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大掃除は11月に「3つに割る」と安い——全部業者なら9.3万円、全部自分なら10時間。エアコン・浴室だけプロ、窓とキッチンは家事代行、残りを自分でやると3.8万円・4時間に収まる【2026年の年末前に】

3LDK・4人家族の大掃除6か所を、ハウスクリーニング業者に全部頼むと約9.3万円、全部自分でやると材料費3,100円と約10時間。どちらか一方ではなく「専門機材が要る場所はプロ、手間だけの場所は家事代行(時給約3,000円)、毎週の延長は自分」と3つに割ると3.8万円・4時間になる。業者価格を作業時間で割った「DIYの時給」表、12月より11月が向く3つの理由(予約・気温・暖房前のエアコン)、エアコン洗浄スプレーの注意点、判断フローチャートと11月の段取りを整理した。

9万3,000円と10時間。

3LDKに住む4人家族が、年末の大掃除でよく手をつける6か所——エアコン2台・レンジフード・浴室・窓・キッチン・トイレ——を、全部ハウスクリーニング業者に頼んだときの費用と、全部自分でやったときの作業時間だ。

多くの家庭はこの二択で迷い、「高いから自分でやる」を選んで12月最後の週末をつぶす。だが実際には第3の選択肢がある。場所ごとに「プロ」「家事代行」「自分」に割り振ると、同じ6か所が約3万8,000円・自分の作業4時間に収まる。そして割り振りを決めて予約まで済ませるなら、12月ではなく11月が向いている。

この記事では、場所ごとの相場と作業時間から「その場所を自分でやると時給いくらの仕事になるか」を出し、どこを誰に任せるかを決める。

先に結論:場所の性質で3つに分ける

区分向いている場所理由
ハウスクリーニング(プロ)エアコン内部、浴室(エプロン内部・鏡の水垢)分解・高圧洗浄・専用薬剤が要り、自分では同じ仕上がりにならない
家事代行窓・網戸、キッチン(シンク・コンロ)道具は家庭用で足りるが時間がかかる。時給制で頼める
自分トイレ、エアコンのフィルター、レンジフード(つけ置き)普段の掃除の延長。仕上がりの差が小さい

ポイントは「業者に頼む=高い」「自分でやる=タダ」という見方をやめることだ。自分でやる場合も材料費と時間がかかっている。逆に、プロに頼んでも自分では落とせない汚れまで落ちるなら、それは単なる代行ではなく別の商品を買っている。

6か所の相場と「DIYの時給」

まず、場所ごとに業者価格と自分でやった場合の作業時間を並べる。業者価格はくらしのマーケット等のマッチング型サービスで多い価格帯の中央付近、作業時間は一般的な家庭で丁寧にやった場合の目安だ。

場所業者価格(マッチング型の目安)大手の例DIYの作業時間DIYの材料費
エアコン(壁掛け・お掃除機能なし)1台1万円1万5,400円(ダスキン)フィルター・外装のみ30分0円
レンジフード1万7,000円2万2,000円(ダスキン)2.5時間1,000円
浴室1万7,000円—2時間800円
窓・網戸(8枚)1万5,000円—2時間500円
キッチン(シンク・コンロ)1万5,000円2万680円(ダスキン、間口3m未満)1.5時間500円
トイレ9,000円—1時間300円

お掃除機能付きエアコンは分解の手間が増えるため、マッチング型で1万3,000〜1万9,000円、大手(ダスキン)で2万6,400円と、通常タイプのおよそ1.5〜2倍になる。

ここから「自分でやると、時給いくらの仕事をしたことになるか」を計算する。

> DIYの時給 =(業者価格 − DIYの材料費)÷ DIYの作業時間

場所計算DIYの時給
キッチン(1万5,000 − 500)÷ 1.5時間9,667円
トイレ(9,000 − 300)÷ 1時間8,700円
浴室(1万7,000 − 800)÷ 2時間8,100円
窓・網戸(1万5,000 − 500)÷ 2時間7,250円
レンジフード(1万7,000 − 1,000)÷ 2.5時間6,400円
エアコン内部計算不可(自分では同じ作業ができない)—

どの場所も時給6,000円を超える。年収500万円の会社員の時給がおよそ2,500円(年2,000時間労働として)なので、「浮いた時間で働けるなら全部業者に頼んだほうが得」という計算になる。

