12月29日〜1月3日の受診は「休日料金」——大人の初診は窓口870円→1,620円、深夜なら2,310円。休日当番医・#7119・薬の前倒しで年末年始に備える【2026-27年の年末年始】
診療報酬のルールでは12月29日〜1月3日は日曜と同じ「休日」扱い。初診料291点に休日加算250点が乗り、3割負担の窓口は870円→1,620円(深夜は2,310円)。6歳未満の加算、再診の休日加算190点、薬局の休日加算(1.4倍)、紹介状なしの選定療養費7,000円以上、救急車の選定療養費まで、令和8年度診療報酬改定後の点数で早見表にした。12月中にやっておく処方の前倒し(14日制限の年末年始特例)、セルフメディケーション税制の年内購入、当番医の探し方も整理。
年末の夜、子どもが熱を出した。近所のクリニックは12月28日で仕事納め。休日当番医に行ったら、いつもより窓口の金額が高かった——これは病院が勝手に上乗せしたのだろうか。
答えは「いいえ」だ。診療報酬の点数表では、12月29日から1月3日までの6日間は日曜・祝日と同じ「休日」として扱われる(厚生労働省告示「診療報酬の算定方法」別表第一、初診料の注)。休日当番医や救急病院で診てもらうと、全国共通のルールで「休日加算」が乗る。仕組みを知っていれば、どこに行くか・いつ行くかで払う額はある程度コントロールできる。
この記事では、2026年6月施行の令和8年度診療報酬改定後の点数をもとに、年末年始の窓口負担がいくら変わるのかを計算し、12月中にできる備えを整理する。
年末年始の6日間は「休日」——加算の点数表
初診料・再診料には、受診した時間帯に応じた加算がある。令和8年度改定で初診料は291点に据え置き、再診料は75点→76点に1点引き上げられた。時間帯の加算は改定前と同じだ。
| 区分 | 基本点数 | 時間外加算 | 休日加算 | 深夜加算(22時〜6時) |
|---|---|---|---|---|
| 初診(6歳以上) | 291点 | +85点 | +250点 | +480点 |
| 初診(6歳未満) | 291点 | +200点 | +365点 | +695点 |
| 再診(6歳以上) | 76点 | +65点 | +190点 | +420点 |
1点=10円で、ここに自己負担割合(現役世代は3割、未就学児は2割)を掛けたものが窓口で払う額になる。6歳未満の初診には平日でも「乳幼児加算」75点が付くが、時間外・休日・深夜の加算を取るときはそちらに置き換わる(重ねては付かない)。
なお休日加算が付くのは、休日当番医・休日夜間急患センター・救急告示病院など地域の救急医療を担う医療機関で診てもらった場合や、診療時間外に急を要して受診した場合が中心だ。普段から日曜も「診療時間」として開けている医院の時間内受診では、加算が付かないこともある。
計算式と窓口負担の早見表
窓口負担の計算はシンプルだ。
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窓口負担 =(基本点数 + 加算点数)× 10円 × 自己負担割合
※10円未満は四捨五入
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たとえば大人(3割負担)が1月2日の昼に休日当番医で初診を受けた場合、
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(291点 + 250点)× 10円 × 0.3 = 1,623円 → 1,620円
```
同じ計算を時間帯別に並べると次のようになる(初診料・再診料の部分のみ。検査・注射・処方箋料などは別途かかる)。
| 受診のタイミング | 大人・初診(3割) | 大人・再診(3割) | 未就学児・初診(2割) |
|---|---|---|---|
| 平日の診療時間内 | 870円 | 230円 | 730円 |
| 時間外(平日夜など) | 1,130円(+260円) | 420円(+190円) | 980円(+250円) |
| 休日(12/29〜1/3・日祝) | 1,620円(+750円) | 800円(+570円) | 1,310円(+580円) |
| 深夜(22時〜翌6時) | 2,310円(+1,440円) | 1,490円(+1,260円) | 1,970円(+1,240円) |
