住民税はいくら?年収300万→11.7万/500万→24.2万【令和8・9年度の早見表】
住民税は年収500万・独身で年24.2万円(月2.01万円)、300万で11.7万円。令和9年度(2026年の所得)は給与所得控除の最低保障が74万円に上がり、非課税ラインは110万→119万円に。年収別早見表、所得割10%−調整控除+均等割5,000円の計算式、都市別の差、ふるさと納税・iDeCoでいくら減るかを解説。
住民税は「年収の約4〜6%」が目安
住民税は前年1〜12月の所得に対して課税され、会社員なら年収の約4〜6%が目安です。税率は所得割10%で一律ですが、給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除を引いた後の金額にかかるため、年収に対する割合はそれより低くなります。
住民税は6月〜翌年5月の12回に分けて給与から天引きされます。新卒1年目は前年の給与がないので住民税はかからず、2年目の6月から天引きが始まります。「2年目で手取りが減った」と感じるのはこのためです。
2026年10月時点で押さえておきたい年度は次の2つです。
| 年度 | 課税の対象 | 納める期間 | 給与所得控除の最低保障 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 | 2025年の所得 | 2026年6月〜2027年5月(いま納付中) | 65万円 |
| 令和9年度 | 2026年の所得 | 2027年6月〜2028年5月 | 74万円 |
年収別の住民税早見表
独身・扶養なしの場合(標準税率・40歳未満)
| 年収 | 課税標準額 | 令和9年度(年額) | 月額(7月〜) | 令和8年度(年額) |
|---|---|---|---|---|
| 150万円 | 約10.9万円 | 13,300円 | 1,100円 | 22,300円 |
| 200万円 | 約53.5万円 | 56,000円 | 4,600円 | 62,000円 |
| 250万円 | 約87.2万円 | 89,600円 | 7,400円 | 89,600円 |
| 300万円 | 約114.8万円 | 117,200円 | 9,700円 | 117,300円 |
| 400万円 | 約174.1万円 | 176,500円 | 14,700円 | 176,600円 |
| 500万円 | 約239.4万円 | 241,800円 | 20,100円 | 242,000円 |
| 600万円 | 約304.7万円 | 307,100円 | 25,500円 | 307,200円 |
| 700万円 | 約374.0万円 | 376,500円 | 31,300円 | 376,500円 |
| 800万円 | 約449.3万円 | 451,700円 | 37,600円 | 451,800円 |
| 1,000万円 | 約614.9万円 | 617,300円 | 51,400円 | 617,500円 |
※住民税シミュレーターの計算値。社会保険料は協会けんぽの全国平均料率・厚生年金9.15%・雇用保険で概算(賞与年4ヶ月分、年収500万円で約73.5万円=年収の約14.7%)。所得税・社会保険料を含めた手取りは手取り計算シミュレーターで確認できます。
令和8年度と令和9年度で大きく違うのは年収220万円以下だけです。年収150万円なら給与所得控除が65万円→74万円に9万円増え、住民税は9,000円下がります。220万円を超えると控除額は同じなので、差は社会保険料率の改定(健康保険9.90%、雇用保険0.5%、子ども・子育て支援金の開始)による数百円にとどまります。
配偶者控除+子ども1人(16歳以上)の場合
| 年収 | 住民税(令和9年度) | 独身との差額 |
|---|---|---|
| 400万円 | 105,500円 | −71,000円 |
| 500万円 | 170,800円 | −71,000円 |
| 600万円 | 241,100円 | −66,000円 |
| 700万円 | 310,500円 | −66,000円 |
配偶者控除33万円+扶養控除33万円で課税標準額が66万円減り、所得割は6.6万円下がります。年収500万円までは差額が7.1万円、600万円以上は6.6万円になるのは、後で説明する調整控除が課税標準額200万円を境に7,500円から2,500円に縮むためです。16歳未満の子は扶養控除の対象外ですが、非課税ラインの判定では人数に数えます。
住民税の計算方法
住民税は所得割と均等割の2つでできています。
