くらシム
お金・税金

確定申告の還付金はいくら戻る?年収別の早見表と控除別の計算方法

確定申告の還付金額を年収別の早見表で解説。医療費控除・ふるさと納税・住宅ローン控除など控除別の還付金シミュレーションと、申告の注意点をまとめました。

確定申告で「払いすぎた税金」が戻ってくる

会社員は年末調整で税金の精算が済みますが、年末調整では適用できない控除があります。確定申告をすることで、数万〜数十万円の還付金を受け取れる可能性があります。

国税庁の統計(2024年分)によると、確定申告で還付を受けた人は全国で約1,260万人。1人あたりの平均還付額は約8万円です。特に医療費控除や住宅ローン控除を申告する会社員が多く、「知っていれば戻ってきたのに」という損をしている人も少なくありません。

自分がどの控除に該当するか分からない方は、確定申告チェックシミュレーターで簡単に確認できます。

確定申告で還付金がもらえる主なケース

ケース還付額の目安該当しやすい人
医療費控除1〜10万円入院・出産・歯科治療をした人
ふるさと納税(ワンストップ未利用)数千〜数万円6自治体以上に寄付した人
住宅ローン控除(初年度)10〜35万円マイホームを購入した人
雑損控除(災害・盗難)被害額による災害や盗難の被害に遭った人
年の途中で退職数万〜数十万円転職・退職して年末調整を受けていない人
副業で源泉徴収されている数千〜数万円フリーランス・副業で報酬を得ている人

医療費控除の還付額

計算方法

還付額 =(医療費 − 保険金等 − 10万円)× 所得税率

※総所得200万円未満の場合は、10万円の代わりに「総所得の5%」が基準。

年収別の還付額(医療費30万円、保険金なしの場合)

年収所得税率控除額(30万-10万)所得税の還付住民税の軽減合計
300万円10%20万円2万円2万円4万円
500万円20%20万円4万円2万円6万円
700万円23%20万円4.6万円2万円6.6万円
1,000万円33%20万円6.6万円2万円8.6万円

年収が高いほど所得税率が上がるため、同じ医療費でも還付額が大きくなります。自分の所得税率が分からない方は所得税率シミュレーターで確認しましょう。

医療費控除の対象になるもの

  • 病院の治療費・入院費
  • 処方薬の費用
  • 通院の交通費(公共交通機関)
  • 歯科の自費治療(インプラント・矯正等)
  • 出産費用(一時金差引後の自己負担分)
  • レーシック・ICL手術
  • 介護保険サービスの自己負担分(一部)

対象にならないもの

  • 美容整形
  • 健康診断・人間ドック(異常が見つからなかった場合)
  • サプリメント・健康食品
  • 予防接種
  • メガネ・コンタクトレンズ(治療用を除く)
  • 自家用車での通院にかかるガソリン代

具体的な還付額を計算したい方は医療費控除シミュレーターで年収と医療費を入力してみてください。

セルフメディケーション税制

医療費が10万円に届かなくても、市販薬の購入額が年間12,000円を超えたら使える制度です。

  • 対象: スイッチOTC医薬品(パッケージに「セルフメディケーション税制対象」の表示)
  • 控除額: 購入額 − 12,000円(上限88,000円)
  • 還付額目安: 年間5万円分購入した場合、所得税率20%で7,600円
  • 利用条件: 健康診断や予防接種など「健康の保持増進」の取り組みをしていること

医療費控除との併用はできないため、金額が大きい方を選びましょう。判断の目安として、年間医療費が10万円以上なら医療費控除10万円未満で市販薬を年間12,000円以上購入しているならセルフメディケーション税制がお得です。

住宅ローン控除の還付額

控除額

年末のローン残高 × 0.7%(上限あり)が13年間控除されます。

年末ローン残高年間控除額13年間の合計(残高が変わらないと仮定)
2,000万円14万円最大182万円
3,000万円21万円最大273万円
4,000万円28万円最大364万円
5,000万円35万円(上限)最大455万円

初年度は確定申告が必要。2年目以降は年末調整で適用可能です。ただし、所得税から控除しきれない分は住民税から控除されます(上限あり)。詳しくは「住宅ローン控除はいくら戻る?」シミュレーターで具体的な金額を確認できます。

住宅ローン控除の注意点

  • 床面積50㎡以上が原則(新築マンションは40㎡以上の特例あり)
  • 合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 入居した年とその前後2年間に、居住用財産の3,000万円特別控除を使っていないこと
  • 中古住宅は築年数の制限なし(2022年改正により、1982年以降の新耐震基準適合住宅が対象)

ふるさと納税の還付・控除

ワンストップ特例を使わずに確定申告する場合:

  • 所得税の還付: (寄付額 − 2,000円)× 所得税率
  • 住民税の控除: 翌年度の住民税から差し引き
  • 所得税の還付: 11,600円
  • 住民税の控除: 46,400円

確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になるため、すべての寄付先を申告書に記載する必要があります。ふるさと納税の控除上限額を知りたい方はふるさと納税シミュレーターで計算できます。

年の途中で退職した場合

年末調整が行われないため、源泉徴収された所得税が払いすぎになっているケースが多いです。

例:6月末退職(年収600万円ベース、1〜6月の給与300万円)

