金(ゴールド)の利回りは過去10年で年17%・30年で年9.5%|金価格の倍率表と株との比較【2026年10月】
金(ゴールド)投資の利回りは田中貴金属の円建て価格で過去10年が年約17%(4.9倍)、20年が年約12%、30年が年約9.5%(2026年10月19日の1g 23,488円で算出)。利息・配当はゼロで全て値上がり益。2026年1月の3万円台から約2割下落した点も含め、期間別の倍率表・S&P500との比較・保守的な期待利回り(年4〜6%)を解説。
金と株式、長期投資ではどちらが有利?
結論:金(ゴールド)の利回りは円建てで過去10年が年約17%、過去20年が年約12%、過去30年が年約9.5%です(田中貴金属の年平均価格と2026年10月19日の店頭小売価格1g 23,488円から算出)。株式(S&P500・配当込み円建て)は過去30年で年約10〜11%と、超長期ではなお株式がやや優位です。 ただし金は2026年1月29日に1g 3万円を超えた後、10月までに約22%下落しており、直近の高利回りをそのまま将来に当てはめるのは危険です。将来の期待利回りは年4〜6%で見積もるのが保守的です。
「有事の金」と呼ばれる金は安全資産として人気があります。一方、株式は長期的に高いリターンを生み出す資産として知られています。金価格は2024〜2025年に史上最高値の更新が続き、2026年1月には田中貴金属の店頭小売価格が初めて1g 3万円を突破しました。その後の調整局面で「今からでも金を買うべきか?」という声が増えています。しかし投資判断には過去のリターン実績とリスク特性の両面から分析することが大切です。この記事では、World Gold Council(WGC)やS&P Dow Jones Indicesの公開データをもとに、金と株式の長期パフォーマンスを徹底比較します。
金の利回りは年何%?(ゴールド投資の年利回り早見表)
金(ゴールド)投資の利回りは、円建てで過去30年が年平均約9.5%、過去20年が約12%、過去10年が約17%、直近5年は約27%です(田中貴金属の年平均小売価格〔税抜〕を起点、2026年10月19日の店頭小売価格23,488円〔税込〕=税抜約21,350円を終点に年率換算)。 金は株の配当や債券の利息のような「保有しているだけで入る収入(インカム)」がゼロで、利回りはすべて値上がり益(キャピタルゲイン)です。したがって「金 利回り」と言うときは、期間をどう取るかで数字が大きく変わる点に注意が必要です。
| 期間(起点の年) | 起点の金価格(年平均・税抜) | 金価格の倍率 | 金の年平均利回り(円建て) | 100万円の評価額 | 参考:米国株(S&P500) |
|---|---|---|---|---|---|
| 直近5年(2021年) | 6,402円/g | 約3.3倍 | 約27%/年 | 約333万円 | 約18%/年 |
| 過去10年(2016年) | 4,396円/g | 約4.9倍 | 約17%/年 | 約486万円 | 約16%/年 |
| 過去20年(2006年) | 2,287円/g | 約9.3倍 | 約12%/年 | 約934万円 | 約11%/年 |
| 過去30年(1996年) | 1,405円/g | 約15.2倍 | 約9.5%/年 | 約1,520万円 | 約10%/年 |
※起点は田中貴金属「年次金価格推移」の各年平均小売価格(税抜)、終点は2026年10月19日9:30公表の店頭小売価格23,488円(税込、税抜換算約21,350円)。金の利回りは「その期間に金価格が何倍になったか」の年率換算であり、将来の保証ではありません。1月の高値(3万円台)を終点にすると10年利回りは年約20%になり、終点の取り方で数%動きます。
計算式:金の利回りはこう求める
年平均利回り = (終点価格 ÷ 起点価格)^(1 ÷ 年数) − 1
例:過去10年なら (21,350円 ÷ 4,396円)^(1/10) − 1 = 4.86^0.1 − 1 ≒ 年17.1%。純金積立や金ETFでは、ここから購入手数料・信託報酬を差し引いた値が手取りの利回りになります。
金の利回りを見るときの3つのポイント:
- インカムがない: 金ETF・純金積立・金地金のいずれも配当・利息はゼロ。「金の利回り○%」は全て値上がり分です
- コストで利回りが目減りする: 純金積立は購入時手数料1.5〜3%、金ETF(1540・GLDM等)は信託報酬年0.1〜0.4%、金地金は売買スプレッド。長期保有なら金ETFが低コストです
- 保守的な期待利回りは年4〜6%: 2020年代の急騰(年15〜27%)をそのまま将来に当てはめるのは危険。実際、2026年1月29日の3万248円から10月19日の23,488円まで約22%下落しています。長期の金価格はインフレ率+数%程度に収れんする傾向があり、年4〜6%で見積もるのが無難です
