副業の確定申告はいくらから必要?税金の仕組みと節税のコツ【2026年分対応】
副業の確定申告が必要になる基準(20万円ルール)、副業にかかる税金の計算方法、会社にバレない方法、経費で節税するコツを具体的な数字で解説。2026年分(令和8年度改正: 基礎控除104万円・給与所得控除74万円)と2025年分の両方で計算した年収別・副業所得別の早見表付き。
副業の税金、いくら引かれるか知っていますか?
会社員が副業で月5万円(年60万円)を稼いだ場合、税金でいくら引かれるのか。本業の年収が500万円なら、2026年分(令和8年分・2027年2〜3月申告)の副業の手取りは約48.7万円。つまり約11.3万円(所得税5.3万円+住民税6万円)が税金として消えます。実効税率にすると18.8%です(本業の給与から引かれる社会保険料約73.5万円の控除と住民税の調整控除を反映)。ひとつ前の2025年分の法令で計算すると税金は約12.1万円なので、2026年分は約0.8万円軽くなります。
副業の確定申告や税金の仕組みを知らないまま始めると、思ったより手取りが少なくて驚くことになります。逆に、経費や控除を正しく使えば手取りを大きく増やせます。この記事では、副業の税金計算から節税テクニックまで、具体的な数字を使って解説します。記事中の税額はすべて副業の税金シミュレーターの実装で計算した値で、2026年9月に国税庁サイトの現行法令(令和8年4月1日現在)と照合済みです。ご自身の年収での結果は、シミュレーターに入力すればその場で確認できます。
副業の確定申告は「所得20万円超」が基準
会社員が副業をしている場合、副業の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です(国税庁タックスアンサーNo.1900)。
ここで重要なのは「収入」ではなく「所得」という点。
- 収入: 副業で受け取った金額の合計
- 所得: 収入 − 経費
例えば、副業の収入が50万円でも経費が35万円なら、所得は15万円で所得税の確定申告は不要です。
20万円ルールの注意点
この「20万円以下なら申告不要」ルールには、見落としやすい条件があります。
- 所得税の確定申告が不要なだけであって、住民税の申告は必要(後述)
- 医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)で確定申告する場合は、20万円以下でも副業所得を申告しなければならない
- 副業が複数ある場合は合算して20万円を超えるかどうかで判断
- 副業がアルバイト(給与)の場合は「所得」ではなく、年末調整されない副業給与の「収入」が20万円を超えるかで判定する(給与収入の合計から所得控除を引いた額が150万円以下なら不要という例外あり)
つまり、「20万円以下だから完全に何もしなくていい」わけではありません。自分が確定申告すべきかどうか迷ったら、確定申告要否チェックシミュレーターで判定できます。
副業にかかる税金の計算方法
副業の所得にかかる税金は、所得税と住民税の2つです。
所得税(累進課税)
副業の所得は本業の給与所得と合算され、累進課税で計算されます。本業の年収が高いほど、副業の所得に適用される税率も高くなります。
| 課税所得 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超〜330万円 | 10% | 97,500円 |
| 330万円超〜695万円 | 20% | 427,500円 |
| 695万円超〜900万円 | 23% | 636,000円 |
| 900万円超〜1,800万円 | 33% | 1,536,000円 |
実際にはこの所得税額に復興特別所得税(2.1%)が上乗せされます(2027年分からは復興1.1%+防衛特別所得税1%で合計2.1%のまま、復興特別所得税は2047年分まで延長)。自分の給与所得がどの税率帯にあるかは所得税率シミュレーターで確認できます。「副業1万円あたり税金がいくら増えるか」は、この限界税率×1.021+住民税10%でほぼ決まります。
住民税(一律10%)
副業の所得に対して一律10%の住民税(所得割)がかかります。所得税とは別に課税されるため、合計の税負担は「所得税率 + 10%」です。住民税の基礎控除は所得税と違って43万円で固定なので、課税所得は所得税と一致しません。
