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副業を始めるべき時給ライン|本業の実質時給との比較診断【2026】

「副業 時給いくら」より一歩進んだ判断軸。本業の実質時給(残業・通勤込み)が1,800円なら副業は2,500円以上が目安。税金・社会保険・機会費用を加味した手取り換算で『始める価値あり』のラインを3シナリオで診断。副業の相場一覧は別記事で。

あなたの本業の実質時給はいくらか

あなたの本業の実質時給はいくらか、計算したことがあるだろうか。

月給30万円、月の労働時間が160時間なら額面時給は1,875円。しかし通勤時間や準備時間を含めると、実質的な拘束時間は200時間を超えることも珍しくない。その場合、実質時給は1,500円を下回る

副業を始めるかどうかの判断は、「副業の時給がいくらか」だけでは不十分だ。本業の実質時給と比較して、どれだけの上乗せがあるかを見なければ、時間の使い方として正しいかどうかはわからない。

この記事では、副業の時給相場から本業との比較方法、税金を含めた手取りベースの判断基準まで、「副業を始めるべきかどうか」を合理的に判断するための材料を整理する。副業10種類の実質時給ランキングや計算例の詳細は副業の実質時給ランキング【2026年版】にまとめている。

副業の時給相場テーブル(種類別)

まず、主要な副業の時給相場を確認しておこう。ここでは準備時間や営業活動を含めた実質時給で比較する。

スキル系副業

副業の種類額面時給実質時給初期スキル習得時間
プログラミング(Web制作)3,000〜5,000円2,500〜4,000円100〜300時間
Webデザイン2,500〜4,000円2,000〜3,500円50〜200時間
コンサルティング(本業知識の活用)5,000〜15,000円2,500〜5,000円ほぼ不要
動画編集2,000〜3,500円1,500〜2,500円30〜100時間
Webライティング1,500〜3,000円1,200〜2,500円10〜50時間

労働集約系副業

副業の種類額面時給実質時給初期スキル習得時間
フードデリバリー1,000〜1,800円800〜1,500円ほぼ不要
せどり・転売変動1,000〜2,000円20〜50時間
データ入力800〜1,200円700〜1,000円ほぼ不要
アンケートモニター500〜1,000円400〜700円不要

スキル系副業は実質時給が高い一方、収入を得るまでにスキル習得の「先行投資」が必要になる。労働集約系はすぐに始められるが、時給の伸びしろが限定的という特徴がある。業務委託で継続案件を受ける段階になったら、フリーランス適正単価シミュレーターで目標時給から逆算した案件単価も確認しておくとよい。

種類別の実質時給の計算方法と詳しいランキングは副業の実質時給ランキング10種類で解説している。

本業の「実質時給」を正確に計算する方法

副業と比較する前に、まず本業の実質時給を正確に把握する必要がある。

計算式

```
本業の実質時給 = 年間手取り収入 ÷ 年間の実質労働時間
```

年間手取り収入の計算

年間手取り = 額面年収 − 所得税 − 住民税 − 社会保険料

額面年収手取り年収(概算)手取り率
300万円約240万円約80%
400万円約315万円約79%
500万円約390万円約78%
600万円約460万円約77%
700万円約530万円約76%
800万円約595万円約74%

※扶養なし・独身の場合の概算。国税庁の所得税率および協会けんぽの保険料率に基づく。

年間の実質労働時間

実質労働時間には以下を含める。

  • 所定労働時間: 1日8時間 × 年間245日 = 1,960時間
  • 残業時間: 月平均20時間なら年240時間
  • 通勤時間: 片道45分なら往復1.5時間 × 245日 = 368時間
  • 昼休憩(拘束時間): 1時間 × 245日 = 245時間

合計すると、年間2,800時間前後が会社のために拘束されている時間になる。

具体例:年収500万円・通勤片道45分の会社員

  • 手取り年収: 約390万円
  • 実質労働時間: 約2,813時間(残業月20時間・通勤片道45分)
  • 実質時給 = 390万円 ÷ 2,813時間 ≒ 1,386円

額面で考えると時給2,551円(500万円÷1,960時間)に見えるが、税金・通勤・残業を加味すると実質時給は約1,400円まで下がる。自分の正確な実質時給は時給計算シミュレーターで算出できる。特に通勤時間の重みは想像以上に大きいので、通勤時間の価値シミュレーターで「通勤が奪っている金額」も一度確認しておきたい。

