扶養控除の節税額は年5万〜17万円|年齢別控除額と年収別早見表【2026年版】
扶養控除で年間5.2万〜17.1万円の節税が可能。一般扶養38万円・特定扶養63万円・老人扶養58万円の控除額を年収300万〜1,000万円の2026年分早見表で比較。大学生の子の年収136万超〜197万円で63万→3万円に縮む特定親族特別控除を親の節税額で検算し、所得要件62万円(給与136万円)、共働き世帯の最適な申告方法も解説。
結論: 高校生1人で年5.2万〜10.9万円、大学生1人で年7.2万〜17.1万円
扶養控除は、16歳以上の家族を養っている人が所得から一定額を差し引ける制度です。控除額は所得税で一般扶養38万円・特定扶養63万円・老人扶養58万円(同居)/48万円(別居)、住民税で33万・45万・45万・38万円。節税額は「控除額×税率」が目安で、扶養控除シミュレーターで2026年分(令和8年分)の年収300万〜1,000万円を計算すると次の幅になります。
- 高校生(16〜18歳)1人: 年5.2万〜10.9万円
- 大学生(19〜22歳)1人: 年7.2万〜17.1万円(子の年収136万円以下、または159万円以下で特定親族特別控除が満額の場合)
- 70歳以上の同居の親1人: 年7.2万〜16.1万円
2026年分(令和8年度改正・2026年12月1日施行)からは扶養親族の所得要件が給与136万円以下(2025年分は123万円以下)に上がり、大学生世代は「特定親族特別控除」で子の年収197万円(同188万円)まで控除が段階的に残ります。ただし満額の63万円が残るのは159万円までで、そこから先は5万円刻みで親の節税額が減っていきます。本記事では控除額の一覧、年収別早見表、子の年収別の親の節税額、3つの家庭の検算、申告の注意点を順に整理します。
年齢区分別の扶養控除額(所得税・住民税)
| 区分 | 年齢 | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|---|
| 年少扶養 | 0〜15歳 | 対象外(児童手当で支給) | 対象外 |
| 一般扶養親族 | 16〜18歳 | 38万円 | 33万円 |
| 特定扶養親族 | 19〜22歳 | 63万円 | 45万円 |
| 一般扶養親族 | 23〜69歳 | 38万円 | 33万円 |
| 老人扶養親族(同居老親等) | 70歳以上 | 58万円 | 45万円 |
| 老人扶養親族(別居) | 70歳以上 | 48万円 | 38万円 |
出典は国税庁タックスアンサーNo.1180(所得税法第84条)と地方税法第34条。控除額は令和7年度・令和8年度のどちらの改正でも変わっていません。年齢は「その年の12月31日時点」で判定します。
年収別の節税額早見表
節税額は適用される所得税率(5〜45%)で変わります。以下はシミュレーターで2026年分(基礎控除104万・67万・62万円、給与所得控除の最低74万円)の「扶養控除あり/なし」の税額差を実際に計算した値です。控除によって税率区分をまたぐ場合(年収600万〜700万円)や、年収300万円台で控除額が課税所得を上回る場合があるため、単純な「控除額×税率」とは一致しないことがあります。
一般扶養親族(高校生年代・控除38万円)
| 年収 | 所得税の節税 | 住民税の節税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 300万〜500万円 | 19,000円 | 33,000円 | 52,000円 |
| 600万円 | 38,000円 | 33,000円 | 71,000円 |
| 700万円 | 57,900円 | 33,000円 | 90,900円 |
| 800万〜1,000万円 | 76,000円 | 33,000円 | 109,000円 |
特定扶養親族(大学生年代・控除63万円)
| 年収 | 所得税の節税 | 住民税の節税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 26,900円 | 45,000円 | 71,900円 |
| 400万〜500万円 | 31,500円 | 45,000円 | 76,500円 |
| 600万円 | 55,850円 | 45,000円 | 100,850円 |
| 700万円 | 82,900円 | 45,000円 | 127,900円 |
| 800万〜1,000万円 | 126,000円 | 45,000円 | 171,000円 |
老人扶養親族(同居・控除58万円)
| 年収 | 所得税の節税 | 住民税の節税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 26,900円 | 45,000円 | 71,900円 |
