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扶養控除はいくら節税できる?年齢別の控除額と年収別の節税額を解説

扶養控除の仕組みと年齢区分別の控除額を解説。年収別の節税早見表、16歳未満の児童手当との関係、共働き世帯の注意点をまとめました。

扶養控除で年間数万〜十数万円の節税が可能

扶養控除は、養っている家族がいる場合に所得から一定額を差し引ける制度です。適用される控除額は扶養親族の年齢によって異なり、正しく申告すれば所得税と住民税の両方で節税効果が得られます。

特に特定扶養親族(19〜22歳)は控除額が最大で、大学生の子どもがいる家庭では大きな節税メリットがあります。しかし、扶養控除の仕組みは複雑で「自分の場合はいくら得になるのか」が分かりにくいのも事実です。この記事では、年齢区分ごとの控除額から年収別の具体的な節税額まで、テーブルを使って分かりやすく解説します。

年齢区分別の扶養控除額

扶養控除は扶養親族の年齢によって4つの区分に分かれます。それぞれの控除額は所得税と住民税で異なるため、両方を確認しておきましょう。

区分年齢所得税の控除額住民税の控除額
16歳未満0〜15歳対象外対象外
一般扶養親族16〜18歳38万円33万円
特定扶養親族19〜22歳63万円45万円
一般扶養親族23〜69歳38万円33万円
老人扶養親族(同居)70歳以上58万円45万円
老人扶養親族(別居)70歳以上48万円38万円

特定扶養親族は大学進学に重なる年齢帯のため、教育費負担が大きい世帯への配慮として控除額が高く設定されています。一般扶養親族の38万円と比べて25万円も多いのが特徴です。

年収別の節税額早見表

扶養控除による実際の節税額は、適用される所得税率によって変わります。年収が高いほど税率が上がるため、同じ控除額でも節税効果は大きくなります。

一般扶養親族(控除額38万円)の場合

年収所得税率所得税の節税額住民税の節税額合計節税額
300万円10%38,000円33,000円71,000円
400万円10%38,000円33,000円71,000円
500万円20%76,000円33,000円109,000円
600万円20%76,000円33,000円109,000円
700万円23%87,400円33,000円120,400円
800万円23%87,400円33,000円120,400円
1,000万円33%125,400円33,000円158,400円

特定扶養親族(控除額63万円)の場合

年収所得税率所得税の節税額住民税の節税額合計節税額
300万円10%63,000円45,000円108,000円
400万円10%63,000円45,000円108,000円
500万円20%126,000円45,000円171,000円
600万円20%126,000円45,000円171,000円
700万円23%144,900円45,000円189,900円
800万円23%144,900円45,000円189,900円
1,000万円33%207,900円45,000円252,900円

年収500万円で大学生の子どもが1人いる場合、年間約17万円の節税になります。4年間の大学在学中なら合計で約68万円もの節税効果です。

老人扶養親族(同居・控除額58万円)の場合

年収所得税率所得税の節税額住民税の節税額合計節税額
400万円10%58,000円45,000円103,000円
500万円20%116,000円45,000円161,000円
600万円20%116,000円45,000円161,000円
700万円23%133,400円45,000円178,400円

同居の老親を扶養に入れると、年収500万円でも年間約16万円の節税効果があります。

16歳未満は扶養控除の対象外

2010年の税制改正で、16歳未満の扶養親族に対する扶養控除は廃止されました。子ども手当(現在の児童手当)の創設に伴う措置です。その代わりに児童手当が支給されています。

子どもの年齢児童手当の月額年額
0〜2歳15,000円180,000円
3歳〜小学校修了前(第1子・第2子)10,000円120,000円
3歳〜小学校修了前(第3子以降)15,000円180,000円
中学生10,000円120,000円
高校生(2024年12月〜)10,000円120,000円

つまり、15歳以下の子どもは扶養控除ではなく、児童手当で経済的な支援を受ける仕組みです。確定申告で16歳未満の子どもを扶養控除に記入しても、所得税の計算には反映されません(住民税の非課税判定には影響します)。

