所得税率は5〜45%の7段階|年収500万の実効税率は1.8%【年収別早見表・2026】
所得税の税率を年収300〜1,500万円の早見表で解説。年収500万の実効税率はわずか1.8%(令和8年分の基礎控除104万円で計算、令和7年分との差額つき)。累進課税の仕組み、iDeCoの節税額、計算手順まで網羅。シミュレーターで即計算。
「自分の年収だと所得税はいくらかかるの?」「税率20%ってほんとに2割持っていかれるの?」——給与明細の税額に疑問を感じたことはありませんか。日本の所得税は7段階の累進課税制度を採用しており、実際の負担率(実効税率)は額面の税率よりずっと低くなります。この記事では年収300〜1,500万円の早見表と計算手順、節税方法まで網羅します。所得税率シミュレーターを使えば、あなたの税率と税額を10秒で確認できます。
所得税は「累進課税」で税率が上がる
日本の所得税は累進課税制度を採用しています。所得が増えるほど税率が上がる仕組みで、税率は7段階(5%〜45%)に分かれています。ただし、年収全体に最高税率がかかるわけではなく、各段階の金額にだけその税率が適用されます。
所得税率の速算表(2026年)
| 課税所得 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 〜195万円 | 5% | 0円 |
| 195万〜330万円 | 10% | 97,500円 |
| 330万〜695万円 | 20% | 427,500円 |
| 695万〜900万円 | 23% | 636,000円 |
| 900万〜1,800万円 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万〜4,000万円 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円〜 | 45% | 4,796,000円 |
※ 別途、復興特別所得税(所得税額×2.1%)が加算されます
年収別の所得税額と実効税率
独身・扶養なしの場合
| 年収 | 基礎控除 | 課税所得 | 所得税額(令和8年分) | 実効税率 | 令和7年分との差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 104万円 | 約54万円 | 26,850円 | 0.9% | −8,000円 |
| 400万円 | 104万円 | 約113万円 | 56,500円 | 1.4% | −8,000円 |
| 500万円 | 104万円 | 約178万円 | 89,150円 | 1.8% | −27,650円 |
| 600万円 | 104万円 | 約244万円 | 146,000円 | 2.4% | −36,000円 |
| 700万円 | 67万円 | 約350万円 | 272,100円 | 3.9% | −8,000円 |
| 800万円 | 67万円 | 約425万円 | 422,700円 | 5.3% | −8,000円 |
| 1,000万円 | 62万円 | 約596万円 | 763,700円 | 7.6% | −8,000円 |
| 1,200万円 | 62万円 | 約766万円 | 1,126,030円 | 9.4% | −9,200円 |
| 1,500万円 | 62万円 | 約1,022万円 | 1,836,270円 | 12.2% | −13,200円 |
※ 所得税率シミュレーターの実装(令和8年分の基礎控除104万・67万・62万円、社会保険料は年収の約14.7%で自動計算)を実行した値です。「令和7年分との差」は同じ条件で令和7年分の基礎控除(95万〜58万円)を使った場合との差額です。
年収500万・600万円の減税幅が大きいのは、基礎控除が68万円→104万円(36万円増)へ一気に上がったためです。年収500万円は課税所得が約214万円→約178万円となり税率10%の区間から5%の区間へ下がり、年収600万円は36万円×10%=36,000円がそのまま減税になります。一方、年収665万円超は基礎控除の上乗せが4万円(63万→67万円・58万→62万円)にとどまり、減税額は年8,000円前後です。
限界税率と実効税率の違い
| 用語 | 意味 | 例(年収700万の場合) |
|---|---|---|
| 限界税率 | 所得が1円増えたときの税率 | 20%(課税所得350万は20%の区間) |