| 400万〜500万円 | 29,000円 | 45,000円 | 74,000円 |
| 600万円 | 53,350円 | 45,000円 | 98,350円 |
| 700万円 | 77,900円 | 45,000円 | 122,900円 |
2025年分(基礎控除95万〜58万円)で計算すると、年収500万円の親は控除がない場合に税率10%の帯にかかるため、高校生1人で61,700円、大学生1人で86,200円、同居の親1人で83,700円と2026年分より約1万円大きくなります。2026年分は基礎控除が104万円に上がって課税所得が下がり、5%の帯に収まるためです。どちらの年分もシミュレーターの「詳細設定」で切り替えて確認できます。
大学生の子の年収と特定親族特別控除
19〜22歳の子の給与収入が扶養の要件を超えても、親の控除がいきなりゼロにならないように令和7年度改正で新設されたのが「特定親族特別控除」です(国税庁No.1177・所得税法第84条の2)。判定は子の合計所得金額(給与収入−給与所得控除)で行い、令和8年度改正で給与所得控除の最低保障額が65万円→74万円に上がったため、2026年分は給与収入に直した区分が9万円ずつ後ろにずれました。
2026年分(所得税)・2027年度(住民税)の区分と親の節税額
| 子の給与収入 | 親の所得税控除 | 親の住民税控除 | 親の年収500万円 | 親の年収800万円 |
|---|---|---|---|---|
| 136万円以下 | 特定扶養控除 63万円 | 45万円 | 76,500円 | 171,000円 |
| 136万超〜159万円 | 63万円(満額) | 45万円 | 76,500円 | 171,000円 |
| 159万超〜164万円 | 61万円 | 45万円 | 75,500円 | 167,000円 |
| 164万超〜169万円 | 51万円 | 45万円 | 70,500円 | 147,000円 |
| 169万超〜174万円 | 41万円 | 41万円 | 61,500円 | 123,000円 |
| 174万超〜179万円 | 31万円 | 31万円 | 46,500円 | 93,000円 |
| 179万超〜184万円 | 21万円 | 21万円 | 31,500円 | 63,000円 |
| 184万超〜189万円 | 11万円 | 11万円 | 16,500円 | 33,000円 |
| 189万超〜194万円 | 6万円 | 6万円 | 9,000円 | 18,000円 |
| 194万超〜197万円 | 3万円 | 3万円 | 4,500円 | 9,000円 |
| 197万円超 | なし | なし | 0円 | 0円 |
控除額は国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」の参考表、住民税は地方税法第34条(合計所得95万円以下は45万円、95万円超は所得税と同額)によります。親の節税額は各区分の上限の年収で扶養控除シミュレーターを使って計算した値です。
表から読み取れるポイントは3つです。
- 159万円までは親の負担はゼロ: 扶養の線(136万円)を超えても特定親族特別控除が満額63万円残るため、親の節税額は変わりません。
- 169万円を超えると減り方が急になる: 住民税側も45万円から41万円・31万円と縮み始め、年収800万円の親なら子の年収189万円までは5万円の稼ぎ増ごとに2.4万〜3万円ずつ節税額が減ります。
- 197万円で完全に消える: 年収800万円の親で見ると、子の年収136万円と197万円超では年17.1万円の差です。
2025年分(所得税)・2026年度(住民税)の区分
| 子の給与収入(2025年分) | 親の所得税控除 | 親の住民税控除(2026年度) |
|---|---|---|
| 123万円以下 | 特定扶養控除 63万円 | 45万円 |
| 123万超〜150万円 | 63万円(満額) | 45万円 |
| 150万超〜155万円 | 61万円 | 45万円 |
| 155万超〜160万円 | 51万円 | 45万円 |
| 160万超〜165万円 | 41万円 | 41万円 |
| 165万超〜170万円 | 31万円 | 31万円 |
| 170万超〜175万円 | 21万円 | 21万円 |
| 175万超〜180万円 | 11万円 | 11万円 |
| 180万超〜185万円 | 6万円 | 6万円 |
| 185万超〜188万円 | 3万円 | 3万円 |
| 188万円超 | なし | なし |
2026年分の控除は12月の年末調整で精算され、2026年11月までの源泉徴収は従来どおりです。住民税への反映は1年遅れの2027年度分からで、横浜市などの案内どおり扶養親族の所得要件62万円・給与所得控除の最低74万円が適用されます。
