賃貸の退去費用はいくら?間取り別2〜18万円・原状回復ガイドライン徹底解説【2026年】
賃貸退去時の費用相場を間取り別に解説。ワンルーム2〜5万・ファミリー8〜18万円。国交省ガイドラインに基づく大家負担・借主負担の範囲・経過年数による減額ルール・トラブル対処法を完全網羅。
退去時の高額請求に驚いていませんか?
賃貸物件を退去するとき、「クリーニング代5万円」「壁紙張替え8万円」といった請求書を見て驚く方は多いです。
実は、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」では、通常の使用による損耗(経年劣化)は大家負担と定められています。正しい知識があれば、不当な請求を平均5〜10万円減らせるケースが多々あります。本記事では、間取り別の相場・大家/借主の負担区分・経過年数による減額ルール・敷金返還トラブルへの対処法をまとめます。実際の見積もりは賃貸退去費用シミュレーターで部屋の広さ・居住年数・損傷状況から計算できます。
退去費用の相場(間取り別・全国平均)
| 間取り | クリーニング相場 | 退去費用合計の目安 | 敷金(家賃1ヶ月)でカバーできる割合 |
|---|---|---|---|
| ワンルーム・1K(〜25㎡) | 18,000〜35,000円 | 2〜5万円 | 約70〜100% |
| 1LDK・2DK(〜45㎡) | 30,000〜55,000円 | 4〜8万円 | 約50〜80% |
| 2LDK・3DK(〜65㎡) | 45,000〜75,000円 | 6〜12万円 | 約40〜70% |
| 3LDK以上(〜85㎡) | 60,000〜100,000円 | 8〜18万円 | 約30〜60% |
| 4LDK以上 | 90,000〜130,000円 | 12〜25万円 | 約25〜50% |
※ハウスクリーニング代+経年劣化を超えた損耗の修繕費を含む。喫煙・ペット飼育・大規模損傷は別途加算。
大家負担 vs 借主負担の判断基準
国交省ガイドラインの「別表1(損耗・毀損事例の区分)」をもとに整理しました。
大家が負担すべきもの(経年劣化・通常損耗)
| 損耗 | 理由 |
|---|---|
| 日焼けによる壁紙の変色 | 自然現象 |
| 家具の設置跡(カーペット・床のへこみ) | 通常使用 |
| 画鋲やピンの穴(下地ボードに達しないもの) | 通常使用 |
| 冷蔵庫裏の電気焼け | 通常使用 |
| テレビ・冷蔵庫の後部壁面の黒ずみ | 通常使用 |
| フローリングのワックス剥がれ | 経年劣化 |
| 網戸の張替え(経年劣化の場合) | 経年劣化 |
| エアコンの内部洗浄(通常使用) | 経年劣化 |
| 鍵交換 | 防犯上の入替(原則貸主負担) |
借主が負担すべきもの(故意・過失・善管注意義務違反)
| 損耗 | 理由 |
|---|---|
| タバコのヤニによる壁紙の黄ばみ・臭い | 通常使用を超えた損耗 |
| ペットによる傷・臭い・尿による腐食 | 借主の管理 |
| 引越し作業でつけた大きなキズ | 過失 |
| 掃除を怠ったことによるカビ・水垢・油汚れ | 善管注意義務違反 |
| 釘やネジの穴(下地ボードに達するもの) | 過失 |
| 結露を放置したことによるカビ | 善管注意義務違反 |
| 落書き | 故意 |
| 飲みこぼしのシミ(拭き取らず放置) | 過失 |
経過年数による減額ルール(耐用年数)
ガイドラインでは、設備ごとに「耐用年数」が定められており、居住年数に応じて借主の負担割合が減ります。
| 設備 | 耐用年数 | 6年経過後の借主負担 |
|---|---|---|
| 壁紙(クロス) | 6年 | 残存価値1円 |
| カーペット | 6年 | 残存価値1円 |
| クッションフロア | 6年 | 残存価値1円 |
| 畳の表替え | — | 経過年数考慮なし(毎回借主負担可) |
| フローリング | 部分補修は考慮なし | 全面張替えは耐用年数(建物による) |
| エアコン・給湯器 | 6年 | 残存価値1円 |
| 流し台 | 5年 | 残存価値1円 |
壁紙の張替え費用と経過年数の例
壁紙の耐用年数は6年です。借主が負担すべき場合でも、居住年数に応じて減額されます。
| 居住年数 | 借主負担割合 | 6畳の壁紙(張替え5万円)の場合 |
|---|---|---|
| 1年 | 約83% | 約41,500円 |
| 2年 | 約67% | 約33,500円 |
| 3年 | 約50% | 約25,000円 |
| 4年 | 約33% | 約16,500円 |
| 5年 | 約17% | 約8,500円 |
| 6年以上 | 約0〜10% | 約0〜5,000円 |
つまり、6年以上住めば壁紙の費用はほぼ0円になります。「壁紙全張替えで10万円請求」は、長期居住の場合明らかに過大請求です。
クリーニング特約の有効性
「ハウスクリーニング代は退去時に借主負担」という特約は、以下の条件を満たす場合のみ有効です。
- 契約書に金額が明記されている(例: ワンルーム25,000円)
- 借主が特約の存在と内容を理解して合意している
- 金額が相場と比較して妥当である
「相場の2倍以上」「特約の説明なし」「契約書に金額記載なし」のケースは、消費者契約法第10条により無効と判断される判例があります。
ハウスクリーニング代の妥当な相場
| 間取り | 妥当な相場 |
|---|---|
| ワンルーム・1K | 18,000〜30,000円 |
| 1LDK・2DK | 30,000〜50,000円 |
| 2LDK・3DK | 45,000〜70,000円 |
| 3LDK以上 | 60,000〜90,000円 |
エアコン洗浄(1台10,000〜15,000円)、レンジフード(10,000〜18,000円)は別費用となることが一般的です。
退去費用を抑える7つのポイント