副業を始めるべき「時給ライン」の判断基準

本業の実質時給がわかったら、次は副業を始めるべき時給ラインを考える。単純に「本業の時給を超えれば良い」というわけではない。

3つの判断軸

1. 純粋な収入増を目的とする場合

この場合は、副業の手取りベースの実質時給が本業の実質時給の50%以上あれば検討に値する。なぜ100%ではなく50%かというと、副業には「可処分時間の活用」という追加価値があるためだ。本業の残業が望めない場合、手取り時給700円の副業でも、やらなければ収入ゼロの時間を活用している。

2. スキルアップを兼ねる場合

将来的な転職やキャリアアップにつながる副業であれば、時給が本業の30%以下でも合理的な選択になりうる。たとえばWebライティングの副業が実質時給1,000円でも、それが本業のマーケティングスキルを磨く機会になるなら、自己投資としての価値が上乗せされる。

3. 本業の時間単価を下げたくない場合

「これ以上安い仕事はしたくない」という基準で考えるなら、副業の実質時給が本業の実質時給以上であることが条件になる。本業の実質時給が1,400円なら、1,400円以上の副業だけを選ぶ。

判断フロー

副業の目的最低ラインの目安例(本業の実質時給1,400円の場合)
とにかく収入を増やしたい本業の50%以上700円以上
スキルアップ兼務本業の30%以上420円以上
時間単価を下げたくない本業の100%以上1,400円以上
独立・起業の準備赤字でもOK(期間限定)時給基準なし

なお「収入を増やす」だけが目的なら、副業より先に固定費の削減を検討する価値がある。節約は税金がかからないぶん、同じ1万円でも副業収入1.2〜1.4万円分に相当する。どちらが効率的かは節約 vs 副業シミュレーターで比較できる。

税金・社会保険が副業の「手取り時給」を削る

副業の時給を考える際に見落としがちなのが、税金と社会保険料の影響だ。本業の年収帯によって、副業収入にかかる税率は大きく変わる。

副業収入にかかる税率の目安

副業収入は、本業の所得に上乗せされる形で課税される。つまり、本業の所得が高いほど副業収入の「限界税率」は高くなる。

本業の課税所得所得税率住民税合計限界税率
195万円以下5%10%15%
195〜330万円10%10%20%
330〜695万円20%10%30%
695〜900万円23%10%33%
900〜1,800万円33%10%43%

※国税庁「所得税の税率」に基づく。復興特別所得税(2.1%)は省略。

具体例:年収500万円の会社員が副業で月5万円稼ぐ場合

  • 給与所得控除・社会保険料控除(年収の15%概算)・基礎控除(2025年改正後の68万円)を引いた課税所得は約213万円 → 限界税率は所得税10%+住民税10%の約20%(330万円超の30%帯に入るのは額面年収700万円前後から)
  • 月5万円の副業収入のうち、手取りは約40,000円副業時給シミュレーターの実装で39,895円)
  • 額面時給2,000円の副業なら、手取りベースの時給は約1,600円

「年収500万円なら副業の税率は30%」という解説を見かけるが、課税所得ベースで考えると多くの場合は20%にとどまる。自分の本業年収を入れた正確な税額は副業の税金シミュレーターで計算できる。年間20万円を超える副業所得がある場合は確定申告が必要になる。

社会保険の注意点

副業がアルバイト・パートの場合、勤務先の要件(週20時間以上など)を満たすと社会保険の二重加入が発生する。フリーランス型の副業(業務委託)であれば、副業分の社会保険料は発生しないため、手取り率は税金の影響のみとなる。

副業の手取り早見表(シミュレーター実装で検算)

ここからは、副業時給シミュレーターの計算ロジックをそのまま実行して作成した早見表を2つ載せる。数字はすべて実装の出力値で、2025年改正後の給与所得控除・基礎控除に社会保険料控除(年収の15%概算)を加味した概算(復興特別所得税2.1%込み・経費ゼロ)だ。

早見表1:本業年収別・副業の手取り率

副業で月5万円(年間所得60万円)を稼いだ場合、本業の年収帯によって手取りはこう変わる。

本業の額面年収適用される所得税率年間の税額(所得税+住民税)年間手取り手取り率
300万円5%90,630円509,370円84.9%
400万円5%90,630円509,370円84.9%
500万円10%121,260円478,740円79.8%
600万円10%121,260円478,740円79.8%
700万円20%182,520円417,480円69.6%
800万円20%182,520円417,480円69.6%
1,000万円20%182,520円417,480円69.6%

