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配当金の税金20.315%は取り戻せる|年収500万なら総合課税で約4.9万円還付・令和8年分の申告有利判定表

上場配当の源泉徴収は20.315%。令和8年分は基礎控除104万円で、年収500万・配当30万なら総合課税で約48,500円得(令和7年分は約39,300円)。年収約1,110万円以下なら原則有利だが、年収約635万〜665万円は基礎控除の崖で不利になる。損失がある年の申告分離も解説。

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上場株式の配当金には20.315%(所得税15.315%+住民税5%)が源泉徴収されます。しかし令和8年分(2026年1〜12月に受け取る配当)なら、年収500万円・配当30万円の会社員が総合課税を選ぶと約48,500円税負担が軽くなります。令和8年度税制改正で基礎控除が最大104万円に引き上げられ、年収500万円の課税所得が5%の税率帯に下がったことで、前年(令和7年分の約39,300円)より得の幅が広がりました。

一方で、改正は新しい落とし穴も生みました。配当を合算した合計所得金額が489万円を超えると基礎控除が104万円→67万円に下がるため、給与年収約635万〜665万円の人は総合課税を選ぶとかえって損になるケースがあります。申告不要・総合課税・申告分離の3方式を、令和7年分と令和8年分の数字で比較します。

配当金には20.315%の税金がかかる

上場株式の配当金には原則として20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税金が源泉徴収されます。ただし、申告方法によってはこれより少ない税負担にすることも可能です。

逆に、申告することで税金が増えるケースもあるため、自分の年収・状況に合わせた選択が重要です。まずは配当確定申告シミュレーターで自分のケースを試算してみるのがおすすめです。

3つの申告方式の概要

方式確定申告所得への合算住民税
申告不要(源泉徴収)不要合算しない源泉徴収で完結
総合課税必要給与等と合算翌年課税(配当割5%は控除)
申告分離課税必要合算しない申告分は翌年課税

申告不要制度

特定口座(源泉徴収あり)で受け取った配当は、何もしなければ20.315%で源泉徴収されて完了です。確定申告は不要で、手間がゼロなのが最大のメリットです。会社員なら年末調整だけで税務が終わり、手取り額にも影響しません。

総合課税

配当所得を給与所得などと合算して、累進税率で課税する方式です。配当控除(所得税10%、住民税2.8%の税額控除。課税総所得金額等が1,000万円を超える部分は5%・1.4%)が使えるのがメリット。所得税率が低い人には有利です。

配当控除は「所得税額全体」から差し引く税額控除です。配当分の所得税(5%帯なら配当×5%)より配当控除(配当×10%)の方が大きい場合、余った分は給与にかかる所得税からも差し引かれます。5%帯の人ほど得が大きくなるのはこのためです。

ただし、配当所得が合計所得金額に加わるため、基礎控除の段階や配偶者控除・扶養控除の判定、国民健康保険料などに影響する場合があります。

申告分離課税

一律20.315%で申告する方式。上場株式の譲渡損失との損益通算ができるのが最大のメリット。株式売却で損が出ている年に配当と損益通算すれば、税金を取り戻せます。売却益側の税金は株式売却益の税金シミュレーターで確認できます。

税率帯別の実質税率(令和8年分の年収目安)

配当控除を考慮した総合課税の実質税率(所得税は復興税込み、住民税は10%−配当控除2.8%=7.2%)は次のとおりです。

課税所得(令和8年分の年収目安)所得税率総合課税の実質税率申告不要(20.315%)と比較
195万円以下(年収約528万円以下)5%約2.1%(余った配当控除が給与の税を減らす)大きく有利
330万円以下(年収約677万円以下)10%約7.2%有利
695万円以下(年収約1,121万円以下)20%約17.4%有利
900万円以下(年収約1,362万円以下)23%約20.5%わずかに不利
1,800万円以下33%約30.7%(1,000万円超部分は約37.2%)不利
4,000万円以下40%約44.3%不利
4,000万円超45%約49.4%不利

年収目安は、令和8年分の給与所得控除・基礎控除(104万・67万・62万円の階層制)と社会保険料を年収の15%として換算したものです。令和7年分では5%帯の上限が年収約476万円でしたが、令和8年分は約528万円まで広がりました。