大人の初診なら、休日で約1.9倍、深夜で約2.7倍。差額そのものは数百〜1,500円程度だが、家族4人が順番にインフルエンザにかかると、加算分だけで3,000円前後になる計算だ。
未就学児の欄は医療保険上の負担額で、実際には多くの自治体の「子ども医療費助成」で0円〜数百円になる。東京都のように高校生年代まで助成がある地域も多い。休日当番医でも受給者証を出せば助成は使えるので、マイナ保険証と一緒に必ず持っていきたい。
加算より大きい「別料金」が3つある
休日加算は数百円の話だが、年末年始の受診ではそれより桁が大きい費用が発生することがある。
1. 紹介状なしで大病院に行くと「選定療養費」7,000円以上
特定機能病院や、一般病床200床以上の地域医療支援病院などに紹介状なしで初診にかかると、保険診療とは別に初診7,000円以上・再診3,000円以上の選定療養費がかかる(国が定める最低額)。消費税込みで7,700円とする病院が多く、2026年に入ってから8,800円や1万3,200円に引き上げた病院もある。
救急で受診した場合は原則として対象外だが、「緊急性がない」と判断されると請求する運用の病院もある。年末年始は大病院の救急外来に軽症の患者が集中しやすい時期なので、まずは休日当番医や急患センターを選ぶほうが、費用の面でも待ち時間の面でも合理的だ。
2. 救急車が有料になった地域がある
茨城県では2024年12月から、救急車で搬送されたものの入院に至らなかった軽症者に対し、県内の大病院が7,700円〜1万3,200円の選定療養費を徴収している。三重県松阪市でも2024年6月から同様の運用(7,700円)が始まった。迷ったときは次の章の電話相談を先に使うのが、費用面でも安全面でも筋がいい。
3. 薬局にも休日加算がある
調剤報酬にも時間外・休日・深夜の加算があり、休日は調剤基本料・薬剤調製料などの合計の1.4倍が上乗せされる(100分の140)。令和8年度改定後の調剤基本料1(47点)と内服薬2剤分の薬剤調製料(24点×2=48点)だけで計算しても、
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(47点 + 48点)× 1.4 = 133点 → 3割負担で約400円の上乗せ
```
になる。休日当番医の院内で薬を出してもらえるか、当番薬局まで移動が必要かも、事前に確認しておくと慌てずに済む。
年末年始に具合が悪くなったら——行き先の決め方
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体調が悪い
│
├─ 意識がない・呼吸が苦しい・激しい胸痛など
│ → 迷わず119番
│
├─ 救急車を呼ぶべきか判断がつかない
│ → 大人:#7119(救急安心センター、実施地域のみ)
│ 子ども:#8000(こども医療電話相談、全国)
│
├─ 今日中に診てほしいが歩ける・会話できる
│ → 休日当番医 または 休日夜間急患センター
│ (紹介状なしの大病院は選定療養費に注意)
│
└─ 様子を見られる・いつもの症状
→ 手持ちの常備薬で対応し、1月4日以降にかかりつけへ
```
休日当番医は、市区町村や地域の医師会のサイト、自治体の広報誌の12月号、厚生労働省の「医療情報ネット(ナビイ)」で探せる。年末に慌てて検索しないよう、12月中に自宅から行ける当番医・急患センターを1〜2か所メモしておくといい。
12月中にやっておく5つのこと
- [ ] 定期薬を1月4日以降まで足りるように受け取る:降圧薬や糖尿病の薬など毎日飲む薬は、年内最終診療日までに残数を確認する。発売1年以内の新薬など「1回14日分まで」の制限がある薬も、年末年始の特殊な事情があれば1回30日分まで処方できる扱いがあるので、主治医に相談してみる価値がある
- [ ] 解熱鎮痛薬・胃腸薬・経口補水液をそろえる:子どもがいる家庭は、子ども用の解熱剤の使用期限もチェック
- [ ] 当番医・急患センターの場所と受付時間をメモする(前章参照)
- [ ] マイナ保険証(または資格確認書)と子ども医療費の受給者証を1か所にまとめる
- [ ] 今年の医療費の領収書を集計する:控除の判定は1月〜12月に「支払った」額で決まる
