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相続税の事前対策ガイド:基礎控除・税率・贈与・保険で節税する方法

相続税の基礎控除計算から累進税率の仕組み、暦年贈与・生命保険非課税枠を活用した節税策まで具体的な数字で解説します。

相続税対策は「早めに始めるほど効く」

相続税は、被相続人が亡くなってから10か月以内に申告・納付が必要です。しかし節税対策は生前にしかできません。「そのうち考えよう」と後回しにしているうちに対策できる時間が失われます。

今回は相続税の仕組みと、生前にできる主な節税手段を数字で整理します。

基礎控除:ここまでは課税されない

相続税には基礎控除があり、遺産がこの金額以下であれば申告不要です。

基礎控除 = 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)

法定相続人の数基礎控除額超えなければ非課税
1人3,600万円遺産3,600万円以下
2人4,200万円遺産4,200万円以下
3人4,800万円遺産4,800万円以下
4人5,400万円遺産5,400万円以下
5人6,000万円遺産6,000万円以下

相続人が多いほど控除額が増えます。養子縁組を活用して相続人を増やす節税策もありますが、実子がいる場合は養子1人まで、実子がいない場合は養子2人までしか法定相続人にカウントされません。

相続税の累進税率

基礎控除を超えた課税遺産総額には、累進税率が適用されます。

法定相続分に対する取得額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円
  • 各自の取得分:2,500万円
  • 税率:15%、控除額50万円
  • 各自の税額:2,500万円 × 15% − 50万円 = 325万円
  • 合計税額:650万円

節税手段1:暦年贈与(年110万円の非課税)

生前に少しずつ財産を移転することで、相続財産を圧縮できます。

  • 年間110万円以下の贈与は非課税(受贈者1人あたり)
  • 110万円を超えた部分に贈与税がかかる
贈与金額(年間)贈与税実質移転額
110万円0円110万円
200万円9万円191万円
300万円19万円281万円
500万円53万円447万円

2024年以降の注意点:相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算されます(改正前は3年)。早期から継続的に贈与することが重要です。

10年間の暦年贈与効果(子ども2人に毎年110万円ずつ)

年数累計移転額贈与税
5年1,100万円0円
10年2,200万円0円
15年3,300万円0円
20年4,400万円0円

20年継続すれば、4,400万円を無税で移転できます。

節税手段2:生命保険の非課税枠

死亡保険金は相続財産に含まれますが、法定相続人の数 × 500万円は非課税です。

法定相続人の数生命保険の非課税枠
1人500万円
2人1,000万円
3人1,500万円
4人2,000万円

現金1,500万円を相続させると全額が課税対象ですが、同じ1,500万円を死亡保険金として受け取れば(相続人3人の場合)課税対象はゼロになります。

一時払い終身保険の活用例

  • 75歳・男性が一時払い終身保険に1,500万円加入
  • 死亡保険金:1,600万円(105%程度)
  • 相続人3人なら非課税枠1,500万円内に収まり、かつ資産価値も微増

ただし契約者・被保険者・受取人の設定によって課税関係が変わるため、税務上の取り扱いに注意が必要です。

節税手段3:小規模宅地等の特例

被相続人が住んでいた自宅の土地は、評価額を最大80%減額できます。

宅地の種類限度面積減額割合
特定居住用宅地(自宅)330㎡80%
特定事業用宅地400㎡80%
貸付事業用宅地200㎡50%

例:路線価3,000万円の自宅敷地(300㎡)の場合

特例なし特例あり節約効果
3,000万円600万円2,400万円の評価減

この一つの特例だけで、相続税がゼロになるケースも少なくありません。

対策の組み合わせによる節税効果

対策節税効果の目安
暦年贈与(子2人×110万円×10年)2,200万円の財産圧縮
生命保険非課税枠(相続人3人)1,500万円が非課税に
小規模宅地の特例(自宅300㎡)最大2,400万円の評価減
教育資金一括贈与(孫1人)最大1,500万円が非課税
結婚・子育て資金一括贈与最大1,000万円が非課税

これらを組み合わせることで、数千万円単位での節税が可能です。

早めに対策すべき人のチェックリスト

以下に当てはまる方は、早めに相続対策を検討しましょう。

  • 都市部に不動産(特に土地)を持っている
  • 相続人が1〜2人と少ない
  • 預貯金・有価証券が多い(現金は圧縮しにくい)
  • 事業を経営している(自社株の評価額が高い)
  • 配偶者がすでに亡くなっている

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