年末ジャンボは300円で買うと平均150円しか戻らない——2026年は11月24日発売、3等が半分になり100万円以上は1,104本→1,518本に。10枚買って300円しか戻らない確率は約9割、30枚×30年の27万円は年4%運用なら52万円だった【2026年年末ジャンボ】
2026年の年末ジャンボ宝くじ(第1134回)は11月24日〜12月25日発売・12月31日抽せん。1等7億円・前後賞合わせ10億円は据え置き、3等1,000万円が92本→46本に減り4等100万円が920本→1,380本に増える。等級別の当せん金と本数から1枚あたりの期待値149.995円(還元率約50%)を計算し、年末ジャンボミニとの当たりやすさ、10枚・30枚で戻る金額の確率、当せん金の非課税と共同購入の贈与税、30年買い続けた場合のお金を整理した。
1枚300円の年末ジャンボを買うと、平均して戻ってくるのは149.995円。残りの約150円は、買った瞬間に手元から消えることが決まっている。
これは確率の問題ではなく、法律で決まっている。当せん金付証票法第5条により、当せん金の総額は発売総額の5割を超えてはならない。だから年末ジャンボの等級表を全部足すと、ぴったり5割弱になるように作られている。
それでも年末ジャンボは、2026年も発売予定額1,380億円(23ユニット)という規模で売り出される。夢を買うこと自体を否定するつもりはない。この記事でやるのは、その300円がどこに配られているのかを数字でほどくことだ。
2026年の日程と、前年から変わったところ
2026年10月1日に報じられた発売概要は次のとおり。
| 項目 | 年末ジャンボ(第1134回) | 年末ジャンボミニ(第1135回) |
|---|---|---|
| 発売期間 | 2026年11月24日(火)〜12月25日(金) | 同じ |
| 抽せん日 | 2026年12月31日(木) | 同じ |
| 価格 | 1枚300円 | 1枚300円 |
| 発売予定額 | 1,380億円(23ユニット) | 450億円(15ユニット) |
| 1ユニットの枚数 | 2,000万枚 | 1,000万枚 |
| 最高額 | 1等7億円+前後賞1.5億円×2=10億円 | 1等3,000万円+前後賞1,000万円×2=5,000万円 |
最高額の10億円は前年と同じ。変わったのは中くらいの賞で、3等(1,000万円)が1ユニットあたり4本→2本に減り、4等(100万円)が40本→60本に増えた。23ユニット全体で見ると、100万円以上の当せんは前年の1,104本から1,518本へ414本増える。
ただし、期待値は1円も変わっていない。3等の期待値が2円→1円、4等が2円→3円と入れ替わっただけで、合計は同じだ。「1,000万円は当たりにくくなったが、100万円は当たりやすくなった」と読むのが正確なところ。
300円の行き先を等級ごとに分解する
1ユニット2,000万枚の中に、各等級が何本入っているか。そこから1枚あたりの期待値を出すと、こうなる。
1枚あたりの期待値 = 当せん金 × 1ユニットの本数 ÷ 2,000万枚
| 等級 | 当せん金 | 1ユニットの本数 | 当たる確率 | 1枚あたりの期待値 |
|---|---|---|---|---|
| 1等 | 7億円 | 1本 | 2,000万分の1 | 35.0円 |
| 1等の前後賞 | 1.5億円 | 2本 | 1,000万分の1 | 15.0円 |
| 1等の組違い賞 | 10万円 | 199本 | 約10万分の1 | 約1.0円 |
| 2等 | 1億円 | 1本 | 2,000万分の1 | 5.0円 |
| 3等 | 1,000万円 | 2本 | 1,000万分の1 | 1.0円 |
| 4等 | 100万円 | 60本 | 約33万分の1 | 3.0円 |