最後の項目は、年末年始の受診そのものにも関わる。12月29日〜31日に払った医療費は今年分、1月1日以降は来年分だ。今年の医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満なら所得の5%)をわずかに下回っている家庭なら、年内に受けるか年明けにするかで控除の可否が変わることもある。1年分の医療費は医療費 年間まとめシミュレーターで家族分を集計でき、還付額は医療費控除 計算シミュレーターで確認できる。
常備薬は「年内に買う」と税金が戻る場合も
医療費が10万円に届かない家庭でも、市販薬の購入が多いならセルフメディケーション税制が使える。対象のOTC医薬品(パッケージに識別マークがあるもの)の年間購入額のうち、1万2,000円を超えた部分を所得から控除できる制度で、控除の上限は8万8,000円。健康診断や予防接種などの「一定の取組」を行っていることが条件で、通常の医療費控除とはどちらか一方しか選べない。
たとえば年間の対象医薬品が3万円、所得税率10%の会社員なら、
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控除額:30,000円 − 12,000円 = 18,000円
所得税:18,000円 × 10% × 1.021(復興特別所得税) ≒ 1,840円
住民税:18,000円 × 10% = 1,800円
合計の軽減額 ≒ 3,640円
```
年末年始用の風邪薬や解熱鎮痛薬を12月中に買えば今年の購入額に入る。年間の合計が1万2,000円の手前にいるなら、どうせ買う常備薬を年内に回すのが得だ。レシートは確定申告まで保管しておく。
よくある質問
Q. 1月4日(月)は休日加算の対象?
対象外だ。年末年始の休日扱いは12月29日・30日・31日と1月2日・3日(1月1日は元日で祝日)の計6日間。2027年は1月4日が月曜で、多くのクリニックが通常診療に戻る。ただし日曜・祝日に当たれば、その日は通常どおり休日扱いになる。
Q. 入院が必要になったら、自己負担はどこまで膨らむ?
入院費用は1か月単位で高額療養費制度の上限がかかる。年収約370万〜770万円の区分なら、1か月の上限はおおむね8万円台。ただし上限は暦月ごとに計算されるため、12月30日に入院して1月5日に退院すると「12月分」と「1月分」に分かれ、合算できない点に注意したい。民間の医療保険の入院給付が気になる人は医療保険の必要性シミュレーターで、公的保障との重なりを確認できる。
Q. この記事の点数の出典はどこ?
厚生労働省告示「診療報酬の算定方法」(令和8年度改定、2026年6月1日施行)の医科点数表(初診料A000・再診料A001)と調剤報酬点数表(調剤基本料・薬剤調製料と時間外等加算)による。選定療養費の最低額は厚生労働省の保険外併用療養費の通知、救急車の選定療養費は茨城県・松阪市の公表資料をもとにした。
Q. 窓口で払った額が、この表と合わないのはなぜ?
表は初診料・再診料(+時間帯の加算)だけを計算したものだ。実際の窓口では、検査(インフルエンザ・新型コロナの抗原検査など)、処方箋料、注射・点滴、医療機関ごとの施設基準による加算が加わる。70歳以上(1〜3割)や自治体の助成対象者は負担割合も変わる。計算の前提が実感と大きくずれていると感じた場合は、サイトのお問い合わせフォームから知らせてほしい。
年末年始の前にやることリスト
| いつまでに | やること |
|---|---|
| 12月中旬 | 定期薬の残数確認、必要なら年内の受診を予約 |
| 12月中旬 | 自宅近くの休日当番医・急患センターを1〜2か所メモ |
| 12月28日まで | 常備薬の購入(セルフメディケーション税制の対象品は今年分に算入) |
| 12月28日まで | マイナ保険証・受給者証・お薬手帳を1か所にまとめる |
| 12月31日まで | 今年の医療費・対象医薬品のレシートを集計 |
| 1月4日以降 | 年末年始に当番医で受診した場合は、かかりつけ医で経過を伝える |
休日加算は数百円、選定療養費は数千円〜1万円台、救急車の選定療養費は地域によって1万円超。年末年始の医療費は「どこに行くか」で桁が変わる。12月のうちに10分だけ準備しておけば、その差のほとんどは避けられる。