- 入居時に部屋の写真を撮っておく — 元からあった傷の証拠。スマホで全部屋・全角度
- ガイドラインを印刷して立ち合いに持参 — 国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を根拠に交渉
- 退去立ち合いに必ず同席 — その場で確認・サインしないことが重要
- 見積もりの内訳を細かく確認 — 「一式」表記はNG。項目ごとに数量・単価をチェック
- 退去前に自分で清掃 — レンジフード・浴室の油汚れ・カビは事前に落とす
- タバコ・ペット飼育は契約前に正直に伝える — 後でバレた方がはるかに高額請求
- 不当請求は消費者センター(188番)へ — 無料相談・書面アドバイスがもらえる
敷金返還トラブルへの対処法
退去後に「敷金20万円中、返金1万円・追加請求5万円」のような請求が来た場合、以下の手順で対応します。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 内容証明郵便で抗議 | 「ガイドラインに基づく再見積もりを要求」を文書で送付 |
| 2. 消費者センター相談 | 188番(局番なし)で無料相談・あっせん依頼 |
| 3. 少額訴訟 | 60万円以下なら簡易裁判所の少額訴訟(印紙1,000〜6,000円) |
| 4. 弁護士相談 | 法テラス(収入要件あり・無料)or 街の弁護士(30分5,000円〜) |
少額訴訟は1日で結審し、本人訴訟が可能です。多くの場合、内容証明と消費者センターの段階で和解できます。
ケーススタディ
ケース1: 1Kワンルーム・3年居住・喫煙なし・敷金10万円
- ハウスクリーニング: 25,000円
- 壁紙の傷(1ヶ所・経年劣化分の50%): 8,000円
- 鍵交換: 大家負担(要確認)
- 借主負担合計: 33,000円
- 敷金返還: 67,000円
ケース2: 2LDK・5年居住・ペット飼育・敷金18万円
- ハウスクリーニング: 50,000円
- 壁紙全張替え(ペット臭・経年劣化考慮後20%): 30,000円
- フローリング部分補修(傷5ヶ所): 25,000円
- ペット消臭処理: 30,000円
- 借主負担合計: 135,000円
- 敷金返還: 45,000円
ケース3: 3LDK・10年居住・喫煙あり・敷金24万円
- ハウスクリーニング: 75,000円
- 壁紙全張替え(タバコのヤニ・耐用年数超過のため0円): 0円
- 畳表替え(特約あり): 60,000円
- エアコン内部洗浄(1台・通常使用範囲): 大家負担
- 借主負担合計: 135,000円
- 敷金返還: 105,000円
→ 喫煙でも壁紙が耐用年数超過なら借主負担はゼロ。「タバコ吸ってたから全部請求」は誤り。
退去前チェックリスト
- [ ] 入居時の写真と現状を比較
- [ ] レンジフード・浴室・トイレの大掃除
- [ ] エアコンフィルター清掃
- [ ] 不要な家具・家電の処分(粗大ごみ手配)
- [ ] 賃貸契約書のクリーニング特約・原状回復条項を確認
- [ ] ガイドラインの該当部分を印刷
- [ ] 立ち合い日時の調整(必ず同席)
- [ ] 見積もり書の保管(後日異議申立てに必要)
主な出典
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」
- 消費者契約法第10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
- 民法第621条(賃借人の原状回復義務)
- 各種少額訴訟・原状回復関連判例
- 不動産業界団体の調査データ(2024〜2025年)
よくある質問
Q. ハウスクリーニング代は必ず払わないといけませんか?
契約書に金額が明記され、説明を受けて合意した特約であれば原則支払い義務があります。ただし「家賃3ヶ月分」など明らかに過大な金額や、説明がなかった場合は無効を主張できます。
Q. 退去時の立ち合いは断れますか?
断れません。ただし、立ち合い時にサインを求められても保留可能です。後日、見積もりを精査してから合意するのが安全です。
Q. 敷金なし物件は退去時にどうなりますか?
敷金がない場合、退去費用はすべて後払い請求になります。請求額の妥当性をしっかり確認しましょう。敷金なしでもガイドラインの負担区分は同じです。
Q. 鍵交換費用は本当に大家負担?
国交省ガイドラインでは「次の入居者のための防犯措置」として大家負担が原則です。ただし契約書に借主負担と明記されていれば有効。判例も契約優先です。
Q. クリーニング業者を自分で手配したら安くなる?
可能ですが、契約書に「指定業者で行う」と書かれていれば指定業者を使う必要があります。指定がなければ、自分で清掃済みの部屋を引き渡せばクリーニング費用を回避できる場合があります。
Q. 退去後に追加請求が来た時の対応は?
請求書の根拠(明細・写真)を要求し、ガイドラインに照らして判断。納得できなければ内容証明で抗議し、消費者センター(188番)へ相談しましょう。
関連シミュレーター
- 賃貸退去費用シミュレーター — 間取り・居住年数・損傷状況から見積もり
- 引越し費用シミュレーター — 距離・荷物量別の引越し料金
- 賃貸 vs 持ち家シミュレーター — 30年スパンの総コスト比較
- 賃貸初期費用シミュレーター — 入居時の敷金・礼金・仲介手数料
- 家賃適正額シミュレーター — 年収から逆算する適正家賃
- 社宅 vs 家賃補助シミュレーター — 引越し時に使える企業の住宅支援
まとめ
退去費用の相場はワンルームで2〜5万円、ファミリーで6〜18万円です。ただし、経年劣化は大家負担が原則。ガイドラインを武器に、正当な費用だけを支払いましょう。
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