ただし、この表には例外があります。次の章の「基礎控除の崖」に当たる年収帯では、税率表上は有利でも総合課税が不利になります。

【令和8年分の新しい落とし穴】合計所得489万円の崖

令和8年分の基礎控除は、合計所得金額489万円以下なら104万円、489万円を1円でも超えると67万円です。総合課税を選ぶと配当所得も合計所得金額に入るため、給与所得+配当が489万円をまたぐと基礎控除が37万円減ります。

例:給与年収650万円(給与所得476万円)・配当50万円の場合

項目申告不要総合課税(崖なしと仮定)総合課税(実際)
合計所得金額476万円526万円526万円
基礎控除104万円104万円67万円
課税所得274.5万円324.5万円361.5万円
配当にかかる税負担101,575円36,000円105,939円

崖がなければ6.5万円得するはずが、基礎控除が37万円減ったせいで課税所得が増え、一部に20%の税率までかかって申告不要より4,364円損になります。令和7年分の同じ条件(基礎控除63万→68万円の差は5万円だけ)なら総合課税で24,224円得していたケースです。

1万円刻みで調べた「総合課税が不利になる給与年収」は次のとおりです(社会保険料15%・他の控除なしの概算)。

配当額令和8年分で総合課税が不利な年収帯令和7年分
10万円約654万〜665万円、約839万〜850万円、約1,120万円〜約839万〜850万円、約1,115万円〜
30万円約635万〜665万円、約817万〜850万円、約1,119万円〜約817万〜850万円、約1,114万円〜
50万円約644万〜665万円、約1,118万円〜約1,113万円〜
100万円約665万円前後、約1,114万円〜約1,110万円〜

年収850万円前後の小さな不利帯は、合計所得655万円で基礎控除が67万→62万円(令和7年分は63万→58万円)に下がる段差によるものです。年収が665万5,556円を超えている人は給与所得だけで既に489万円を超えているため、配当を足しても基礎控除は変わらず、総合課税の有利さが戻ります。

【具体例】年収500万・配当30万の場合:3方式をステップ比較

「年収500万円の会社員が、特定口座(源泉徴収あり)で配当金30万円を受け取った」ケースを、令和8年分のルールで計算します。

前提条件

  • 給与年収:500万円(給与所得控除144万円→給与所得356万円)
  • 基礎控除:104万円(令和8年分。配当を足しても合計所得386万円で489万円以下)
  • 社会保険料控除:75万円(年収の15%概算)
  • 課税所得(配当除く):177万円(所得税率5%の帯。令和7年分は基礎控除68万円で213万円・10%帯だった)
  • 配当金:30万円(上場株式)、株式の売却損:なし

方式1:申告不要

  • 源泉徴収税額:30万円 × 20.315% = 60,945円(所得税45,945円+住民税15,000円)
  • 追加の手続きなし。最終的な税負担:60,945円

方式2:総合課税

  • 177万円 + 配当30万円 = 207万円(195万円を超えた12万円だけが10%)
  • 207万円×10%−97,500円=109,500円 → 配当控除30,000円を引いて79,500円 → ×1.021=81,169円
  • 配当がない場合の所得税:177万円×5%=88,500円 → ×1.021=90,358円
  • 差額:−9,189円(配当を足したのに、所得税は給与だけのときより9,189円少なくなる)
  • 30万円×10%−配当控除8,400円=21,600円
  • 総合課税での税負担:−9,189円+21,600円=12,411円
  • 申告不要との差:60,945円−12,411円=48,534円の得

お金の流れで見ると、確定申告で所得税が55,134円還付(配当の源泉所得税45,945円+給与分9,189円)され、翌年の住民税は配当割5%(15,000円)を差し引いて6,600円増える、という形になります。

方式3:申告分離課税

  • 30万円 × 20.315% = 60,945円。源泉徴収済みなので追加負担も還付もなし(売却損がないので損益通算のメリットもない)

3方式の比較まとめ(令和7年分との比較)

方式令和8年分の税負担申告不要との差令和7年分の税負担申告不要との差
申告不要60,945円―60,945円―
総合課税12,411円48,534円得21,600円39,345円得
申告分離60,945円0円60,945円0円

