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補聴器の費用はいくら?タイプ別の価格・維持費・助成制度を徹底解説

補聴器のタイプ別費用(耳かけ型・耳あな型・RIC型)、年間維持費、医療費控除、補装具費支給制度まで解説。5年間のトータルコストで比較します。

補聴器は「高い」のか?

補聴器の価格は片耳5万〜50万円と幅広く、「高い」というイメージがあります。しかし、タイプ選びと助成制度の活用で実質負担を大幅に抑えることが可能です。

日本補聴器工業会(JHIMA)の『JapanTrak 2022』によると、日本の補聴器所有率は約15%で、欧米(30〜40%)と比べて低い水準です。その大きな理由の一つが「費用への不安」。この記事では、補聴器のタイプ別の価格相場から年間維持費、助成制度、医療費控除まで、費用面の全体像を具体的な数字で解説します。

補聴器のタイプ別価格

主なタイプと価格帯

タイプ片耳価格両耳価格特徴
ポケット型3〜7万円5〜12万円操作が簡単、本体が大きい
耳かけ型(基本)5〜15万円10〜28万円最も普及、操作しやすい
耳かけ型(高機能)20〜35万円38〜68万円ノイズ低減、Bluetooth対応
RIC型15〜40万円28〜75万円小型で目立ちにくい、音質良好
耳あな型(オーダー)10〜30万円20〜56万円耳型に合わせて製作
充電式(最新型)20〜50万円38〜95万円電池交換不要、スマホ連携
集音器(OTC)1〜5万円2〜9万円医療機器でない、調整不可

※日本補聴器工業会(JHIMA)の市場調査データおよび各メーカーの公表価格を参考にした2025年時点の概算。

価格帯に幅があるのは、搭載されるチャンネル数(音の調整精度)、ノイズ低減機能、Bluetooth対応の有無など、機能差によるものです。高機能モデルは騒がしい場所での聞き取りが改善しますが、静かな環境で主に使う場合は基本モデルでも十分なケースが多いです。

両耳装用が推奨される理由

日本補聴器工業会やWHOは両耳装用を推奨しています。片耳の1.5〜1.8倍の費用がかかりますが、以下のメリットがあります。

  • 騒がしい場所での聞き取り向上: 脳が両耳からの情報を統合して雑音を除去しやすくなる
  • 音の方向感覚が改善: 車のクラクションや呼びかけの方向が分かりやすい
  • 聴覚の左右バランスが保たれる: 片耳だけの装用を続けると、装用しない側の聴力が低下するリスクがある
  • 聴き疲れの軽減: 片耳で無理に聞く負担が減り、集中力が持続しやすい

年間の維持費

補聴器は購入費だけでなく、維持費も重要なコスト要素です。電池式と充電式で大きく異なります。

項目電池式充電式
電池代12,000〜18,000円/年0円
充電器代10,000円(初回のみ)
メンテナンス・調整5,000〜10,000円/年5,000〜10,000円/年
耳栓・チューブ交換3,000〜5,000円/年3,000〜5,000円/年
年間維持費合計20,000〜33,000円8,000〜15,000円

※電池代は主要メーカー(パワーワン・レイオバック等)の市販価格を参考。メンテナンス費用は認定補聴器専門店の一般的な料金体系に基づく概算。

充電式は初期費用が高めですが、5年間のトータルでは電池式より安くなるケースが多いです。電池交換の手間がないため、細かい作業が苦手な方にも向いています。

電池式の電池交換頻度

補聴器の電池サイズによって交換頻度が異なります。

電池サイズ主な対応機種交換頻度年間電池代(両耳)
PR536(10A)耳あな型(CIC)3〜5日ごと約18,000円
PR41(312)耳かけ型・RIC型5〜7日ごと約14,000円
PR48(13)耳かけ型(標準)10〜14日ごと約9,000円
PR44(675)重度難聴用14〜20日ごと約7,000円