重要: 所得20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は必要です。お住まいの市区町村の窓口で手続きしましょう。住民税の申告を怠ると、後から追徴課税されるケースもあります。住民税の仕組み全体は住民税計算シミュレーターで確認できます。
2025年・2026年の税制改正で副業の税金はこう変わった
いわゆる「103万円の壁」見直しは2段階で進みました。2025年3月成立の令和7年度改正が2025年分(2026年2〜3月申告)に、続く令和8年度改正(2026年12月1日施行)が2026年分・2027年分(2027年2〜3月以降に申告)に適用されます。副業会社員に関係するポイントは次のとおりです。
| 項目 | 〜2024年分 | 2025年分 | 2026年分・2027年分 |
|---|---|---|---|
| 給与所得控除の最低保障 | 55万円 | 65万円(給与190万円以下) | 74万円(給与220万円以下) |
| 所得税の基礎控除 | 48万円一律 | 合計所得132万円以下95万円/336万円以下88万円/489万円以下68万円/655万円以下63万円/2,350万円以下58万円 | 合計所得489万円以下104万円/655万円以下67万円/2,350万円以下62万円 |
| 住民税の基礎控除 | 43万円 | 43万円(据え置き) | 43万円(据え置き) |
| 配偶者控除・扶養控除の所得要件 | 合計所得48万円(給与103万円) | 58万円(給与123万円) | 62万円(給与136万円) |
2028年分以後の基礎控除は合計所得132万円以下99万円・2,350万円以下62万円になる予定です(時限の上乗せ5万円が外れるため)。
副業の税額への影響を実装で検算すると、本業年収500万円・副業所得60万円の追加税額は、2025年分12.13万円 → 2026年分11.28万円と約0.8万円軽くなります。2026年分は合計所得416万円から基礎控除104万円と社会保険料控除約73.5万円を引いた課税所得が約238万円で、所得税率10%帯(住民税込みで約20%)に収まります。2025年分は本業だけの合計所得356万円が基礎控除88万→68万円の境界(336万円)を超えているため、その分だけ税額の出発点が高くなっています。
一方で注意したいのが489万円の「段差」です。2026年分の基礎控除は合計所得489万円以下なら104万円ですが、1円でも超えると67万円に落ちるため、控除が一気に37万円減ります。副業所得によってこの境界をまたぐと、本業年収600万円×副業所得60万円では追加税額17.0万円(実効税率28%)と、同じ60万円でも本業500万円の約1.5倍の税金になります。給与所得だけで489万円を超えるのは本業年収およそ666万円以上の人なので、本業年収550〜660万円の人は副業所得と合わせて489万円を超えないか、シミュレーターで確認しておきましょう。なお本業年収800万円のように最初から655万円超の帯にいる人は、63→67万円・58→62万円と両段が4万円ずつ上がるため、2025年分と2026年分で副業の追加税額は変わりません(副業所得100万円で31.44万円)。
年収別・副業所得別の税金早見表(2026年分)
副業の手取りがどのくらいになるか、具体的な数字で見てみましょう。以下は副業の税金シミュレーターの実装(2026年分・雑所得・経費なし・復興特別所得税込み)で全セルを計算した早見表です。表記は「追加税額 → 手取り」です。
| 本業年収 | 副業所得20万円 | 副業所得50万円 | 副業所得100万円 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 3.0万円 → 17.0万円 | 7.6万円 → 42.4万円 | 15.1万円 → 84.9万円 |
| 400万円 | 3.0万円 → 17.0万円 | 7.6万円 → 42.4万円 | 16.0万円 → 84.0万円 |
| 500万円 | 3.2万円 → 16.8万円 | 9.3万円 → 40.7万円 | 19.4万円 → 80.6万円 |
| 600万円 | 4.0万円 → 16.0万円 | 10.1万円 → 39.9万円 | 29.2万円 → 70.8万円 |
| 700万円 | 6.1万円 → 13.9万円 | 15.2万円 → 34.8万円 | 30.4万円 → 69.6万円 |