令和8年分は課税所得が10%帯から5%帯に下がり、余った配当控除が給与の所得税からも引けるようになったため、得の幅が約9,200円広がりました。配当確定申告シミュレーターでも、給与の所得税から引ける配当控除まで含めて同じ48,534円の得が確認できます。

年収別の税負担比較(配当金50万円)

給与年収申告不要総合課税(令和8年分)判定(令和8年分)総合課税(令和7年分)
300万円101,575円10,475円総合課税(91,100円得)10,475円
500万円101,575円26,811円総合課税(74,764円得)36,000円
600万円101,575円36,000円総合課税(65,575円得)36,000円
650万円101,575円105,939円申告不要(崖で4,364円損)77,351円
700万円101,575円87,050円総合課税(14,525円得)87,050円
900万円101,575円87,050円総合課税(14,525円得)87,050円
1,200万円101,575円102,365円申告不要・分離(790円損)102,365円
1,500万円101,575円185,940円申告不要・分離185,940円

※社会保険料は年収の15%、他の所得控除なしの概算。配当控除は課税総所得1,000万円超の部分を5%・1.4%で計算しています。年収700万円以上は基礎控除の改正幅(4万円)が配当の税負担に影響しないため、令和7年分と同じ値です。

申告分離が有利になるケース:損益通算

株式の売却損と配当金を損益通算すると、税金の還付が受けられます。

例:配当金50万円、株式売却損60万円の年

損益通算配当の課税所得還付額
なし(申告不要)50万円(課税済み)0円
あり(申告分離)0円(損と相殺)101,575円還付

申告分離は給与と合算しないため、基礎控除の崖の影響も受けません。売却損がある年や、上の不利帯(年収約635万〜665万円など)に当たる年は申告分離・申告不要が安全です。

損失の繰越控除

損益通算しても損失が残った場合、確定申告を続けることで翌年以降3年間繰り越せます。翌年以降の配当・売却益から控除できます。

確定申告の具体的な手順

必要な書類

  1. 特定口座年間取引報告書:証券会社から翌年1月末までに届く(電子交付の場合はログインして確認)
  2. 源泉徴収票:勤務先から届く給与の源泉徴収票
  3. マイナンバーカード(e-Taxの場合)またはマイナンバー確認書類+本人確認書類
  4. 還付金の振込先口座の情報

申告の流れ(e-Taxの場合)

  1. 国税庁「確定申告書等作成コーナー」にアクセス(マイナンバーカード+スマートフォンでe-Tax送信可)
  2. 給与所得は源泉徴収票の金額、配当所得は年間取引報告書の配当額・源泉徴収税額を入力し、「総合課税」か「申告分離課税」を選択
  3. 社会保険料控除・生命保険料控除などを入力。iDeCoの掛金がある場合は小規模企業共済等掛金控除に入力(所得控除は合計所得金額を減らさないので、489万円の崖の判定は変わらない点に注意)
  4. 税額を確認して送信。還付は通常1〜2か月後に指定口座へ

申告期限

令和8年分の確定申告期間は2027年2月16日〜3月15日です。還付申告だけなら翌年1月1日から5年間提出でき、令和7年分以前の配当で還付を受け忘れている場合もさかのぼって申告できます。

よくある間違い

  • NISA口座の配当を申告してしまう:NISA口座の配当は非課税のため申告対象外です
  • 選択単位を誤解する:特定口座(源泉徴収あり)内の配当は口座単位で、それ以外は1回に支払を受ける配当ごとに申告するかを選びます。1回の配当の一部だけを申告することはできません
  • 住民税だけ別方式にしようとする:2024年分以降は所得税と住民税で同じ方式になります

NISA口座の配当は非課税

新NISA(つみたて・成長投資枠)内の株式から受け取る配当は全額非課税です。NISAの運用シミュレーションで、非課税メリットの具体的な金額を確認できます。

口座の種類配当への課税
特定口座(源泉徴収あり)20.315%
特定口座(源泉徴収なし)・一般口座20.315%(上場株式の配当は源泉徴収、申告は選択)
NISA口座0%(非課税)
iDeCo運用中は非課税(受取時に課税)