なお、16歳未満の子どもは扶養控除の対象外ですが、「扶養親族」の人数にはカウントされます。これが住民税の非課税限度額の判定に影響するため、年末調整の「住民税に関する事項」欄には必ず記入しましょう。

共働き世帯の扶養控除のポイント

扶養控除はどちらか一方だけ

共働き世帯では、同じ子どもを夫婦それぞれの扶養親族として申告することはできません。必ずどちらか一方の扶養に入れます。これは所得税法上の「扶養親族の重複」を防ぐルールです。

年収が高い方に入れるのが有利

扶養控除は所得から差し引く「所得控除」なので、所得税率が高い方に適用した方が節税効果は大きくなります。

パターン夫(年収600万円)妻(年収400万円)
夫の扶養にした場合節税109,000円-
妻の扶養にした場合-節税71,000円
差額38,000円の損

上記のケースでは、夫の扶養に入れた方が年間38,000円多く節税できます。子どもが2人いれば差額は倍の76,000円になるため、必ず税率を比較してから判断しましょう。

扶養親族の所得制限に注意

扶養親族として申告できるのは、年間の合計所得金額が48万円以下(給与収入のみなら年収103万円以下)の親族です。大学生の子どもがアルバイトで103万円を超えると、特定扶養親族の控除が受けられなくなり、親の税負担が年間17万円以上増える可能性があります。

103万円を少し超えてしまった場合の影響を見てみましょう。

子どものアルバイト収入扶養控除の適用親の税負担増加額(年収500万円の場合)
100万円適用あり0円
103万円適用あり0円
104万円適用なし+171,000円
110万円適用なし+171,000円
130万円適用なし+171,000円

103万円を1万円超えただけで、親の税負担が17万円以上増えるのが扶養控除の怖いところです。子どものアルバイト収入は年間を通じて管理しましょう。

老人扶養親族の注意点

70歳以上の親を扶養に入れる場合、同居か別居かで控除額が変わります。

  • 同居:所得税58万円 + 住民税45万円
  • 別居:所得税48万円 + 住民税38万円

同居の場合は所得税だけで10万円の差があります。施設に入居している場合は「別居」扱いとなるため注意が必要です。ただし、入院の場合は一時的な別居とみなされ「同居」扱いが継続します。

また、親の年金収入が158万円以下(65歳以上の場合)であれば扶養控除の対象になります。公的年金等控除110万円+基礎控除48万円=158万円が基準ラインです。65歳未満の場合は公的年金等控除が60万円のため、年金収入108万円以下が条件になります。

扶養控除の申告手続き

扶養控除を受けるための手続きは、会社員と自営業で異なります。

対象者手続き方法時期
会社員年末調整で「扶養控除等申告書」を提出毎年11〜12月
自営業・フリーランス確定申告で扶養控除を記入翌年2〜3月
年末調整で申告漏れの場合確定申告で追加申告が可能翌年2〜3月

年末調整で扶養控除の申告を忘れた場合でも、5年以内なら確定申告(更正の請求)で取り戻せます。過去に申告し忘れている方は、さかのぼって申告することをおすすめします。

シミュレーターで節税額を確認しよう

扶養控除の節税額は、年収・家族構成・扶養親族の年齢によって大きく変わります。当サイトの扶養控除シミュレーターを使えば、あなたの条件を入力するだけで所得税・住民税それぞれの節税額が自動計算されます。

共働き世帯では「夫と妻、どちらの扶養に入れるのが得か」も比較できるので、ぜひ活用してください。

まとめ

扶養控除は、年齢区分と年収によって年間7万〜25万円の節税効果がある重要な制度です。特に大学生の子どもがいる家庭では特定扶養親族の控除が大きく、4年間で最大100万円近い節税になります。アルバイト収入の103万円ラインにも注意が必要です。家族構成が変わったタイミングで、必ず扶養控除の適用を見直しましょう。

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