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保険の完全ガイド|本当に必要な保険と不要な保険の見極め方を徹底解説

日本人の平均保険料は月3.3万円、年間約40万円。しかし公的保険制度を理解すれば、不要な保険は多い。ライフステージ別の必要保険マップ、保険料の適正額、見直しのポイントを解説します。

日本人は保険に入りすぎている — 平均の保険料は月3.3万円、年間約40万円

生命保険文化センター「生活保障に関する調査(2024年)」によると、1世帯あたりの年間保険料の平均は約37.1万円。月に換算すると約3.1万円になる。これは手取り月収25万円の世帯なら収入の12%以上に相当し、決して小さくない金額だ。

問題は、この保険料に見合った保障が本当に必要かどうかを検証している人が少ないことにある。日本には健康保険・高額療養費制度・遺族年金・障害年金といった手厚い公的保険制度があり、民間の保険は「公的保険ではカバーしきれない部分」を補うものにすぎない。

この記事では、公的保険制度の保障内容を整理した上で、民間保険が本当に必要なケースと不要なケースを明確にしていく。まずは保険見直しシミュレーターで、現在の保険料が適正かどうかをチェックしてみてほしい。

公的保険制度はこんなに手厚い

民間保険を考える前に、すでに加入している公的保険の保障内容を把握すべきだ。ほとんどの人は毎月高額な社会保険料を支払っているにもかかわらず、その保障内容を知らない。

高額療養費制度 — 医療費の自己負担に上限がある

健康保険に加入している全員が対象。医療費がどれだけ高額になっても、1ヶ月の自己負担には上限がある。

年収(目安)自己負担の上限(月額)4回目以降(多数回該当)
〜約370万円57,600円44,400円
約370〜770万円約80,100円+α44,400円
約770〜1,160万円約167,400円+α93,000円

つまり、年収500万円の人が100万円の手術を受けても、自己負担は約9万円で済む。これを知っているかどうかで、医療保険の必要性の判断は大きく変わるはずだ。

遺族年金 — 残された家族に年金が支給される

一家の大黒柱が亡くなった場合、残された家族には遺族年金が支給される。

遺族年金の種類受給者年額の目安
遺族基礎年金子のある配偶者 / 子約102万円+子の加算(1人約23万円)
遺族厚生年金配偶者 / 子 / 父母報酬比例部分の3/4(年額約40〜80万円)
中高齢寡婦加算40〜65歳の妻(子なし)年額約61万円

会社員の夫(年収500万円)が亡くなった場合、子供1人の妻が受け取る遺族年金は年間約160〜180万円(月約13〜15万円)。死亡保険の必要額はこの遺族年金を差し引いて計算する。

傷病手当金 — 病気で働けなくても収入が保障される

会社員が病気やケガで連続4日以上休んだ場合、健康保険から傷病手当金が最長1年6ヶ月支給される。支給額は標準報酬日額の2/3で、月給30万円なら月約20万円が支給される。

この制度があるため、会社員は「病気で収入がゼロになるリスク」が大幅に軽減されている。

障害年金 — 障害が残っても年金が支給される

病気やケガで障害が残った場合、障害等級に応じて障害年金が支給される。

障害等級障害基礎年金(年額)障害厚生年金(年額の目安)
1級約102万円 × 1.25 = 約128万円報酬比例部分 × 1.25
2級約102万円報酬比例部分
3級最低保障約61万円

民間保険の種類と必要性の判断基準

公的保険の保障内容を踏まえた上で、主な民間保険の必要性を整理する。

生命保険(死亡保険)

判断基準必要性理由
子供がいる(末子が18歳未満)必要遺族年金だけでは教育費と生活費を賄えない可能性
共働き・子なし△ 低い遺族年金+配偶者の収入で生活可能なケースが多い
独身× 不要扶養する家族がいなければ死亡保障は不要
住宅ローンがある△ 低い団体信用生命保険(団信)でローンは完済される

必要な保険金額の計算式:

```
必要保障額 = 遺族の生活費(年額 × 末子独立までの年数)
+ 教育費
− 遺族年金(年額 × 受給年数)
− 配偶者の収入(年額 × 就労可能年数)
− 預貯金・退職金
```

この計算は生命保険の必要額シミュレーターで自動化できる。

医療保険

判断基準必要性理由
貯蓄が100万円未満あると安心急な入院費用を賄えない可能性
貯蓄が100〜300万円△ 低い高額療養費制度で自己負担は月9万円程度
貯蓄が300万円以上× 不要の可能性大自己負担は十分にカバーできる
自営業あると安心傷病手当金がないため、収入途絶リスクが高い

医療保険に月3,000円を30年間払うと、保険料の総額は108万円になる。入院給付金で108万円以上を受け取るには、日額5,000円の保険で216日以上入院する必要がある。平均入院日数は約30日であり、保険料の元を取るのは現実的には難しい。

がん保険

判断基準必要性理由
がんの家族歴がある検討の価値ありリスクが平均より高い可能性
先進医療を受けたい検討の価値あり重粒子線治療等は300万円以上の自己負担
十分な貯蓄がある△ 低い標準治療は高額療養費制度でカバー可能

がん治療の費用はがん保険シミュレーターで、治療パターン別の自己負担額を確認できる。医療保険と保障が重複していないかは医療保険シミュレーターで比較しよう。

火災保険・地震保険

判断基準必要性理由
持ち家必須住宅ローン契約時に加入必須。数千万円の資産を守る
賃貸必要(借家人賠償)大家への賠償責任を補償。家財保険も付帯
地震が心配推奨火災保険では地震による被害は補償されない

