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受験のお金完全ガイド|中学受験ルートは受験関連だけで約403万円、公立中→高校受験ルートは約185万円——塾・模試・受験料・「押さえ」の入学金・遠征費を学年ごとに整理。大学受験の1〜3月は3か月で約143万円が出ていく【2026年度入試】

子ども1人の受験に、親は学費とは別にいくら払うのか。中学受験は塾3年で約240万円+受験料10万円+押さえ校の入学金25万円、高校受験は中2〜中3の塾で約55万円+公立2,200円・私立2万円前後の受験料、大学受験は予備校年70〜110万円+受験料15.5万円(共通テスト18,000円・私立一般35,000円・国公立二次17,000円)+私立の入学料22.0万円。受験ルート別の総額、入試シーズンの月別キャッシュフロー、入学前に払う入学金に奨学金が間に合わない問題、国の教育ローン(上限350万円)の使いどころまで。学費・塾・教育ローンのシミュレーター6本へのハブ。

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子どもが受験をするとき、親が払うお金は「学費」だけだろうか。

実際には、入学する前の段階で、塾・講習・模試・受験料・合格した学校の入学金・遠征の交通費や宿泊費がまとまって出ていく。しかもこれらは、入学後の学費と違って学資保険や奨学金の想定から漏れやすい。満期が高3の秋に来ない学資保険、入学後にしか振り込まれない奨学金——受験期の出費はちょうど「制度のすき間」に落ちる。

この記事では、受験のたびに発生する出費を中学受験・高校受験・大学受験の3段階で整理し、それぞれの詳しい計算ができるシミュレーターと記事につなぐ。入学後の学費まで含めた教育費の全体像は教育費の総額の記事に任せ、ここでは「受かるまでのお金」に絞る。

受験のお金は5種類に分けられる

どの段階の受験でも、出費の種類は共通している。

  1. 塾・予備校の通常授業:受験学年に向けて月謝が上がる。最大の出費
  2. 季節講習・模試:夏期・冬期・直前講習と、年に数回の模試。通常授業とは別料金
  3. 受験料(検定料):1校1回ごとにかかる。併願数で決まる
  4. 押さえの入学金:第一志望の発表前に、合格した併願校の入学手続き締切が来る。進学しなくても戻らない
  5. 交通費・宿泊費:遠方の学校を受けるときの遠征費、受験日のタクシーなど

このうち1と2は数年かけて分散して出ていくが、3〜5は入試シーズンの2〜3か月に集中する。家計が苦しくなるのはこちらだ。

段階別の費用マップ

中学受験高校受験大学受験
塾・予備校小4〜小6の3年で約240万円中2〜中3の2年で約55万円高3の1年で70〜110万円
受験料(1校)2〜3万円公立2,200円/私立2万円前後共通テスト18,000円/私立一般35,000円/国公立二次17,000円
併願の目安4校前後で10万円公立1+私立1で約2.2万円私立3+共テ利用1+国公立二次で15.5万円
押さえの入学金20〜30万円延納制度があれば0円私立文系平均22.0万円
遠征費ほぼなし(通学圏)ほぼなし地方から都市部で1回4万円前後

塾代の数字は、中学受験・高校受験が中学受験vs公立シミュレーターの初期値、大学受験が大手予備校の公表料金をもとにした予備校費用シミュレーターの相場。以下、段階ごとに「どこで金額が決まるか」を見ていく。

中学受験:塾代がすべてを決める

中学受験の出費は、塾代が9割を占める。SAPIX・日能研・早稲田アカデミーなどの大手受験塾に小4から通うと、月謝は学年とともに上がり、小6では季節講習と特別講座が重なる。

```
小4 月35,000円 × 12 + 講習・テスト 約54万円
小5 月50,000円 × 12 + 講習・テスト 約81万円
小6 月70,000円 × 12 + 講習・特訓 約120万円
3年合計 約255万円
```

上位クラスでこの水準、標準的なコースなら240万円前後が目安になる。横浜の家庭がこの255万円をどう工面したかは小4で中学受験を決めた家庭のケーススタディで追っている。

受験料は1校2〜3万円。首都圏では2月1日から数日間に複数校・複数回を受けるのが一般的で、4校受けて10万円前後になる。

見落としやすいのが押さえ校の入学金だ。私立中学の入学手続き締切は合格発表の当日〜翌日に設定されていることが多く、第一志望の結果が出る前に併願校の入学金を払うかどうかを決めなければならない。入学金はおおむね20〜30万円台。払って第一志望に受かれば、そのお金は戻らない。

