社会保険料は月給25万で月3.8万円・30万で4.4万円|内訳と早見表【2026年度】
会社員の社会保険料(本人負担)は給与の約14.7%。令和8年度の料率で月給25万円なら38,209円、月給30万円で44,145円。健康保険9.9%・子ども子育て支援金0.23%・厚生年金18.3%・雇用保険0.5%・介護保険1.62%の内訳と月給別早見表、天引き後の手取り額まで解説。
「社会保険料、こんなに引かれるの?」の正体
会社員の社会保険料(本人負担分)は給与の約14.7%。月給25万円なら38,209円、月給30万円なら44,145円が、健康保険・子ども・子育て支援金・厚生年金・雇用保険(40〜64歳は介護保険も)として毎月の給与から天引きされます(令和8年度・協会けんぽの全国平均ベース)。
初任給の明細を見て驚いた経験はありませんか?額面25万円でも手取りは約20万円。その差額の大部分を占めるのが社会保険料です。
社会保険料は「将来の自分への仕送り」でもありますが、仕組みを知らないと手取り額の見通しが立てられません。この記事では、社会保険料の計算方法を月給別に具体的な数字で解説します。
社会保険料の内訳と料率
会社員が負担する社会保険料は主に5つです(令和8年度の料率)。
| 種類 | 本人負担率 | 会社負担率 | 合計 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 健康保険 | 4.95% | 4.95% | 9.90% | 都道府県で異なる(2026年3月分〜) |
| 介護保険(40〜64歳) | 0.81% | 0.81% | 1.62% | 全国一律 |
| 子ども・子育て支援金 | 0.115% | 0.115% | 0.23% | 2026年4月分〜・全国一律 |
| 厚生年金 | 9.15% | 9.15% | 18.3% | 2017年9月以降固定 |
| 雇用保険 | 0.5% | 0.85% | 1.35% | 一般の事業(2026年4月〜) |
※健康保険料率は協会けんぽ全国平均9.90%(令和8年度)。組合健保の場合は異なります。子ども・子育て支援金は2026年4月分(5月納付分)の保険料から新たに上乗せされたもので、事業主だけが払う「子ども・子育て拠出金(0.36%)」とは別物です。
本人負担分だけで約14.7〜15.5%が給与から天引きされます。これに所得税・住民税が加わるため、額面と手取りの差は約20〜25%になります。
健康保険料率は都道府県で違う
協会けんぽの場合、都道府県ごとに保険料率が異なります。令和8年度(2026年3月分〜)の例:
| 都道府県 | 保険料率(労使合計) | 本人負担(月給30万円の場合) |
|---|---|---|
| 新潟県(最安) | 9.21% | 13,815円 |
| 東京都 | 9.85% | 14,775円 |
| 大阪府 | 10.13% | 15,195円 |
| 佐賀県(最高) | 10.55% | 15,825円 |
最安と最高で月額2,010円、年間で約2.4万円の差があります(介護保険料率1.62%と子ども・子育て支援金率0.23%は全国一律)。転勤や転職で都道府県が変わると保険料も変わる点に注意しましょう。
事業種別で異なる雇用保険料率
雇用保険料率は事業の種類によって異なります。
| 事業種別 | 従業員負担 | 事業主負担 |
|---|---|---|
| 一般の事業 | 0.5% | 0.85% |
| 農林水産・清酒製造の事業 | 0.6% | 0.95% |
| 建設の事業 | 0.6% | 1.05% |
令和8年度(2026年4月〜2027年3月)は前年度から労使とも0.05%ずつ引き下げられました(一般の事業で本人0.55%→0.5%)。建設業や農林水産業は季節的な離職が多いため、料率がやや高く設定されています。
月給別の社会保険料と手取り額
独身・40歳未満の場合
| 月給(額面) | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 | 手取り(概算) |
|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 29,430円 | 約3,800円 | 約6,800円 | 約160,000円 |
| 25万円 | 38,209円 | 約5,200円 | 約9,500円 | 約197,100円 |
| 30万円 | 44,145円 | 約6,700円 | 約12,800円 | 約236,400円 |
| 35万円 | 52,924円 | 約9,500円 | 約16,500円 | 約271,100円 |
| 40万円 | 60,281円 | 約13,000円 | 約20,800円 | 約305,900円 |
| 50万円 | 73,575円 | 約22,200円 | 約30,500円 | 約373,700円 |
※社会保険料は令和8年度の協会けんぽ全国平均・一般の事業で算出。月給25万円・35万円・40万円は標準報酬月額がそれぞれ26万円・36万円・41万円に繰り上がるため、負担率が14.7%よりやや高くなります。
額面と手取りの差は約20〜25%。月給が上がるほど税負担も増えるため、差は広がります。年収ベースでの詳しい手取り計算は年収から手取り計算シミュレーターで確認できます。
40歳以上の場合(介護保険料あり)
40歳になると介護保険料(本人0.81%)が加わります。月給30万円の場合:
| 項目 | 39歳まで | 40〜64歳 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 社会保険料合計 | 44,145円 | 46,575円 | +2,430円/月 |
| 年間負担増(賞与除く) | - | - | +29,160円 |