高校生年代には段階縮小がない
一方、16〜18歳の一般扶養には特定親族特別控除のような段階縮小がなく、給与136万円(2025年分は123万円)を1万円超えただけで親の控除38万円が全額消えます。年収500万円の親なら年52,000円の負担増です。子の年齢で崖の位置と形が違う点は要注意です。
3つの家庭で検算
ケース1: 年収600万円・高校生1人・小学生1人(会社員・妻はパート)
所得税率は10%。高校生分は所得税38万円×10%=38,000円、住民税33万円×10%=33,000円で年71,000円。小学生は控除なしの代わりに児童手当が月1万円(年12万円)支給されます。世帯として税と手当で年19.1万円の支援です。
ケース2: 年収800万円・大学生1人(アルバイト年収140万円)
2026年分は給与136万円超なので特定扶養控除ではなく特定親族特別控除の対象(子の合計所得は140万−74万=66万円)。159万円以下なので控除は満額63万円で、所得税率20%なら所得税126,000円+住民税45,000円=年171,000円。子が年収103万円を意識して働き控えをする必要はもうありません。ただし子が冬休みに稼いで年収170万円になると、控除は所得税41万・住民税41万円に縮んで年123,000円(4.8万円減)。子の収入は30万円増えますが、150万円以上になると親の健康保険の扶養から外れて国民健康保険料の負担が生じるため、税の控除減と合わせて判断が必要です。親の年末調整では「特定親族特別控除申告書」に正しい所得見積額を書きます。
ケース3: 年収500万円・別居の母(73歳・年金月6万円)に仕送り
年金収入72万円は公的年金等控除110万円以下なので所得0円、扶養の要件を満たします。別居なので老人扶養(別居)48万円・住民税38万円の控除で、2026年分の計算では所得税率5%で年62,000円(所得税24,000円+住民税38,000円)の節税。同居に切り替えると58万円・45万円に上がり年74,000円になります。健康保険の扶養は別基準なので、47歳・年収650万円の仕送りケースのように税と健保を分けて検討してください。
共働き世帯はどちらの扶養に入れるか
同じ子を夫婦両方の扶養にはできません。所得控除は税率が高い方に付けたほうが節税額が大きくなります。夫600万円・妻400万円で高校生1人なら、夫の扶養で71,000円、妻の扶養で52,000円と19,000円の差です。ただし住民税の非課税判定や会社の家族手当の支給条件(多くは税の扶養と連動)も確認しましょう。
見落としやすい2つのポイント
16歳未満の子も「扶養親族の数」には入る
16歳未満の子は控除額こそゼロですが、住民税の非課税限度額の判定では扶養親族の人数に数えられます。たとえば東京23区では、合計所得が「35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族の数)+31万円」以下なら均等割・所得割とも非課税、「+42万円」以下なら所得割が非課税になる(東京都主税局)ため、子どもが多い世帯ほど住民税がかからない所得の上限が上がります。年末調整の申告書で下段の「住民税に関する事項」を空欄にすると、この判定に反映されないので必ず記入してください。
税の扶養と健康保険の扶養は別の制度
税の扶養控除は「合計所得62万円以下(2025年分は58万円以下)」で判定しますが、健康保険の被扶養者は「年収130万円未満(60歳以上・障害者は180万円未満)かつ被保険者の収入の2分の1未満」という別の基準で、仕送りの額や同居の有無も問われます。19〜22歳(配偶者を除く)は2025年10月から基準が年収150万円未満に緩和されました。大学生のアルバイト収入が150万円ちょうどなら、税では特定親族特別控除63万円が満額残る一方、健康保険の扶養からは外れて本人が国民健康保険に加入する必要があります。税は159万円まで満額でも、健保は150万円未満が線という「ずれ」に注意してください。「扶養に入れる」と一言で言っても、税・健保・会社の家族手当の3つを分けて確認しましょう。
申告の手続き
| 対象者 | 手続き | 時期 |
|---|---|---|
| 会社員 | 「扶養控除等(異動)申告書」B欄に記入。19〜22歳で給与136万円超(2025年分は123万円超)の子は「特定親族特別控除申告書」 | 10〜12月の年末調整 |
| 自営業・フリーランス | 確定申告書の扶養控除欄に記入 | 翌年2〜3月 |
| 申告漏れ | 還付申告(5年以内)。確定申告済みなら更正の請求 | 随時 |
書き方の詳細は扶養控除等申告書の書き方で欄ごとに解説しています。
よくある質問
扶養控除の節税額はいくら?
