「赤字じゃないのに貯まらない」を月2.8万円改善|39歳・世帯年収720万円の固定費総点検ケーススタディ
神奈川県郊外の共働き世帯(夫39歳・妻37歳・子2人)が、夏のボーナス前に固定費を総点検。通信・電気・保険・サブスクの4分野で月2.8万円(年34万円)を削減した実例を、見直し前後の家計表とチェックリストで公開。
「毎月、赤字を出しているわけじゃない。なのに、なぜか貯金がほとんど増えていかないんです」
そう話すのは、神奈川県の郊外に住む田村さん(仮名・39歳)。妻の真理子さん(仮名・37歳)はパート勤務、子どもは小学5年生と小学2年生の2人。世帯年収は720万円で、数字だけ見れば「困っていない家計」です。住宅ローンを抱えながらも毎月の収支はわずかにプラス——にもかかわらず、預金残高はこの3年ほど横ばいでした。
夏のボーナスを前に「一度、毎月の固定費を全部書き出してみよう」と決めた田村さん。洗い出してみると、手をつけていなかった固定費が月7万円以上に膨らんでいました。本記事は、その総点検の一部始終を追ったケーススタディです。
見直し前の固定費:4分野で月77,300円
まず田村家が紙に書き出した「毎月ほぼ自動で出ていくお金」のうち、削減余地のある4分野は次のとおりでした。
| 分野 | 内容 | 月額 |
|---|---|---|
| 通信費 | 大手キャリア2回線 + 自宅の光回線 | 21,500円 |
| 電気・ガス | 既存の地域電力・都市ガス | 18,000円 |
| 保険 | 夫婦の生命保険・医療保険(5本) | 28,000円 |
| サブスク | 動画3社・音楽・ジム・電子新聞 | 9,800円 |
| 合計 | 77,300円 |
田村さんの言葉が象徴的でした。「契約したときは必要だと思ったんです。でも、それから一度も見直していなかった」。固定費は痛みを感じないまま積み上がるのが厄介なところです。
どこから手をつけたか:効果の大きい順に
田村家は「契約変更の手間」より「削減インパクト」を優先し、金額の大きい順に着手しました。やったことを箇条書きで整理します。
- 通信費——夫婦の2回線を大手キャリアから格安SIMへ。データは月20GBプランで十分だった。光回線はそのまま継続
- 保険——5本のうち、独身時代に入った貯蓄型生命保険と、子の医療保障と重複していた医療保険を解約。掛け捨ての必要保障だけ残した
- サブスク——動画3社のうち、ほぼ観ていない2社を解約。音楽は家族プランに集約、電子新聞は無料の代替で代用
- 電気・ガス——使用量はそのままに、新電力+ガスセットプランへ切り替え
「保険の解約だけは少し怖かった」と田村さん。ただ、必要保障額を計算し直すと、子が独立するまでの遺族保障は公的年金+掛け捨て1本で足りることが分かり、踏み切れたといいます。保険の過不足は保険見直しシミュレーターでも確認できます。
見直し後:月77,300円 → 49,000円
切り替え後の固定費は次のように変わりました。
| 分野 | 見直し前 | 見直し後 | 削減額 |
|---|---|---|---|
| 通信費 | 21,500円 | 10,500円 | ▲11,000円 |
| 電気・ガス | 18,000円 | 16,200円 | ▲1,800円 |
| 保険 | 28,000円 | 18,000円 | ▲10,000円 |
| サブスク | 9,800円 | 4,300円 | ▲5,500円 |
| 合計 | 77,300円 | 49,000円 | ▲28,300円 |
月の削減額は28,300円。年間にすると次の計算です。
28,300円 × 12ヶ月 = 339,600円(約34万円/年)
下の子が大学を卒業するまでのおよそ15年で積み上げれば、
339,600円 × 15年 = 約510万円
「節約」という言葉から想像する地味さとは桁が違いました。田村さんが3年間ほとんど増やせなかった預金が、固定費の組み替えだけで毎年34万円ずつ積み上がる構図に変わったのです。
通信費の削減幅が大きいのは、大手2回線という出発点が高かったから。乗り換えでいくら下がるかは格安SIM乗り換えシミュレーターで、わが家の回線数を入れて試せます。電気代は電力プラン比較シミュレーター、サブスクはサブスク見直しシミュレーターが対応します。
浮いたお金をどうするか
田村家は削減できた月28,300円のうち、月2万円をつみたて投資(NISA)に回すことにしました。仮に年4%で運用しながら15年積み立てると、
月2万円・年利4%・15年 ≒ 約490万円
元本360万円に対して、運用益が約130万円乗る計算です。固定費で「守った」お金が、今度は「増やす」お金に変わります。残りの月8,300円は、子の進学に備えた現金の生活防衛資金へ。投資に回す額のシミュレーションはNISAシミュレーターが使えます。
ここで田村さんが強調したのは順番でした。「先に固定費を削ったから、生活レベルを一切落とさずに投資の原資ができた。我慢して捻出したお金じゃないから続けられる」。固定費の見直しは、節約というより家計の再設計だ、という実感です。
あなたの家でも使える総点検チェックリスト
田村家のやり方を、そのまま使えるチェックリストにまとめました。上から効果の大きい順です。
- [ ] スマホは大手キャリアのまま惰性で払っていないか(格安SIMで月5,000円前後/回線の差)
- [ ] 保険は加入後3年以上見直していないか(保障の重複・貯蓄型の割高さを点検)
- [ ] 観ていない動画・音楽・アプリのサブスクが残っていないか
- [ ] 電力・ガスを契約時のまま放置していないか(セットプランで数%下がることが多い)
- [ ] 使っていないジム・習い事の月会費がないか
- [ ] 銀行・クレジットカードの年会費やリボ手数料を払っていないか
一つずつ潰すより、まず全部を一覧にして「月いくら出ているか」を可視化するのが田村家の最初の一歩でした。家計全体の固定費がどれだけ削れる余地があるかは固定費見直しシミュレーターで俯瞰できます。
数字が語ること
田村家のケースから読み取れるのは、次の3点です。
- 赤字でない家計ほど固定費が放置されやすい——危機感がないぶん、見直しの動機が生まれにくい
- 削減インパクトは通信費と保険に集中する——この2分野だけで月2.1万円、全体の7割超を占めた
- 削った固定費は痛みなく投資原資になる——生活水準を下げずに月2万円を投資へ回せた
最後に、あなた自身に問いかけてみてください。今、毎月いくらの固定費が「自動で」出ていっているか、即答できるでしょうか。田村家がそうだったように、その金額を一度紙に書き出すこと——総点検は、たいていそこから始まります。