NISA口座の配当を非課税にするには「株式数比例配分方式」(証券口座で受け取る方式)を選ぶ必要があります。銀行口座受け取りなどを選んでいると、NISA口座内の配当でも課税されてしまうので注意してください。年間360万円の投資枠に高配当株を優先して入れるのが節税の基本戦略です。

方式を選ぶ際のチェックリスト(令和8年分)

  1. NISA口座の配当 → そもそも非課税。申告不要
  2. 株式の売却損がある・損失を繰り越したい → 申告分離
  3. 給与年収が約630万円以下 → 総合課税が有利なことが多い(5%帯の約528万円以下なら特に大きい)
  4. 給与年収が約635万〜665万円 → 給与所得+配当が489万円を超えると基礎控除の崖で不利になりやすい。申告前に両方式を比較
  5. 給与年収が約666万〜1,110万円 → 総合課税がやや有利(年収850万円前後は配当額次第)
  6. 給与年収が約1,120万円超 → 申告不要または申告分離

よくある質問

Q. 令和8年分で何が変わったの?
所得税の基礎控除が合計所得489万円以下で104万円(令和7年分は所得に応じ95万〜68万円)、489万超655万円以下で67万円(同63万円)、655万超2,350万円以下で62万円(同58万円)に引き上げられ、給与所得控除の最低額も65万円→74万円になりました。配当の税率や配当控除率自体は変わっていませんが、課税所得が下がって5%帯の人が増えたため総合課税の得が大きくなる一方、489万円の崖で不利になる年収帯が生まれました。

Q. 給与所得が489万円を少し下回っています。配当を総合課税にしても大丈夫?
給与所得+配当所得が489万円を超えるかどうかで判断してください。超える場合は基礎控除が37万円減り、ほとんどのケースで申告不要の方が得です。給与所得は源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」で確認できます。

Q. この記事の前提データ・税率はどこから?
所得税の速算表は国税庁「No.2260 所得税の税率」、配当控除は国税庁「No.1250 配当所得があるとき(配当控除)」、源泉徴収税率20.315%は所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%です。令和8年分の基礎控除・給与所得控除は国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」に基づきます。社会保険料控除は年収の15%概算で、その他の控除は考慮していません。

Q. 数字が実感と合わない/不安な場合は?
住宅ローン控除・医療費控除・ふるさと納税・iDeCoの掛金などがあると課税所得が下がり、総合課税がさらに有利になる方向に動きます。逆に、配当を合算したことで配偶者控除・扶養控除の判定や国民健康保険料(自営業・退職者の場合)に影響することもあります。正確な判定は国税庁「確定申告書等作成コーナー」で総合課税と申告不要の両方を入力して比べるのが確実です。当サイトの数値に疑問があればお問い合わせからご連絡ください。

Q. 住民税だけ「申告不要」を選ぶ裏ワザは今も使える?
使えません。令和5年度分の住民税までは所得税と住民税で別々の課税方式を選べましたが、令和6年度分以降は所得税で選んだ方式が住民税にも適用されます。古い解説記事には旧ルールが残っていることがあるので注意してください。

Q. 確定申告すると配偶者の扶養から外れる?
総合課税・申告分離を選ぶと配当所得が合計所得金額に加算されるため、本人が誰かの扶養に入っている場合は判定ラインに影響します。令和8年分の扶養親族・同一生計配偶者の所得要件は合計所得62万円以下(令和7年分は58万円)です。専業主婦(夫)が配当を多く受け取っているケースでは、申告不要のままにしておく方が世帯トータルで得になることがあります。

Q. NISA口座の配当も確定申告が必要?
不要です。新NISA内の株式・投資信託から受け取る配当・分配金は全額非課税で、確定申告の対象外です。非課税にするには受取方法を「株式数比例配分方式」にしておく必要があります。

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関連シミュレーター

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  • 国税庁「No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)」「No.1250 配当所得があるとき(配当控除)」
  • 国税庁「No.2260 所得税の税率」
  • 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/2026kaisei.pdf
  • 国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」https://www.nta.go.jp/users/gensen/2026kiso/pdf/0026005-024.pdf

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