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住宅ローンのお金完全ガイド|3,500万円・35年を変動1.2%で借りると利息788万円、フラット35の3.83%なら2,860万円——借入額・金利タイプ・期間・諸費用・団信・控除・繰上返済と借り換えの7つの判断を1本で整理【2026年10月金利】

住宅ローンの総額は、金利だけでなく7つの判断で決まる。3,500万円・35年なら変動1.2%で月102,096円・利息788万円、フラット35(2026年10月最頻3.83%)で月151,423円・利息2,860万円。年収600万円の「借りられる額」約4,200万円と「固定3%でも払える額」約3,250万円の差、5年ルール・125%ルールで金利上昇がどう効くか、諸費用90〜130万円の内訳、令和8年度改正後の住宅ローン控除、繰上返済100万円で利息49万円減とNISAの比較、借り換えが元を取る条件まで。住宅ローンのシミュレーター7本へのハブ。

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結論から書くと、住宅ローンで払う総額を一番大きく動かすのは「どの銀行を選ぶか」ではなく、いくら借りるかと金利タイプの2つだ。

3,500万円を35年・元利均等で借りた場合、2026年10月の水準で計算するとこうなる。

金利毎月の返済35年の総返済うち利息
変動1.2%(主要行の新規水準)102,096円4,288万円788万円
全期間固定3.3%(銀行の固定)140,625円5,906万円2,406万円
フラット35 3.83%(10月の最頻金利)151,423円6,360万円2,860万円

同じ3,500万円の家でも、利息は788万円から2,860万円まで約3.6倍の幅がある。ただし変動の788万円は「35年間ずっと1.2%のまま」という前提の数字で、実際に払う額はこれから決まる。

この記事では、住宅ローンで発生するお金を7つの判断に分けて整理し、それぞれを詳しく計算できるシミュレーターと記事につなぐ。借金全体の返済の優先順位(カードローン・奨学金・車のローンとの比較)は借金・ローンのお金完全ガイドに任せ、ここでは住宅ローン1本に絞る。

7つの判断と、3,500万円で動く金額

#判断3,500万円・35年の例で動く金額決めるタイミング
1いくら借りるか500万円減らすと利息は約113万円減(1.2%の場合)物件探しの前
2変動か固定か利息788万円〜2,860万円本審査の申込時
3返済期間35年→50年で月2.4万円減、利息は368万円増本審査の申込時
4諸費用の払い方定率型と保証料型で総額が数十万円変わる銀行選びの時
5団信の上乗せがん保障などで金利+0.1%なら35年で約70万円本審査の申込時
6住宅ローン控除年収500万円・ZEH水準で13年約251万円物件の性能選び
7返済中の操作繰上返済100万円で利息約49万円減、借り換えで100万円超減も入居後ずっと

1〜6は借りる前に決まり、7だけが借りた後に動かせる。後から修正が効きにくいのは1と2だ。

判断1:「借りられる額」と「返せる額」は別物

銀行の審査は、年収に対する年間返済額の割合(返済負担率)で上限を決める。多くの銀行は年収400万円以上で35%前後を上限にし、実際の金利ではなく3%台の審査金利で計算する。

年収600万円で、返済負担率35%・審査金利3.5%と置くと、

  • 年間返済の上限:600万円 × 35% = 210万円(月17.5万円)
  • 35年で借りられる額:約4,235万円

一方、家計の側から「無理なく返せる額」を見ると数字はかなり変わる。

考え方毎月の返済借入額(35年)
銀行の上限(返済負担率35%・審査金利3.5%)17.5万円約4,235万円
年収の25%を、変動1.2%で返す12.5万円約4,285万円
年収の25%を、固定3.0%でも返せる額に抑える12.5万円約3,248万円
年収の20%を、変動1.2%で返す10.0万円約3,428万円

今の変動金利だと「年収の25%」でも銀行の上限とほぼ同じ4,200万円台まで借りられてしまう。ここで効くのが、変動で借りるとしても、固定金利(3%前後)で借りたと仮定して払える額に抑えるという考え方だ。年収600万円なら約3,250万円。差の約1,000万円が、金利が上がったときの「のりしろ」になる。

年収・頭金・他の借入から逆算するなら住宅購入予算シミュレーター、毎月の返済額から借入額を出すなら住宅ローン月々返済額シミュレーターが早い。

判断2:変動か固定か——差の正体は「5年ルール」の先にある

変動1.2%と固定3.83%の毎月の差は約4.9万円。この差を「保険料」と見るかどうかが分かれ目になる。

変動金利の多くは、金利が上がっても返済額をすぐには変えない仕組みを持つ。

  • 5年ルール:金利が変わっても、毎月の返済額の見直しは5年ごと
  • 125%ルール:見直し時の新しい返済額は、それまでの1.25倍が上限

メガバンクを含む多くの銀行が採用している一方、一部のネット銀行は採用していない。契約前に確認しておく項目だ。

3,500万円・変動1.2%で、5年間は1.2%のまま推移し、6年目に金利が上がったケースを計算するとこうなる。

6年目からの金利6年目からの返済増加額
1.2%(横ばい)102,096円—
2.2%(+1.0%)117,150円+15,054円
3.2%(+2.0%)本来は133,430円 → 125%ルールで127,620円+25,524円