| 実効税率 | 実際の税負担率(税額÷年収) | 3.9% |
「年収700万で税率20%」と聞くと高く感じますが、実効税率は3.9%に過ぎません。累進課税は「稼いだ分だけ損する」制度ではないことを理解しておきましょう。
所得税の計算手順
1. 給与所得控除を引く
| 年収 | 給与所得控除額 |
|---|---|
| 〜220万円 | 74万円(令和8年度改正で最低保障を65万→74万円に引き上げ) |
| 220万〜360万円 | 年収×30% + 8万円 |
| 〜660万円 | 年収×20% + 44万円 |
| 〜850万円 | 年収×10% + 110万円 |
| 850万円〜 | 195万円(上限) |
2. 所得控除を引く
基礎控除(令和8年分は合計所得489万円以下なら104万円、655万円以下67万円、2,350万円以下62万円。年収500万円の会社員なら104万円)、社会保険料控除(年収の約15%)、配偶者控除、扶養控除などを差し引きます。
3. 課税所得に税率をかける
速算表を使って計算します。
```
所得税額 = 課税所得 × 税率 - 控除額
```
4. 復興特別所得税を加算
```
最終税額 = 所得税額 × 1.021
```
所得税を安くする方法
| 方法 | 年間の節税効果(目安) |
|---|---|
| ふるさと納税 | 所得税からの控除あり |
| iDeCo | 掛金全額が所得控除(年27.6万なら税率20%で5.5万節税。企業年金なしの会社員の上限は2026年12月分から月6.2万円=2027年分は最大年74.4万円) |
| 住宅ローン控除 | 年間最大21〜31.5万円 |
| 医療費控除 | 10万円超の医療費で適用 |
| 生命保険料控除 | 最大12万円の控除 |
家族構成でこう変わる:年収別ケーススタディ
同じ年収でも、配偶者控除(38万円)・扶養控除(16歳以上の子1人38万円)・iDeCo(掛金全額)で課税所得が減るため、所得税は大きく変わります。所得税率シミュレーターの実装で計算した5つのケースです(30歳・社会保険料控除は自動計算・復興特別所得税は含まず)。
| 年収 | 独身 | 配偶者控除あり | 配偶者+16歳以上の子 | iDeCo年27.6万円(独身) |
|---|---|---|---|---|
| 500万円 | 89,150円(限界5%) | 70,150円(限界5%) | ― | ― |
| 600万円 | 146,000円(限界10%) | ― | 子2人: 64,750円(限界5%) | ― |
| 700万円 | 272,100円(限界20%) | ― | 子1人: 176,300円(限界10%) | 224,700円(限界10%) |
| 800万円 | 422,700円(限界20%) | ― | 子2人: 213,600円(限界10%) | ― |
| 1,000万円 | 763,700円(限界20%) | ― | 子1人: 611,700円(限界20%) | 708,500円(限界20%) |
ポイントは3つあります。
- 配偶者控除で年収500万円の所得税は1.9万円減る(89,150円→70,150円)。令和8年分は基礎控除104万円で独身でも限界税率5%の区間にいるため、配偶者控除38万円×5%=19,000円がそのまま減税額になります
- 年収600万円で配偶者+子2人なら所得税は6万円台。独身の半分以下で、限界税率5%の区間に収まります
- iDeCoは限界税率が高いほど効く。年収700万円で年27.6万円拠出すると所得税4.7万円+住民税2.8万円=年約7.5万円の節税。課税所得が330万円を割って限界税率が20%→10%に下がる「区間またぎ」の効果も含まれています
年収1,000万円でも配偶者と16歳以上の子1人を扶養していれば所得税は約15万円減ります。「扶養控除は住民税にも効く」ため、実際の手取り増は上の表より3〜4割大きくなります。
令和8年度税制改正で何が変わった?(2026年分から)
基礎控除・給与所得控除は2年続けて引き上げられました。令和7年度改正(2025年分〜)で48万円→95万〜58万円の階段になり、さらに令和8年度改正で令和8年分(2026年1〜12月の所得)から104万・67万・62万円になりました。この記事とシミュレーターの数字は令和8年分の値です。