| 800万円 | 6.1万円 → 13.9万円 | 16.2万円 → 33.8万円 | 31.4万円 → 68.6万円 |
| 1,000万円 | 6.1万円 → 13.9万円 | 15.2万円 → 34.8万円 | 30.4万円 → 69.6万円 |
本業の年収が高いほど副業の手取り率は下がります。年収400万円なら副業所得50万円の手取りは約85%ですが、年収800万円だと68%まで下がります。年収600万円は副業所得50万円まで手取り80%なのに、100万円では71%に急落します。合計所得536万円で489万円の段差をまたぎ、基礎控除が37万円減って所得税率20%帯に入るためで、追加税額29.2万円は年収700万円(30.4万円)とほぼ同じ水準です。年収700万円は最初から67万円の帯にいるので段差の影響を受けません。
参考として、同じ条件を2025年分の法令で計算した早見表も載せておきます。
| 本業年収 | 副業所得20万円 | 副業所得50万円 | 副業所得100万円 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 3.0万円 → 17.0万円 | 7.6万円 → 42.4万円 | 15.1万円 → 84.9万円 |
| 400万円 | 3.0万円 → 17.0万円 | 7.6万円 → 42.4万円 | 18.9万円 → 81.1万円 |
| 500万円 | 4.0万円 → 16.0万円 | 10.1万円 → 39.9万円 | 20.2万円 → 79.8万円 |
| 600万円 | 4.0万円 → 16.0万円 | 10.1万円 → 39.9万円 | 26.3万円 → 73.7万円 |
| 800万円 | 6.1万円 → 13.9万円 | 16.2万円 → 33.8万円 | 31.4万円 → 68.6万円 |
| 1,000万円 | 6.1万円 → 13.9万円 | 15.2万円 → 34.8万円 | 30.6万円 → 69.4万円 |
年収400〜500万円の人は2026年分のほうが軽く、年収600万円×副業100万円だけは段差の影響で2026年分のほうが重い、という関係になっています。
本業年収500万円の人の副業収入別シミュレーション(2026年分)
本業年収500万円(雑所得・経費なし)で副業収入を増やしていくと、税額と実効税率は次のように変わります。
| 副業所得 | 追加税額 | 手取り | 実効税率 | 所得税の確定申告 |
|---|---|---|---|---|
| 10万円 | 1.5万円 | 8.5万円 | 15.1% | 不要(住民税申告は必要) |
| 20万円 | 3.2万円 | 16.8万円 | 16.0% | 不要(住民税申告は必要) |
| 30万円 | 5.2万円 | 24.8万円 | 17.4% | 必要 |
| 50万円 | 9.3万円 | 40.7万円 | 18.5% | 必要 |
| 100万円 | 19.4万円 | 80.6万円 | 19.4% | 必要 |
| 200万円 | 52.1万円 | 147.9万円 | 26.0% | 必要 |
| 300万円 | 83.5万円 | 216.5万円 | 27.8% | 必要 |
本業だけの課税所得が約178万円(所得税5%帯)なので、最初の十数万円は所得税5%+住民税10%で実効税率15%台、課税所得195万円を超える分から10%帯に入り、副業所得100万円で19%台になります。200万円になると合計所得556万円で489万円の段差をまたぎ、かつ所得税率20%帯に入るため実効税率が26%に跳ね上がります。それでも「稼いだ方が手元に残る」ことに変わりはありません。節約で同じ金額を残す場合との比較は節約 vs 副業 比較シミュレーターでできます。
「事業所得」と「雑所得」の違い(節税効果の差は年20万円)
副業の確定申告で最も重要なのが、事業所得として申告するか、雑所得として申告するかの判断です。
事業所得(青色申告可能)
- 継続的・反復的に行っている事業
- 青色申告特別控除(最大65万円)が使える
- 赤字を本業の給与所得と損益通算できる
- 赤字を3年間繰り越せる(翌年以降の黒字と相殺)
雑所得
- 単発・不定期の副業収入(仮想通貨の売買益もここ)
- 青色申告特別控除は使えない