火災保険料は構造・地域・補償内容で大きく変わる。火災保険シミュレーターで適正な補償額を確認し、不要な特約を外して保険料を最適化しよう。地震保険の必要性は地震保険シミュレーターで判断できる。

保険料の適正額はいくらか

年収に対する保険料の目安

手取り年収保険料の目安(年収の3〜5%)月額
300万円9〜15万円7,500〜12,500円
400万円12〜20万円10,000〜16,700円
500万円15〜25万円12,500〜20,800円
600万円18〜30万円15,000〜25,000円

手取り年収の5%を超える保険料を払っている場合は、過剰加入の可能性が高い。保険料の適正額シミュレーターで年齢別の適正額を確認してみてほしい。

保険料の生涯総額

保険料を「生涯で合計いくら払うか」で考えると、その大きさに驚くはずだ。

月額保険料30年間の総額40年間の総額
月1万円360万円480万円
月2万円720万円960万円
月3万円1,080万円1,440万円
月5万円1,800万円2,400万円

月3万円の保険料を40年間払い続けると、総額は1,440万円。この金額を投資に回した場合(年利5%)の運用結果は約4,600万円になる。保険と投資のどちらに回すべきかは、保障の必要性と資産形成のバランスで判断する必要がある。

保険料の生涯総額シミュレーターで、現在の保険料が生涯でいくらになるかを確認しよう。

保険の見直し5ステップ

Step 1: 現在加入している保険を全て書き出す

  • 保険の種類(死亡・医療・がん・学資・個人年金等)
  • 月額保険料
  • 保障内容(死亡保険金額、入院日額等)
  • 契約期間(定期型か終身型か)
  • 更新時の保険料上昇

Step 2: 公的保険でカバーされる範囲を確認する

高額療養費制度・遺族年金・傷病手当金で、どこまでカバーされるかを計算する。

Step 3: 「保険で備えるべきリスク」を絞り込む

  • 一家の大黒柱の死亡(子育て中の場合)
  • 住宅の全焼・全壊
  • 自動車事故での高額賠償

逆に、「発生確率が高いが損失が小さいもの」(風邪での通院、日帰り入院等)は保険ではなく貯蓄で備えるのが合理的だ。

Step 4: 不要な保険を解約・減額する

特に見直し効果が大きいのは以下の3つ。

見直しポイント節約効果の目安
更新型の定期保険 → 収入保障保険に切替月2,000〜5,000円
過剰な死亡保険金額の減額月1,000〜3,000円
医療保険の特約整理月500〜2,000円

Step 5: 保険の不足・過剰を定期チェックする

ライフイベント(結婚・出産・住宅購入・子供の独立)のたびに保障の過不足を確認する。保険の過不足チェックシミュレーターで定期的に診断しよう。

ライフステージ別 必要保険マップ

独身(20〜30代)

保険の種類必要性理由
死亡保険× 不要扶養家族がいない
医療保険△ 貯蓄次第100万円以上の貯蓄があれば不要
がん保険× ほぼ不要20〜30代のがん罹患率は極めて低い
火災保険(賃貸)○ 必要借家人賠償は必須
自動車保険○ 必要車を持つなら対人・対物無制限
月額の目安0〜5,000円

夫婦(子なし)

保険の種類必要性理由
死亡保険△ 最低限葬儀費用+数ヶ月の生活費程度
医療保険△ 貯蓄次第共働きなら片方が入院しても収入は維持
火災保険○ 必要持ち家なら必須、賃貸でも必要
月額の目安2,000〜8,000円

子育て世帯

保険の種類必要性理由
死亡保険(収入保障型)◎ 必須遺族年金+保険で子供独立まで生活費を確保
医療保険△〜○自営業なら優先度高。会社員は傷病手当金あり
学資保険NISAのほうが運用効率は良い場合が多い
火災保険○ 必要家族の生活基盤を守る
自動車保険○ 必要対人・対物無制限+人身傷害
月額の目安8,000〜20,000円

シニア(60歳以上)

保険の種類必要性理由
死亡保険△ 縮小子供が独立していれば大幅に減額可
医療保険△ 貯蓄次第75歳以降は自己負担が1〜2割に下がる
がん保険△〜○がん罹患率が上がる年代。ただし保険料も高い
介護保険公的介護保険の自己負担(1〜3割)を確認した上で判断
月額の目安3,000〜10,000円

保険に関するシミュレーター一覧

シミュレーターできることリンク
保険見直し現在の保険料が適正かを診断診断する
生命保険の必要額遺族年金を考慮した必要保障額を計算計算する
保険料の生涯総額保険料の生涯負担額を計算計算する
年齢別の適正保険料年齢別の保険料相場を確認確認する
がん保険がん治療の自己負担額を計算計算する
医療保険入院・手術の自己負担と保険の損得を比較比較する
保険の過不足チェック現在の保障に過不足がないか診断診断する
火災保険補償内容別の保険料を比較比較する
地震保険地震保険の保険料と補償額を計算計算する

保険は「安心を買うもの」だが、過剰な安心にコストをかけすぎれば、その分だけ資産形成が遅れる。公的保険制度を正しく理解し、民間保険は「本当に必要な保障」だけに絞ること。それが保険との賢い付き合い方だ。まずは保険見直しシミュレーターで、今の保険が自分に合っているかを確認するところから始めよう。

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