5年経過時点の残高は約3,085万円。+2.0%のケースでは125%ルールで返済額が抑えられるが、抑えた分の元金は減らずに後ろへ回るだけで、利息はむしろ増える。125%ルールは「負担を消す仕組み」ではなく「負担を先送りする仕組み」だ。

それでも、変動vs固定シミュレーターの初期設定で「変動が毎年0.1%ずつ上がり続ける」シナリオを置くと、総返済は変動5,152万円・固定6,360万円で変動が約1,208万円有利。固定が逆転するのは、毎年0.3〜0.4%ずつ上がり続けて10年余りで5%前後に届くような急上昇の場合に限られる。

迷ったときの分岐

```
金利が2%上がって月2.5万円増えても家計は回る?
├─ はい → 変動(差額を貯蓄・繰上返済の原資にする)
└─ いいえ
├─ 借入額を減らせる? → 減らしてから変動を再検討
└─ 減らせない → 固定(または一部を固定にするミックス)
```

「金利が上がったら払えない」状態で変動を選ぶのが、一番避けたい組み合わせになる。

判断3:返済期間——月の負担を減らすほど総額は増える

3,500万円・変動1.2%で期間だけを変えた場合。

期間毎月の返済利息総額完済年齢(35歳で借りた場合)
35年102,096円788万円70歳
40年91,847円909万円75歳
50年77,601円1,156万円85歳

50年にすれば月2.4万円軽くなるが、利息は368万円増え、完済は85歳になる。長期ローンを選ぶなら「退職時に残る残高を退職金や繰上返済でどう片づけるか」まで決めておかないと、老後の家計に住宅ローンが残る。期間別の詳しい比較は35年・40年・50年ローンの比較記事にまとめた。

判断4:諸費用は「金利の外」で90〜130万円

金利の比較に目を奪われると見落とすのが、借りるときに一度だけ払う費用だ。3,500万円を借りる場合の目安。

項目金額の目安計算の根拠
融資手数料(定率型)77万円借入額 × 2.2%(ネット銀行に多い)
または保証料+事務手数料(保証料型)70万円前後+3.3万円メガバンクに多い。保証料を金利に上乗せ(+0.2%前後)で払う方式もある
印紙税(金銭消費貸借契約書)2万円1,000万円超5,000万円以下の契約書。電子契約なら不要
登録免許税(抵当権設定)3.5万円借入額 × 0.1%(住宅用家屋の軽減税率)
司法書士報酬5〜10万円抵当権設定登記の代行
火災保険・地震保険10〜30万円5年一括。構造・地域・補償で大きく変わる

合計すると90〜130万円前後。定率型は繰上返済しても戻らず、保証料型は繰上返済や借り換えで一部が戻るという違いもある。「金利が0.1%低い銀行」でも、手数料が高ければ総額では逆転することがあるので、金利と手数料をまとめて比べる必要がある。複数の銀行を手数料込みで並べるなら住宅ローン比較シミュレーター、物件側の諸費用まで含めた初期費用は新築の購入費用シミュレーターで計算できる。

判断5:団信の上乗せ——金利+0.1%は35年で約70万円

団体信用生命保険(団信)は、契約者が亡くなったり高度障害になったりしたとき残高がゼロになる保険で、一般団信は多くの銀行で金利に含まれている。迷うのは「がん保障」「三大疾病」「全疾病」などの上乗せだ。

3,500万円・35年で金利が1.2%→1.3%になると、

  • 毎月の返済:102,096円 → 103,769円(+1,673円)
  • 35年の総額:+約70万円

上乗せ分は残高に連動するので、借りた直後は手厚く、完済が近づくほど保障が小さくなる。すでに医療保険やがん保険に入っている人は、保障が重複していないかを先に確認したい。保険全体の見直しは保険のお金完全ガイドに整理してある。

判断6:住宅ローン控除は「物件の性能」で上限が決まる

住宅ローン控除は、年末残高の0.7%を所得税(引ききれない分は住民税の一部)から差し引く制度。令和8年度税制改正で2030年入居まで延長され、2026年入居の借入限度額はこうなっている。

住宅の種類新築:一般新築:子育て・若者夫婦世帯中古:一般中古:子育て・若者夫婦世帯
長期優良住宅・低炭素住宅4,500万円5,000万円3,500万円4,500万円
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円3,500万円4,500万円
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円2,000万円3,000万円
その他の住宅原則対象外原則対象外2,000万円(10年)2,000万円(10年)

控除期間は新築・中古とも13年(中古の「その他の住宅」のみ10年)。子育て・若者夫婦世帯は、19歳未満の子がいるか、夫婦のどちらかが40歳未満の世帯を指す。

注意したいのは、「0.7%×残高」の枠がまるごと戻るとは限らない点だ。年収500万円・ZEH水準・3,500万円・変動1.2%の場合、1年目の控除枠は23万9,300円あるが、実際に戻るのは所得税8万8,500円+住民税8万8,500円の17万7,000円。所得税が少ないうえ、住民税から引ける額にも上限(課税所得の5%・最高9万7,500円)があるためだ。13年の合計は約251万円で、自分の年収で「実際にいくら戻るか」は住宅ローン控除シミュレーターで確かめられる。