過去の年平均リターン比較
| 期間 | 金(円建て) | 米国株式(S&P500・円建て) | 日本株式(TOPIX) |
|---|---|---|---|
| 過去5年 | 約+27%/年 | 約+18%/年 | 約+12%/年 |
| 過去10年 | 約+17%/年 | 約+16%/年 | 約+8%/年 |
| 過去20年 | 約+12%/年 | 約+11%/年 | 約+5%/年 |
| 過去30年 | 約+9.5%/年 | 約+10%/年 | 約+3%/年 |
※金は田中貴金属の円建て小売価格(2026年10月19日時点)から算出。S&P500・TOPIXはS&P Dow Jones Indices・JPXの配当込み指数実績を参考にした概算値で、為替は日本銀行の基準外国為替相場で円建て換算。
過去30年間で見るとS&P500と金はほぼ互角(年約10%前後)、TOPIXが約3%と大きく劣後します。直近5〜10年は金がS&P500を上回りましたが、これはインフレ・地政学リスク・各国中央銀行の金購入に円安(2016年平均109.66円→2025年平均150.62円)が重なった結果です。円高に振れれば円建ての金利回りは目減りする点に注意してください。
100万円を20年間投資した場合の試算
実際に100万円を一括投資した場合、20年後にどのくらいの差が生まれるでしょうか。
これから20年の「想定年利」で試算すると次のとおりです(過去実績ではなく将来の保守的な見積もり)。
| 投資先 | 想定年利 | 20年後の評価額 | 増加額 |
|---|---|---|---|
| 金(過去20年実績が続いた場合) | 12% | 約965万円 | +865万円 |
| 金(保守的な想定) | 6% | 約321万円 | +221万円 |
| 米国株式 | 10% | 約673万円 | +573万円 |
| 日本株式 | 5% | 約265万円 | +165万円 |
| 定期預金 | 0.1% | 約102万円 | +2万円 |
保守的な想定どうしで比べると株式(S&P500)と金の20年後の差は約352万円。これだけ見ると「株式一択」に見えますが、この試算には暴落リスクが含まれていません。リーマンショック(2008年)ではS&P500が約50%下落した一方で、金は約25%上昇しています。
リスク(価格変動)の比較
リターンだけでなく、ボラティリティ(価格変動の大きさ)も重要な判断基準です。
| 資産クラス | 年平均リターン | 年率ボラティリティ | 最大下落率(過去30年) |
|---|---|---|---|
| 金(円建て) | 約9.5〜12%(過去20〜30年) | 約15〜18% | 約-24%(2013年)/約-22%(2026年1月→10月) |
| S&P500(円建て) | 約10% | 約18〜22% | 約-50%(2008年) |
| TOPIX | 約3〜5% | 約18〜20% | 約-46%(2008年) |
| J-REIT | 約5〜7% | 約20〜25% | 約-65%(2008年) |
注目すべきは、金の最大下落率が他の資産クラスと比べて小さい点です。株式が暴落する局面で金が値上がりする「逆相関」の性質を持つため、ポートフォリオ全体のリスクを下げる効果があります。
金投資のメリットとデメリット
メリット
- インフレヘッジ: 通貨の価値が下がるインフレ局面で金価格が上昇する傾向がある
- 有事の安全資産: 戦争・金融危機・パンデミック時に買われやすい
- 通貨リスクの分散: どの国の通貨にも依存しない「無国籍資産」
- 株式との逆相関: ポートフォリオ全体のリスクを低減する効果がある
デメリット
- 配当・利息がゼロ: 保有しているだけでは収入を生まない
- 長期リターンは株式に劣る: 過去50年で年平均リターンに約3〜4%の差がある
- 保管コスト: 現物の金地金は保管手数料や保険料がかかる
- 価格の乱高下: 短期的には金利や為替の影響で大きく変動する
株式投資のメリットとデメリット
メリット
- 長期リターンが最も高い: 歴史的にすべての資産クラスの中で最高のリターン
- 配当収入: 高配当株やETFなら年2〜5%程度の配当が得られる
- NISA・iDeCoの税制優遇: 非課税で運用できる制度が充実している
- 少額から始められる: 投資信託なら月100円からでも積立可能
デメリット
- 暴落リスク: リーマンショックでは約50%、コロナショックでは約30%の下落
- 個別銘柄リスク: 個社の業績悪化で大きな損失の可能性がある
- 心理的な負担: 暴落時に売却してしまう「パニック売り」が最大の敵
NISAやiDeCoを活用した株式投資については、NISAシミュレーターやiDeCoシミュレーターで非課税効果を試算できます。
最適な配分は?
