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養育費の相場はいくら?年収別の算定表と計算方法を解説

養育費の相場を裁判所の算定表に基づいて年収別に解説。子どもの人数・年齢別の早見表、支払期間と総額、2026年民法改正の法定養育費、取り決めの注意点をまとめました。

養育費は裁判所の算定表で「相場」が決まる

養育費の金額は、支払う側(義務者)と受け取る側(権利者)の年収子どもの人数と年齢で決まります。最高裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」が実質的な相場になっており、調停や審判でもこの表がベースになります。

算定表は2019年(令和元年)12月に改定され、以前より全体的に1〜2万円増額された水準になっています。ただし算定表はあくまで目安であり、子どもの教育費や医療費など特別な事情がある場合は加算されることもあります。

目安の水準を先に示すと、支払う側の年収500万円・受け取る側100万円・子ども1人(0〜14歳)で月4〜6万円です。同じ年収条件でも、子どもが15歳以上なら月6〜8万円、子ども2人(ともに0〜14歳)なら月7〜8万円と、年齢と人数で大きく変わります。自分の条件での金額は養育費シミュレーターに双方の年収と子どもの情報を入れれば、月額・年額・20歳までの総額まで一度に確認できます。

養育費の支払いが子どもの将来にどう影響するか気になる方は、教育費シミュレーターで幼稚園から大学までの総額を確認しておくと、必要な金額のイメージが具体的になります。

なお、この記事の早見表の数値は、すべて養育費シミュレーターの実装(裁判所の算定表を1万円刻みに簡略化した内蔵テーブル)で検算した値です。裁判所の算定表原本は2万円刻みのレンジ(例:「4〜6万円」)で表示されるため、セルによって幅の切り方が異なる場合があります。調停・審判で使われるのは裁判所の算定表原本ですので、正確な確認は裁判所公表の資料もあわせてご覧ください。

年収別の養育費早見表

子ども1人(0〜14歳)の場合

支払う側の年収受け取る側の年収0円受け取る側100万円受け取る側200万円
300万円2〜4万円2〜3万円1〜2万円
400万円4〜6万円3〜4万円2〜3万円
500万円6〜8万円4〜6万円3〜4万円
600万円6〜8万円6〜7万円4〜6万円
700万円8〜10万円7〜8万円6〜7万円
800万円10〜12万円8〜10万円7〜8万円

子ども1人(15〜19歳)の場合

子どもが15歳以上になると生活費指数が62から85に上がるため、同じ年収でも金額が高くなります。

支払う側の年収受け取る側の年収0円受け取る側100万円受け取る側200万円
300万円4〜6万円2〜4万円2〜3万円
400万円6〜8万円4〜6万円3〜4万円
500万円8〜10万円6〜8万円5〜6万円
600万円10〜12万円8〜10万円7〜8万円
700万円12〜14万円10〜12万円9〜10万円
800万円14〜16万円12〜14万円11〜12万円

子ども2人(第1子・第2子とも0〜14歳)の場合

支払う側の年収受け取る側の年収0円受け取る側100万円受け取る側200万円
400万円6〜8万円5〜6万円4〜5万円
500万円8〜10万円7〜8万円6〜7万円
600万円10〜12万円9〜10万円8〜9万円
700万円12〜14万円11〜12万円10〜11万円
800万円14〜16万円13〜14万円12〜13万円

子どもの人数別・月額早見表(受け取る側の年収100万円の場合)

子どもの人数ごとの水準を、受け取る側の年収を100万円(パート勤務相当)に固定して比較したのが次の表です。子どもは全員0〜14歳の前提です。

支払う側の年収子1人子2人子3人
300万円2〜3万円3〜4万円4〜5万円
400万円3〜4万円5〜6万円6〜8万円
500万円4〜6万円7〜8万円9〜10万円
600万円6〜7万円9〜10万円11〜12万円
700万円7〜8万円11〜12万円14〜16万円
800万円8〜10万円13〜14万円17〜18万円
900万円10〜12万円15〜16万円19〜20万円
1,000万円12〜13万円17〜18万円22〜24万円
1,200万円14〜16万円21〜22万円27〜28万円
1,500万円18〜20万円27〜28万円34〜36万円

人数が2倍になっても金額は2倍にはなりません。算定表は「同じ世帯で暮らしたと仮定した場合の生活費の按分」で作られているため、子ども1人あたりの単価は人数が増えるほど下がる構造です。

子どもが15歳以上(高校生以上)になると、上の表からおおむね2〜4万円増えます(例: 年収500万円・子1人なら4〜6万円→6〜8万円、年収700万円なら7〜8万円→10〜12万円)。高校生以降は塾・家庭教師の費用もかさむため、養育費の増額を検討するタイミングです。年齢の組み合わせが混在する場合(例: 10歳と16歳の2人)も、養育費シミュレーターなら子どもごとの年齢を入れてそのまま計算できます。

