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退職後にかかるお金は年収500万円で年約76万円|住民税24万・国保30万・年金21.5万の内訳【2026年版】

退職後1年間にかかるお金は年収500万円で住民税約24.3万円・国民健康保険約30万円・国民年金約21.5万円(月17,920円)の計約76万円。任意継続vs国保の損益分岐は年収600万円前後。退職金の税金、退職前に必要な貯蓄額までシミュレーター実装値で解説。

退職後にも「見えないコスト」がかかる

会社員時代は給与から天引きされていた税金や社会保険料。退職すると、これらを自分で支払う必要があります。しかも金額は在職中の収入に基づくため、収入がなくなっても高額な請求が届きます。

退職後1年間にかかる主な費用は以下の4つです(年収500万円・扶養なし・55歳で退職した場合の退職後にかかるお金シミュレーター実装値)。

費用項目年額(年収500万円の場合)支払い開始
住民税約24.3万円退職翌月〜(前年所得に課税)
健康保険料約30〜36万円退職翌日〜
国民年金(60歳未満)約21.5万円(月17,920円)退職翌日〜
退職金の税金退職所得控除内なら0円退職時に源泉徴収

住民税+健康保険+国民年金だけで年約76万円。ここに生活費が加わるため、再就職までの期間が長引くほど手元資金が削られていきます。

年収別の負担額早見表(実装値)

退職時の年収住民税健康保険(安い方)国民年金合計(年額)
300万円約11.9万円約17.8万円(国保)約21.5万円約51.2万円
400万円約17.8万円約23.7万円(国保)約21.5万円約63.0万円
500万円約24.3万円約30.0万円(国保)約21.5万円約75.8万円
600万円約30.8万円約36.0万円(任意継続)約21.5万円約88.3万円
800万円約45.2万円約36.0万円(任意継続)約21.5万円約102.7万円
1,000万円約61.7万円約36.0万円(任意継続)約21.5万円約119.2万円

※ 扶養なし・55歳・自己都合退職の場合。健康保険は任意継続と国民健康保険(東京23区の料率)の安い方を自動選択。

住民税:前年の収入に課税される

住民税は前年の1〜12月の所得に基づいて、翌年6月から課税されます。退職して収入がゼロになっても、前年に収入があれば住民税が発生します。

計算上は、前年の年収から給与所得控除(2025年改正後・190万円以下は一律65万円)・社会保険料控除(年収の15%概算)・基礎控除43万円(住民税)を引いた課税所得に、所得割10%+均等割5,000円がかかります。年収500万円なら年約24.3万円です。

退職月による違い

退職月住民税の扱い
1〜5月退職退職時に5月分まで一括徴収
6〜12月退職残額を普通徴収(自分で納付)に切替

さらに注意したいのは、退職した年の所得に対する住民税が翌年6月から請求されること。退職後2年目まで住民税の支払いが続く前提で資金計画を立てましょう。

健康保険:任意継続 vs 国保の選択

退職後の健康保険は3つの選択肢があります。

選択肢手続き期限特徴
任意継続退職後20日以内在職時の保険料の全額自己負担(標準報酬月額に上限あり・原則2年)
国民健康保険14日以内前年所得+均等割で計算。自治体により料率差が大きい
家族の扶養健保組合による年収130万円未満等の条件を満たせば保険料ゼロ

年収別の比較(実装値)

退職時の年収任意継続(年額)国民健康保険(年額)安い方
300万円約30.0万円約17.8万円国保
400万円約36.0万円約23.7万円国保
500万円約36.0万円約30.0万円国保
600万円約36.0万円約36.3万円任意継続(僅差)
700万円約36.0万円約42.9万円任意継続
1,000万円約36.0万円約65.4万円任意継続

損益分岐は年収600万円前後です。任意継続には標準報酬月額の上限(協会けんぽは30万円)があるため、年収が高いほど保険料が頭打ちになる任意継続が有利になります。逆に年収500万円以下では国保の方が安くなる計算です。

2つ補足があります。第一に、扶養家族がいる場合は判定が変わります。任意継続は扶養家族が何人いても保険料が変わらないのに対し、国保は人数分の均等割が加算されるため、扶養2人・年収500万円なら任意継続が逆転で有利(任継36.0万円 vs 国保40.5万円)です。第二に、会社都合退職(倒産・解雇等)の場合は国保の非自発的失業者軽減(前年給与所得を30%として算定)が使えるため、上表より国保が大幅に安くなります。詳しくは国民健康保険シミュレーターで試算できます。

国民年金:第1号被保険者への切り替え

会社員(第2号被保険者)が60歳未満で退職すると、国民年金の第1号被保険者になります。

  • 保険料: 月額17,920円(2026年度・令和8年度)
  • 年額: 約21.5万円(1人分)
  • 免除制度: 退職(失業)を理由とする申請免除(失業特例)は前年所得を除外して審査されるため、認められやすい

60歳以上で退職した場合は国民年金の加入義務がないため、この約21.5万円がかからず、年収500万円なら初年度費用は約69万円に下がります。また、扶養していた配偶者(第3号被保険者)も第1号への切り替えが必要になり、夫婦2人分なら年約43万円の負担になる点に注意してください。