- 赤字の損益通算・繰越はできない
具体例で比較:副業収入200万円・経費50万円の場合
| 項目 | 事業所得(青色65万円控除) | 雑所得 |
|---|---|---|
| 収入 | 200万円 | 200万円 |
| 経費 | -50万円 | -50万円 |
| 青色申告特別控除 | -65万円 | 0円 |
| 課税される副業所得 | 85万円 | 150万円 |
本業年収500万円のケースを2026年分で検算すると、追加税額は青色申告なら16.3万円、雑所得(白色)なら36.9万円。その差は年20.5万円にもなります。65万円×(所得税10%×1.021+住民税10%)≒13.1万円の直接効果に加えて、雑所得だと合計所得が506万円となって489万円の段差をまたぎ、基礎控除が37万円減って税率20%帯に入るのに対し、青色申告なら合計所得441万円に収まって104万円の基礎控除と10%帯を維持できるためです。ご自身の収入での差額は青色申告メリットシミュレーターで計算できます。
事業所得と認められる条件(300万円基準)
2022年10月に改正された国税庁の所得税基本通達35-2では、次のように整理されています。
- 副業収入が年300万円以下で、帳簿書類の保存がない場合は原則として雑所得
- 帳簿書類を作成・保存していれば、300万円以下でも事業所得として扱われる余地がある
- ただし収入が僅少(本業給与の1割未満が目安)で赤字が続くなど、事業としての実態が乏しい場合は雑所得と判定されることがある
ポイント: 年収300万円以下でも、複式簿記で帳簿をつけて保存していれば事業所得として認められる可能性があります。節税を重視するなら、最初から帳簿をつけて事業所得として申告する準備をしましょう。
青色申告の3大メリット
事業所得として開業届を出し、青色申告承認申請書を提出すると、以下のメリットがあります。
1. 青色申告特別控除(最大65万円)
複式簿記で帳簿をつけたうえで、e-Taxで電子申告するか電子帳簿保存をすると65万円の控除(国税庁No.2072)。紙の申告なら55万円、簡易簿記なら10万円の控除です。
- 所得税10%帯(本業年収500万円前後・2026年分): 65万円×(10%×1.021+住民税10%)= 約13.1万円の節税
- 所得税20%帯(本業年収700万円前後): 65万円×(20%×1.021+住民税10%)= 約19.8万円の節税
2. 赤字の3年間繰越
副業を始めた初年度はPC購入や備品で赤字になりやすいもの。青色申告なら、その赤字を翌年以降3年間繰り越して黒字と相殺できます。
例: 1年目に30万円の赤字 → 2年目に50万円の黒字 → 課税所得は20万円に
3. 家族への給与を経費にできる
配偶者や家族が副業を手伝っている場合、青色事業専従者給与として経費に計上できます。
経費で副業の税金を減らす
副業の経費を正しく計上するだけで、手取りは大きく変わります。
経費にできるものリスト(金額の目安付き)
| 経費項目 | 年間の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| PC・タブレット | 5〜15万円(按分後) | 事業使用割合で按分。10万円未満なら一括経費 |
| スマホ代 | 4.8〜6万円(按分後) | 月8,000円の50〜60%按分が一般的 |
| Wi-Fi・通信費 | 3〜5万円(按分後) | 月額の40〜60%を経費に |
| 家賃(自宅兼事務所) | 12〜36万円(按分後) | 作業部屋の面積割合(20〜30%が目安) |
| 電気代 | 1.2〜2.4万円(按分後) | 使用時間や面積で按分(20〜30%) |
| 書籍・教材 | 1〜5万円 | 副業に直接関連するもの |
| ソフトウェア・サブスク | 1〜10万円 | Adobe、会計ソフト、サーバー代など |
| 交通費 | 1〜5万円 | 打ち合わせ・取材の移動費。領収書必須 |
| 外注費 | 実費 | デザイン・コーディングの外注など |
按分の実例
プライベートと事業の両方で使うものは「按分」が必要です。
- スマホ代 月8,000円 × 事業使用50% = 月4,000円が経費(年48,000円)
- 家賃 月10万円 × 作業部屋25% = 月25,000円が経費(年30万円)
- 電気代 月1万円 × 使用割合20% = 月2,000円が経費(年24,000円)
