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リバースモーゲージとは?仕組み・融資額・リスク・リースバックとの比較

リバースモーゲージの仕組み・融資条件・金利・リスクを徹底解説。主要金融機関の金利比較、リースバックとの違い、3大リスク(長生き・金利・不動産価値下落)、社会福祉協議会の不動産担保型生活資金も紹介。

リバースモーゲージとは?自宅に住み続けながら老後資金を確保する方法

リバースモーゲージは、自宅を担保にして金融機関からお金を借り、死亡後に自宅を売却して返済する仕組みです。通常の住宅ローンとは逆(リバース)で、毎月の返済は利息のみ、元本は死亡時にまとめて返済します。

「老後の生活資金が足りないが、自宅を手放したくない」という方に適した選択肢ですが、金利上昇や不動産価値の下落などのリスクもあります。特に2026年は日銀が9月18日に政策金利を1.25%へ引き上げ、メガバンクの短期プライムレートも11月2日から2.625%に上がる予定で、変動金利が中心のリバースモーゲージには逆風の局面です。この記事では2026年9月に各機関の公式ページで照合した金利をもとに、仕組み・受取額・リスクを整理します。

リバースモーゲージの概要

基本的な仕組み

項目内容
担保自宅(土地+建物)
融資額不動産評価額の50〜70%
借入方法一括受取 / 毎月定額 / 随時引出(枠内)
月々の返済利息のみ、または利息も元本に組み入れて支払いなし(元加型)
元本返済死亡後に自宅を売却して一括返済
利用年齢55〜84歳(金融機関による。社協は65歳以上)
対象物件主に戸建て(マンション対応の機関も増加中)
契約期間終身(死亡まで)

通常の住宅ローンとの比較

項目住宅ローンリバースモーゲージ
目的住宅購入資金老後の生活資金
借入額の推移徐々に減る徐々に増える
月々の返済元本+利息利息のみ
返済完了時自宅が自分のものに自宅を売却して返済
対象年齢20〜65歳程度55〜80歳程度

主要金融機関のリバースモーゲージ比較

主要商品の金利(2026年9月照合)

金融機関商品名金利(変動)利息の扱い対象物件対象年齢
社会福祉協議会不動産担保型生活資金年2.8%(2026年度)元本に組み入れ戸建てのみ65歳以上
東京スター銀行充実人生(利息元加タイプ)年3.85%(基準3.25%+0.6%)元本に組み入れ戸建て・マンション70〜84歳
楽天銀行リバースモーゲージ年3.85%(9・10月実行分)毎月利息のみ自宅等(全国・一部地域除く)金融機関の審査
東京スター銀行充実人生(利払いあり型)年5.20〜6.20%(基準3.25%+1.95〜2.95%)毎月利息のみ戸建て・マンション55〜84歳
三井住友信託銀行不動産活用ローン個別提示利払型/元加型戸建て・マンション(東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・京都・兵庫)60歳以上

出典:東京スター銀行「ローン金利」(基準金利は2026年9月1日時点)、楽天銀行「リバースモーゲージ」、神奈川県社会福祉協議会「不動産担保型生活資金」、三井住友信託銀行「不動産活用ローン」。

以前は「リバースモーゲージの金利は2〜3%台」と説明されることが多かったのですが、短期プライムレートが2026年2月に2.125%、8月に2.375%へ上がり、民間商品の多くは3%台後半〜5%台に移っています。楽天銀行は3月と9月、東京スター銀行は基準金利を毎月公表しており、借りた後も金利は見直されます。社会福祉協議会の金利は「年3%または毎年4月1日時点の長期プライムレートのいずれか低い方」で、2026年4月1日の長プラが2.80%だったため2026年度は2.8%です。長プラは9月に3.40%まで上がっているため、2027年度は上限の3%になる可能性が高いと言えます。

住宅金融支援機構(リ・バース60)