退職金の税金:控除が大きい

退職金は税制上優遇されており、退職所得控除という大きな非課税枠があります(勤続20年まで年40万円、20年超は年70万円)。

勤続年数退職所得控除額
10年400万円
20年800万円
25年1,150万円
30年1,500万円
38年2,060万円

控除額以内の退職金なら税金ゼロ。超えた分も1/2にしてから課税される「2分の1課税」が適用されるため、給与所得よりはるかに税負担が軽くなります。

退職金額×勤続年数別の税額(実装値)

退職金勤続年数退職所得控除税額(所得税+住民税)手取り
1,000万円20年800万円約15.0万円約985万円
1,500万円25年1,150万円約26.3万円約1,474万円
2,000万円30年1,500万円約40.3万円約1,960万円
2,500万円30年1,500万円約107.3万円約2,393万円
2,000万円38年2,060万円0円2,000万円

会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば源泉徴収で完結します。控除の仕組みとiDeCoとの併給調整は退職金の手取りシミュレーター退職所得控除の解説記事で詳しく確認できます。

失業給付でどこまでカバーできるか

自己都合退職の場合、待期7日+給付制限(2025年4月以降は原則1ヶ月、シミュレーターは初回振込までのタイムラグを考慮して退職3ヶ月目開始の保守的計算)を経て基本手当が支給されます。年収500万円なら月約24.7万円(給与の約6割の概算値。実際は年齢別の日額上限あり)です。

支給が始まれば月々の税・保険・年金(年収500万円で月約6.3万円)は失業給付で十分カバーできます。問題は支給開始までの2〜3ヶ月間で、この期間は住民税・健保・年金・生活費のすべてが貯蓄から出ていきます。給付日数・総額は失業給付シミュレーターで計算できます。

退職前に準備すべき貯蓄額の目安

年収500万円・勤続20年・退職金1,000万円で退職する場合の実装値です。

費目年額
住民税約24.3万円
健康保険(国保選択時)約30.0万円
国民年金約21.5万円
退職金の税金約15.0万円
初年度合計約90.8万円

これに月々の生活費(総務省家計調査の単身世帯平均で月約17万円)を加えると、失業給付の支給が始まるまでの3ヶ月間だけでも約70万円、給付を受けずに1年間過ごすなら約300万円規模の手元資金が必要です。退職金を老後資金に回す前提なら、生活費とは別に最低100〜150万円を退職前に確保しておくのが安心です。

あなたの退職後コストをシミュレーション

年収・退職金・勤続年数を入力すれば、退職後1年間にかかる費用と必要な貯蓄額が自動で計算できます。任意継続と国保の比較も一目でわかります。

退職後にかかるお金シミュレーターで、あなたの条件での費用を計算してみましょう。

関連する記事・シミュレーター

退職前後のお金について、さらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 退職後にかかるお金は年間いくら?

年収500万円・扶養なし・55歳の場合、退職後1年間にかかる住民税・健康保険・国民年金の合計は約76万円です(シミュレーター実装値)。退職金1,000万円・勤続20年ならその税金約15万円も加わり、初年度合計は約91万円。これに生活費も必要なため、退職前に最低100〜150万円の貯蓄を確保しておくのが安心です。

Q. 任意継続と国保、どちらがお得?

扶養家族がいない場合、損益分岐は年収600万円前後です。年収600万円以上なら標準報酬月額の上限(30万円)がある任意継続が有利、500万円以下なら国保が安くなります。ただし扶養2人なら年収500万円でも任意継続が有利に逆転し、会社都合退職なら国保の非自発的失業者軽減で国保が大幅に安くなります。退職後にかかるお金シミュレーターで両方の保険料を自動比較できます。

Q. 60歳で定年退職した場合も同じだけかかる?

国民年金の加入義務は60歳までのため、60歳以降の退職なら年約21.5万円の国民年金保険料はかかりません。年収500万円なら初年度費用は約69万円に下がります。住民税と健康保険は年齢に関係なく発生します。年金の受給開始時期の損得は年金の繰上げ・繰下げシミュレーターで確認できます。

Q. 失業給付はいつから・いくらもらえる?

自己都合退職は待期7日+給付制限(2025年4月以降は原則1ヶ月)の後、初回振込は退職からおおむね2〜3ヶ月後です。金額は給与の約50〜80%(年齢別の日額上限あり)で、年収500万円なら月約25万円が目安。会社都合なら待期7日後からすぐ支給が始まります。

Q. この記事のデータの根拠は?

住民税は地方税法の標準税率(所得割10%+均等割5,000円)に基礎控除43万円・2025年改正後の給与所得控除(190万円以下は一律65万円)を適用、国民年金は日本年金機構公表の2026年度保険料(月17,920円)、健康保険は協会けんぽ2026年度の全国平均料率(約10%)と東京23区の国保料率、退職所得控除は所得税法第30条に基づきます。本文の早見表はすべて退職後にかかるお金シミュレーターの実装を実行して検算した値です。

Q. 数字が自分の状況と合わない場合は?

年収・勤続年数・退職時期・居住地域によって金額は大きく変わります。特に国民健康保険料は自治体ごとに保険料率が異なり、健保組合独自の任意継続上限がある場合もあります。正確な金額は退職後にかかるお金シミュレーターにご自身の条件を入力して計算してください。計算誤りにお気づきの場合はお問い合わせからご連絡ください。

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