合格して私立中学に進むと、文部科学省「子供の学習費調査(令和5年度)」によれば第1学年の入学金等は平均29万1,469円。こちらは押さえ校とは別にかかる。

高校受験:受験料は安いが、塾代が中3で跳ねる

公立高校の受験料は都立の全日制で2,200円、入学料は5,650円。大学受験と比べると桁が違うほど安い。

一方で塾代は中3で一気に増える。文部科学省の同じ調査では、公立中学生の学習塾費は中1の約13万円から中3の約34万円まで上がる。これは塾に通わない生徒も含めた平均なので、通っている家庭に限ればもっと高い。中2から高校受験向けの塾に通う想定で、2年で約55万円が目安になる。

私立高校を併願する場合、受験料は2万円前後。東京・神奈川などの「併願優遇」では、公立の合格発表まで入学金の支払いを待ってもらえる延納制度を設けている学校が多く、うまく使えば押さえの入学金は払わずに済む。出願前に募集要項で延納の有無と期限を確かめておきたい。

2026年度から私立高校の授業料は就学支援金が所得制限なしで年45万7,000円まで出るようになったが、入学金・施設費は対象外だ。私立高校の入学金は平均約16万円で、制服や指定品を含めると入学前に30万円前後が必要になる。詳しくは高校無償化の解説記事にまとめている。

大学受験:入試シーズンの3か月に出費が集中する

大学受験は、予備校代の幅が大きい。大手予備校に現役で通うと年70〜110万円、浪人すると交通費や昼食代込みで130〜190万円になる。医学部専門コースは150万円を超える。

受験料は方式ごとに違う。

方式受験料
大学入学共通テスト(3教科以上)18,000円
共通テスト利用方式(私立)1校1.0〜1.8万円
私立大学 一般選抜1校1回3.0〜3.5万円
国公立大学 二次試験17,000円

私立3校+共通テスト利用1校+国公立二次のモデルでは受験料だけで15.5万円、地方から都市部に2回遠征すると総額23.5万円になる(内訳は共通テスト出願と併願の費用の記事)。

大学受験の出費を月ごとに並べると、1〜3月への集中がよくわかる。私立文系に進学するモデルで計算した。

時期出ていくお金金額
9月下旬〜10月上旬共通テストの検定料18,000円
12月冬期講習(5講座)約15万円
1月私立一般3校+共テ利用1校の受験料120,000円
2月遠征2回の交通・宿泊、国公立二次の受験料、私立の入学金317,000円
3月私立の初年度納付金の残り(授業料+施設設備費)992,000円

```
1〜3月の合計 = 120,000円 + 317,000円 + 992,000円 = 1,429,000円
```

3か月で約143万円。2月の317,000円は、遠征8万円・二次17,000円・入学金22万円の合計だ。3月の992,000円は、文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」の私立文系平均(初年度121.2万円)から入学料22.0万円を引いた額になる。

国立大学に進む場合は、3月に入学料28万2,000円と前期授業料26万7,900円(標準額)がかかる。このとき2月に払った私立の入学金22万円は戻らない。

受験ルート別の総額

ここまでの数字を、子ども1人の受験ルートごとに積み上げる。学費(入学後の授業料)は含めず、「受験のためのお金」だけを数えた。

費目A: 中学受験→中高一貫→私立大B: 公立中→高校受験→私立大
中学受験の塾240万円—
中学受験の受験料10万円—
中学の押さえ入学金25万円—
高校受験の塾—55万円
高校受験の受験料—2.2万円
大学受験の予備校(現役・高3)90万円90万円
大学受験の受験料(自宅圏)15.5万円15.5万円
大学の押さえ入学金22万円22万円
合計402.5万円184.7万円

ルートAはBより217.8万円多い。中高一貫校に進むと高校受験がなくなるが、その分を中学受験の塾代が大きく上回る。この差に、入学後の私立中高6年間の学費が上乗せされる。学費まで含めた9年間の比較は中学受験vs公立シミュレーターで、大学の4年間は大学費用シミュレーターで計算できる。

