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高3の6月から始める大学進学マネープラン|48歳・年収650万円の父が仕送り総額920万円と向き合う

東京の私立大学に自宅外通学させると4年間で約920万円。高3の長女を持つ48歳・年収650万円の会社員のケースで、受験費用・初年度納付金・仕送り・奨学金の資金計画を時系列でシミュレーション。高3の6月にやるべき手続きも整理します。

920万円。 地方から東京の私立大学(文系)に4年間通わせた場合にかかる総額の試算だ。学費だけなら約415万円だが、自宅外通学では仕送りがほぼ同額(約427万円)かかり、受験費用と引越し・住まいの初期費用を足すと学費の2倍を超える。

この金額に、長女の進路希望調査票を見ながら直面しているのが佐藤健一さん(仮名・48歳・宮城県仙台市在住)だ。本記事では佐藤さん一家のケースをもとに、高3の6月から入学までの「お金のスケジュール」を時系列で試算する。高3の6月を起点にするのには理由がある。日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の予約採用申込が、多くの高校でちょうどこの時期に締め切られるからだ。

佐藤さん一家のプロフィール

項目内容
世帯主佐藤健一さん(48歳・会社員・年収650万円)
配偶者恵さん(46歳・パート・年収120万円)
長女・美咲さん(高3・17歳)、長男(中2・14歳)
居住地宮城県仙台市(持ち家・住宅ローン残り12年)
世帯手取り約620万円/年(夫 約500万円+妻 120万円)
教育費用の蓄え約450万円(学資保険満期200万円+預金250万円)

長女の志望は東京の私立大学・文系学部。「450万円あれば足りるだろう」と漠然と考えていた佐藤さんだが、試算するとそうはいかないことが分かる。年収別の手取り額は手取り計算シミュレーターで確認できる。

4年間の総額を分解する

まず全体像から。文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査」によると、私立文系の初年度納付金は授業料約83万円・入学金約22.5万円・施設設備費約15万円の計約121万円。2年目以降は年約98万円で、4年間の学費は約415万円になる。

自宅外通学の場合、ここに生活費が乗る。東京地区私立大学教職員組合連合「私立大学新入生の家計負担調査(2023年度)」では、6月以降の仕送りは月平均約8.9万円(うち家賃が約7万円)だった。

費目金額内訳・根拠
受験費用約30万円共通テスト1.8万円+私大4校の受験料約14万円+受験時の交通費・宿泊費(日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査」の自宅外受験の平均水準)
住まいの初期費用約50万円敷金・礼金・仲介手数料・前家賃(家賃7万円×4ヶ月分)+家具家電約20万円
学費(4年間)約415万円初年度121万円+2〜4年目 各98万円
仕送り(4年間)約427万円月8.9万円 × 48ヶ月
合計約922万円

検算するとこうなる。

```
30万 + 50万 + 415万 + 427万 = 922万円
うち入学までに現金で必要な額:
受験費用30万 + 入学金・前期学費 約70万 + 住まい初期費用50万
= 約150万円(高3秋〜入学直前の半年間に集中)
```

蓄え450万円に対して総額922万円。差額の約470万円を、在学中の家計と奨学金でどう埋めるかが佐藤家の課題になる。なお、学費は大学費用シミュレーターで国公立・自宅通学などの条件別に試算できる。

在学中の年間負担は「月17万円」ペース

2年目以降の年間負担を月割りにすると、学費98万円+仕送り107万円で年205万円、月にして約17万円。世帯手取り620万円の33%にあたる。住宅ローン(月8.5万円)と長男の塾代を払いながらこの額を出し続けるのは現実的でない、というのが佐藤さんの結論だった。

そこで立てた資金計画が次の3本柱だ。

  1. 蓄え450万円は「入学前後の集中支出+初年度」に充てる — 初年度の総支出は約308万円(受験30万+初期費用50万+学費121万+仕送り107万)。450万円で初年度を払い切り、約140万円を2年目に繰り越す
  2. 2年目からJASSO第二種奨学金を月5万円借りる — 本人名義の貸与で、仕送り負担を月8.9万円→実質3.9万円に圧縮。3年間の貸与総額は180万円
  3. 毎年の家計から年76万円を捻出 — ボーナスから40万円+月3万円の積立。2〜4年目の不足分はこれと繰越金でカバーする

奨学金は「借りすぎ」も怖い。仮に月5万円を4年間借りると貸与総額240万円で、利率1%・15年返還なら月約14,400円・総返還額約259万円を卒業後の長女が背負う。佐藤家が2年目からの3年間(180万円)にとどめたのはこのためだ。返還額は利率と期間で大きく変わるため、奨学金返済シミュレーターで本人と一緒に確認しておきたい。それでも足りない局面に備えて、国の教育ローン(日本政策金融公庫・上限350万円)も教育ローンシミュレーターで月々の返済額を把握しておくと安心材料になる。

ちなみに児童手当の制度改正(2024年10月分〜)で支給が高校生年代まで延長されたため、佐藤家には長男分の月1万円が高校卒業まで入り続ける。これをそのまま長男の教育資金の積立に回す予定だ。第二子の大学資金はこれから準備期間が4年ある。教育資金シミュレーターで「月いくら積み立てれば間に合うか」を逆算しておくと、長女のケースの反省を活かせる。

仕送り8.9万円の中身——削れる費目はどこか

仕送り額を聞いた美咲さんの第一声は「そんなにかかるの?」だった。内訳を親子で見ると、交渉の余地が見えてくる。

  • 家賃 7万円 — 最大の固定費。大学まで30分圏を45分圏に広げ、風呂トイレ別をあきらめれば6万円前後の物件もある。月1万円の差は4年で48万円
  • 食費 2.5万円 — 自炊中心なら現実的なライン。外食中心だと4万円超になる。一人暮らしの食費相場は食費シミュレーターで世帯人数・自炊頻度別に確認できる
  • 水道光熱費・通信費 1.5万円 — 格安SIMで通信費は3,000円以下に抑えられる
  • 不足分はバイト代で — 週2日・月3万円程度なら学業との両立圏内

「全部を親が持つ」前提を外し、家賃を抑えた物件選び+本人のバイト月3万円が実現すれば、仕送りは月7万円前後まで下がる。4年間で約90万円の差になる計算だ。

高3の6月、佐藤家がやったこと——チェックリスト

最後に、このケースを「来春に高3の子が進学するすべての家庭」に使える形にして締めくくる。6月のうちに済ませたいのは次の5つだ。

  • [ ] JASSO予約採用の校内締切を確認する(最優先。多くの高校で6〜7月締切。「借りるか未定」でも申し込んでおき、不要なら辞退できる)
  • [ ] 学資保険の満期時期と受取額を確認する(入学金の納付期限——合格発表から1〜2週間——に間に合うか)
  • [ ] 受験校数を仮決めし、受験費用+進学しない大学への納付金リスクを概算する
  • [ ] オープンキャンパスの交通費・宿泊費を夏の家計に組み込む(地方からの上京は1回3〜5万円)
  • [ ] 「入学までに必要な現金約150万円」の置き場所を決める(定期預金の解約時期、投資資産なら現金化のタイミング)

総額922万円という数字は重い。だが時系列に分解すれば、「いつまでに・いくら・どの財布から」が決まり、漠然とした不安は具体的な準備事項に変わる。高3の6月は、その分解を始めるのにちょうどいいタイミングだ。

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