失業保険 月30万→72〜108万円受給|給付日数90〜330日・完全ガイド
失業保険(雇用保険基本手当)の受給額を年齢・月給・加入期間・退職理由別に解説。月給30万円なら72〜108万円、給付日数90〜330日。自己都合と会社都合の差・アルバイトの可否・再就職手当も詳しく。
失業保険とは?正式名称は「雇用保険の基本手当」
失業保険の正式名称は「雇用保険の基本手当」です。会社を退職して次の就職先を探している間、生活を支えるために支給される手当です。受給するにはハローワークでの手続きが必要で、「働く意思と能力がある」「仕事を探している」ことが条件となります。
退職時の月給30万円なら総受給額は72万〜108万円、月給40万円なら100万〜180万円にのぼります。条件次第で会社都合扱いになるか/自己都合かで30〜100万円の差が出るため、退職交渉のテーブルでも重要な論点です。具体的な金額は失業保険シミュレーターで年齢・月給・加入年数を入力すると即時に試算できます。
基本手当日額の計算方法
基本手当日額は以下の3ステップで計算されます。
| ステップ | 内容 | 計算式 |
|---|---|---|
| 1 | 賃金日額を算出 | 退職前6ヶ月の賃金総額 ÷ 180 |
| 2 | 給付率を適用 | 賃金日額 × 50〜80% |
| 3 | 上下限チェック | 年齢区分ごとの上限額を超えないか確認 |
給付率は賃金日額が低いほど高くなる仕組みです。月給20万円の方は約80%、月給40万円の方は約50〜60%程度になります。
基本手当日額の上限額(2026年度)
| 年齢区分 | 上限額(日額) | 月額換算(30日) |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 7,065円 | 約21.2万円 |
| 30〜44歳 | 7,845円 | 約23.5万円 |
| 45〜59歳 | 8,635円 | 約25.9万円 |
| 60〜64歳 | 7,420円 | 約22.3万円 |
※下限額は全年齢共通で2,259円。毎年8月1日に改定(厚生労働省告示)。
給付日数は退職理由で大きく変わる
失業保険の給付日数は、退職理由によって大きく異なります。
自己都合退職の場合(全年齢共通)
| 加入期間 | 給付日数 |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
会社都合退職(特定受給資格者)の場合
| 加入期間 | 30歳未満 | 30〜34歳 | 35〜44歳 | 45〜59歳 | 60〜64歳 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1年未満 | 90日 | 90日 | 90日 | 90日 | 90日 |
| 1〜4年 | 90日 | 120日 | 150日 | 180日 | 150日 |
| 5〜9年 | 120日 | 180日 | 180日 | 240日 | 180日 |
| 10〜19年 | 180日 | 210日 | 240日 | 270日 | 210日 |
| 20年以上 | — | 240日 | 270日 | 330日 | 240日 |
会社都合退職(倒産・解雇など)の場合、年齢が45〜59歳で加入期間20年以上なら最大330日も受給できます。自己都合退職の最大150日と比べると、実に2.2倍の差があります。
「特定理由離職者」の認定範囲
会社都合に近い扱いになる「特定理由離職者」も、給付制限なし+優遇給付日数が適用されます。
- 体力不足・疾病・負傷・心身障害による退職
- 妊娠・出産・育児による退職(受給期間延長後)
- 介護による退職
- 通勤困難(配偶者の転勤・親の介護等)
- 契約期間満了で更新を希望したが認められなかった
- ハラスメント・賃金未払い・サービス残業を理由とする退職
該当する場合は退職時に証拠(医師の診断書・勤務記録・メール等)を必ず確保しましょう。
具体的な受給額シミュレーション
ケース1: 月給30万円・35歳・加入期間10年
- 賃金日額: 30万円 × 6 ÷ 180 = 10,000円
- 給付率: 約60%(賃金日額に応じて変動)
- 基本手当日額: 約6,000円
→ 自己都合退職なら120日分で約72万円、会社都合退職なら210日分で約126万円
ケース2: 月給40万円・48歳・加入期間20年
- 賃金日額: 40万円 × 6 ÷ 180 = 13,333円
- 給付率: 約50%
- 基本手当日額: 約6,665円
→ 自己都合退職なら150日分で約100万円、会社都合退職なら330日分で約220万円
ケース3: 月給22万円・26歳・加入期間4年
- 賃金日額: 22万円 × 6 ÷ 180 = 7,333円
- 給付率: 約75%(低所得は給付率が高い)
- 基本手当日額: 約5,500円
→ 自己都合退職なら90日分で約49.5万円、会社都合退職なら90日分で約49.5万円(短期の場合は同じ)
自己都合退職の「2ヶ月の壁」
自己都合退職の場合、7日間の待期期間に加えて2ヶ月間の給付制限があります。つまり退職してから実際にお金を受け取れるのは約2ヶ月半後です。この間の生活費を確保しておくことが重要です。
退職から初回入金までのタイムライン(自己都合)
| 経過日数 | できごと |
|---|---|
| 0日目 | 退職、離職票受け取り(1〜2週間後に郵送が一般的) |
| 7〜14日後 | ハローワークで求職申込・受給資格決定 |
| +7日 | 待期期間満了 |