| 項目 | 令和6年分まで | 令和7年分 | 令和8・9年分 |
|---|---|---|---|
| 基礎控除(合計所得489万円以下=年収約665万円以下) | 48万円 | 95万・88万・68万円 | 104万円 |
| 基礎控除(489万超〜655万円以下=年収約665万〜850万円) | 48万円 | 63万円 | 67万円 |
| 基礎控除(655万超〜2,350万円以下) | 48万円 | 58万円 | 62万円 |
| 給与所得控除の最低保障 | 55万円 | 65万円 | 74万円(年収220万円以下は一律) |
| 本人に所得税がかからない年収(いわゆる年収の壁) | 103万円 | 160万円 | 178万円(74万+104万) |
| 扶養親族・同一生計配偶者の所得要件 | 48万円(年収103万) | 58万円(年収123万) | 62万円(年収136万) |
出典: 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」。合計所得2,350万円超の基礎控除(48万・32万・16万・0円)は改正されていません。
ポイントは年収665万円前後に段差があることです。合計所得489万円(年収約665万5,000円)を超えると基礎控除は104万円→67万円へ37万円下がります。シミュレーターの実装で計算すると、年収665.5万円の所得税189,300円に対し、665.6万円では226,400円と年収1,000円増で所得税が約3.7万円増える計算です(独身・社会保険料自動計算)。所得税と社会保険料を引いた手取りで見ると、年収約670.3万円まで「665.5万円のときより少ない」逆転が起きます。昇給・残業代でこのラインをまたぐ人は、年末調整の還付が想定より小さくなる点に注意してください。
時期にも注意が必要です。
- 会社員: 令和8年11月までの毎月の源泉徴収は従来どおり。令和8年12月の年末調整で新しい基礎控除・給与所得控除により1年分を精算するため、12月の還付が例年より大きくなります。毎月の源泉徴収税額表が新しくなるのは令和9年1月からです
- 住民税: 同じ給与所得控除の引上げなどが反映されるのは令和9年度分(令和9年6月〜)から。令和8年度の住民税(令和7年の所得)は従来どおりです
- 令和10年分以後: 基礎控除は合計所得132万円以下99万円・それ以外62万円、給与所得控除の最低保障は69万円になる予定です(104万・67万円は令和8・9年分の特例)
月々の源泉徴収と年末調整・確定申告の関係
給与明細の「所得税」は、国税庁の源泉徴収税額表で月給と扶養人数から機械的に引かれた仮の金額です。生命保険料控除やiDeCo、年の途中の昇給・扶養の変動は反映されていないため、12月の年末調整で本来の年税額との差額が精算されます。多くの人が12月に数千〜数万円戻るのはこのためで、年末調整シミュレーターで戻る金額の目安が分かります。
ボーナスの所得税は「前月の給与」を基準にした賞与用の税率表で引かれるため、賞与月は税率が高く見えますが、年間では年末調整で調整されます(ボーナスの税金シミュレーター)。源泉徴収票の「源泉徴収税額」が年間の確定額で、その見方は源泉徴収票の見方シミュレーターで確認できます。
副業の所得(収入−経費)が年20万円を超えると確定申告が必要です。副業所得には本業の限界税率がそのままかかるため、年収700万円(限界税率20%)の人が副業で30万円稼ぐと所得税6万円+住民税3万円で手元に残るのは約21万円です(副業の税金シミュレーター)。
所得税と合わせて知っておきたいこと
所得税は住民税や社会保険料と合わせて考えると、手取り額がより正確に分かります。以下のシミュレーターも活用してください。
- 手取り計算シミュレーター — 年収から社会保険料・所得税・住民税を差し引いた手取り額を計算
- 住民税シミュレーター — 住む地域で変わる住民税額をチェック
- ふるさと納税シミュレーター — 控除上限額と節税効果を計算
- 扶養控除シミュレーター — 扶養親族の人数・年齢による所得税・住民税の節税額
- 配偶者控除シミュレーター — 配偶者の年収と配偶者控除・配偶者特別控除の控除額の変化
- iDeCo 節税シミュレーター — 限界税率×掛金で年間・60歳までの節税額を計算
- 年末調整シミュレーター — 源泉徴収との差額でいくら戻るかを試算
よくある質問(FAQ)