2026年分・年収300万〜1,000万円のシミュレーター実装値で、高校生1人なら年5.2万〜10.9万円、大学生1人なら年7.2万〜17.1万円、同居の70歳以上の親1人なら年7.2万〜16.1万円です。年収が高く税率が上がるほど効果が大きくなります。
大学生の子が年収160万円を超えたら親の控除はどうなる?
2026年分は子の年収159万円までは満額63万円で親の負担は増えません。159万円を超えると61万・51万・41万円…と5万円刻みで減り、197万円を超えるとゼロです。年収800万円の親なら、子の年収170万円で年12.3万円、180万円で年6.3万円の節税に縮みます(136万円以下なら年17.1万円)。
この記事の計算データはどこから?
控除額は国税庁タックスアンサーNo.1180(扶養控除)・No.1177(特定親族特別控除)・No.1160(障害者控除)、住民税は地方税法第34条、児童手当はこども家庭庁「児童手当制度のご案内」に基づき、2026年9月に国税庁サイトの現行法令(令和8年4月1日現在)と照合しました。特定親族特別控除の区分は国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」の参考表で2026年10月に確認しました。節税額は所得税の累進税率(No.2260)、2026年分の基礎控除(104万・67万・62万円)と給与所得控除(最低74万円)、住民税率10%、社会保険料控除(約14.6%)込みで「控除あり/なし」の税額差として算出しています。
16歳未満の子どもはなぜ対象外?
2010年に子ども手当(現・児童手当)の創設と引き換えに年少扶養控除が廃止されたためです。2024年10月分からは所得制限が撤廃され、3歳未満は月15,000円、3歳〜高校生年代は月10,000円、第3子以降は月30,000円が支給されます。16〜18歳は扶養控除と児童手当の両方が受けられます。
別居の親でも扶養に入れられる?
仕送りなどで生計を一にしていれば可能です。年金収入のみの65歳以上の親なら、2026年分は年172万円以下(公的年金等控除110万円+62万円)、2025年分は168万円以下が要件。老人ホーム入所中は「同居老親等」にならず別居扱いです(入院は同居扱い)。
扶養控除の申告を忘れた場合は取り戻せる?
はい。年末調整で漏れても翌年の確定申告で申告でき、還付申告は5年以内なら遡れます。すでに確定申告した年分は「更正の請求」で修正します。
数字が自分のケースと合わない場合は?
本記事は給与所得者を前提とした概算です。住宅ローン控除・医療費控除・iDeCoなど他の控除が多い方は税率が下がって節税額が小さくなり、本記事の早見表は2026年分の値なので、2025年分の年末調整・確定申告と比べると年収500万円前後では約1万円の差が出ます(シミュレーターの詳細設定で年分を切替可能)。源泉徴収票の数値で確認し、正確な金額は税理士や確定申告書等作成コーナーで検算してください。お問い合わせはこちらからどうぞ。
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まとめ
扶養控除は年齢区分と年収で年5万〜17万円の節税になる制度で、大学生の子がいる家庭では4年間で29万〜68万円に達します。2026年分は大学生の子の年収159万円まで満額、197万円まで段階的に控除が残る一方、高校生年代は136万円(2025年分は123万円)を超えると控除が全額消える崖が残ります。家族構成や子のアルバイト収入が変わったら、シミュレーターで節税額を確認して年末調整の書類に反映しましょう。