| +2ヶ月 | 給付制限期間満了 |
| +約4週間 | 初回認定日(1日でも早く転職活動を開始する必要あり) |
| 認定日の3〜5営業日後 | 初回振込(待期後8日〜認定日前日分) |
退職から初回振込まで約3〜3.5ヶ月かかります。生活費の目安として退職前後の必要資金シミュレーターで必要貯蓄額を確認しましょう。
なお、2020年10月以降、5年間で2回目までの自己都合退職は給付制限が3ヶ月から2ヶ月に短縮されました。3回目以降は3ヶ月のままです。
アルバイト・副業との併給ルール
「失業保険をもらいながら短期バイトしてもいい?」はよくある質問です。条件付きで可能です。
| 1日の労働時間 | 1日の収入 | 取り扱い |
|---|---|---|
| 4時間未満 | 控除額(1,318円)以下 | 全額支給 |
| 4時間未満 | 控除額超 | 賃金日額×0.8を超える分が減額 |
| 4時間以上 | — | その日の基本手当は不支給(繰り越し) |
無申告は不正受給とみなされ、支給額の3倍返還+詐欺罪での告発もあり得ます。必ずハローワークの「失業認定申告書」に記入してください。
副業(業務委託・個人事業主)も「就労」と判断される場合があるため、開始前にハローワークに相談を。
再就職手当(早く決めればボーナスがもらえる)
支給残日数を3分の1以上残して再就職した場合、再就職手当が支給されます。
| 残日数 | 給付率 | 計算式 |
|---|---|---|
| 残3分の2以上 | 70% | 残日数 × 基本手当日額 × 0.7 |
| 残3分の1以上 | 60% | 残日数 × 基本手当日額 × 0.6 |
例: 給付日数120日のうち100日残して再就職(日額6,000円)
- 残日数100日(残約83%)→ 給付率70%
- 再就職手当: 100 × 6,000 × 0.7 = 42万円
「失業期間を伸ばすより早く決めた方が得」になることも多いので、転職市場の状況は転職ROIシミュレーターで確認しましょう。
失業保険にかかる税金・社会保険
| 項目 | 取り扱い |
|---|---|
| 所得税 | 非課税(雇用保険法第12条) |
| 住民税 | 非課税 |
| 健康保険 | 任意継続 or 国民健康保険 or 家族の扶養(受給中は扶養に入れないことが多い) |
| 国民年金 | 自己負担(学生・低所得は免除申請可) |
健康保険の保険料は国民健康保険シミュレーター、年金支給額の見込みは年金額シミュレーターで確認できます。
受給期間延長制度(出産・介護・病気で受け取れない時)
退職後すぐに働けない理由がある場合、受給期間(原則1年)を最長4年まで延長できます。
- 妊娠・出産・育児(30日以上)
- 病気・けが(30日以上)
- 親族の介護(30日以上)
延長申請は「働けなくなった日から30日経過後の翌日から1ヶ月以内」と短いため、早めの手続きが必須です。
退職時のチェックリスト
- [ ] 離職票の発行依頼(1〜2週間後に届く)
- [ ] 退職理由の記載確認(自己都合 / 会社都合 / 特定理由)
- [ ] 雇用保険被保険者証の受け取り
- [ ] 源泉徴収票の入手
- [ ] 健康保険の選択(任意継続 / 国保 / 扶養)
- [ ] 年金の切り替え(厚生年金→国民年金)
- [ ] 住民税の納付方法決定(一括 / 普通徴収)
主な出典
- 厚生労働省「ハローワークインターネットサービス・基本手当について」
- 厚生労働省告示「雇用保険の基本手当日額・上限額の改定」(毎年8月)
- 雇用保険法・施行規則
- 国税庁タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」
よくある質問
Q. 退職金が出た場合、失業保険はもらえなくなりますか?
退職金は失業保険の受給に影響しません。退職金は離職前の労働の対価であり、失業中の生活保障である基本手当とは性質が異なるためです。
Q. 失業保険をもらいきってから就職するのと、早く決めて再就職手当をもらうのはどちらが得?
日額や残日数によりますが、再就職手当の方が得になるケースが多いです。「残期間中の生活費+転職活動疲れ+ブランク評価リスク」を考慮すると、早期就職が合理的です。
Q. 海外移住予定でも失業保険はもらえますか?
海外で就職活動はできないため、原則受給対象外です。日本国内での求職活動が前提となります。
Q. 派遣切りや契約満了は会社都合扱いになりますか?
「契約更新を希望したが更新されなかった」場合は特定理由離職者となり、会社都合に準じた扱いになります。離職票で必ず「離職理由」を確認し、誤りがあればハローワークで異議申立てを行いましょう。
Q. 失業中の住民税はどうなりますか?
前年所得に基づき課税されるため、退職翌年の6月から負担が発生します。一括払い・普通徴収(4回払い)が選べます。生活費に大きく影響するので、退職前に住民税シミュレーターで翌年の負担を確認しておきましょう。
関連シミュレーター
- 失業保険シミュレーター — 基本手当日額・給付日数・総受給額
- 転職ROIシミュレーター — 転職による生涯年収の差を試算
- 国民健康保険シミュレーター — 退職後の健康保険料
- 年金額シミュレーター — 失業期間が将来年金に与える影響
- 住民税シミュレーター — 翌年の住民税負担
- 家計予算配分シミュレーター — 失業中の生活費見直し
シミュレーターであなたの受給額を計算しよう
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