所得割=課税標準額×10%−税額控除
- 年収から給与所得控除を引いて給与所得を出す(年収500万円なら144万円を引いて356万円)
- 所得控除(基礎控除43万円、社会保険料控除、配偶者・扶養控除など)を引き、1,000円未満を切り捨てて課税標準額を出す
- 課税標準額に10%(市町村民税6%+道府県民税4%。政令市は8%+2%)をかける
- 調整控除・ふるさと納税の寄附金税額控除・住宅ローン控除を引き、市と県それぞれ100円未満を切り捨てる
調整控除=所得税との控除差を埋める仕組み
住民税の人的控除は所得税より小さい(基礎控除は所得税の最大104万円に対し住民税43万円)ため、そのままだと負担が増えてしまいます。そこで「人的控除差」の5%を所得割から引きます。
- 課税標準額200万円以下: 人的控除差と課税標準額の少ない方 × 5%
- 課税標準額200万円超: {人的控除差 −(課税標準額 − 200万円)}× 5%(最低2,500円)
人的控除差は基礎控除5万円、配偶者控除5万円、一般扶養5万円、特定扶養18万円の合計です。独身なら5万円×5%=2,500円、配偶者+扶養1人で課税標準額200万円以下なら15万円×5%=7,500円です。
均等割=定額5,000円(森林環境税を含む)
均等割は所得にかかわらず定額で、標準は市町村民税3,000円+道府県民税1,000円+森林環境税(国税)1,000円=5,000円です。2023年度までの「市3,500円+県1,500円」は復興特別税の上乗せがあった時代の内訳で、2024年度からはこの形になっています。
計算例:年収500万円・独身(令和9年度)
| ステップ | 金額 |
|---|---|
| 給与収入 | 5,000,000円 |
| 給与所得控除 | −1,440,000円 |
| 給与所得 | 3,560,000円 |
| 基礎控除(住民税) | −430,000円 |
| 社会保険料控除 | −735,083円 |
| 課税標準額(1,000円未満切捨て) | 2,394,000円 |
| 所得割(10%) | 239,400円 |
| 調整控除 | −2,500円 |
| 所得割(市142,100円+県94,700円) | 236,800円 |
| 均等割 | +5,000円 |
| 住民税 | 241,800円 |
天引きは年税額÷12の100円未満を切り捨てた20,100円が7月〜翌5月の11回、端数をまとめた20,700円が6月分です。
住んでいる都市で住民税は変わる?
所得割はほぼ全国10%ですが、いくつかの都市は税率や均等割が標準と異なります。年収500万円・独身(令和9年度)で比べると次のとおりです。
| 都市 | 所得割率 | 均等割(森林環境税込み) | 住民税 | 標準との差 |
|---|---|---|---|---|
| 標準(東京23区など) | 10% | 5,000円 | 241,800円 | ― |
| 横浜市 | 10.025% | 6,200円 | 243,600円 | +1,800円 |
| 神戸市 | 10% | 6,200円 | 243,000円 | +1,200円 |
| 仙台市 | 10% | 6,200円 | 243,000円 | +1,200円 |
| 大阪市 | 10% | 5,300円 | 242,100円 | +300円 |
| 名古屋市 | 9.7% | 5,300円 | 234,900円 | −6,900円 |
横浜市は横浜みどり税(市900円)と神奈川県の水源環境保全税(県300円+所得割0.025%)、神戸市は認知症「神戸モデル」(市400円)と県民緑税(県800円)、仙台市はみやぎ環境税(県1,200円)、大阪市は大阪府森林環境税(府300円・令和9年度まで)が上乗せされています。名古屋市は市民税の所得割を5%減税しており(7.7%)、均等割も市2,800円です。所得が高いほど名古屋市の差は大きくなります。
住民税が非課税になる年収ライン
非課税の判定は所得で行われ、次の2段階があります(世帯人数=本人+同一生計配偶者+扶養親族。16歳未満の子も含む)。
- 均等割も非課税: 合計所得が「35万円×世帯人数+10万円(扶養ありは+21万円)」以下(1級地)
- 所得割だけ非課税: 合計所得が「35万円×世帯人数+10万円(扶養ありは+32万円)」以下
給与収入に直すと、給与所得控除が変わるため年度ごとにラインが動きます。
| 世帯構成(1級地) | 合計所得 | 令和8年度 | 令和9・10年度 |
|---|---|---|---|