上記だけで年間約37万円の経費。本業年収500万円・副業収入97万円の人がこの37万円を計上すると、2026年分の追加税額は18.8万円→11.3万円と約7.5万円の節税になります(所得税10%帯)。所得税20%帯の人なら約11万円です。経費を入力した後の税額の変化は副業の税金シミュレーターの詳細設定で確かめられます。なお、副業がアルバイト(給与所得)の場合は経費という考え方自体がなく、給与所得控除で処理されます。
配偶者控除・扶養控除への影響
副業で所得が増えると、配偶者控除や扶養控除に影響が出るケースがあります。
配偶者が副業する場合
配偶者の合計所得が2026年分は62万円(給与収入のみなら136万円)、2025年分は58万円(同123万円)を超えると配偶者控除の対象から外れ、配偶者特別控除に切り替わります。例えばパートで年収130万円(2026年分の給与所得56万円)+副業所得10万円なら合計所得は66万円となり、配偶者控除から配偶者特別控除の対象に変わります。なお、合計所得95万円以下なら控除額は38万円のまま満額なので、世帯の税負担は実質変わりません。
扶養の壁について詳しくは「パート収入の壁シミュレーター」、控除額の変化は「配偶者控除シミュレーター」で確認できます。
本人の場合
会社員本人の副業は、配偶者控除・扶養控除の判定には影響しません。ただし、副業所得が増えると所得税の税率帯が上がる、あるいは489万円の段差で基礎控除が減る可能性があるため、年収から手取り計算シミュレーターで全体の手取りを確認しておくと安心です。
19〜22歳の子がいる場合(特定扶養・特定親族特別控除)
12月31日時点で19〜22歳の子がいて、その子が扶養の所得要件内(2026年分は給与136万円以下、2025年分は123万円以下)なら特定扶養控除として所得税63万円・住民税45万円の控除を受けられます。子のバイト年収がこれを超えても、合計所得123万円以下なら令和7年度改正で創設された特定親族特別控除の対象です(国税庁No.1177)。所得税の控除額は子の合計所得85万円以下で63万円、そこから61万・51万…3万円と段階的に減ります。給与収入に直すと、2026年分は136万円超〜197万円以下(159万円まで満額)、2025年分は123万円超〜188万円以下(150万円まで満額)です。住民税は所得95万円以下で45万円、それを超えると所得税と同額になります。
親の控除が増えると課税所得が下がるため、副業分にかかる税率も下がることがあります。本業年収700万円(35歳)・副業所得100万円(業務委託・経費なし)の2026年分を副業の税金シミュレーターで計算した結果は次のとおりです。
| 19〜22歳の子の状況 | 親の控除(所得税/住民税) | 副業の追加税額 |
|---|---|---|
| 子なし | なし | 30.4万円 |
| 特定扶養(バイト年収136万円以下) | 63万/45万円 | 26.0万円 |
| バイト年収150万円(特定親族特別控除) | 63万/45万円 | 26.0万円 |
| バイト年収170万円(同上) | 41万/41万円 | 28.3万円 |
| バイト年収200万円 | なし | 30.4万円 |
特定扶養1人で追加税額は4.4万円軽くなります。本業だけの課税所得が330万円以下に下がり、副業分の一部に10%の税率が適用されるためです。子のバイト年収150万円は扶養の要件(136万円)を超えていますが、特定親族特別控除の満額63万円が残るので、親の税額は特定扶養のときと同じです。なお特定親族特別控除は住民税の調整控除(人的控除差)の計算には含まれず、特定扶養は人的控除差18万円として計算されます。子の年収別の控除額は扶養控除シミュレーターの区分表でも確認できます。
社会保険への影響
副業の種類によって、社会保険への影響が異なります。
個人事業主としての副業(業務委託・フリーランス)
副業収入がいくら増えても、社会保険料は増えません。社会保険料は本業の給与(標準報酬月額)のみで計算されるため、これは会社員の副業の大きなメリットです。
パート・アルバイトとしての副業
副業先でも社会保険の加入条件(週20時間以上・従業員51人以上の企業・学生でないなど。月額8.8万円以上の要件は2026年10月1日に撤廃)を満たすと、2箇所で社会保険に加入する必要が出てきます。この場合、両方の給与を合算して保険料が計算されるため負担が増えます。