項目内容
名称リ・バース60
取扱機関住宅金融支援機構の提携金融機関(みずほ銀行・イオン銀行・SBIアルヒなど)
金利金融機関ごとに設定(変動金利が中心、全期間固定タイプもあり)
融資限度額担保評価額の50%または60%(上限1億2,000万円、必要資金の範囲内)
用途住宅の建設・購入、リフォーム、住宅ローンの借換え、サ高住の入居一時金など
生活資金利用不可
対象年齢60歳以上(50歳以上60歳未満は融資割合30%)
ノンリコース型死亡時の売却額が融資額を下回っても、相続人に請求しない

リ・バース60は「住まいのための資金」専用で、老後の生活費には使えない点に注意が必要です。生活費を補う目的なら、上の表の民間商品か社会福祉協議会の制度が対象になります。

リ・バース60のノンリコース型は、不動産価値が下落しても相続人が差額を負担する必要がないため、リスクを大幅に軽減できます。

融資額のシミュレーション

不動産評価額別の融資限度額

不動産評価額融資限度額(50%)融資限度額(60%)融資限度額(70%)
1,000万円500万円600万円700万円
2,000万円1,000万円1,200万円1,400万円
3,000万円1,500万円1,800万円2,100万円
5,000万円2,500万円3,000万円3,500万円
8,000万円4,000万円4,800万円5,600万円
1億円5,000万円6,000万円7,000万円

月々の利息負担(金利3.85%の場合)

借入残高月々の利息年間の利息
500万円約16,000円約19.3万円
1,000万円約32,100円約38.5万円
1,500万円約48,100円約57.8万円
2,000万円約64,200円約77万円
3,000万円約96,300円約115.5万円

計算式は「借入残高 × 年利3.85% ÷ 12」です。利息を毎月払うタイプでは、受け取った元金が増えるほど利払いも増えていく点に注意が必要です。

実例:評価額3,000万円・65歳から90歳まで毎月受け取る場合

リバースモーゲージシミュレーターで、評価額3,000万円・融資割合50%(限度額1,500万円)・受取期間25年の年金型を、利息の扱いと金利を変えて計算した結果です。

条件毎月の受取額25年の受取総額利息総額毎月の利払い
元加型・2.8%(社協)約34,500円約1,035万円約465万円(元加)0円
元加型・3.85%(東京スター元加タイプ)約29,700円約892万円約608万円(元加)0円
毎月払い・3.85%(楽天銀行)50,000円1,500万円約724万円(支払い)最終月 約48,100円
毎月払い・5.2%(東京スター利払いあり型)50,000円1,500万円約978万円(支払い)最終月 65,000円

元加型は「元金+利息」が90歳でちょうど限度額1,500万円に達するように受取額を逆算しています。毎月の支払いがない代わりに、限度額の約4割が利息に充てられます。毎月払い型は限度額いっぱい受け取れますが、利息の約724万円を年金などから払い続ける必要があります。どちらも「利息として消えるお金」は600〜1,000万円規模になり、金利が1%前後違うだけで利息総額が140〜250万円変わります。

リースバックとの比較

リースバックは「自宅を売却し、賃貸として住み続ける」方式です。リバースモーゲージとは仕組みが根本的に異なります。

比較テーブル

項目リバースモーゲージリースバック
自宅の所有権自分のまま買い手に移転
資金の受け取り融資(借入)売却代金
月々の支払い利息のみ賃料
資金の金額評価額の50〜70%(分割受取なら利息分は減る)市場価格の60〜80%(一括)
固定資産税本人が負担買い手(オーナー)が負担
相続自宅売却後の残余あれば相続自宅は相続できない
年齢制限55〜84歳(商品による)制限なし
対象物件主に戸建て戸建て・マンション
マンション対応限定的幅広く対応

どちらを選ぶべきか

条件おすすめ
自宅を相続させたいリバースモーゲージ(返済できれば自宅を残せる)
まとまった資金が欲しいリースバック(売却代金を一括で受け取れる)
マンションに住んでいるリースバック(リバースモーゲージはマンション不可の場合が多い)
月々の支払いを安く抑えたいケースバイケース(金利と賃料の比較が必要)
相続人に負担をかけたくないノンリコース型の商品(リ・バース60は住宅資金用)

