くらシム
キャリア

退職するなら何月がベスト?ボーナス・社保・失業給付で損しないタイミング

退職月によって手取りが数十万円変わることをご存知ですか?ボーナス支給後退職の注意点・月末退職vs月中退職の社保差額・有給消化の賢い使い方など、損しない退職タイミングを徹底解説します。

退職日は1日の違いで数万円損をすることがある

退職日の選び方は「区切りがいい日」ではなく、「お金の面で最も有利な日」を選ぶことが重要だ。退職月・退職日によって、ボーナスの支給可否・社会保険料の負担・失業給付の受給タイミング・有給休暇の消化可能日数が変わり、手取り総額に数十万円の差が生じることがある。

特に月末退職か月中(月末1日前)退職かの違いは、当月の社会保険料の負担に直結する。またボーナス支給直後の退職に関しては「返還義務」が規定に盛り込まれている企業もあるため、就業規則の確認が不可欠だ。

本記事では月別・日別の退職タイミングの得失を整理し、最も損をしない退職プランの立て方を解説する。

---

月別の退職メリット・デメリット早見表

日本では多くの企業がボーナスを6月(夏)と12月(冬)に支給する。この時期に合わせた退職タイミングの比較を以下にまとめた。

退職月メリットデメリット総合評価
1月年末調整後で源泉所得税の精算済み年明けは求人が少ない時期普通
2月特になし閑散期で採用活動が少ないやや不利
3月年度末で引き継ぎが区切りよくしやすい翌月から社会保険・住民税の精算が発生普通
4月新年度スタート・転職先を選びやすい春ボーナスを逃す企業もやや有利
5月GW前後で引き継ぎに余裕が取りやすいボーナス前で夏ボーナスを逃す普通
6月夏ボーナス受給後で手元資金が増える支給後すぐ退職は職場の印象に注意有利
7月6月ボーナス受給後の退職に最適な月転職市場は活発だが競争も多い有利
8月採用活動が活発・内定を取りやすいお盆休みで引き継ぎが煩雑になることも有利
9月上半期末で退職の申し出を受け入れやすい冬ボーナスを逃す可能性がある普通
10月下半期の採用活動が活発ボーナス前で冬ボーナスを逃しやすい普通
11月特になし翌月の冬ボーナスを逃すやや不利
12月冬ボーナス受給後で年収最大化年末は採用活動が停滞しやすい有利(ただし1月待機が必要)

年間で最も手取り総額を最大化しやすいのは「ボーナス支給直後の7月または1月退職」で、夏・冬のボーナスを受け取ってから退職することで年収が最大になる。

---

ボーナス支給後退職の注意点

支給後すぐに退職すると返還義務が生じることがある

就業規則に「ボーナス支給後○か月以内に退職した場合は返還する」という規定を設けている企業がある。この場合、ボーナス受給後すぐに退職届を出すと返還が求められる可能性がある。

退職を決めた際は必ず就業規則の「賞与」欄を確認しよう。一般的に返還義務規定がある企業では「支給後3か月以内の退職は全額返還」「支給後1か月以内は100%・2か月以内は50%返還」などの条件が設定されている。

ボーナスの「在籍条件」を確認する

多くの企業はボーナスの支給条件として「支給日に在籍していること」を規定している。つまりボーナス支給日の前日に退職すると、ボーナスを受け取る権利が失われる。

条件例内容
支給日在籍条件あり支給日当日に在籍していないと支給されない
査定期間在籍条件あり査定期間中(例:4〜9月)に退職するとその期間分が不支給
月割支給在籍期間に応じて按分支給する会社もある(転職には有利)

月割支給の企業であれば、ボーナス支給前に退職しても在籍期間分を受け取れる場合があるため、就業規則の内容を人事担当者に確認しておくことが重要だ。

---

月末退職 vs 月中退職の社会保険料差額

退職日が月末かどうかで、当月の社会保険料(健康保険・厚生年金)の負担が変わる。

月末退職の場合

健康保険・厚生年金の被保険者資格は「退職日の翌日」に喪失する。月末日に退職すると翌月1日に資格喪失となるため、退職した月の社会保険料は通常どおり徴収される。

月中退職(例:31日→30日退職)の場合

月末の1日前に退職すると、当月中に資格喪失となるため、当月分の社会保険料は徴収されない。月給30万円の会社員の場合、社会保険料の本人負担は月約4〜5万円であるため、月末1日前の退職で数万円の差が生じることになる。

退職日資格喪失日退職月の社保料負担翌月の社保料
月末日(例:3月31日)4月1日あり(通常通り)国民健康保険または任意継続
月末1日前(例:3月30日)3月30日(当日)なし国民健康保険または任意継続