副業の形態による手取りの違いは「正社員 vs フリーランス比較」でも確認できます。
会社に副業がバレない方法
住民税の納付方法を「普通徴収」にする
確定申告書第二表の「住民税に関する事項」で、給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法を「自分で納付」(普通徴収)に○をつけます。これにより、副業分の住民税が会社の給与天引き(特別徴収)に含まれなくなり、自宅に届く納付書で自分で納めることになります。
バレるパターン
- ○を付け忘れて特別徴収のまま申告し、5〜6月に会社へ届く住民税決定通知書の金額が不自然に増える
- 副業がアルバイト(給与所得)で、自治体が本業分と合算して特別徴収する(給与所得分は原則として普通徴収を選べない)
- SNSなどで副業の情報を公開してしまう
- 副業先が同業他社で利害関係がある
ただし、会社の就業規則で副業が禁止されている場合は、そもそも副業自体がリスクになります。事前に確認しましょう。
インボイス制度への対応
2023年10月から始まったインボイス制度は、副業をしている会社員にも関係します。
インボイス登録が必要なケース
- 取引先が法人で、適格請求書(インボイス)の発行を求められる場合
- 取引先がインボイスを受け取れないと、先方が仕入税額控除を受けられず、取引を打ち切られるリスクがある
登録しない選択肢
- 年間の課税売上高1,000万円以下(前々年で判定)なら消費税の免税事業者でいられる(国税庁No.6501)
- 免税事業者のままなら消費税の納付義務なし(手取りが増える)
- ただし、取引先から値下げ交渉や取引見直しを受ける可能性あり
登録するなら「2割特例」の期限に注意
免税事業者がインボイス登録した場合、納める消費税を「売上にかかる消費税の2割」にできる2割特例が使えますが、対象は2026年9月30日を含む課税期間まで。個人事業者なら2026年分の申告が最後で、2027年分からは本則課税か簡易課税で計算することになります。詳しくはインボイス2割特例の解説記事をご覧ください。
判断の目安: 取引先が個人消費者中心(ブログ収益・ハンドメイド販売など)なら登録不要。法人取引が多い場合は取引先と相談して決めましょう。
副業収入が増えてきたら検討すること
開業届の提出
事業所得として申告するなら、税務署に開業届を提出。青色申告承認申請書も同時に出しましょう(開業から2ヶ月以内、または1月1日〜3月15日に提出)。
会計ソフトの導入
青色申告の65万円控除を受けるには複式簿記が必要です。freee、マネーフォワード、弥生会計オンラインなどの会計ソフトを使えば、簿記の知識がなくても複式簿記の帳簿を作成できます。月額1,000〜2,000円程度の投資で年間13〜20万円の節税ができるなら、十分に元が取れます。
法人化の検討
副業の所得が年間500〜700万円を超えてくると、法人化した方が税負担が軽くなるケースがあります。法人税率は一律約23%(中小法人は800万円以下の部分が15%)のため、所得税の累進税率より有利になる分岐点があります。法人化の損益分岐点は「法人化シミュレーター」で試算できます。
副業の時間あたりの収益性は「副業の時給換算シミュレーター」で確認できます。また、節約と副業のどちらが効率的かは「節約 vs 副業 比較シミュレーター」で比較できます。
よくある質問(FAQ)
Q. 2027年に提出する確定申告(2026年分)では何が変わりますか?
令和8年度税制改正(2026年12月1日施行)が2026年分から適用されます。給与所得控除の最低保障が65万→74万円(給与220万円以下は一律74万円)、所得税の基礎控除が合計所得489万円以下104万円/655万円以下67万円/2,350万円以下62万円になりました(2027年分まで。2028年分以後は132万円以下99万円・2,350万円以下62万円)。住民税の基礎控除は43万円で据え置きです。本業年収500万円・副業所得60万円のケースでは、追加税額が2025年分の12.13万円から11.28万円へ約0.8万円軽くなります。ただし合計所得489万円の境界を副業所得でまたぐと基礎控除が37万円減るため、本業600万円×副業60万円のように逆に重くなるケースもあります(2025年分14.1万円→2026年分17.0万円)。
