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電気代の内訳とは|再エネ賦課金4.18円/kWh・燃料費調整額・三段階料金の仕組みを検算式で分解【2026年度】

電気代は「基本料金+電力量料金+燃料費調整額+再エネ賦課金」の4部品でできている。2026年度の再エネ賦課金は4.18円/kWh(月400kWh家庭で年約2万円)、2026年7〜9月は政府補助で3.5〜4.5円/kWh割引。東京電力従量電灯Bの単価表を使って請求額を1円単位で検算し、節電1kWhの本当の価値(約45円)まで導く。

月400kWh使う家庭の電気代のうち、1,672円は電気そのものの代金ではない。再生可能エネルギーの買取費用を全員で分担する「再エネ賦課金」で、2026年度の単価は4.18円/kWh。年間にすると約2万円が、使った電気とは別の理屈で請求されている。

検針票(電気ご使用量のお知らせ)にはこの内訳が書かれているのに、合計額しか見ていない人が大半だ。この記事では、電気代を構成する4つの部品を1つずつ分解し、最後に請求額を1円単位で検算する。仕組みが分かると、「節電1kWhの本当の価値」が単価表の数字より大きいことも見えてくる。

電気代の計算式:4つの部品と1つの割引

家庭向け電気料金は、電力会社を問わず次の構造でできている。

```
電気代 = 基本料金
+ 電力量料金(使用量 × 単価)
+ 燃料費調整額(使用量 × 単価、毎月変動・マイナスもある)
+ 再エネ賦課金(使用量 × 4.18円)
− 政府補助(2026年7〜9月使用分のみ)
```

順に見ていく。単価の例はすべて東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」(2026年7月時点・税込)を使う。

部品1:基本料金——使わなくてもかかる固定費

契約アンペア数で決まる固定費。ブレーカーが同時に流せる電気の上限を買っている、と考えると分かりやすい。

契約アンペア月額(従量電灯B)
20A623.50円
30A935.25円
40A1,247.00円
50A1,558.75円
60A1,870.50円

10Aあたり311.75円の比例構造なので、60Aから40Aに下げれば年7,482円の固定費削減になる。ただしエアコン+ドライヤー+電子レンジの同時使用でブレーカーが落ちる暮らしになるかは世帯次第で、単純な「下げ得」ではない。

部品2:電力量料金——使うほど単価が上がる「三段階料金」

使用量に応じた従量部分。特徴は、使うほど1kWhの単価が高くなる階段構造だ。

段階使用量単価
第1段階〜120kWh29.80円/kWh
第2段階120超〜300kWh36.40円/kWh
第3段階300kWh超40.49円/kWh

この三段階料金は1974年、第一次オイルショック直後に導入された制度で、「生活に最低限必要な分(第1段階)は安く、多く使う人には省エネを促す価格を」という政策的な設計だ。50年経った今も規制料金に残っている。

家計への含意は明確で、節電で削れるのは常に一番高い段階からということ。月400kWhの家庭が10kWh減らすと、削れるのは第3段階の40.49円 × 10 = 405円であって、平均単価ではない。

なお、この電力量料金と基本料金の中には、送配電網の利用料である託送料金(電気代のおよそ3〜4割)があらかじめ含まれている。電力会社を新電力に切り替えても送電線は同じものを使うため、この部分は誰と契約しても大きくは変わらない。

部品3:燃料費調整額——毎月変わる「輸入価格の連動装置」

日本の電気の約7割は火力発電で、燃料のLNG・石炭・原油はほぼ輸入に頼る。その輸入価格の変動を毎月の電気代に自動反映させるのが燃料費調整額だ。

仕組みはこうなっている。

  1. 貿易統計から燃料3種の平均輸入価格を毎月算出する
  2. 当月の単価には、3〜5ヶ月前の3ヶ月間の平均が反映される(例:7月分の料金には2〜4月の平均価格)
  3. 基準となる燃料価格より高ければプラス調整、安ければマイナス調整(値引き)になる