ただし「月中退職で社保料ゼロ」という節約は、退職翌日からの健康保険の切り替えが必要になり、空白期間が生じる可能性があることに注意が必要だ。切り替え手続きを速やかに行えば問題ないが、手続きが遅れると医療費の全額自己負担になるリスクがある。

---

有給消化の賢い使い方

退職時の有給休暇消化は、退職日を後ろにずらす形で活用するのが一般的だ。

有給残日数と退職日の関係

有給残日数活用方法手取りへの影響
20日以上(消化しきれない)在職中に消化を優先・最終出勤日を早める
10〜20日最終出勤後に連続消化
10日未満退職月前後に分散消化

有給消化中も給与は支払われるため、「最終出勤日=退職日」ではなく「最終出勤日(有給取得開始)→退職日」のスケジュールを組むことで、退職後も数週間〜1か月分の収入を受け取れる。

有給消化と社保の組み合わせ

有給消化中は在職扱いなので社会保険も継続される。この期間中に転職先への入社日を設定できれば、保険の空白期間ゼロで乗り換えが可能だ。退職日・有給消化期間・転職先の入社日を一括で設計することが重要だ。

---

失業給付の受給条件と待機期間

退職後にハローワークで失業給付(雇用保険の基本手当)を受給するには、退職理由によって待機期間が異なる。

自己都合退職と会社都合退職の差

退職区分給付制限期間受給開始目安
会社都合退職(解雇・希望退職等)なし(7日の待機後すぐ受給可能)退職後約3〜4週間
自己都合退職(通常)2か月(2020年10月以降の改正)退職後約3か月
自己都合退職(正当な理由あり)なし(ハローワークで認定が必要)退職後約3〜4週間

2020年の法改正で、自己都合退職の給付制限期間は3か月から2か月に短縮された。さらに5年のうち2回まで、正当な理由なく退職しても2か月の制限に収まるようになった。

失業給付の受給額の目安

退職前給与(月額)給付率1日あたりの基本手当所定給付日数(勤続10年・45歳未満)
20万円約80%約5,300円90日(自己都合)
30万円約70%約7,000円90日(自己都合)
40万円約60%約8,000円90日(自己都合)
50万円約50%約8,370円(上限)90日(自己都合)

90日の給付では月給30万円の人で約21万円 × 3か月 = 約63万円の受給が見込める。この期間を活用した転職活動や資格取得が最も効率的な使い方だ。

---

よくある質問

退職の意思表示はいつまでにすればよいですか?

法律上は退職日の2週間前までに申し出れば退職できる(民法627条)。ただし就業規則では「1か月前・2か月前」と定めている企業が多い。円満退職を目指すなら会社のルールに従いつつも、業務の引き継ぎに必要な期間を逆算して申し出るのが一般的だ。

ボーナスを受け取った直後に退職すると関係が悪くなりませんか?

ボーナスを受け取った直後の退職は職場に気まずさを生むこともある。しかし「ボーナスは在籍した期間の成果に対する報酬」であり、権利として受け取ることは正当だ。事前に転職先の内定を確保し、業務の引き継ぎを丁寧に行うことで、円満退職は十分に可能だ。

月末退職と月中退職、どちらが得ですか?

一概には言えないが、翌月すぐに転職先で社会保険に加入する場合は月末退職の方がシンプルで手続きミスが少ない。退職後しばらく求職活動をする場合は、月中退職で当月の社保料を節約し、その月の国民健康保険に速やかに切り替える方が有利になるケースがある。

有給消化を会社に拒否されることはありますか?

労働者の有給休暇取得は法律で保障されており、会社は「時季変更権」(特定の日を別の日に変更させる権利)は持つが、消化自体を拒否することはできない。退職日が確定した場合、残有給を退職日前に消化することは権利として主張できる。ただし繁忙期や引き継ぎ業務の状況を考慮した協議が現実的だ。

---

退職タイミングシミュレーターで最適な退職月を計算しよう

退職のタイミング選びは、ボーナス・社会保険・有給・失業給付の4つを総合的に考える必要がある。退職タイミングシミュレーターでは、現在の給与・ボーナス支給月・有給残日数・退職希望月を入力するだけで、最も手取り総額が大きくなる退職タイミングを自動計算できる。

「何となく3月末退職」と決める前に、数字で確かめることをおすすめする。数万円の差を生み出す退職日の選び方を、今すぐシミュレーターで確認してみよう。

この記事の内容をシミュレーションしてみましょう

あなたの条件を入力すると、具体的な数字で結果が分かります

シミュレーターを使う

関連記事