退職後にかかるお金はいくら?住民税・保険・年金の負担を徹底解説
退職後に発生する住民税、健康保険、国民年金、退職金の税金を解説。退職前に準備すべき貯蓄額の目安と、任意継続vs国保の選び方をまとめました。
退職後にも「見えないコスト」がかかる
会社員時代は給与から天引きされていた税金や社会保険料。退職すると、これらを自分で支払う必要があります。しかも金額は在職中の収入に基づくため、収入がなくても高額な請求が届きます。
退職後1年間にかかる主な費用は以下の4つです。
| 費用項目 | 概算(年収500万円の場合) | 支払い開始 |
|---|---|---|
| 住民税 | 約20万円 | 退職翌月〜 |
| 健康保険料 | 約25〜36万円 | 退職翌日〜 |
| 国民年金 | 約20万円 | 退職翌日〜 |
| 退職金の税金 | 退職所得控除内なら0円 | 退職時に源泉徴収 |
住民税:前年の収入に課税される
住民税は前年の1〜12月の所得に基づいて、翌年6月から課税されます。退職して収入がゼロになっても、前年に収入があれば住民税が発生します。
退職月による違い
| 退職月 | 住民税の扱い |
|---|---|
| 1〜5月退職 | 退職時に5月分まで一括徴収 |
| 6〜12月退職 | 残額を普通徴収(自分で納付)に切替 |
年収500万円の会社員の場合、住民税は年間約20万円。退職後もこの金額がそのまま請求されます。
健康保険:任意継続 vs 国保の選択
退職後の健康保険は3つの選択肢があります。
| 選択肢 | 条件 | 特徴 |
|---|---|---|
| 任意継続 | 退職後20日以内に申請 | 在職時の保険料の全額自己負担(上限あり) |
| 国民健康保険 | 14日以内に届出 | 前年所得+均等割で計算 |
| 家族の扶養 | 年収130万円未満 | 保険料ゼロ |
年収別の比較(目安)
| 年収 | 任意継続(年額) | 国民健康保険(年額) | お得な方 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 約18万円 | 約15万円 | 国保 |
| 500万円 | 約30万円 | 約32万円 | 任意継続 |
| 700万円 | 約36万円 | 約50万円 | 任意継続 |
| 1,000万円 | 約36万円 | 約80万円 | 任意継続 |
年収が高い方ほど任意継続が有利です。任意継続には標準報酬月額の上限(30万円)があるため、高年収でも保険料が頭打ちになります。
国民年金:第1号被保険者への切り替え
会社員(第2号被保険者)から退職すると、60歳未満なら国民年金の第1号被保険者になります。
- 保険料: 月額16,980円(2026年度)
- 年額: 約20万円
- 免除制度: 退職(失業)を理由に申請可能
配偶者が会社員の扶養に入る場合(第3号被保険者)は保険料不要ですが、本人分は支払いが必要です。
退職金の税金:控除が大きい
退職金は税制上優遇されており、退職所得控除という大きな非課税枠があります。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 10年 | 400万円 |
| 20年 | 800万円 |
| 25年 | 1,150万円 |
| 30年 | 1,500万円 |
| 35年 | 1,850万円 |
控除額以内の退職金なら税金ゼロ。超えた分も課税所得が半分になる「1/2課税」が適用されるため、給与所得よりはるかに税負担が軽くなります。
退職前に準備すべき貯蓄額の目安
年収500万円・勤続20年で退職する場合の目安です。
| 費目 | 年額 |
|---|---|
| 住民税 | 約20万円 |
| 健康保険(任意継続) | 約30万円 |
| 国民年金 | 約20万円 |
| 合計 | 約70万円 |
再就職までの生活費も加えると、少なくとも100〜150万円は退職前に確保しておきたいところです。失業給付は自己都合退職の場合、約2ヶ月半後からの支給になるため、その間の資金も必要です。
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年収・退職金・勤続年数を入力すれば、退職後1年間にかかる費用と必要な貯蓄額が自動で計算できます。任意継続と国保の比較も一目でわかります。