法人化シミュレーター個人事業主→法人の損得を比較
年間売上と経費率を入力すると、個人事業主のままと法人化した場合の手取り額を比較できます。標準設定(40歳・東京・独身)では売上−経費の利益が約560万円(経費率30%なら売上約800万円)が損益分岐点で、売上1,000万円なら個人事業主の手取り約481万円に対し法人化は約513万円(役員報酬110万円+法人に残る利益)と年約32万円有利になります。配偶者を扶養していると分岐点は売上約560万円まで下がります。
法人化の損得は「税率の差」だけでは決まりません。役員報酬に使える給与所得控除(最低74万円)、法人税の軽減税率15%(年800万円以下)と法人住民税・事業税、赤字でも発生する均等割7万円と税理士費用、協会けんぽの都道府県別料率(東京9.85%など。40〜64歳は介護1.62%、全員に子ども・子育て支援金0.23%)と厚生年金18.3%。本シミュレーターはこれらを令和8年度の数値で織り込み、手取りが最大になる役員報酬を自動探索します(実際に払う役員報酬を指定して比べることもできます)。
法人化を検討する段階なら、まず個人事業主の税金シミュレーターで現在の負担を確認し、青色申告のメリットや会社員との手取り比較も合わせてどうぞ。制度の詳しい解説は法人化の損益分岐点ガイドにまとめています。
あなたの事業条件
比較結果
年間コスト差額
7,707円 おトク
法人化 の方がお得です
個人事業主
155.9万円/年
月 129,901円
法人化
155.1万円/年
月 129,259円
個人事業主 手取り
404.1万円/年
月 33.7万円 | 負担率 19.5%
法人化 手取り
404.9万円/年
月 33.7万円 | 負担率 19.4%
法人化の手取り = 役員個人の手取り 94.2万円 + 法人に残る税引後利益 310.7万円
個人事業主の手取り = 売上 − 経費 − 国保・国民年金 − 所得税・住民税・事業税
最適な役員報酬
110万円
月額 91,667円
役員手取り+法人の税引後利益が最大になる額(10万円刻み)
法人化の損益分岐点
売上 800万円〜
経費率30%の場合
この売上以上なら法人化が有利
年間コスト内訳
累計コスト推移
費用詳細
| 費目 | 個人事業主 | 法人化 |
|---|---|---|
| 国民健康保険 | 655,363円 | - |
| 国民年金 | 215,040円 | - |
| 所得税 | 196,950円 | - |
| 住民税 | 356,459円 | - |
| 個人事業税 | 135,000円 | - |
| 社会保険(会社負担) | - | 162,204円 |
| 社会保険(本人負担) | - | 158,400円 |
| 法人税等 | - | 930,501円 |
| 所得税(役員) | - | - |
| 住民税(役員) | - | - |
| 税理士費用 | - | 300,000円 |
| 合計(年間) | 1,558,812円 | 1,551,105円 |
計算の前提条件を確認
| パラメータ | 値 | 根拠 |
|---|---|---|
| 所得税率 | 5〜45%(7段階)+復興特別所得税2.1% | 所得税法・国税庁タックスアンサーNo.2260 |
| 基礎控除 | 所得税104万〜62万円/住民税43万円 | 令和8年分の所得階層別(合計所得489万円以下104万円・655万円以下67万円・2,350万円以下62万円)。国税庁「令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等)Q&A」 |
| 給与所得控除(役員報酬) | 74万〜195万円 | 令和8年度改正後(190万円以下は一律74万円)。国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」 |
| 青色申告特別控除 | 65万円(選択可) | 令和8年分は65万円(複式簿記+e-Tax)。令和9年分から75万円(e-Tax+優良電子帳簿)/65万円/10万円に見直し(令和8年度税制改正) |
| 個人事業税 | 5%(業種により0〜5%) | 地方税法72条の49の17。事業主控除290万円、青色申告特別控除は適用外 |
| 国民健康保険 | 地域別の令和8年度料率 | 所得割(所得−43万円)+均等割(世帯人数分)。東京23区・大阪市・名古屋市・福岡市の令和8年度料率、賦課限度額(医療67万・支援26万・子ども3万・介護17万) |
| 国民年金 | 17,920円/月 | 日本年金機構(令和8年度)。60歳未満の本人と配偶者 |
| 健康保険(協会けんぽ) | 東京9.85%・大阪10.13%・愛知9.93%・福岡10.11% | 全国健康保険協会「令和8年度保険料額表」(全国平均9.90%)。標準報酬月額5.8万〜139万円、労使折半 |
| 介護保険・子ども・子育て支援金 | 1.62%(40〜64歳)・0.23% | 協会けんぽ令和8年度(介護は全国一律、支援金は令和8年4月分から) |
| 厚生年金 | 18.3% | 標準報酬月額8.8万〜65万円、労使折半。子ども・子育て拠出金0.36%(事業主のみ) |
| 法人税 | 15%/23.2% | 中小法人の軽減税率(年800万円以下の部分)は2027年3月31日までに開始する事業年度。地方法人税は法人税額の10.3% |
| 防衛特別法人税 | (法人税額−500万円)×4% | 2026年4月1日以後に開始する事業年度から。法人税額500万円(所得約2,400万円)以下なら0円 |
| 法人住民税 | 法人税割7.0%+均等割7万円 | 標準税率(道府県1.0%+市町村6.0%)。均等割は資本金1,000万円以下・従業者50人以下 |
| 法人事業税 | 3.5%/5.3%/7.0%+特別法人事業税37% | 所得400万円以下/800万円以下/超の標準税率。翌期に損金算入される分を毎年同額とみなして控除 |
| 小規模企業共済 | 月1,000円〜7万円 | 中小機構。個人事業主・小規模な会社の役員とも全額所得控除 |
| iDeCo上限 | 自営業 年90万円/法人役員 年74.4万円 | 2026年12月1日施行の改正後(厚生労働省) |
よくある質問
この計算の前提データはどこから?