なお、予備校の90万円は現役生の相場(70〜110万円)の中間に置いたもの。予備校を使わず映像授業や学校の補習で乗り切れば、ここは年10〜20万円まで下がる。逆に浪人すると予備校代と2回目の受験料で150万円前後が上乗せされる。浪人の選択肢ごとの費用は浪人・宅浪・仮面浪人・進学の比較記事で比べている。

入学金に奨学金は間に合わない

受験期の資金繰りで多くの家庭がつまずくのが、払うタイミングと、借りられるタイミングのずれだ。

  • 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金:高3で予約採用に申し込んでも、初回の振込は入学後の4〜5月。入学時特別増額貸与奨学金も入学後の振込なので、2〜3月の入学金・初年度納付金には使えない
  • 学資保険:満期を「18歳」に設定していると、誕生日によっては高3の秋〜冬に間に合わない。満期は17歳か、入学前の年の夏に来るように設定しておくのが安全
  • 国の教育ローン(日本政策金融公庫):子ども1人あたり上限350万円。入学金・受験料・受験時の交通費や宿泊費にも使え、合格前でも申し込める。ただし審査に時間がかかるので、使うなら年内の申込が目安

国の教育ローンや銀行の教育ローンを使った場合の返済額は教育ローンシミュレーター、入学後に奨学金を借りた場合の返済計画は奨学金返済シミュレーターで確認できる。

受験のお金を減らすレバー

金額が大きい順に、効くレバーを並べる。

レバー効果の目安注意点
塾・予備校の特待生制度を使う年数十万円模試の成績が基準。早めに受けておく
大学受験の予備校を映像授業に切り替える年50万円以上自己管理ができるかが前提
私立高校の延納制度を使う約16万円学校ごとに期限が違う
共通テスト利用方式を併願に組み込む1校あたり約2万円出願締切が1月上旬と早い
押さえの入学金を払うかどうかを出願前に決める20〜30万円第一志望の発表日と締切日を並べて確認
遠征を宿泊なしの日程に組む1回2〜3万円連日受験の負担とのバランス

塾・予備校の特待やコース選びによる差は予備校費用シミュレーターで、教育資金をいつまでにいくら貯めるかは教育資金シミュレーターで計算できる。

よくある質問

Q. 受験のお金はいつから貯め始めればいい?

最初に大きく出ていくのは、中学受験をするなら小4、しないなら中2〜中3の塾代だ。とくに大学受験の1〜3月の約143万円は、学資保険の満期や貯蓄で「高3の12月までに現金で用意する」前提で考えておきたい。

Q. 兄弟がいる場合、受験が重なる年はどうなる?

3歳差なら、上の子の大学受験と下の子の高校受験が同じ年に来る。ルートBの数字で言えば、その年は予備校90万円・高校受験の塾約34万円・受験料と入学金で約40万円が重なり、1年で160万円を超える。年子・3歳差の家庭は、重なる年だけを取り出して資金計画を立てておくと慌てずに済む。

Q. この記事の前提データはどこから?

学習塾費と私立中学の入学金等は文部科学省「子供の学習費調査(令和5年度)」、私立大学の初年度納付金は同「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」、国立大学の入学料・授業料は国が定める標準額、共通テストの検定料は大学入試センターの公表値、私立高校の授業料支援は文部科学省の高等学校等就学支援金制度による。中学受験塾・予備校の月謝は大手塾の公表料金をもとにした概算で、国の教育ローンの条件は日本政策金融公庫の公表内容に基づく。

Q. 数字が実感と合わない場合は?

塾代は地域・塾・クラスで倍以上の差がつき、受験料も併願の組み方で大きく変わる。自分の条件で計算し直すなら各シミュレーターの入力を変えてほしい。記事の数字に誤りがあると思われる場合は、お問い合わせフォームから知らせてもらえれば確認する。

学年別・今やっておくこと

  • 小3〜小4:中学受験をするかどうかを決める。するなら3年で約240万円の塾代を家計に組み込めるかを先に確かめる
  • 中1〜中2:高校受験の塾をいつから始めるか決める。私立併願校の延納制度を調べておく
  • 高1〜高2:学資保険の満期日を確認する。高3の12月までに受け取れないなら、つなぎの資金を考える
  • 高3の夏まで:予備校の特待・模試の成績基準を確認し、併願校の第一志望との発表日・入学手続き締切を一覧にする
  • 高3の秋:押さえの入学金を払うかどうかを家族で決める。国の教育ローンを使うなら年内に申し込む

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