  • 毎月の源泉徴収額は年収600万円ベースで計算済み
  • 実際の年間所得は300万円
  • 差額の所得税(5〜15万円程度)が還付

退職後に再就職しなかった場合は、翌年の確定申告で還付を受けましょう。また、退職金についても「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していない場合は、20.42%の源泉徴収がされており、確定申告で還付を受けられる可能性があります。

確定申告でよくある間違い

確定申告で還付金を損してしまう、よくあるミスを紹介します。

1. 医療費の領収書を捨ててしまう

2017年の制度改正で領収書の添付は不要になりましたが、5年間の保管義務があります。税務署から求められた際に提出できないと、控除が否認されることも。領収書はまとめてファイルに保管し、年末に集計する習慣をつけましょう。

2. ふるさと納税のワンストップ特例と確定申告の二重申告

医療費控除のために確定申告をすると、ワンストップ特例は自動的に無効になります。ふるさと納税の寄付先を確定申告書に記載し忘れると、住民税の控除が受けられなくなります。確定申告をする年は、必ずすべてのふるさと納税先を申告書に記載してください。

3. 通院交通費を計上し忘れる

電車やバスで通院した交通費は医療費控除の対象ですが、領収書がないため計上を忘れがちです。通院日・経路・金額をメモしておけば、領収書がなくても控除に含められます(タクシーは原則対象外。やむを得ない場合のみ可)。

4. 扶養家族の医療費をまとめていない

医療費控除は生計を一にする家族の医療費を合算できます。共働き夫婦の場合、どちらか一方(所得税率が高い方)にまとめて申告した方が還付額が大きくなります。

申告のタイムライン

確定申告(還付申告)を効率的に進めるためのスケジュールです。

時期やること
1月〜還付申告の受付開始。源泉徴収票を会社から受け取る
1月中旬医療費の領収書を集計。ふるさと納税の寄附金受領証明書を確認
1月下旬国税庁「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成
2月上旬早めにe-Taxで提出(混雑前)
2月16日〜3月15日通常の確定申告期間
提出後2〜3週間e-Taxの場合、還付金が口座に振り込まれる
6月住民税の控除が反映された通知書が届く

ポイント: 還付申告は1月1日から提出可能で、通常の確定申告期間(2月16日〜)を待つ必要はありません。早めに提出すれば、それだけ早く還付金が振り込まれます。また、還付申告は過去5年分までさかのぼって行えます。

確定申告の方法

e-Tax(オンライン申告)

  • 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成
  • マイナンバーカード+スマホで電子送信
  • 還付は2〜3週間で口座に振り込まれる(紙提出の半分の期間)
  • 2025年からはスマホだけで完結する申告がさらに拡充

必要な書類

控除の種類必要書類
医療費控除医療費の明細書(領収書は5年間保管)
住宅ローン控除残高証明書、登記事項証明書、売買契約書
ふるさと納税寄附金受領証明書
退職所得源泉徴収票
副業の源泉徴収支払調書

申告期限

翌年2月16日〜3月15日。ただし還付申告は1月1日から提出可能で、5年間さかのぼって申告できます。

よくある質問

Q: 確定申告しないと還付金は自動で戻ってきますか?

A: いいえ、自分で申告しないと戻ってきません。年末調整で精算しきれなかった控除(医療費控除・寄附金控除など)は、確定申告をしない限り還付を受けられません。ただし、ふるさと納税についてはワンストップ特例を利用すれば確定申告不要で住民税から控除されます。

Q: 還付金の振込先はどの口座でもいいですか?

A: 申告者本人名義の銀行口座であれば、どの金融機関でも指定できます。ただし、旧姓名義の口座やネット銀行の一部では振込ができない場合があります。ゆうちょ銀行、都市銀行、地方銀行の口座が確実です。なお、e-Taxで申告した場合は通常2〜3週間、紙で提出した場合は1〜2ヶ月で振り込まれます。

Q: 医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらを選ぶべきですか?

A: 年間の医療費総額によります。医療費が10万円以上なら医療費控除の方が控除額が大きくなるのが一般的です。医療費が10万円未満でも市販薬(スイッチOTC医薬品)を年間12,000円以上購入しているなら、セルフメディケーション税制で数千円の還付が見込めます。両方計算してみて、還付額が大きい方を選びましょう。なお、併用はできません。

Q: 副業の確定申告は20万円以下なら不要と聞きましたが、還付を受ける場合も不要ですか?

A: 副業の所得が20万円以下で「確定申告不要」となるのは、あくまで所得税の申告義務が免除されるだけです。医療費控除などで還付を受けるために確定申告をする場合は、副業の所得も含めてすべて申告する必要があります。また、所得税の申告義務がなくても住民税の申告は必要な点に注意してください。副業の税金全般については個人事業主の税金シミュレーターも参考になります。

関連シミュレーター

---

あなたの還付金をシミュレーション

年収、医療費、ふるさと納税額、住宅ローン残高を入力すれば、確定申告で戻ってくる還付金の総額が分かります。

この記事の内容をシミュレーションしてみましょう

あなたの条件を入力すると、具体的な数字で結果が分かります

シミュレーターを使う

広告

関連記事

広告