所得税は国税庁の速算表と令和8年度税制改正後の基礎控除(合計所得489万円以下104万円・655万円以下67万円・2,350万円以下62万円、住民税43万円)・給与所得控除(最低保障74万円)、社会保険は全国健康保険協会「令和8年度保険料額表」(東京9.85%・大阪10.13%・愛知9.93%・福岡10.11%、介護1.62%は40〜64歳のみ、子ども・子育て支援金0.23%)と厚生年金18.3%、国保は東京23区・大阪市・名古屋市・福岡市の令和8年度料率、国民年金は令和8年度の月17,920円です。法人側は中小法人の軽減税率15%(2027年3月末までに開始する事業年度)、地方法人税10.3%、防衛特別法人税(2026年4月以後開始事業年度)、法人住民税(法人税割7.0%+均等割7万円)、法人事業税と特別法人事業税(標準税率)を反映しています。小規模企業共済は中小機構、iDeCo上限は厚生労働省の2026年12月施行の改正内容に基づきます。
法人化の損益分岐点はいくら?
標準設定(40歳・東京・独身・青色65万円・事業税5%・税理士費用30万円)では、売上−経費の利益が約560万円のあたりが分岐点です。経費率30%なら売上800万円(法人化が年約0.8万円有利のほぼ拮抗)、経費率10%なら620万円、50%なら1,110万円。売上1,000万円(経費率30%)なら法人化が年約32万円有利になります。配偶者を扶養している場合は、国保の均等割と配偶者の国民年金(年21.5万円)がなくなるため分岐点が売上560万円まで下がり、逆に40歳未満(介護保険料なし)なら830万円、事業税がかからない業種なら840万円に上がります。
最適役員報酬が年110万円前後と低く出るのはなぜ?
本シミュレーターは「役員個人の手取り+法人に残る税引後利益」の合計を最大化する役員報酬を10万円刻みで探索します。役員報酬が年110万円(月約9.2万円)なら給与所得控除74万円と基礎控除104万円で所得税・住民税がほぼかからず、社会保険料も下限に近い等級で済みます。それ以上の報酬には社会保険料(労使計約30%)と所得税がかかるため、法人税等(実効約22%)で利益を法人に残す方が合計では得、という計算です。ただし法人に残したお金を個人で使うには将来の役員報酬・配当・退職金として別途課税され、生活費・厚生年金額・住宅ローン審査も考えると現実の役員報酬はもっと高く設定するのが一般的です。詳細設定の「役員報酬を指定」で実際に払う額を入れて比べてください(例: 売上800万円で役員報酬360万円なら個人事業主が年約34万円有利)。
小規模企業共済は法人化しても使える?
使えます。小規模企業共済は個人事業主だけでなく、常時使用する従業員が20人(商業・サービス業は5人)以下の会社の役員も加入でき、掛金(月1,000円〜7万円)は役員個人の所得から全額控除されます(小規模企業共済等掛金控除)。法人成り後も個人事業主時代の掛金期間を通算して継続できる場合があります。ただし役員報酬を低く抑えると控除しきれず節税効果がなくなるため、本シミュレーターでも共済掛金を入れると法人側の役員報酬との兼ね合いで結果が変わります。
法人化のデメリットは?
(1)設立費用(株式会社約25万円、合同会社約10万円)。(2)赤字でも法人住民税均等割(約7万円/年)が発生する。(3)社会保険への加入が必須で、役員報酬が低くても下限の等級分の保険料がかかる。(4)税理士への顧問料(年30万円前後)。(5)決算・申告が複雑になる。(6)役員報酬は原則として期中に変更できない(定期同額給与)。(7)法人のお金を個人が自由に使えない。
合同会社と株式会社の違いは?
合同会社は設立費用が約10万円と安く(株式会社は約25万円)、決算公告の義務がなくランニングコストも低いです。一人社長や小規模ビジネスに適しています。株式会社は社会的信用度が高く、将来的な資金調達や上場を見据える場合に有利です。税制面での違いはほぼありません。
消費税の免税メリットはありますか?
資本金1,000万円未満の新設法人は、設立から最大2年間は消費税の納税が免除される場合があります(特定期間の売上・給与が1,000万円超などの例外あり)。ただしインボイス登録をすると免税メリットはなくなります。本シミュレーターは消費税を個人・法人とも計算に含めていません。
数字が実感と合わない場合は?
国保料は市区町村で、法人の税率も自治体の超過課税で少し変わります。詳細設定で年齢・地域・業種(事業税)・青色申告特別控除・配偶者や扶養・小規模企業共済・iDeCo・税理士費用・役員報酬を実態に合わせると近づきます。住民税や国保は実際には前年所得で決まるため、法人成り初年度は前年(個人事業主時代)の所得に基づく住民税・国保の支払いが残る点にもご注意ください。正確な比較は税理士にご相談いただき、計算誤りにお気づきの場合はお問い合わせからご連絡ください。
🏢 独立・開業のお金を総点検
法人化の前後で変わるのは税金だけではありません。個人事業主のままの税負担・青色申告の節税額・会社員との比較も合わせて見ると判断しやすくなります。
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