つまり今月の電気代には、数ヶ月前の国際市況と為替が乗っている。円安や中東情勢のニュースは、タイムラグを経て検針票に現れる。

もう1つ重要なのが上限の有無だ。従量電灯Bのような規制料金には「基準燃料価格の1.5倍まで」という上限があり、それ以上の高騰は電気代に転嫁されない。一方、新電力や大手の自由料金プランの多くは2022〜23年の燃料高騰時に上限を撤廃しており、青天井にプラス調整が乗り得る。プラン比較で基本単価だけを見ると、この差を見落とす。切り替え検討時は電気代プラン比較シミュレーターで燃調条件込みの試算を。

部品4:再エネ賦課金——2026年度は4.18円/kWh

再生可能エネルギー発電促進賦課金。太陽光や風力の電気を国が決めた価格で買い取る制度(FIT/FIP)の費用を、電気を使う全員が使用量に比例して負担する仕組みで、単価は毎年度、経済産業大臣が決定する。計算式は次の通り。

```
賦課金単価 = (買取費用の総額 + 事務費 − 回避可能費用※)÷ 販売電力量の見込み
※買取した電気のおかげで火力等の発電を節約できた分の価値
```

2026年度(2026年5月分〜2027年4月分)の単価は4.18円/kWh(経済産業省が2026年3月に決定)。推移を見ると、制度開始からほぼ一貫して上がってきた。

年度単価(円/kWh)月400kWh家庭の年間負担
2012年度(開始)0.22約1,056円
2016年度2.25約10,800円
2020年度2.98約14,304円
2022年度3.45約16,560円
2023年度1.40約6,720円
2024年度3.49約16,752円
2025年度3.98約19,104円
2026年度4.18約20,064円

2023年度だけ急落しているのは、電力市場価格の高騰で「回避可能費用」(上の式のマイナス項)が跳ね上がったためで、再エネ買取が減ったわけではない。市況が落ち着いた2024年度以降は元の上昇軌道に戻り、2026年度は過去最高を更新した。

賦課金は契約プランや電力会社を問わず全員一律で、逃れる方法は使用量を減らすことだけ——唯一の例外が、自家消費する太陽光発電だ。自宅で発電して使った分には賦課金がかからない。太陽光の損得勘定には太陽光発電 投資回収シミュレーターが使える。

割引:2026年7〜9月は政府補助が入っている

政府の電気・ガス料金支援が2026年7月使用分から再開されており、申請不要で自動的に値引きされる(2026年5月閣議決定、予備費約5,000億円)。

対象月(使用分)電気(低圧・家庭)都市ガス
2026年7月−3.5円/kWh−14円/㎥
2026年8月−4.5円/kWh−18円/㎥
2026年9月−3.5円/kWh−14円/㎥

冷房需要が最大になる8月が増額されており、標準的な家庭で3ヶ月合計約5,000円の負担減。裏を返せば、10月使用分からはこの値引きが消える。夏の請求額を「平常時の電気代」と思って秋の家計を組むと、その分ずれる。

検算:手元の請求額をこの式で再現する

例1:4人家族・40A・月400kWh(8月使用分)

```
基本料金 40A 1,247.00円
電力量 第1段階 120kWh × 29.80円 = 3,576.00円
電力量 第2段階 180kWh × 36.40円 = 6,552.00円
電力量 第3段階 100kWh × 40.49円 = 4,049.00円
再エネ賦課金 400kWh × 4.18円 = 1,672.00円
政府補助(8月) 400kWh × −4.5円 = −1,800.00円
――――――――――――――――――――――――――――
合計(燃料費調整額を0円と仮定) 約15,296円
```