養育費の総額

月額で見ると数万円でも、支払いは10年以上続きます。総額で捉えておくことが、取り決め時の交渉でも家計設計でも重要です。

月5万円で子どもが3歳の場合

  • 支払期間: 3歳〜20歳 = 17年間
  • 月額5万円 × 12ヶ月 × 17年 = 1,020万円

月4万円で子どもが10歳の場合

  • 支払期間: 10歳〜20歳 = 10年間
  • 月額4万円 × 12ヶ月 × 10年 = 480万円

算定表ベースの実例(年収500万円・100万円・子1人5歳)

養育費シミュレーターでの試算では、支払う側の年収500万円・受け取る側100万円・子ども1人(5歳・0〜14歳区分)の場合、月額4〜6万円 × 20歳までの15年間で総額720〜1,080万円になります。同じ子どもが3歳なら17年間で816〜1,224万円です。

養育費の総額は数百万〜1,000万円を超える金額になります。大学進学まで考える場合は、大学学費シミュレーターで国公立・私立ごとの費用を把握しておくと、支払期間や金額の交渉材料になります。

また、養育費とは別に児童手当を受け取れる場合があります。2024年の拡充により高校生まで支給対象になったため、養育費と合わせた収支を確認しておきましょう。

支払う側・受け取る側、それぞれの家計への影響

養育費の取り決めは「算定表の数字」だけでなく、支払った後・受け取った後の家計が回るかまで見て決めるのが現実的です。

支払う側: 手取りに対する負担率を確認する

年収500万円の会社員の手取りは月32万円前後です。月5万円の養育費は手取りの約15%にあたり、家賃・食費と並ぶ固定費になります。自分の手取り額は手取り計算シミュレーターで正確に把握し、住居費や再婚後の生活費と合わせて無理なく続けられる水準かを確認しましょう。養育費は「満額を数年で滞納する」より「継続できる金額を最後まで払い切る」ほうが、子どもにとっても確実にプラスです。

受け取る側: 養育費込みの収支を設計する

母子家庭の場合、収入源は「自身の給与+養育費+児童手当+児童扶養手当」の組み合わせになります。ひとり親家庭の家計シミュレーターを使うと、これらを合算した毎月の収支と、足りない場合の対策(就労収入の増加、支出の見直し)まで一度に確認できます。養育費は後述のとおり不払いリスクがあるため、養育費がなくても最低限回る家計を設計しておくのが安全です。

養育費の決め方の流れ

養育費は段階的に決めていきます。最初から裁判になるわけではありません。

ステップ1: 協議(話し合い)

まずは当事者同士で話し合います。金額・支払期間・支払方法(振込日など)を決め、合意できれば公正証書にまとめます。費用も時間も最も少なく済む方法です。話し合いの土台として、養育費シミュレーターで算定表ベースの目安を双方が共有しておくと、金額の交渉が感情論になりにくくなります。

ステップ2: 調停(家庭裁判所)

協議がまとまらない場合、家庭裁判所に「養育費請求調停」を申し立てます。調停委員が間に入って話し合いを仲介してくれます。

  • 申立費用: 収入印紙1,200円 + 郵便切手代
  • 期間の目安: 3〜6ヶ月(月1回程度の期日)

ステップ3: 審判(裁判官の決定)

調停でも合意できない場合、裁判官が算定表をベースに金額を決定します。審判の結果には法的拘束力があり、不払い時は強制執行が可能です。

離婚に伴う養育費の取り決めでは、弁護士費用や慰謝料なども含めた総費用を把握しておくことが重要です。離婚にかかる費用シミュレーターで全体像を確認できます。

2026年民法改正と法定養育費制度

2026年に施行される改正民法では、法定養育費制度が新たに導入されます。これは養育費の不払い問題を解消するための大きな制度変更です。

法定養育費とは

離婚時に養育費の取り決めをしなかった場合でも、法律で定められた最低限の養育費を請求できる制度です。これまでは取り決めがないと請求の根拠が弱く、泣き寝入りするケースが多くありました。

主なポイント

  • 取り決めがなくても請求可能: 離婚届を出しただけで、法定養育費の請求権が発生
  • 先取特権の付与: 法定養育費には先取特権が認められ、他の債権より優先して回収できる
  • 金額は法務省令で規定: 具体的な金額は法務省令で定められる予定

既存の取り決めとの関係

すでに養育費を取り決めている場合は、その金額が優先されます。法定養育費はあくまで「取り決めがない場合のセーフティネット」という位置づけです。法定養育費は最低限の水準にとどまる見込みのため、算定表ベースの適正額を受け取りたい場合は、これまでどおり協議・調停での取り決めが基本になります。