ただ、休日の数時間を追加の収入に変えられる人は少ない。だからこの表の使い道は「頼むか、頼まないか」ではなく、「時給の高い仕事を、もっと安く外に出す方法はないか」を考えることにある。そこで出てくるのが家事代行だ。

家事代行という「中間の選択肢」

家事代行は、専門の洗浄機材は持ち込まないかわりに、時間単位で掃除を引き受けてくれるサービスだ。料金は1時間あたり2,500〜4,000円程度で、多くは2〜3時間からの利用になり、交通費が別にかかる。くらシムの家事代行シミュレーターも、標準値を1時間3,000円にしている。

窓・網戸とキッチンは、プロに頼むと合計3万円。同じ2か所を家事代行に3時間で頼むと、

> 3,000円 × 3時間 + 交通費1,000円 = 1万円

で済む。仕上がりは専門業者に及ばない部分もあるが、窓拭きとシンク・コンロの掃除は家庭用の道具で十分きれいになる場所だ。差額2万円を払ってまでプロに頼む理由は薄い。

逆に、家事代行に向かない場所もある。エアコン内部の洗浄やレンジフードの分解洗浄、浴室エプロン内部の掃除は、家事代行の業務範囲外としているサービスが多い。ここはプロか自分か、の二択になる。

3つのプランを並べる

4人家族・3LDK(エアコン2台)を例に、3つのプランを比べる。

A:全部プロB:全部自分C:3つに割る
プロに頼む場所6か所すべてなしエアコン(リビング1台)、浴室
家事代行に頼む場所なしなし窓・網戸、キッチン(3時間)
自分でやる場所なし6か所すべて(エアコンはフィルターのみ)レンジフード、トイレ、寝室エアコンのフィルター
支払額9万3,000円3,100円(材料費)3万8,300円
自分の作業時間0時間10時間4時間

各プランの内訳は次のとおり。

  • A:全部プロ — エアコン1万円×2台+レンジフード1万7,000円+浴室1万7,000円+窓1万5,000円+キッチン1万5,000円+トイレ9,000円 = 9万3,000円
  • B:全部自分 — 材料費(レンジフード1,000円+浴室800円+窓500円+キッチン500円+トイレ300円)= 3,100円。時間はフィルター30分×2台+2.5+2+2+1.5+1 = 10時間
  • C:3つに割る — プロ2万7,000円(エアコン1万円+浴室1万7,000円)+家事代行1万円+自分の材料費1,300円(レンジフード1,000円+トイレ300円)= 3万8,300円。時間はレンジフード2.5+トイレ1+フィルター0.5 = 4時間

プラン同士の差を時間で割ると、「追加で払うお金で、1時間をいくらで買っているか」がわかる。

比較追加の支払い減る作業時間1時間あたり
B → C3万5,200円6時間約5,867円
C → A5万4,700円4時間1万3,675円

BからCへの移行は、1時間を約5,900円で買う計算になる。しかもこの中には、自分ではできなかったエアコン内部と浴室エプロンの洗浄が含まれる。一方、CからAへの移行は1時間を1万3,675円で買うことになり、残りの4時間(レンジフード・トイレ・フィルター)にそこまで払う価値があるかは疑わしい。多くの家庭にとって、Cが「お金と時間の釣り合い」が最もとれた点になる。

エアコンは「フィルターは自分、内部はプロ」

エアコンだけは、自分でできる範囲とプロの範囲がはっきり分かれる。

自分でやる部分:フィルター

資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド 春夏秋冬」によると、エアコン(2.2kW)のフィルターを月1〜2回掃除すると、詰まった状態と比べて年間31.95kWh、電気代で約990円(1kWhあたり31円で換算)の節約になる。2台なら年約2,000円。年1回の業者クリーニング代の2割程度を、30分の作業で毎年取り戻せる計算だ。

プロに任せる部分:熱交換器・送風ファン

内部のカビやホコリは、フィルター掃除では取れない。市販のエアコン洗浄スプレーもあるが、製品評価技術基盤機構(NITE)は、洗浄液が電装部品にかかったことによる発火事故について注意を呼びかけている。内部は1〜2年に1回プロに頼み、毎年頼むのは使用時間の長いリビングの1台に絞る、という割り切りが現実的だ。

使用頻度と電気代の関係はエアコン電気代シミュレーターで確認できる。暖房の時間が長い部屋ほど、フィルター掃除の効果も大きい。

12月ではなく11月に動く3つの理由

1. 予約が取れる

ハウスクリーニングは12月に依頼が集中し、希望の土日が埋まりやすい。繁忙期料金を設定する事業者もある。11月中に予約しておけば、日程も業者も選べる。家事代行も年末は同じ状況になる。

