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ペアローンで妻の手取りが半減した|33歳・八王子市の中村家、育休給付率50%移行で妻名義口座の可処分所得が8.8万円になった内訳【ケーススタディ】

4,500万円のマンションをペアローン(夫2,500万円・妻2,000万円)で購入した中村家(仮名)。妻の育休給付金が180日を境に67%→50%に下がった今月、妻名義の返済51,900円を差し引いた可処分所得は22.4万円→8.8万円まで落ち込んだ。世帯合算で見れば下落率は20.3%に収まるが、妻個人の口座だけで見ると資金繰りが厳しくなる理由と、生活防衛資金・児童手当で穴を埋めた対策を数字で追う。

「育休に入ったら、正直このままじゃ厳しいかも」——中村美穂さん(仮名・31歳・メーカー勤務)が家計簿アプリを開いてつぶやいた。給付金の入金額が、想定していたより2ヶ月前からさらに下がっていたからだ。

夫の拓也さん(仮名・33歳・IT企業勤務)と2023年12月、東京都八王子市の中古マンション(4LDK・4,500万円)をペアローンで購入した中村家。2025年11月に第一子を出産し、美穂さんは産後休業を経て2026年1月から育児休業に入った。育休給付金は最初の180日間、月給の67%が支給される。ここまでは想定の範囲内だった。

想定と違ったのは、180日を過ぎた2026年7月からだ。給付率が67%から50%に下がり、そこから住宅ローンの妻名義分を引くと、美穂さんの口座に残る可処分所得は月8.8万円まで縮んだ。今月(2026年8月)、まさにこの局面のただ中にいる。

中村家のプロフィール

項目内容
夫・拓也(33歳)IT企業勤務・年収480万円
妻・美穂(31歳)メーカー勤務・育休前年収400万円(月給28万円・賞与除く)
子ども長女(0歳・2025年11月生まれ)
世帯年収(額面)880万円
住まい東京都八王子市・中古マンション4LDK 4,500万円(2023年12月購入)
ローン形式ペアローン(夫2,500万円・妻2,000万円、各35年・変動金利0.5%)

ポイントは、ペアローンは夫婦それぞれが別々の債務者になることだ。連帯債務や収入合算と違い、妻の返済分は妻名義の口座から独立して引き落とされる。育休で妻の収入が変動しても、この引き落としだけは金額が動かない。

月々の返済額——夫婦で64,900円と51,900円

4,500万円を夫2,500万円・妻2,000万円に分けてペアローンを組んだ場合、35年・変動金利0.5%(元利均等)での月々返済額は次の通りだ。

名義借入額月々返済額
2,500万円64,900円
2,000万円51,900円
合計4,500万円116,800円

住宅ローン控除は夫婦それぞれの持分に応じて受けられる一方、返済義務も夫婦それぞれに独立して発生する。これが、育休中の収入変動が「世帯」ではなく「妻個人の口座」にダイレクトに響く理由だ。ペアローンと連帯債務・単独ローンの違いはペアローン vs 連帯債務 比較シミュレーターで確認できる。

育休給付金は2段階——67%から50%への切り替わりが分岐点

育児休業給付金は、休業開始からの日数で給付率が変わる。

期間給付率美穂さんの場合(月給28万円)
最初の180日67%187,600円
181日目以降50%140,000円

給付金は非課税で、育休中は社会保険料(健康保険・厚生年金の本人・会社負担分)も免除される。このため額面の下落率ほど手取りは落ちない、というのが一般的な説明だ。実際、育休前の手取り(月給28万円に対し手取り率を8割と仮定)22.4万円に対し、最初の180日間は18.76万円で下落率16.3%にとどまる。

問題は、この「下落率16.3%」が生活実感と一致しないケースがあることだ。美穂さんの場合がまさにそれで、原因は給付金そのものではなく、給付金から差し引かれる固定費——妻名義のペアローン返済——にある。

妻名義口座だけで見ると、可処分所得は8.8万円まで縮む

美穂さんの口座に入る「育休給付金 − 妻名義のローン返済(51,900円)」を、局面ごとに並べる。

```
【育休前】
手取り(概算) 224,000円
- ローン返済 51,900円
= 可処分所得 172,100円

【育休 最初の180日(給付率67%)】
給付金 187,600円
- ローン返済 51,900円
= 可処分所得 135,700円 (育休前比 ▲36,400円・▲21.2%)

【育休 181日目以降(給付率50%)】※ 現在(2026年8月)はここ
給付金 140,000円
- ローン返済 51,900円
= 可処分所得 88,100円 (育休前比 ▲84,000円・▲48.8%)
```

給付金だけを見れば下落率は16.3%(180日目まで)〜50%(181日目以降)だが、固定の住宅ローン返済を引いた「使えるお金」で見ると、下落率は21.2%→48.8%まで拡大する。給付金の額面が半分になれば、そこから引かれる固定費の重みは相対的にさらに増す。これが「制度上は8割カバーされるはずなのに、口座を見ると半分近くまで減っている」と感じる正体だ。

