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高3の冬期講習は「お金」より先に「時間」で講座数を決める——駿台は1講座29,800円・10講座で29.8万円。共通テスト(2027年1月16・17日)までの27日間で使えるのは約210時間、過去問5セットを残すと取れるのは5講座までだった【2026年冬】

2026年の冬期・直前講習の一般受付が10月14日から始まった。駿台の高3・高卒生向けは600分講座が1講座29,800円(税込・教材費込み)、共通テストプレ講座8,000円。面談で勧められがちな冬期10講座+直前4講座は44万円を超え、公立高校3年生の学習塾費の年間平均20.6万円の2倍以上になる。12月20日〜1月15日に使える勉強時間を約210時間と置き、1講座=授業10時間+予習復習10時間で逆算した「取れる講座数」と、志望タイプ別3パターンの費用を整理した。

結論から書くと、高3の冬期講習は「何講座まで払えるか」ではなく「何講座まで消化できるか」で上限が決まる。 1講座600分の講座を取ると、授業10時間に予習・復習がほぼ同じだけ乗る。共通テスト直前の27日間で使える時間は約210時間で、そこから過去問演習の時間を引くと、ほとんどの受験生にとって上限は5講座前後になる。

2026年10月14日、駿台予備学校の冬期講習・直前講習の一般受付が始まった(出典: 駿台予備学校「冬期講習・直前講習のご案内」)。11月には学校や塾の面談で講座の提案を受ける家庭が増える。提案された講座表にそのままチェックを入れる前に、この記事の計算で「時間の予算」を一度出しておくと、払う額も合格に効く使い方も変わってくる。

2026年冬の講習料金(駿台・高3/高卒生)

まずは公表されている料金から。駿台の冬期・直前講習は入会金がなく、受講料に教材費が含まれる。

授業時間1講座の受講料(税込)1時間あたり
50分×12回(600分)29,800円2,980円
50分×16回(800分)36,300円2,723円
50分×9回(450分)25,500円3,400円
50分×8回(400分)23,600円3,540円
50分×6回(300分)19,900円3,980円
50分×4回(200分)15,400円4,620円
共通テストプレ講座8,000円—
共通テストプレ講座(情報Ⅰ)5,000円—

(出典: 駿台予備学校 冬期講習・直前講習 受講料案内。論文系600分講座で添削ありは別途4,700円)

標準の600分講座なら1時間あたり約3,000円。短い講座ほど時間単価は上がり、200分講座は600分講座の1.55倍になる。「1講座あたりは安く見える短期講座を何本も取る」と、割高な時間を買い集めることになる点は押さえておきたい。

ほかの大手も構成はおおむね同じで、河合塾の冬期講習は1講座90分×5講(450分)の短期集中型。東進は外部生向けの「冬期特別招待講習」を毎年実施しており、2025年冬は申込日によって最大3講座が無料(12月12日までの申込で3講座、19日までで2講座、26日までで1講座)という段階制だった。2026年冬の条件は各校舎の告知で確認したい。

講座数ごとの金額——面談の提案どおりだと44万円

600分講座の29,800円で計算すると、講座数と費用の関係はこうなる。

講座数受講料合計授業時間予習復習込みの拘束時間
3講座89,400円30時間約60時間
5講座149,000円50時間約100時間
8講座238,400円80時間約160時間
10講座298,000円100時間約200時間
冬期10+直前4+プレ3441,200円140時間+プレ約280時間

最後の行は「主要科目を冬期で一通り、共通テスト後に二次・私大対策を直前で4本、共通テストプレを3本」という、面談で出てきやすいフルセットの組み方だ。29,800円×14講座=417,200円に、プレ講座8,000円×3=24,000円を足して441,200円。

比較の物差しとして、文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」では、公立高校3年生の学習塾費は年間206,454円(塾に通っていない生徒も含む平均)。冬と直前の講習だけで、その2倍強に届く計算になる。通期の授業料まで含めた予備校の年間総額は、予備校 費用比較シミュレーターで河合塾・駿台・東進・代ゼミなどを並べて確認できる。

時間の予算を出す——12月20日〜1月15日の27日間

2027年度の大学入学共通テストは2027年1月16日(土)・17日(日)に行われる(出典: 大学入試センター 令和9年度大学入学共通テスト実施要項)。そこから逆算して、冬期講習が集中する12月20日〜1月15日の27日間を「時間の予算」として計算する。

```
冬休み期間(12/24〜1/7) 15日 × 1日10時間 = 150時間
学校がある期間・前後 12日 × 1日 5時間 = 60時間
合計 210時間
```

1日10時間は、食事・睡眠・移動を確保したうえで受験生がほぼ全力で机に向かった場合の数字だ。年末年始に1〜2日休めば、実際は200時間を切る。

この210時間から、まず本番形式の過去問・予想問題演習を先に確保する。国公立文系の共通テスト1セット(英語リーディング80分・リスニング30分・国語90分・地歴公民2科目120分・数学2科目140分・理科基礎60分・情報Ⅰ60分)は解答時間だけで580分、約10時間。答え合わせと解き直しに同じだけかかるので、1セット=約20時間で見積もる。

ここまで来ると、取れる講座数は次の式で出せる。

```
取れる講座数 =(使える時間 − 過去問演習の時間)÷ 1講座あたり20時間
```

  • 過去問5セット(100時間)を確保する場合: (210 − 100)÷ 20 = 5.5 → 5講座
  • 過去問3セット(60時間)で足りる場合: (210 − 60)÷ 20 = 7.5 → 7講座
  • 冬期10講座を取った場合: 拘束200時間で、過去問に回せるのは10時間(0.5セット)だけ