2. 水仕事がしやすい

気象庁の平年値(1991〜2020年)で、東京の日平均気温は11月が12.5℃、12月が7.7℃。窓拭きや網戸の水洗い、ベランダ作業は、5℃近い差がそのまま作業のつらさに出る。レンジフードの油汚れも、気温が低いほど固まって落ちにくくなる。つけ置きのお湯が冷めにくいのも11月だ。

3. 暖房シーズンの前にエアコンを整える

本格的に暖房を使い始める前にフィルターと内部をきれいにしておけば、冬の数か月分の効率がよくなる。冬の暖房器具の選び方とあわせて考えるなら、暖房器具の電気代比較シミュレーターで、エアコンとほかの暖房のランニングコストを並べておくとよい。窓の断熱まで手を広げるなら、窓の断熱シミュレーターで内窓やシートの効果を見積もれる。

判断フローチャート

場所ごとに、次の順で振り分けていく。

```
その場所に分解・高圧洗浄・専用薬剤が必要?
├─ はい(エアコン内部・浴室エプロン・シロッコファンの奥)
│ └─ 自分では同じ仕上がりにならない → ハウスクリーニング
│ (毎年ではなく1〜2年に1回でもよいか検討)
└─ いいえ
└─ 作業に2時間以上かかる?
├─ はい(窓・網戸・キッチン)
│ └─ その時間を時給3,000円で買う価値がある?
│ ├─ ある → 家事代行(2〜3時間をまとめて)
│ └─ ない → 自分で(11月の暖かい日に)
└─ いいえ(トイレ・フィルター)
└─ 自分で(普段の掃除の延長)
```

「時給3,000円で買う価値があるか」は人によって違う。自分の時間の値段を知りたいなら、時給換算シミュレーターで年収と労働時間から実質的な時給を出しておくと、迷ったときの基準になる。

ケース:佐伯さん一家の11月

東京都郊外の3LDKに住む佐伯さん(仮名・41歳)は、会社員の妻と小学生2人の4人家族。世帯年収は約900万円。去年は12月最後の土日を2日とも大掃除に使い、それでも窓が終わらなかった。

今年はプランCで組み直した。

  • 11月第1週:リビングのエアコン(1万円)と浴室(1万7,000円)をマッチングサービスで予約。同じ業者でまとめると出張費が1回で済む
  • 11月第2週:家事代行に窓・網戸とキッチンを3時間で依頼(交通費込み1万円)
  • 11月第3週の日曜:レンジフードのファンをつけ置きし、その間にトイレと寝室エアコンのフィルター(計4時間)
  • 12月:普段の掃除だけ

支払いは合計3万8,300円。去年は材料費と、終わらなかった窓を年明けに業者へ頼んだ分を合わせて2万円近く使っていたので、差額は2万円弱。そのかわり、12月の週末が2日戻ってきた。

11月にやることリスト

  • [ ] 家の中の「大掃除したい場所」を書き出す(エアコンは台数とお掃除機能の有無も)
  • [ ] 各場所を「プロ」「家事代行」「自分」のどれにするかフローチャートで決める
  • [ ] プロに頼む場所は、同じ業者でまとめられるか確認する(出張費・セット割)
  • [ ] 家事代行は2〜3時間に収まるよう、頼む場所を絞って伝える
  • [ ] 自分でやる場所は、11月中の暖かい日に予定を入れる
  • [ ] エアコンのフィルターは大掃除の日だけでなく、冬の間も月1〜2回の習慣にする

大掃除は「年末にまとめて自分でやるもの」と決まっているわけではない。どこを誰に任せるかを11月に決めてしまえば、12月はほとんど何もしなくていい。

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  • エアコンフィルター清掃の省エネ効果:資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド 春夏秋冬」(年間31.95kWh・約990円、31円/kWh換算)
  • 業者価格:くらしのマーケット等のマッチング型サービスの価格帯(2026年時点の目安)、ダスキン公表料金(エアコン壁掛け1万5,400円・お掃除機能付き2万6,400円、レンジフード2万2,000円、キッチン2万680円、いずれも税込)。地域・業者・汚れの程度で変わる
  • 気温:気象庁 平年値(1991〜2020年、東京)
  • DIYの作業時間・材料費は一般的な家庭での目安。家事代行の料金は1時間2,500〜4,000円の相場から3,000円で試算

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