返戻率を下げる原因
受取を据え置く+0.5〜1%18歳ではなく20歳・22歳受取にする

払込期間による返戻率の違い(受取総額200万円の場合)

払込期間月額保険料払込総額返戻率
18年(0〜17歳)約8,500円約184万円約108.7%
15年(0〜14歳)約10,200円約184万円約108.7%
10年(0〜9歳)約15,800円約190万円約105.3%

※一般的な学資保険の概算。商品により異なる。

払込期間を短くすると月々の負担は増えますが、保険会社が保険料を運用する期間が長くなるため返戻率が上がります。家計に余裕があれば10年払いも検討しましょう。

「学資保険+NISA」のハイブリッド戦略

「学資保険かNISAか」の二択ではなく、両方を組み合わせるのが最も賢い方法です。

モデルプラン(月額2万円を教育費に充てる場合)

配分金額目的
学資保険月1万円確実な教育費(元本保証+死亡保障)
NISA月1万円上乗せの教育費(高リターン狙い)

18年後のシミュレーション

項目学資保険のみNISAのみハイブリッド
月額積立額2万円2万円2万円(1万ずつ)
払込総額432万円432万円432万円
最低保証額約462万円保証なし約231万円
期待受取額(年利5%)約462万円約698万円約580万円
最悪ケース(年利▲2%)約462万円約356万円約409万円

ハイブリッド戦略なら、最悪でも約409万円は確保しつつ、好調なら580万円以上を期待できます。「確実性」と「成長性」のいいとこ取りです。

よくある質問

学資保険の満期金に税金はかかりますか?

満期金は一時所得として課税されますが、利益が50万円以下なら実質非課税です。返戻率107%で受取総額231万円の場合、利益は15万円なので税金はかかりません

途中で解約したらどうなりますか?

加入から5年未満の解約は、返戻率が80〜90%程度で大幅に元本割れします。10年以上経過すればほぼ元本に近づきますが、解約を前提に加入するものではありません。

2人目・3人目も学資保険に入るべきですか?

家計の余裕次第です。2人目以降はNISAでの積立に切り替えるのも合理的な選択です。1人目で学資保険の「強制貯蓄」の習慣がついていれば、2人目からは自分で積立を続けられるケースが多いです。

学資保険の代わりになる保険はありますか?

低解約返戻金型終身保険を学資保険の代わりに使う方法もあります。払込期間中の解約返戻金を低く抑えることで、払込後の返戻率を高めた商品です。学資保険より返戻率が高い場合があり、教育費に使わなければそのまま終身保険として保有できる柔軟性があります。

あなたの教育費プランをシミュレーション

子どもの年齢、希望する進路(公立/私立)、月々の積立可能額を入力すると、学資保険とNISAそれぞれの18年後の受取額を比較できます。ハイブリッド戦略のシミュレーションも可能なので、最適な教育費の準備方法を見つけてください。

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