たとえば評価額3,000万円の自宅をリースバックで評価額の70%(2,100万円)で売却し、年間家賃を売却価格の10%とすると家賃は月17.5万円です。25年住めば家賃総額は5,250万円で、受け取った2,100万円を大きく上回ります。リバースモーゲージ(毎月払い・3.85%)の利息総額約724万円と比べると、長く住み続けるほどリバースモーゲージが有利になる構造です。逆に数年以内に施設へ移る予定なら、まとまった資金が入るリースバックや通常売却(家を売る費用シミュレーターで手取りを確認)が向いています。

リバースモーゲージの3大リスク

1. 長生きリスク

年齢平均余命(男性)平均余命(女性)
60歳23.86年(約84歳)29.07年(約89歳)
65歳19.68年(約85歳)24.52年(約90歳)
70歳15.78年(約86歳)20.10年(約90歳)
75歳12.24年(約87歳)15.88年(約91歳)

出典:厚生労働省「令和7年簡易生命表」

平均余命はあくまで平均で、半数近くの人はそれより長生きします。想定以上に長生きした場合、融資枠を使い切ってしまう可能性があります。特に毎月定額で受け取る方式では、受取総額が融資限度額に達すると新規の借入ができなくなります。上の実例(元加型・3.85%)で予想の90歳より5年長生きすると、受取は止まったまま利息だけが増え、返済額は1,500万円から約1,818万円に膨らみます。

対策: 融資枠は余裕を持って設定し、一括受取は必要最低限にとどめる。

2. 金利上昇リスク

金利借入1,500万円の月額利息年間利息
3.0%約37,500円約45万円
3.85%約48,100円約57.8万円
4.5%約56,300円約67.5万円
5.2%65,000円78万円
6.2%77,500円93万円

リバースモーゲージの多くは変動金利で、短期プライムレートや銀行独自の基準金利に連動します。借入1,500万円なら金利が1%上がるだけで月12,500円、年15万円の負担増です。年金収入が固定の場合、金利上昇が家計を圧迫するリスクがあります。

対策: 金利上昇を想定した余裕のある資金計画を立てる。利息支払いが困難になった場合の代替プランを準備しておく。

3. 不動産価値下落リスク

築年数木造戸建ての建物価値(目安)土地+建物の評価推移
新築100%100%
10年約50%地域による
20年約20%地域による
30年ほぼ0%土地の価値のみ

金融機関は定期的に不動産の評価見直しを行い、評価額が下がると融資限度額が引き下げられることがあります。最悪の場合、借入残高が担保評価額を上回る「担保割れ」が発生します。

対策: ノンリコース型のリ・バース60を選ぶ。戸建ての場合、土地の価値が高い立地が有利。

社会福祉協議会の不動産担保型生活資金

低所得高齢者向けの公的制度

民間のリバースモーゲージとは別に、社会福祉協議会が運営する不動産担保型生活資金という制度があります。

項目内容
運営各都道府県の社会福祉協議会
対象原則65歳以上の低所得高齢者世帯(市町村民税非課税または均等割課税程度)
対象物件戸建て(土地の評価額1,500万円以上が目安)
融資限度額土地評価額の70%
月額上限30万円
金利年3%または毎年4月1日時点の長期プライムレートのいずれか低い方(2026年度は2.8%)
連帯保証人推定相続人の中から1人
貸付期間借受人の死亡時まで、または元利金が限度額に達するまで
返済借受人の死亡後に売却して返済

民間のリバースモーゲージと異なり、低所得者限定で金利も低めに設定されています。利息は毎月払わずに元本へ組み入れられ、「元金+利息」が限度額に達した時点で貸付が終わります。月30万円は上限で、実際の貸付月額は限度額と想定期間から決まります。なお、生活保護を受けている世帯向けには「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」という別枠があります。ただし、融資までに2〜3ヶ月かかることが多く、手続きも煩雑です。

民間リバースモーゲージとの比較

項目社会福祉協議会民間金融機関
対象者低所得高齢者のみ幅広い
金利2.8%(2026年度、上限3%)約3.85〜6.2%
融資限度額評価額の70%評価額の50〜60%
月額上限30万円枠内で自由
審査期間2〜3ヶ月1〜2ヶ月
マンション対応原則不可一部対応