Q. この記事の税率・税額の計算根拠はどこから?
A. 国税庁「所得税の税率」(No.2260)、「給与所得控除」(No.1410)、「基礎控除」(No.1199)と、令和8年度税制改正を解説した国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」に基づき、所得税率シミュレーターの実装で計算しています。社会保険料控除は健康保険(協会けんぽ全国平均)・厚生年金・雇用保険の本人負担分の料率を年収に掛けた概算で、賞与や標準報酬月額の等級は考慮していません。早見表・ケーススタディの税額は復興特別所得税(所得税額×2.1%)を含まない「所得税のみ」の値で、実際の源泉徴収額は表の約1.021倍になります。
Q. 基礎控除104万円は誰が対象?
A. 令和8年分(2026年の所得)は、合計所得金額489万円以下(給与収入のみなら年収約665万円以下)の人です。所得489万円超〜655万円(年収約850万円まで)は67万円、655万円超〜2,350万円は62万円になります。104万・67万円は令和8・9年分の特例で、令和10年分以後は合計所得132万円以下(年収約206万円以下)が99万円、それ以外は62万円になる予定です。なお「令和7年分の95万円(所得132万円以下)」は令和8年分では104万円に置き換わっています。
Q. 副業収入20万円には税率何%かかる?
A. 副業「所得」(収入から経費を引いた額)が年20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。20万円を超えて申告する場合、本業の給与所得と合算されるため、本業の限界税率がそのまま適用されます。年収500万円(課税所得約178万円・限界税率5%)なら副業所得30万円のうち約17万円に5%、残り約13万円に10%がかかり所得税約2.2万円+住民税3万円、年収700万円(限界20%)なら所得税6万円+住民税3万円です。
Q. 復興特別所得税とは?いつまで?
A. 東日本大震災の復興財源として2013年から課される、所得税額の2.1%の付加税です。年収500万円(所得税89,150円)なら年1,872円で、給与の源泉徴収額にはすでに含まれています。令和8年度税制改正により、2027年(令和9年)1月以後の所得からは復興特別所得税が1.1%に下がる代わりに防衛特別所得税1%が新設され、合計は2.1%のまま据え置き。復興特別所得税の課税期間は2037年から2047年まで10年延長されます(国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」)。本記事の早見表は所得税本体のみの金額なので、源泉徴収票と比べるときは1.021倍してください。
Q. 年収500万円で「税率20%」と言われましたが、手取りが8割もある気がしません
A. 所得税の実効税率は約1.8%ですが、住民税(約5%)と社会保険料(約15%)も天引きされるため、手取りは約78%になります。なお年収500万円の限界税率は令和8年分の基礎控除104万円で計算すると5%です(「税率20%」は課税所得が330万円を超えて限界税率が20%の区間に達した場合の話で、全体にかかるわけではありません)。手取り計算シミュレーターで内訳を確認できます。
Q. フリーランスと会社員で税率は違いますか?
A. 税率表そのものは同じです。ただしフリーランスは給与所得控除がない代わりに、青色申告特別控除(最大65万円)や経費計上が可能です。詳しくは自営業の税金シミュレーターをお使いください。
Q. 記事の数字が実感と合わない場合はどうすればよいですか?
A. 扶養人数・控除の種類・社会保険料率は個人差が大きいため、この記事の早見表はあくまで目安です。正確な税額を知りたい場合は所得税率シミュレーターに年収と家族構成を入力してお試しください。ご不明点はお問い合わせからお気軽にどうぞ。
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