金と株式は補完的な関係にあり、どちらか一方だけに投資するよりも、適切な比率で組み合わせることでリスク・リターンのバランスが改善します。
一般的な推奨配分
| 投資スタイル | 金の配分 | 株式の配分 | その他 |
|---|---|---|---|
| 攻撃型(20〜30代) | 5% | 80〜90% | 債券5〜15% |
| バランス型(40〜50代) | 10〜15% | 50〜70% | 債券15〜30% |
| 守備型(60代〜) | 15〜20% | 30〜50% | 債券30〜50% |
レイ・ダリオ氏の「オール・ウェザー・ポートフォリオ」では金を約7.5%組み入れています。また、GPIFの基本ポートフォリオでは外国株式25%・国内株式25%・外国債券25%・国内債券25%の構成で、金は直接組み入れていませんが、個人投資家は5〜15%の範囲で金をポートフォリオに加えると分散効果が得られるとされています。
資産配分の考え方を詳しく知りたい方は、資産配分シミュレーターで自分に合ったポートフォリオを検討してみましょう。
金投資の始め方
| 方法 | 最低投資額 | 手軽さ | コスト |
|---|---|---|---|
| 純金積立(田中貴金属等) | 月1,000円〜 | ★★★ | 年1.5〜2.5% |
| 金ETF(1540等) | 数千円〜 | ★★★★ | 年0.4〜0.5% |
| 投資信託(金連動型) | 100円〜 | ★★★★★ | 年0.5〜1.0% |
| 金地金(現物) | 5g約12万円〜 | ★★ | 保管料0.1〜0.3%/年 |
初心者には金ETFまたは投資信託がおすすめです。特にNISA口座で金ETFを購入すれば売却益が非課税になるため、税効率も優れています。ETFと投資信託の違いはETF vs 投資信託シミュレーターで比較できます。
金と株式の税金
| 投資方法 | 課税方式 | 税率 | 特定口座対応 |
|---|---|---|---|
| 金地金の売却益 | 譲渡所得(総合課税) | 所得税率(5〜45%) | × |
| 金地金(5年超保有) | 長期譲渡所得 | 利益の1/2に課税 | × |
| 金ETF | 分離課税 | 20.315% | ○ |
| 株式・株式ETF | 分離課税 | 20.315% | ○ |
| NISA口座 | 非課税 | 0% | − |
金地金は総合課税のため高所得者ほど税率が高くなりますが、5年超保有の長期譲渡所得なら利益の半分だけが課税対象です。税金面を考えると、金ETFを特定口座やNISA口座で運用するのが最も有利です。
よくある質問
金投資の利回りは年何%?
期間の取り方で大きく変わります。円建ての金価格は過去30年で年平均約9.5%、過去20年で約12%、過去10年で約17%、直近5年では約27%です(田中貴金属の年平均価格と2026年10月19日の店頭小売価格23,488円から算出)。直近ほど高いのは、インフレ・地政学リスク・中央銀行の金購入に円安が重なり2020年代に金価格が急騰したためです。将来も同じペースが続く保証はなく、長期の期待リターンとしては控えめに年4〜6%程度で見積もるのが保守的です。
金の利回りに利息や配当は含まれる?
含まれません。金地金・純金積立・金ETFのいずれも利息・配当はゼロで、「金の利回り」は全て値上がり益です。預金金利や株の配当利回り(年2〜3%)のように「持っているだけで毎年入るお金」はないため、価格が横ばいなら利回りは0%、手数料分だけマイナスになります。
2026年に金価格が下がったのはなぜ?
田中貴金属の店頭小売価格は2026年1月29日に初めて1g 3万円を超えた後、利益確定売りや米金利・為替の変動で調整し、10月19日時点では23,488円(高値比約-22%)です。過去にも2013年に円建てで約24%下落した局面があり、金は「値崩れしにくい」ものの「下がらない」資産ではありません。
金はいつ買うべき?
金の価格は地政学リスクや米国の金利政策に左右されますが、長期投資の場合はドルコスト平均法(毎月一定額を積立)がタイミングリスクを抑えるのに効果的です。「安い時に買う」のではなく、「定期的に買い続ける」ことで平均取得単価を安定させられます。
金とビットコインはどう違う?
ビットコインは「デジタルゴールド」と呼ばれますが、ボラティリティは金の3〜5倍と非常に高く、安全資産としての実績はまだ浅いです。金は数千年の歴史を持つ普遍的な価値保存手段であり、中央銀行も外貨準備として保有しています。
債券との組み合わせは?
金と債券はどちらも株式の暴落時にクッション役を果たしますが、金利上昇局面では債券価格が下がる一方、金はインフレ期待で上がることもあります。両方をポートフォリオに入れるとより幅広いリスクに対応できます。債券のリターンは債券利回りシミュレーターで確認できます。
この記事のリターンデータの出典は?
金価格は田中貴金属工業「年次金価格推移」(1973〜2025年の円/g年平均)と同社の日次店頭小売価格(2026年10月19日)、補足としてWorld Gold Council(WGC)の公表データ、株価指数はS&P Dow Jones Indices(S&P500・配当込み)とJPX(TOPIX・配当込み)の公表実績を参考に、日本銀行の基準外国為替相場で円建て換算した概算値です。年平均リターンは幾何平均ベースの目安であり、測定期間の始点・終点の取り方で数%変わる点にご注意ください。
数字が実感と合わない場合は?
保有している金や投資信託の実際のリターンは、購入タイミング・信託報酬や保管コスト・為替の影響で本記事の平均値とズレます。特に金は円安局面では円建てリターンがドル建てより大きく見えます。金vs株式シミュレーターで想定利回りを自分の実績に合わせて変更して試算してください。それでも疑問が残る場合はお問い合わせからお寄せください。
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