| 単身 | 45万円以下 | 給与110万円以下 | 給与119万円以下 |
| 夫婦(配偶者を扶養) | 101万円以下 | 給与166万円以下 | 給与175万円以下 |
| 夫婦+子1人 | 136万円以下 | 給与約205.9万円以下 | 給与210万円以下 |
| 夫婦+子2人 | 171万円以下 | 給与約255.9万円以下 | 給与約255.9万円以下 |
2級地は単身で令和8年度約106.5万円・令和9年度約115.5万円、3級地は約103万円・約112万円が目安です。判定基準そのもの(単身で合計所得45万円)は変わっておらず、給与所得控除の最低保障が65万円→74万円に上がった分だけ年収のラインが9万円上がります。令和11年度以後は最低保障が69万円になる予定なので、単身のラインは114万円に下がる見込みです。
令和9年度の改正でほかに変わること
給与所得控除のほかに、令和9年度(2026年の所得)から次の所得要件が上がります。
| 項目 | 令和8年度 | 令和9年度 |
|---|---|---|
| 配偶者・扶養親族の合計所得要件 | 58万円(給与123万円) | 62万円(給与136万円) |
| 勤労学生控除の所得要件 | 85万円 | 89万円 |
| 特定親族特別控除(19〜22歳の子)の対象 | 所得58万円超123万円以下 | 所得62万円超123万円以下 |
| 住民税の基礎控除 | 43万円 | 43万円(据え置き) |
大学生の子が年収123万円を超えても、特定親族特別控除(子の所得に応じて住民税で45万円〜3万円)で親の控除は段階的に減るだけです。所得税は2026年分から基礎控除が最大104万円になりますが、住民税の基礎控除は43万円のままなので、「所得税はゼロなのに住民税はかかる」人が増える点にも注意してください。所得税側の変化は所得税率シミュレーターで確認できます。
住民税を安くする方法
年収500万円・独身(令和9年度)で計算した場合の削減額です。
| 方法 | 住民税の削減額 | 仕組み |
|---|---|---|
| ふるさと納税6万円(ワンストップ特例) | 58,000円 | 寄附−2,000円がすべて住民税から引かれる |
| ふるさと納税6万円(確定申告) | 52,100円 | 残り約5,900円は所得税の還付 |
| iDeCo(月23,000円) | 約27,600円 | 掛金27.6万円が全額所得控除 |
| 配偶者控除(該当する場合) | 33,000円 | 控除33万円×10% |
| 医療費控除(医療費20万円) | 10,000円 | (20万−10万円)×10% |
| 生命保険料控除(住民税の上限7万円) | 7,000円 | 控除7万円×10% |
| 住宅ローン控除(所得税の残り分) | 上限97,500円 | 所得税から引ききれない分 |
ふるさと納税の特例控除は「調整控除後の所得割の20%」が上限で、この条件では寄附約6.1万円が上限の目安です。自分の上限はふるさと納税 控除上限額シミュレーター、iDeCoの所得税・住民税の合計効果はiDeCoシミュレーターで確認できます。
住民税が高くなるケース
- 前年に収入が増えた: 転職で年収が上がった翌年や、副業で臨時収入があった翌年は上がります。副業の所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は必要です。副業の税金シミュレーターで追加の税額を確認できます。
- 退職した翌年: 前年の所得に課税されるため、年収500万円で退職すると翌年に約24万円が普通徴収(年4回)で届きます。
- フリーランスになった: 住民税は普通徴収になり、事業税・国民健康保険料も自分で納めます。個人事業主 税金シミュレーターで全体の負担を計算できます。
「住民税決定通知書」の見方
| 欄 | 意味 |
|---|---|
| 総所得金額等 | 前年の所得(給与なら給与所得控除後の金額) |
| 所得控除合計 | 基礎控除・社会保険料控除・配偶者控除などの合計 |
| 課税標準額 | 総所得 − 所得控除(1,000円未満切捨て) |
| 税額控除 | 調整控除・住宅借入金等特別税額控除・寄附金税額控除など |
| 所得割額 | 課税標準額×税率 − 税額控除(市・県それぞれ100円未満切捨て) |
| 均等割額 | 森林環境税1,000円を含めて5,000円前後(自治体で上乗せあり) |
シミュレーターの「課税標準額」と通知書の数字を比べると、ずれの原因(社会保険料の実額・扶養人数・控除の適用漏れ)が特定しやすくなります。