5年間のトータルコスト比較

両耳使用、中価格帯で比較した場合の5年間トータルコストです。補聴器の平均耐用年数は約5年(厚生労働省基準)のため、5年で買い替えを想定しています。

タイプ購入費維持費5年5年トータル月あたり
耳かけ型(基本)20万円13万円33万円約5,500円
耳かけ型(高機能)50万円8万円58万円約9,700円
RIC型40万円8万円48万円約8,000円
耳あな型35万円10万円45万円約7,500円
集音器5万円2万円7万円約1,200円

月あたりで見ると、耳かけ型(基本)なら月約5,500円。スマホ代より安い金額で聞こえの改善が得られると考えれば、費用対効果は決して悪くありません。

費用を抑える3つの方法

1. 医療費控除の活用

補聴器は医療費控除の対象になります。ただし、補聴器相談医の「診療情報提供書」が必要です(2018年度から制度化)。

  1. 耳鼻咽喉科の「補聴器相談医」を受診
  2. 診療情報提供書を発行してもらう
  3. 認定補聴器技能者が在籍する補聴器店で購入
  4. 確定申告で医療費控除を申告
補聴器の購入費所得税率20%の場合還付額
20万円(20万-10万) × 20%2万円
30万円(30万-10万) × 20%4万円
50万円(50万-10万) × 20%8万円

※住民税(10%)の軽減も加えると、実際の節税額はさらに大きくなります。

2. 補装具費支給制度

障害者手帳(聴覚障害6級以上)を持っている場合、市区町村から補装具費の支給を受けられます。

タイプ基準額(片耳)自己負担(1割)
高度難聴用耳かけ型43,900円4,390円
重度難聴用耳かけ型67,300円6,730円
耳あな型87,000円8,700円
骨導式70,100円7,010円
特例補装具(高度な機種)個別審査1割

※所得に応じた月額上限あり(一般世帯37,200円)。生活保護世帯は自己負担なし。

3. 自治体の独自助成

障害者手帳がなくても、軽度・中度難聴者向けの助成を行っている自治体が増えています。

  • 東京都: 一部の区で65歳以上の軽度難聴者に2〜5万円の助成
  • 大阪市: 18歳以上の中等度難聴者に最大137,000円
  • その他: 全国約200以上の自治体で何らかの助成制度あり

助成の対象・金額は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の障害福祉窓口に問い合わせましょう。

補聴器と集音器の違い

補聴器集音器
分類管理医療機器(薬機法)家電製品
個人調整聴力に合わせて細かく調整調整なし or 簡易的
フィッティング認定補聴器技能者が対応なし
アフターケアメーカー保証+定期調整なし or 限定的
医療費控除対象(条件あり)対象外
価格5〜50万円/片耳1〜5万円

軽度の聞こえづらさ(テレビの音量が大きくなった程度)なら集音器で十分な場合もありますが、中度以上の難聴では補聴器のほうが適切です。「自分は補聴器と集音器のどちらが合うか」は、まず耳鼻咽喉科で聴力検査を受けてから判断することをおすすめします。

補聴器を買い替えるタイミング

  • 補聴器の耐用年数は約5年(厚生労働省の補装具基準耐用年数)
  • 実際は4〜7年で買い替えるケースが多い
  • 聴力の変化に合わせて2〜3年ごとの再調整が推奨
  • 買い替えのサイン: 音が歪む、電池の持ちが悪くなる、修理できない故障が増える

2回目以降の購入時にも補装具費支給制度を利用できます(耐用年数5年を経過後に再申請可能)。

よくある質問

補聴器は試してから買えますか?

はい。多くの認定補聴器専門店では、1〜2週間の試聴・貸出サービスを行っています。実際の生活環境(自宅、職場、外出先)で使ってみて、聞こえ具合やフィット感を確認してから購入を決められます。

オンラインで買っても大丈夫?

補聴器は個人の聴力に合わせたフィッティングが不可欠です。オンライン購入でも初期設定は行われますが、対面でのきめ細かな調整や定期的なメンテナンスが受けられないケースが多く、認定補聴器専門店での購入が推奨されています。医療費控除を受けるためにも、補聴器相談医の診療情報提供書と認定店での購入が必要です。

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