冬期10講座の組み方は「お金がかかる」以上に、本番形式の演習がほぼできないまま共通テストを迎えるという問題を抱えている。授業を受けた時間は「勉強した気」になりやすく、解く練習の時間が削られていることに気づきにくい。

志望タイプ別・3つの組み方

時間の予算を前提に、志望タイプ別の組み方と費用を並べるとこうなる(単価は駿台の600分講座で統一)。

パターンA 国公立・共テ重視パターンB 私大専願(3教科)パターンC 提案どおりフルセット
冬期講習4講座 119,200円5講座 149,000円10講座 298,000円
共通テストプレ2講座 16,000円なし3講座 24,000円
直前講習(共テ後)2講座 59,600円2講座 59,600円4講座 119,200円
合計194,800円208,600円441,200円
冬期中の拘束時間約80時間+プレ約100時間約200時間+プレ
過去問に回せる時間約110時間(5セット強)約110時間(私大赤本演習)ほぼゼロ

パターンAとCの差は246,400円。しかも差額分で買っているのは、本番形式の演習時間を削って授業を受ける時間だ。

パターンBの私大専願は共通テストの比重が低いぶん、冬期講習は志望校の出題形式に寄せた講座(大学別・形式別)に絞り、浮いた時間を赤本の演習に回すほうが得点に直結しやすい。

講座を選ぶときの5つのチェックポイント

  1. 通期の授業と内容が重なっていないか:通期で扱う単元の総まとめ講座は、テキストを見比べると7〜8割重複していることがある
  2. 1科目に2講座以上入っていないか:同じ科目の講座を重ねるより、最も失点の大きい分野に1講座を当てる
  3. 短い講座を寄せ集めていないか:200分講座の時間単価は4,620円で、600分講座(2,980円)の1.55倍
  4. 共通テスト後の直前講習は、自己採点の後に決められるか:駿台のインターネット申込は各講座開始日の10日前まで。共通テスト翌日の1月18日(月)に自己採点してから申し込んでも、1月28日以降に始まる講座なら間に合う計算になる
  5. 無料・割安の選択肢と比べたか:東進の招待講習(2025年は最大3講座無料)や、月額2,178円の映像授業(スタディサプリ ベーシック)で代替できる科目はないか

よくある質問(FAQ)

Q. 面談で「この時期に講習を取らないと周りに遅れる」と言われました。

A. 遅れるかどうかは講座数ではなく、本番形式で何点取れるかで決まる。講習を減らした分の時間を過去問演習に回し、その結果で弱点が見えた科目だけ直前講習で補う順番のほうが、費用対効果は高い。面談では「この講座で何点上がる想定か」「通期とどこが違うか」を具体的に聞いてみるとよい。

Q. 個別指導の冬期講習と大手予備校の講座、どちらが割安ですか?

A. 時間単価だけなら大差はない。個別指導は80分1コマ3,000〜5,000円が相場で、1時間あたり2,250〜3,750円。大手予備校の600分講座は1時間2,980円だ。ただし個別指導は「提案コマ数」が膨らみやすく、20コマで6〜10万円、40コマなら12〜20万円になる。塾のタイプ別の年間費用は塾・家庭教師 費用比較シミュレーターで比べられる。

Q. 冬の講習費と受験料・入学金が重なって、手元資金が足りません。

A. 12月〜2月は講習費に加えて、共通テスト後の私大受験料(1校あたり3万5,000円前後)、2月の入学金の納付が続く、1年で最も出費が集中する時期になる。不足分を借りる場合、国の教育ローン(日本政策金融公庫)は入学金・授業料だけでなく受験料や受験時の交通費・宿泊費も使いみちの対象になる。金利と月々の返済額は教育ローン 比較シミュレーターで試算できる。受験料・入学金の払い方は11月の記事、出願費用の積み上げは9月の記事で整理している。

Q. この記事の金額の出典はどこですか?

A. 講習料金は駿台予備学校の公式サイトに掲載されている2026年冬期・直前講習の受講料(税込・教材費込み)、東進の招待講習は2025年冬の校舎告知、学習塾費は文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」、共通テストの日程は大学入試センターの公表による。勉強時間(1日10時間・1講座20時間)は筆者の想定で、学校の授業日数や通学時間によって変わる。

Q. 計算が自分の状況と合いません。

A. 冬休みの日程、通学時間、志望校の受験科目によって使える時間は大きく変わる。「1日に机に向かえる時間 × 日数」を自分の数字に置き換えて、上の式で計算し直してほしい。料金や前提が実態と大きく違う場合は、お問い合わせから知らせていただけると記事に反映する。

今から1月までにやること

時期やること
10月中冬休みの日程と、1日に使える時間を家族で確認する(時間の予算を出す)
11月の面談まで共通テストの過去問を1セット解き、科目ごとの失点を出しておく
11月の面談提案講座の「通期との重複」「何点上がる想定か」を確認し、上限講座数から逆算して絞る
12月12日ごろ東進の招待講習など、無料・割安枠の締切を確認する(2025年は12月12日が3講座の締切)
1月18日(月)共通テストの自己採点。二次・私大対策の直前講習はこの結果を見てから申し込む

講習を1講座削るたびに浮くのは、29,800円と20時間。その20時間で過去問を1セット解けることのほうが、多くの受験生にとっては大きい。

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