同じ月5万円の副業でも、本業年収400万円の人と1,000万円の人では年間の手取りに約9万円の差がつく。副業の損益計算は「自分の年収帯の手取り率」を前提にしないと狂う。

早見表2:副業の額面時給×月労働時間別の手取り月収

本業年収500万円(所得税率10%)・経費ゼロの場合の手取り月収。カッコ内は手取りベースの実質時給。

額面時給月10時間月20時間月30時間月40時間
1,000円9,000円(900円)15,958円(798円)23,937円(798円)31,916円(798円)
1,500円13,500円(1,350円)23,937円(1,197円)35,906円(1,197円)47,874円(1,197円)
2,000円15,958円(1,596円)31,916円(1,596円)47,874円(1,596円)63,832円(1,596円)
2,500円19,948円(1,995円)39,895円(1,995円)59,843円(1,995円)79,790円(1,995円)
3,000円23,937円(2,394円)47,874円(2,394円)71,811円(2,394円)95,748円(2,394円)

この表には面白い境界がある。時給1,500円×月10時間(年間所得18万円)は手取り率90%なのに、時給2,000円×月10時間(年間所得24万円)は79.8%に落ちる。年間所得20万円以下なら所得税の確定申告が不要(住民税10%のみ)になるためで、「小さく稼ぐなら20万円の壁の内側が効率的」という構造がわかる。逆に月20時間以上働くならどの時給でも手取り率は一定なので、額面時給を上げることだけが実質時給を上げる手段になる。

この手取り率が、「本業の実質時給が1,800円なら副業は額面2,500円以上が目安」というラインの根拠でもある。額面時給2,500円×手取り率69.6〜79.8%=手取り1,740〜1,995円で、ようやく本業の実質時給1,800円と同水準に届く。額面で本業と同じ時給の副業を選ぶと、税引後には確実に本業を下回る。

具体シナリオ3パターン

パターンA:年収400万円・通勤片道30分の事務職

  • 本業の実質時給: 約1,250円(手取り315万円÷2,520時間)
  • 目標: 月3万円の収入増
  • おすすめ副業: データ入力・Webライティング
  • データ入力(実質時給800円)× 月38時間 = 月3万円(手取り約25,000円)
  • Webライティング(実質時給1,500円)× 月20時間 = 月3万円(手取り約25,000円)
  • 判定: ライティングなら週5時間で目標達成。データ入力だと週10時間必要で、限られた自由時間を圧迫する

パターンB:年収600万円・残業月30時間のエンジニア

  • 本業の実質時給: 約1,500円(手取り460万円÷3,060時間)
  • 目標: スキルアップ+月5万円
  • おすすめ副業: プログラミング副業・技術コンサルティング
  • プログラミング副業(実質時給3,000円)× 月17時間 = 月5万円(手取り約40,000円)
  • 判定: 額面ベースでは本業の実質時給の2倍の効率(手取り換算でも約2,300円/時間と本業の1.5倍超)。ただし残業が多いため、体力・時間の確保が課題。残業を月20時間に減らして副業に充てる方が手取り総額は増える可能性あり

パターンC:年収350万円・子育て中の時短勤務

  • 本業の実質時給: 約1,100円(手取り280万円÷2,500時間)
  • 目標: 隙間時間で月1〜2万円
  • おすすめ副業: アンケートモニター・ハンドメイド販売
  • アンケートモニター(実質時給500円)× 月30時間 = 月15,000円(手取り約13,500円)
  • 判定: 時給は低いが「子どもの昼寝中に10分単位で進められる」柔軟性に価値がある。時給で判断すべきでないケース

本業と副業の収入を合算した手取り額はダブルワーク手取りシミュレーターで確認できる。

「副業を始めるべきか」判断チェックリスト

最後に、副業を検討する際のチェックポイントを整理する。

STEP 1: 本業の改善余地を確認

まず副業の前に本業側の選択肢を検討する。

  • [ ] 残業代の活用: 残業時給は通常の1.25倍。残業できる環境なら、副業より残業の方が効率的な場合がある(残業代シミュレーターで確認)
  • [ ] 昇給・昇格の可能性: 本業で年収50万円アップが見込めるなら、そこに注力する方が長期的に有利
  • [ ] 転職の検討: 年収100万円アップの転職が現実的なら、副業より転職の方が時間効率は高い