リバースモーゲージに向いている人・向かない人

向いている人

条件理由
自宅(戸建て)を持っている担保にできる不動産がある
相続人が自宅を必要としない死亡後に売却しても問題ない
年金だけでは生活費が足りない月数万円の追加資金を確保できる
自宅のリフォーム費用が必要リ・バース60で対応可能
住宅ローンの残債があるリバースモーゲージで借り換えて月々の返済を軽減

向かない人

条件理由
マンションに住んでいる対応する金融機関が限られる
自宅を子供に相続させたい死亡後に売却されるため相続できない
土地の評価額が低い融資限度額が少なく、実用的でない
配偶者と年齢差が大きい契約者死亡後、配偶者の居住が問題になる場合がある
安定した年金収入がない利息の支払いが困難になるリスク

よくある質問

Q. リバースモーゲージで借りたお金に税金はかかりますか?

リバースモーゲージで受け取るお金は「融資(借入)」であり、収入ではないため所得税・住民税はかかりません。また、年金受給額にも影響しません。ただし、死亡後に自宅を売却する際には譲渡所得税が発生する可能性があります。借入金は相続税の計算で債務として差し引かれるため、自宅の評価額が大きい場合は相続税シミュレーターで影響を確認しておくと安心です。

Q. 利息を毎月払うタイプと元本に組み入れるタイプ、どちらを選ぶべき?

年金などの収入に毎月数万円の余裕があれば、限度額いっぱいまで受け取れる毎月払い型が有利です。年金だけで生活がぎりぎりなら、毎月の支払いがない元加型が安全です。評価額3,000万円・限度額1,500万円・3.85%の例では、毎月払い型は月5万円、元加型は月約2.97万円の受取になります。東京スター銀行は70歳以上なら元加タイプを選べ、社会福祉協議会は元加型のみです。

Q. 借りている途中で金利が上がったらどうなりますか?

変動金利のため、見直し時期ごとに適用金利が変わります。毎月払い型は利払い額が増え、元加型は元本に組み入れられる利息が増えて限度額に早く達します。2026年はメガバンクの短期プライムレートが11月2日から2.625%に上がる予定です。シミュレーターの詳細設定で金利を1〜2%高く設定し、それでも家計が回るかを確かめておきましょう。

Q. 配偶者は契約者の死亡後も住み続けられますか?

金融機関によって対応が異なります。多くの場合、配偶者が連帯債務者として契約に参加していれば、契約者の死亡後も同条件で住み続けることができます。契約前に必ず確認してください。リ・バース60のノンリコース型では、配偶者への引継ぎに対応している商品もあります。

Q. この記事の金利・融資条件はどこから?

金利は2026年9月に各機関の公式ページで照合しました。東京スター銀行「ローン金利」(基準金利3.25%・2026年9月1日時点)、楽天銀行「リバースモーゲージ」(年3.85%・2026年9月/10月実行分)、神奈川県社会福祉協議会「不動産担保型生活資金」の制度案内、日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移」、住宅金融支援機構「リ・バース60」、三井住友信託銀行「不動産活用ローン」、平均余命は厚生労働省「令和7年簡易生命表」です。金利や条件は随時変更されるため、最新情報は各金融機関に直接お問い合わせください。

Q. 数字が実感と合わない場合は?

不動産の評価額は立地・築年数・建物の状態により大きく異なります。また、融資条件は金融機関によって差があります。シミュレーターにご自身の条件を入力して、より正確な試算をご確認ください。不明点はお問い合わせにてご連絡ください。

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自宅の評価額・年齢・受取方法を入力すれば、毎月の受取額・利息総額・死亡時の返済額・相続人に残る額と、主要商品の金利での比較、リースバックとの差を自動計算できます。詳細設定では金利・融資割合・予想寿命・自宅価格の変動も調整できます。リバースモーゲージシミュレーターで、あなたの自宅を活用した老後資金計画を立ててみてください。

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リバースモーゲージは「他の手段で足りない分を補う」最後の選択肢です。借入を検討する前に、まず老後資金の全体像を把握しましょう。

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