養育費の取り決めで注意すべきこと

書面で残す

口約束では後からトラブルになります。公正証書で作成すると、不払い時に強制執行(給与差し押さえ等)が可能になります。

  • 公正証書の作成費用: 5,000〜30,000円程度(取り決める養育費の総額に応じた手数料)
  • 作成場所: 最寄りの公証役場

支払期間

一般的に子どもが20歳になるまで。ただし、大学進学を前提とする場合は「22歳の3月まで」と取り決めるケースも増えています。2022年の民法改正で成年年齢が18歳に引き下げられましたが、養育費の支払期間には直接影響しないとされています。

増額・減額の変更

以下の場合、家庭裁判所に養育費の変更を申し立てられます。

  • 増額請求: 子どもの進学、病気、受け取る側の収入減
  • 減額請求: 支払う側の失業・収入減、再婚による扶養増

養育費の不払い問題

養育費を取り決めた人のうち、実際に受け取れているのは約24%(母子家庭の場合)。不払いを防ぐために:

  1. 公正証書を作成する
  2. 民事執行法の改正により、財産開示手続きが強化(2020年〜)
  3. 養育費保証サービスの活用(保証会社が立て替え)
  4. 2026年改正民法の法定養育費制度を活用する

養育費と税金

  • 受け取る側: 養育費は非課税(所得税・住民税がかからない)
  • 支払う側: 養育費は所得控除の対象外(経費にならない)

ただし、一括で受け取ると贈与税の対象になる場合があります。毎月の分割払いが原則です。

よくある質問(FAQ)

Q. この記事の数字の前提データはどこから?

早見表の金額は、最高裁判所が令和元年(2019年)12月に公表した「養育費・婚姻費用算定表(改定標準算定表)」の給与所得者の表に基づき、当サイトの養育費シミュレーターの実装(算定表を1万円刻みのレンジに簡略化した内蔵テーブル)で全セルを検算した値です。算定表は、給与所得者の基礎収入割合と子の生活費指数(0〜14歳: 62、15歳以上: 85)から作成されています。裁判所の算定表原本は2万円刻みのレンジ表示のため、本記事の表とは幅の切り方が異なるセルがあります。調停・審判では裁判所公表の算定表原本が使われます。

Q. 再婚したり、子どもが養子縁組したら養育費はどうなる?

支払う側が再婚して新たに扶養家族が増えた場合、生活費の負担が増えるため減額請求の理由になります。受け取る側が再婚しただけでは養育費は原則なくなりませんが、再婚相手と子どもが養子縁組をすると、再婚相手が第一次的な扶養義務者になるため、実父・実母の養育費は免除または大幅減額が認められるのが実務の傾向です。いずれも自動的に変わるわけではなく、当事者の合意か家庭裁判所への調停・審判の申し立てが必要です。

Q. 支払う側が自営業(個人事業主)の場合、年収はどう見る?

算定表は給与所得者用と自営業者用で見方が異なります。給与所得者は源泉徴収票の「支払金額」(額面年収)を使いますが、自営業者は確定申告書の「課税される所得金額」をベースに、実際には支出していない青色申告特別控除などを足し戻した金額を使います。同じ「年収400万円」でも自営業者の400万円(所得ベース)は給与の約500〜600万円に相当するため、算定表上の養育費は高くなります。当サイトの養育費シミュレーターは給与所得者の表に基づいているため、自営業者の場合は目安が変わる点にご注意ください。

Q. 大学の学費は養育費に上乗せできる?

算定表の金額は公立学校の教育費相当を織り込んだ水準のため、私立大学の学費や下宿費用はそのままではカバーされません。大学進学時の費用は「養育費とは別枠の特別費用」として、入学金・授業料を父母の収入割合で分担する取り決めをするのが実務的です。取り決めの段階で大学学費シミュレーターを使って国公立・私立別の総額を共有し、「進学時に半額ずつ負担」のように具体的に書面へ残しておくと後の紛争を防げます。不足分は奨学金返済シミュレーター教育ローンシミュレーターで借入時の返済負担も確認しておきましょう。

Q. 早見表の数字が実感と合わない場合は?

考えられる原因は3つあります。(1) 年収の見方の違い — 手取りではなく税込の額面年収(自営業者は所得ベース)で見る必要があります。(2) 個別事情による増減 — 私立学校の学費、子どもの医療費、住宅ローン負担などがあると算定表から増減されます。(3) 本記事の表は1万円刻みの簡略版のため、裁判所の算定表原本と幅の切り方が異なるセルがあります。まずは養育費シミュレーターでご自身の条件のまま再計算し、それでも数字に疑問がある場合はお問い合わせフォームからご連絡ください。

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