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税金・社会保険

保険料控除申告書の書き方|生命保険・地震保険・iDeCo欄を記入例で解説【2026年】

10月に生命保険会社から届く「控除証明書」を使って、年末調整の保険料控除申告書を書く手順を4つの欄(生命保険料・地震保険料・社会保険料・小規模企業共済等掛金)ごとに解説。新旧制度の控除額計算式、iDeCo加入者の記入欄、35歳会社員の記入例で合計控除額43.7万円・節税額約13万円を検算する。

10月に入って、生命保険会社から見慣れないハガキが届いた——「保険料控除証明書」。中身を見ても「新生命保険料」「介護医療保険料」といった専門用語が並ぶだけで、これをどう使えばいいのか分からないまま引き出しにしまい込んだ経験がある人は多いはずだ。この証明書は、年末調整で提出する「給与所得者の保険料控除申告書」に転記するためのものだ。書き方さえ分かれば10分で終わる作業だが、書かなければ払いすぎた税金は戻ってこない。

この用紙は4つの欄でできている

「保険料控除申告書」という1枚の用紙には、実は性質の異なる4つの控除欄が同居している。まず全体像を押さえておく。

対象控除の上限証明書の要否
①生命保険料控除生命保険・介護医療保険・個人年金保険合計12万円必要(10〜11月に郵送)
②地震保険料控除地震保険(旧長期損害保険を含む)合計5万円必要
③社会保険料控除給与天引き以外で自分が支払った国民年金・国民健康保険など上限なし(全額)必要(国民年金は日本年金機構発行)
④小規模企業共済等掛金控除iDeCo・小規模企業共済・心身障害者扶養共済上限なし(全額)必要(国民年金基金連合会等が発行)

同じ「保険料」でも、①②は支払った金額の一部しか控除されないのに対し、③④は払った分がそのまま全額控除になる。この違いを知らずに①②の欄だけ埋めて提出すると、iDeCoの掛金を控除し忘れるという実害が出る。

①生命保険料控除欄——新・旧で計算式が違う

生命保険料控除は「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3区分に分かれ、さらに契約時期によって新制度(2012年1月1日以後の契約)と旧制度(2011年12月31日以前)で控除額の計算式が異なる。新制度の計算式は次の通りだ。

  • 年間支払保険料 20,000円以下 → 全額
  • 20,001〜40,000円 → 支払金額×1/2+10,000円
  • 40,001〜80,000円 → 支払金額×1/4+20,000円
  • 80,000円超 → 一律40,000円(区分ごとの上限)

3区分すべてで上限に達すると合計12万円が控除される計算だが、実際にそこまで払っている人は多くない。控除証明書に印字されている「申告額」の欄をそのまま転記すれば計算不要だが、家族の証明書を合算する場合などは自分で計算式に当てはめる必要がある。

②地震保険料控除欄——上限5万円は意外と届く

地震保険料は年間支払額がそのまま控除額になり、上限は5万円。マンションでも戸建てでも、火災保険とセットで地震保険に入っていれば年間15,000〜30,000円程度の保険料が一般的なので、上限に達するケースは少ない。証明書に記載された金額をそのまま転記すればよい。2006年以前に契約した長期損害保険(保険期間10年以上・満期返戻金あり)が残っている場合は経過措置があり、そちらは上限15,000円で別枠計算になる。両方ある場合は合算して上限5万円が適用される。

③社会保険料控除欄——見落とされがちな「肩代わり払い」

給与から天引きされている厚生年金・健康保険はすでに会社側で年末調整に反映済みのため、この欄への記入は不要だ。書く必要があるのは、給与天引き以外で自分の財布から支払った社会保険料——典型例は「大学生の子どもの国民年金保険料を親が肩代わりして払った」ケースである。国民年金保険料は2025年度改定後で月額17,510円。1年分を親が立て替えると年間210,120円が丸ごと社会保険料控除の対象になる。日本年金機構から届く「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が必要書類だ。

④小規模企業共済等掛金控除欄——iDeCo加入者は必ずチェック

会社員でiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入している人が、この欄への記入を忘れるケースが目立つ。掛金は給与天引きではなく口座振替が基本のため、会社側では把握できず、自分で申告しないと控除が反映されない。国民年金基金連合会から10〜11月頃に届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」の金額をそのまま転記する。個人事業主が国民年金に上乗せする4つの制度の使い分けはフリーランスの年金上乗せ4択比較で詳しく整理しているので、会社員から独立予定の人は合わせて確認しておきたい。

記入例で検算する——35歳会社員・課税所得400万円の場合

具体的な数字で一通り計算してみる。

項目年間支払額控除額の計算控除額
一般生命保険料(新)96,000円80,000円超のため一律40,000円
個人年金保険料(新)60,000円60,000×1/4+20,00035,000円
生命保険料控除 小計75,000円
地震保険料18,000円全額(5万円以下)18,000円
社会保険料(子の国民年金肩代わり)210,120円全額210,120円
小規模企業共済等掛金(iDeCo月12,000円)144,000円全額144,000円
合計控除額約447,000円

課税所得400万円クラスの実効税率(所得税+住民税)をおおよそ30%とすると、447,000円×30%=約134,000円が還付・軽減される計算になる。この試算はあくまで目安で、実際の還付額は他の控除状況によって前後する。自分の給与額に置き換えた概算は年末調整 還付金シミュレーターで確認できる。

提出時に気をつけたいこと

  • 証明書は原本またはPDFデータでの添付が必要。「あとで出す」と口頭で伝えても、証明書が添付されていない申告は経理側で受理されないことが多い
  • 証明書を紛失した場合は、保険会社のマイページや電話で再発行を依頼できる。年末調整の締め切り(多くの企業で11月中旬〜下旬)に間に合うよう早めに動く
  • 家族分の生命保険料(例:配偶者が契約者の保険料を自分の口座から払っている場合)も、実際に支払っている人の申告書に含められる
  • 医療費控除・住宅ローン控除(初年度)・ふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)は年末調整では処理できず、確定申告が別途必要になる

よくある質問

この記事の数字の根拠は?

生命保険料控除・地震保険料控除の計算式は国税庁「No.1140 生命保険料控除」「No.1145 地震保険料控除」に基づく。国民年金保険料の月額は日本年金機構の2025年度発表額を使用した。

証明書が2枚以上ある場合はどうする?

同じ区分(例:新生命保険料)で複数の証明書がある場合は、支払額を合算してから計算式に当てはめる。証明書ごとに別々に計算して合計する方法は誤りなので注意したい。

iDeCoの掛金が給与天引き(事業主払込)の場合も記入が必要?

不要。会社の給与規定でiDeCo掛金を給与天引きにしている場合は、会社側が年末調整に反映するため申告書への記入は原則不要。口座振替(個人払込)の場合のみ記入が必要になる。

数字が実感と合わない場合は?

保険料控除は他の控除(扶養控除・住宅ローン控除など)と合わせて年間の所得税額全体で計算されるため、この記事の単純計算とはずれることがある。正確な還付見込みは年末調整 還付金シミュレーター、生命保険料控除の詳しい仕組みは生命保険料控除の解説記事、扶養控除等申告書の書き方は10月最初の1枚の記入例も参考にしてほしい。ご不明点はお問い合わせページから連絡できる。

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