「40歳の誕生月から急に手取りが減った」という経験をする人が多いのは、この介護保険料の開始が理由です。
各保険料の計算方法
標準報酬月額とは
社会保険料は「標準報酬月額」という区分表に基づいて計算されます。実際の月給(残業代・通勤手当込みの報酬月額)を等級に当てはめた金額です。
- 健康保険: 1等級(58,000円)〜 50等級(1,390,000円)の全50等級
- 厚生年金: 1等級(88,000円)〜 32等級(650,000円)の全32等級
例: 報酬月額27万〜29万円未満の人は健康保険の第21級「28万円」に分類されます。月給が27.5万円から28.5万円に上がっても同じ等級なので社会保険料は変わりませんが、29万円に届くと第22級(30万円)に上がり、本人負担は月約2,900円増えます。
健康保険料の計算
標準報酬月額に保険料率をかけて計算します。
- 計算式: 標準報酬月額 × 保険料率 ÷ 2(労使折半)
- 例: 月給30万円 → 標準報酬月額30万円 × 9.90% ÷ 2 = 14,850円
- 子ども・子育て支援金: 標準報酬月額30万円 × 0.23% ÷ 2 = 345円(2026年4月分〜)
- 端数処理: 給与から控除する本人負担分は50銭以下切り捨て・50銭超切り上げ
厚生年金保険料の計算
| 月給 | 標準報酬月額 | 厚生年金(本人負担) |
|---|---|---|
| 20万円 | 20万円 | 18,300円 |
| 25万円 | 26万円 | 23,790円 |
| 30万円 | 30万円 | 27,450円 |
| 40万円 | 41万円 | 37,515円 |
| 50万円 | 50万円 | 45,750円 |
厚生年金には上限があり、標準報酬月額65万円が上限です。月給がそれ以上でも保険料は月額59,475円(本人負担)で頭打ちになります。
雇用保険料の計算
雇用保険は標準報酬月額ではなく、実際の総支給額に料率をかけます。
- 計算式: 総支給額 × 0.5%(一般の事業・令和8年度)
- 例: 月給30万円 × 0.5% = 1,500円
ボーナスにも社会保険料がかかる
見落としがちですが、ボーナス(賞与)にも社会保険料がかかります。
| 項目 | 料率(本人負担) |
|---|---|
| 健康保険 | 4.95% |
| 子ども・子育て支援金 | 0.115% |
| 厚生年金 | 9.15% |
| 雇用保険 | 0.5% |
| 合計 | 14.715% |
ボーナス50万円の場合、社会保険料だけで73,575円が引かれます(40〜64歳は介護保険が加わり77,625円)。ボーナスの社会保険料は「標準賞与額」(1,000円未満切り捨て)に料率を掛け、上限は健康保険・介護保険・支援金が年度累計573万円、厚生年金が1回150万円です。さらに所得税もかかるため、手取りは約40万円前後です。
ボーナスの使い方を考える際は、手取り額で計算することが大切です。ボーナス活用シミュレーターで最適な配分を計算できます。
年収別の社会保険料・年間負担額
| 年収 | 社会保険料(年間) | 年収に占める割合 |
|---|---|---|
| 300万円 | 約46万円 | 15.3% |
| 400万円 | 約60万円 | 15.0% |
| 500万円 | 約72万円 | 14.5% |
| 600万円 | 約88万円 | 14.7% |
| 700万円 | 約104万円 | 14.9% |
| 800万円 | 約117万円 | 14.6% |
※賞与なし・年収÷12を月給とし、39歳以下・協会けんぽ全国平均で試算。
年収に対して約14.5〜15.3%が社会保険料として負担になっています。等級の区切りの位置で±0.5%程度ぶれ、月給が66.5万円(年収約800万円)を超えると厚生年金の上限(標準報酬月額65万円)に達するため、負担率は下がっていきます(年収1,000万円で約12.7%)。
社会保険料が変わるタイミング
毎年9月の「定時決定」
4〜6月の給与平均で標準報酬月額が決まり、9月から翌年8月までの保険料に反映されます。つまり4〜6月の残業が多いと、1年間の社会保険料が高くなる構造です。
大幅な給与変動時の「随時改定」
昇給・降給で固定的賃金が大きく変わった場合、2等級以上の差があれば改定されます。昇給後に手取りが思ったほど増えないのは、社会保険料も連動して上がるためです。昇給による手取り増加額の具体的な目安は昇給インパクトシミュレーターで計算できます。
40歳になったとき
介護保険料の負担が始まります。月給30万円の場合、月2,430円の追加負担です。40歳の誕生日の前日が属する月から適用されます。
社会保険料を抑える方法はある?
4〜6月の残業を減らす
定時決定は4〜6月の給与で計算されるため、この期間の残業が多いと翌年の社会保険料が上がります。可能であれば残業を他の月に分散するのが有効です。残業代の正確な計算は残業代計算シミュレーターで確認してください。
企業型DC・iDeCoの活用
選択制の企業型確定拠出年金(DC)で給与から振り替えた分は、社会保険料の算定対象外になります。iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は社会保険料を減らしませんが、全額が所得控除になり所得税・住民税が軽減されます。社会保険料が下がると、休業時の傷病手当金や将来の厚生年金も連動して下がる点は押さえておきましょう。
ただし「払った分は将来返ってくる」
厚生年金は将来の年金額に反映されるため、単純に「引かれた」だけではありません。多く払った分だけ、将来の老齢厚生年金も増えます。安易に「下げればいい」ではなく、将来の年金とのバランスを考えて判断しましょう。
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