世帯合算で見ると、下落率は20.3%に収まる

一方、夫の収入は変わらないため、世帯全体の可処分所得(夫婦それぞれの手取り・給付金からローン返済を引いた合計)で見ると印象は変わる。

局面夫の可処分所得妻の可処分所得世帯合計育休前比
育休前241,800円172,100円413,900円
給付率67%期241,800円135,700円377,500円▲8.8%
給付率50%期(現在)241,800円88,100円329,900円▲20.3%

世帯合算なら下落率は最大でも20.3%で、家計全体が破綻するような数字ではない。ペアローンで問題になるのは「世帯の総額」ではなく「妻名義の口座単体の資金繰り」だという点が、この比較から見えてくる。妻名義の口座から保育料や自分の生活費、将来の教育費積立などを引き落としている場合、世帯合算の数字だけを見て安心していると、妻の口座は先に赤字化する。

中村家がやった3つの対策

美穂さんが給付率50%への切り替わりを見越して、育休6ヶ月目から動いたことは3つある。

1. 生活防衛資金を「妻名義ローン専用」に3ヶ月分プールした
育休開始前に、妻の返済額51,900円×6ヶ月分=約31万円を専用の口座に確保。給付率が下がった月以降、不足分をここから補填する取り決めにした。防衛資金の目安は生活防衛資金 必要額シミュレーターで世帯構成に応じて確認できる。

2. 繰上返済ではなく、出産育児一時金を現金クッションに回した
出産費用は出産育児一時金50万円(2023年4月以降)でほぼ相殺されたため、余った分を繰上返済に回さず現金として温存。「育休中に手元の現金を減らす繰上返済はしない」というのが夫婦間のルールになった。

3. 児童手当を妻名義口座への自動振替に設定した
2024年10月の制度拡充で、児童手当は3歳未満の子1人につき月15,000円(所得制限なし)。これを妻名義の口座に振り込む設定にし、可処分所得88,100円に対して実質+15,000円のクッションを作った。総受給額の見通しは児童手当 総額シミュレーターで確認できる。

これらの対策で、美穂さんの口座は給付率50%期でも当面はマイナスにならない見込みが立った。根本的な解決策ではないが、「復職までの数ヶ月をどう乗り切るか」を数字で見える化したことで、夫婦間の不安は具体的な対策に置き換わった。

FAQ

Q1. ペアローンは共働き夫婦にとって本当にリスクが高い制度か?
A. 制度自体がリスクなのではなく、「夫婦の収入が両方フルで続く前提」で組んだ返済計画が、産休・育休・時短勤務などで片方の収入が変動する局面に弱いというのが実態だ。連帯債務や単独ローン(収入合算)であれば返済は1本にまとまるが、住宅ローン控除を夫婦それぞれで受けられる利点とのトレードオフになる。3方式の違いはペアローン vs 連帯債務 比較シミュレーターで数字ベースに比較できる。

Q2. この記事の給付金・返済額の根拠は?
A. 育児休業給付金の給付率(180日まで67%、以降50%)は雇用保険法に基づく制度で、賞与を除いた休業開始前の月給(賃金月額)を基準に計算される。社会保険料免除は育児・介護休業法および健康保険法・厚生年金保険法上の規定による。ペアローンの返済額は借入額・金利・返済期間から元利均等方式で試算した数値で、実際の金利・審査条件は金融機関ごとに異なる。

Q3. 数字が自分の家庭の感覚と合わない場合は?
A. 最も影響が大きいのは、育休前の給与水準とローンの借入比率だ。妻の借入額が夫より小さければ返済負担は軽くなり、逆に妻の借入比率が高い、あるいは育休前の給与そのものが低い場合は可処分所得の下落率がさらに拡大する。まず年収から手取り計算シミュレーターで育休前の実際の手取りを確認し、そこから育児休業給付金シミュレーターで給付額を試算し直すのが確実だ。

Q4. 育休前にやっておくべき対策は?
A. 中村家のように「妻名義のローン返済分だけを別枠でプールする」のが最も直接的だ。育休開始前の数ヶ月から積み立てておけば、給付率が50%に下がるタイミングでの資金繰りに余裕が生まれる。生活防衛資金シミュレーターで必要額の目安を掴んだ上で、育休開始のタイミングから逆算して準備を始めることをすすめる。

まとめ——「世帯合算」と「名義別の口座」は分けて見る

  1. ペアローンは夫婦それぞれが独立した債務者になるため、育休中の収入変動は世帯全体ではなく返済義務のある本人の口座に直接響く
  2. 世帯合算で見た可処分所得の下落率(最大20.3%)と、妻個人の口座で見た下落率(最大48.8%)には2倍以上の差がある
  3. 育休開始前に「妻名義ローン専用の防衛資金」を確保しておけば、給付率が50%に下がる局面でも資金繰りは崩れにくい

ペアローンを組む段階では、多くの夫婦が住宅ローン控除の節税効果や物件価格の上限を先に考える。だが本当に効いてくるのは、購入から数年後、育休や時短勤務で片方の収入が変動したときだ。これから住宅購入を検討している共働き夫婦は、ペアローン vs 連帯債務 比較シミュレーターで借入比率を決める段階から、育休中の返済シナリオまで一度試算しておきたい。

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