Q. 副業がアルバイト(給与)の場合、20万円ラインはどう見る?
給与の副業は「所得」ではなく、年末調整されない副業給与の収入金額で判定します(国税庁No.1900)。副業のバイト代が年20万円を超えれば確定申告が必要で、20万円以下なら所得税の申告は不要(住民税の申告は必要)です。ただし給与収入の合計から雑損・医療費・寄附金・基礎控除以外の所得控除を引いた額が150万円以下なら申告不要という例外もあります。税額は本業と合算して給与所得控除を計算し直すため、本業500万円×副業給与100万円の2026年分の追加税額は15.3万円と、同額の雑所得(19.4万円)より軽くなります。
Q. 副業が赤字のとき、確定申告はするべきですか?
副業の区分によって答えが変わります。雑所得の赤字は給与所得と損益通算できないため、申告しても税金は戻りません(所得20万円以下なので申告義務もありません)。一方、事業所得の赤字は給与所得と損益通算できるため、確定申告をすれば本業の給与から源泉徴収された所得税の一部が還付されます。さらに青色申告なら赤字を翌年以降3年間繰り越せます。初期投資で赤字になりやすい副業1年目こそ、事業所得+青色申告の価値が大きいと言えます。
Q. 住民税を「普通徴収」にすれば、必ず会社に知られませんか?
確実ではありません。実務上の注意点が2つあります。第一に、普通徴収を選択できるのは原則として給与所得以外(雑所得・事業所得など)の分だけで、副業がアルバイト(給与所得)の場合は多くの自治体で本業分と合算して特別徴収されます。第二に、確定申告書第二表の「自分で納付」欄への○の記入を忘れると自動的に特別徴収に合算されます。毎年5〜6月に会社へ届く住民税決定通知書で金額の不一致から判明するのが典型パターンなので、申告時のチェックと、可能なら自治体への事前確認をおすすめします。
Q. 仮想通貨やFXの利益も副業の税金と同じ扱いですか?
違います。仮想通貨(暗号資産)の売買益は雑所得として総合課税なので、この記事の業務委託・フリーランスと同じ計算になります(本業500万円で利益100万円なら2026年分の追加税額19.4万円)。一方、株式・FXの利益は申告分離課税で、本業の年収に関係なく一律20.315%(同20.3万円)です。株を特定口座(源泉徴収あり)で運用しているなら確定申告自体が不要です。シミュレーターでは仮想通貨は「業務委託・フリーランス等」、株・FXは「株・FX(申告分離課税)」を選んでください。
Q. この記事の数字の前提データはどこから?
税率・控除額は国税庁タックスアンサー(No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」、No.2260「所得税の税率」、No.1410「給与所得控除」、No.1199「基礎控除」、No.1191「配偶者控除」、No.1180「扶養控除」、No.1177「特定親族特別控除」、No.2072「青色申告特別控除」、No.1500「雑所得」、No.6501「納税義務の免除」)と、事業所得・雑所得の区分は2022年10月改正の所得税基本通達35-2に基づいています。2026年9月時点で国税庁サイトの現行法令(令和8年4月1日現在)と照合済みです。記事中の追加税額・手取り額の実測値は、すべて副業の税金シミュレーターの実装(住民税は標準税率10%+均等割等5,000円と調整控除、復興特別所得税2.1%込み。本業の社会保険料控除は協会けんぽ全国平均料率・厚生年金9.15%・雇用保険で概算し、年収500万円・35歳で約73.5万円。2026年10月31日に再計算、特定扶養・特定親族特別控除の例は11月1日に計算)で計算しました。
Q. 数字が実感と合わない場合は?
まず対象年分(2025年分か2026年分か)を確認してください。基礎控除が大きく違うため、同じ収入でも税額が数万円ずれます。次に、実際の税額は社会保険料控除・生命保険料控除・iDeCo・ふるさと納税などの所得控除や、自治体独自の住民税率によって変わります。特に本業の年末調整で多くの控除を使っている人は、課税所得が下がって税率帯が1段低くなり、この記事の早見表より軽くなるのが普通です。まずは副業の税金シミュレーターの詳細設定(経費・配偶者控除・扶養親族〔特定扶養・特定親族特別控除を含む〕・青色申告)で条件を合わせてみてください。それでも明らかに計算がおかしいと感じた場合はお問い合わせフォームからご連絡ください。
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