例2:一人暮らし・30A・月200kWh(7月使用分)

```
基本料金 30A 935.25円
電力量 第1段階 120kWh × 29.80円 = 3,576.00円
電力量 第2段階 80kWh × 36.40円 = 2,912.00円
再エネ賦課金 200kWh × 4.18円 = 836.00円
政府補助(7月) 200kWh × −3.5円 = −700.00円
――――――――――――――――――――――――――――
合計(燃料費調整額を0円と仮定) 約7,559円
```

実際の請求額との差は、ほぼ燃料費調整額(毎月変動、検針票に単価が明記されている)と契約プランの違いで説明できる。自分の検針票で一度この足し算をしてみると、どの部品が家計を圧迫しているかが特定できる。

節電1kWhの本当の価値は約45円

仕組みを分解すると、実務的に一番役立つ結論はこれだ。月300kWhを超えて使っている家庭が1kWh減らしたときに削れる金額は、

```
第3段階単価 40.49円 + 再エネ賦課金 4.18円 + 燃料費調整額(±数円)
= おおむね 45円/kWh 前後
```

「電気代の単価は30円くらい」という感覚で節電の損得を計算すると、効果を3割以上過小評価することになる。たとえば消費電力を月30kWh削る省エネエアコンへの買い替えは、45円換算なら年約16,200円の削減で、30円換算(年10,800円)より回収が5割速い。

どこを削ると効くかの当たりを付けるには、エアコン電気代シミュレーター家電の年間電気代シミュレーターで機器ごとの消費量を出し、省エネ家電 買い替え効果シミュレーターで買い替えの回収年数を確認するのが早い。

よくある質問

Q. この記事の前提データはどこから?
再エネ賦課金の単価と決定方法は経済産業省・資源エネルギー庁の公表資料(2026年度単価は2026年3月決定の4.18円/kWh)、料金単価は東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」の料金表(2026年7月時点・税込)、政府補助は2026年5月閣議決定の電気・ガス料金支援の公表内容に基づく。燃料費調整額は毎月・エリアごとに変わるため、検算例では0円と仮定した。

Q. オール電化プランや新電力でもこの内訳は同じ?
再エネ賦課金(4.18円/kWh)はどの会社・プランでも一律。基本料金と電力量料金の構造はプランごとに異なり(時間帯別単価、基本料金0円型など)、燃料費調整額は上限の有無と独自の「電源調達調整費」等で差が出る。部品の種類は同じでも、単価と条件が違うと考えればよい。

Q. 再エネ賦課金はこれからも上がる?
FITの買取期間は10年(住宅用)〜20年(事業用)続くため買取費用の総額はしばらく高止まりする一方、初期の高単価案件(2012年度の太陽光は40円/kWh買取)が2030年代にかけて順次終了していく。資源エネルギー庁の審議会では2030年代前半をピークに減少に向かう見通しが示されているが、単年度の単価は市況(回避可能費用)に左右されるため、2023年度のような急変もあり得る。

Q. 数字が実感と合わない場合は?
エリア(電力会社)と契約プランで単価表が異なるほか、燃料費調整額の分だけ毎月ずれる。検針票の内訳欄と照らして再計算しても合わない場合は、お問い合わせから検針票の内訳を添えて質問を。

検針票で今月見るべき3つの数字

最後に、この記事を「使う」ための宿題を1つ。次の検針票(またはWeb明細)で、以下の3つを探してほしい。

  1. 燃料費調整額の単価——プラスかマイナスか。プラス3円を超えているなら、上限のある規制料金や他社プランとの比較検討の合図
  2. 使用量が300kWhを超えた分——そこが40.49円+賦課金の「最も高い電気」。節電はここから削れる
  3. 政府補助の値引き行——9月使用分で終わる予定。10月の請求額は今月より使用量が同じでも1,400〜1,800円ほど高くなる

合計額だけ見て一喜一憂するのをやめ、部品ごとに見る。それだけで、電気代は「よく分からないまま払うもの」から「どこをいじれば下がるか分かる固定費」に変わる。

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