| 5等 | 1万円 | 6万本 | 333分の1 | 30.0円 |
| 6等 | 3,000円 | 20万本 | 100分の1 | 30.0円 |
| 7等 | 300円 | 200万本 | 10分の1 | 30.0円 |
| 合計 | 149.995円 |
この表から読み取れることは3つある。
- 期待値の約37%(55円)は、2,000万分の1の当せんに入っている。 1等・前後賞・2等の3つだ。ほぼ全員にとって、この55円は戻ってこない。
- 現実に手が届く5〜7等の期待値は合計90円。 300円のうち、ふつうの人の財布に戻る可能性があるのは実質この90円分しかない。
- 7等の300円は「10枚に1枚」必ず入る。 下1桁で決まるので、連番でもバラでも10枚買えば必ず1枚は当たる。3,000円払って300円は確実に戻る、という意味でしかないが。
10枚・30枚・100枚で、実際に戻る金額
期待値は平均の話なので、「自分が買ったらどうなるか」は別に考える必要がある。6等以上(3,000円以上)が1枚も入らず、7等の300円だけで終わる確率を計算した(各券が独立に当たると近似)。
| 購入枚数 | 支払額 | 7等だけで終わる確率 | そのときの戻り |
|---|---|---|---|
| 10枚 | 3,000円 | 約88% | 300円 |
| 30枚 | 9,000円 | 約68% | 900円 |
| 100枚 | 30,000円 | 約27% | 3,000円 |
連番10枚の場合、6等(下2桁)が入る確率はちょうど10%なので、5等以上も含めて「300円だけ」で終わる確率は約9割になる。10枚買った人の10人中9人は、2,700円減って年を越すということだ。
30枚(9,000円)買っても、7割近くの人は900円しか戻らない。残りの3割強に6等や5等が入り、平均すると4,500円になる——期待値と体感がずれるのはこのためだ。
年末ジャンボとミニ、当たりやすいのはどちらか
同時発売の年末ジャンボミニは、1等を3,000万円に抑えた代わりに中くらいの賞を厚くしている。期待値は1枚150円で、ジャンボと同じだ。
| 当たる確率 | 年末ジャンボ | 年末ジャンボミニ |
|---|---|---|
| 1,000万円以上 | 約333万分の1 | 約33万分の1 |
| 100万円以上 | 約30万分の1 | 25万分の1 |
| 3万円以上 | 約7.5万分の1(組違い賞10万円以上) | 約3,300分の1 |
| 1枚あたり期待値 | 149.995円 | 150円 |
1,000万円以上が当たる確率は、ミニのほうが10倍高い。「億は要らないが、まとまったお金が当たる可能性を少しでも上げたい」ならミニ、「当たるなら人生が変わる額でないと意味がない」ならジャンボ。期待値が同じなので、どちらを選んでも損得は変わらず、変わるのは当たり方の形だけになる。
宝くじのお金は、どこへ行っているのか
発売総額のうち当せん金に回るのが5割弱。残りは自治体の収益金と経費になる。宝くじ公式サイトが公表している令和4年度の実績では、全宝くじの内訳は次のとおりだった。
| 使い道 | 割合 |
|---|---|
| 当せん金 | 46.9% |
| 収益金(自治体の公共事業等) | 36.7% |
| 印刷経費・売りさばき手数料など | 15.1% |
| 社会貢献広報費 | 1.3% |
当せん金の割合が上限の50%より低いのは、受け取られずに時効を迎えた当せん金が収益金に回るためでもある。当せん金の支払期限は支払開始日から1年。毎年、少なくない額の当せん金が引き換えられないまま時効を迎えている。7等の300円も立派な当せん金なので、買ったら必ず確認したい。
当たったときの税金:当せん金は非課税、ただし分けると贈与