STEP 2: 副業の条件を整理

  • [ ] 確保できる時間は週何時間か(現実的に継続可能な時間)
  • [ ] 目標月収はいくらか
  • [ ] 目標月収 ÷ 確保時間 = 必要な時給はいくらか
  • [ ] その時給を満たす副業の選択肢はあるか

STEP 3: 手取りベースで最終判断

  • [ ] 副業収入に対する限界税率を確認(年収帯による)
  • [ ] 手取りベースの時給が自分の「最低ライン」を超えているか
  • [ ] 確定申告の手間(年間5〜10時間)をコストに含めているか

この3ステップで判断すれば、「なんとなく始めて、割に合わなくてやめる」という事態を防げる。まずは副業の時間価値シミュレーターで、自分の条件に合った副業の実質時給を計算してみてほしい。

よくある質問(FAQ)

Q. 副業所得が年間20万円以下なら、申告は一切不要?

いいえ。「20万円以下なら申告不要」(所得税法第121条)は所得税の確定申告に限った話で、住民税には20万円ルールが存在しない。副業所得が1円でもあれば、市区町村への住民税申告が必要になる(地方税法第317条の2)。確定申告をすればデータが自治体に連携されるので別途の住民税申告は不要だが、「確定申告しない=申告ゼロでよい」ではない点に注意。早見表2で示したとおり、20万円以下でも住民税10%は引かれる前提で手取りを見積もろう。

Q. 副業で社会保険料が二重にかかるのはどんな場合?

副業が雇用契約(アルバイト・パート)で、かつ副業先で「週の所定労働時間20時間以上・月額賃金8.8万円以上・2ヶ月超の雇用見込み」等の加入要件を満たした場合だけだ。この場合は本業・副業それぞれの給与で社会保険料が発生し、「二以上事業所勤務届」の提出が必要になる。一方、業務委託(ライター・プログラミング・デリバリー等)の報酬は給与ではないため、社会保険料は本業分のみで変わらない。手取り率を重視するなら業務委託型の副業が有利になりやすい。本業と副業の収入合算の手取りはダブルワーク手取りシミュレーターで確認できる。

Q. 青色申告にすると手取りはどれくらい変わる?

副業が「事業所得」と認められ、複式簿記+電子申告で青色申告特別控除65万円を使えた場合、節税額は65万円×(所得税率×1.021+住民税10%)。本記事の計算前提だと、所得税率10%の人(本業年収500〜600万円)で約13.1万円、20%の人(同700万〜1,000万円)で約19.8万円の節税になる。ただし会社員の片手間の副業は原則「雑所得」で、事業所得と認められるには帳簿付けと事業の実態(継続性・営利性、年間売上300万円超が一つの目安)が必要。青色申告の損益分岐は青色申告メリットシミュレーターで試算できる。

Q. 副業より本業の残業を増やす方が得なケースは?

残業代は通常時給の1.25倍(月60時間超は1.5倍)で、営業活動やスキル習得の先行投資が不要なため、時給ベースでは多くの副業より効率が良い。本業の時給換算が1,875円なら残業時給は約2,344円で、これを超える実質時給の副業は表1のスキル系上位に限られる。一方、残業には「上限があるうえ自分でコントロールできない」「スキル資産が残りにくい」という弱点がある。自分の残業時給は残業代シミュレーターで計算し、副業の実質時給と並べて比較してほしい。

Q. この記事の数字の前提データはどこから?数字が実感と合わない場合は?

税率は国税庁「No.2260 所得税の税率」(累進税率5〜45%)・復興特別所得税2.1%・住民税10%(地方税法)に基づく。早見表1・2と3シナリオの手取り額は、すべて副業時給シミュレーターの実装(2025年改正後の給与所得控除・基礎控除に社会保険料控除15%概算を加味・経費ゼロ)を実行して検算した値だ。iDeCoや生命保険料控除など他の所得控除が大きい場合は、境界年収付近で実際の税率と1段階ずれる場合がある。ご自身の源泉徴収票の数字と大きく食い違う場合や、計算誤りに気づいた場合はお問い合わせフォームから知らせてほしい。

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