当せん金付証票法第13条により、宝くじの当せん金には所得税も住民税もかからない。確定申告も要らない。7億円が当たれば、7億円がそのまま手元に入る。
問題になるのは、そのあとだ。
- 家族や職場で共同購入した場合:代表者が全額を受け取り、あとで分けると、分けた分が贈与とみなされるおそれがある。購入前に「誰がいくら出したか」を書面に残し、受け取り時に銀行で共同購入として手続きすれば、それぞれの当せん金として扱われる。
- 当たったお金を子どもに渡す場合:これは普通の贈与だ。18歳以上の子に1億円を一度に贈ると、贈与税は(1億円−110万円)×55%−640万円=約4,800万円になる。
金額の大小で税額がどう変わるかは、贈与税シミュレーターで確認できる。
30年買い続けたら、いくらになるか
毎年30枚(9,000円)を30年買い続けた場合を考える。
- 支払う総額:9,000円×30年=27万円
- 戻ってくる期待値:27万円×約50%=約13.5万円
- 1等が一度でも当たる確率:900枚÷2,000万枚=約0.0045%(約2.2万分の1)
- 100万円以上が一度でも当たる確率:約0.3%
一方、同じ9,000円を毎年積み立てて年4%で運用すると、30年後は約52.5万円になる(年3%でも約44.1万円)。宝くじの期待値13.5万円との差は約39万円。これが30年分の「夢の値段」と言える。
積立額や利回りを変えた計算は複利計算シミュレーター、非課税で運用した場合はNISAシミュレーターで試せる。
ただ、ここで「だから宝くじは買うな」と結論づけるのは早い。年9,000円は月750円。コーヒー数杯分で、年末の数週間「当たったら何をするか」を家族で話す時間が買えるなら、それを娯楽費として割り切るのは十分ありうる判断だ。大事なのは、娯楽費として予算の枠に入っているかどうかのほうだろう。小さな出費が年単位でどれくらいになるかは、ラテマネー計算で一度見ておくと感覚がつかみやすい。
よくある質問
Q. 連番とバラ、どちらが当たりやすい?
1枚ごとの当たる確率は同じで、期待値も変わらない。違うのは当たり方で、連番は1等が当たれば前後賞も一緒に当たる(10億円)。バラは組・番号が散らばるため、6等(下2桁)が複数枚入る可能性がある。どちらも10枚に1枚の7等は必ず入る。
Q. 「よく当たる売り場」で買うと有利?
有利にはならない。たくさん売れる売り場は当せん本数も多くなるだけで、1枚あたりの確率は全国どこで買っても同じだ。発売元の抽せんは、どの券が誰に売られたかと無関係に行われる。
Q. ネットで買うと何が違う?
宝くじ公式サイトなどのネット購入では、当せん確認と当せん金の受け取り(登録口座への入金)が自動になる。紙の券を失くす・確認し忘れて時効になる、というリスクがなくなるのが一番の違いだ。
Q. この記事の数字はどこから?
2026年の等級・本数・発売期間は、10月1日に報じられた第1134回全国自治宝くじ(年末ジャンボ)と第1135回(年末ジャンボミニ)の発売概要、前年の数字は宝くじ公式サイトの第1082回の発表に基づく。還元率の上限と非課税は当せん金付証票法第5条・第13条、収益金の内訳は宝くじ公式サイトの令和4年度実績。確率・期待値・積立額はすべて等級表からnode.jsで再計算している。
Q. 数字が実感と合わない場合は?
期待値は「とても多くの人が買った平均」なので、個人の結果とは大きくずれる。それでも計算の前提に誤りがあると感じたら、お問い合わせから知らせてほしい。
買う前に、自分に1つだけ聞いてみる
年末のボーナスの使い道を決めるとき、宝くじ代はどの枠に入っているだろうか。ボーナス使い道シミュレーターで貯蓄・投資・娯楽の配分を決め、その娯楽枠の中で買う枚数を決める。そうすれば、外れても家計は1円も狂わない。
12月31日の抽せん日、あなたが待っているのは7億円だろうか。それとも、それまでの1か月の「もしも」の時間だろうか。