判断7:繰上返済と借り換え——入居後に動かせる唯一のレバー

繰上返済は「早いほど効く」が、NISAと比べる必要がある

3,500万円・変動1.2%で、100万円を期間短縮型で繰上返済した場合。

繰上返済の時期減る利息短くなる期間
1年目約49.3万円14か月
10年目約34.1万円13か月

確実に49万円得をする一方、同じ100万円をNISAで年4%運用できたと仮定すると、34年後には約379万円になる(運用は元本割れもありうる)。さらに控除期間中の繰上返済は、年末残高が減るぶん控除も減らす。残高が借入限度額以内で控除枠を使い切れている人なら、100万円の繰上返済で控除が年7,000円ずつ減る計算だ。

整理すると、金利1%前後のうちは「控除期間中は繰上返済せず手元資金と積立投資に回し、金利が上がってきたら繰上返済を検討する」のが数字の上では合理的になる。ただし、教育費や車の買い替えなど数年内に使うお金を投資に回すのは別問題だ。具体的な金額で比べるなら繰上返済シミュレーター、45歳の家計で繰上返済とNISAを比べた実例は繰上返済vsNISAのケーススタディにある。

借り換えは「金利差×残高×残り期間」で決まる

借り換えにも融資手数料・登記費用がかかるため、金利が下がるだけでは元が取れないことがある。

借り換え前借り換え後毎月の差残り期間の総額差諸費用(目安)差し引き
残高2,500万円・残り25年・1.8%1.2%−7,047円−211万円約65万円約146万円の得
残高2,000万円・残り20年・2.0%1.2%−7,403円−178万円約55万円約123万円の得
残高1,000万円・残り10年・2.0%1.2%−3,538円−42万円約32万円約10万円の得

諸費用は融資手数料2.2%+登記・印紙などで約10万円として計算した。残高が小さく残り期間が短いほど、手数料に食われて得が消えていく。

もう一つ見落としやすいのが、固定から変動への借り換えは「金利が下がる」のではなく「上昇リスクを引き受ける代わりに今の差額を受け取る」取引だという点。上の表の1.8%→1.2%は、6年目以降に変動金利が上がれば差は縮み、場合によっては逆転する。38歳で借り換えを検討した実例は借り換えのケーススタディにまとめた。

夫婦で借りる場合:ペアローンは控除が2倍、諸費用も2倍

共働き夫婦がそれぞれ契約者になるペアローンは、2人とも住宅ローン控除を受けられるので、片方の税額だけでは控除枠を使い切れない世帯で効果が大きい。一方で、融資手数料・印紙税・登記費用は2本分かかり、どちらかが育休・時短で収入が減っても返済額は変わらない。控除の増え方と諸費用の増え方を並べて比べるならペアローンシミュレーターを使う。

よくある質問

Q. 今から借りるなら、変動と固定のどちらが多い?

住宅金融支援機構の利用者調査では、近年の新規借入の7割前後が変動型を選んでいる。ただ「多数派だから安全」という話ではなく、判断2の分岐で見たように、金利が2%上がったときに家計が回るかどうかで決めるのが筋になる。

Q. 頭金は入れたほうがいい?

金利1.2%の今は、頭金を厚くするより手元に生活費6か月分以上を残すほうが優先度が高い。頭金を500万円入れると利息は約113万円減るが、入居後に現金が尽きて高金利のカードローンを使えば一気に逆転する。逆に、固定で借りるなら頭金の効果は大きくなる(3.3%なら500万円で利息約344万円減)。

Q. この記事の前提データはどこから?

変動金利1.2%は2026年10月の主要行の新規変動金利(三菱UFJ銀行1.195%・りそな銀行1.240%・みずほ銀行1.275%)、固定3.83%は住宅金融支援機構「フラット35」2026年10月の最頻金利(借入期間21〜35年・融資率9割以下)。住宅ローン控除の借入限度額・控除期間は国税庁タックスアンサーNo.1211-1・No.1211-3(令和8年4月1日現在法令等)、印紙税は国税庁の印紙税額一覧表、登録免許税の軽減税率は租税特別措置法による。返済額はすべて元利均等返済で計算し、ボーナス払いは含めていない。

Q. 数字が実感と合わない場合は?

金利は銀行・審査結果・物件で0.1〜0.5%ほど変わり、諸費用も銀行と保険の選び方で大きく動く。自分の条件で計算し直すなら、各シミュレーターの入力を変えてほしい。記事の数字に誤りがあると思われる場合は、お問い合わせフォームから知らせてもらえれば確認する。

まとめ:3,500万円・35年・変動1.2%の「生涯の住宅ローン代」

項目金額
借入元本3,500万円
利息(1.2%が35年続いた場合)+788万円
諸費用(融資手数料・登記・印紙・保険)+約100万円
住宅ローン控除(年収500万円・ZEH水準・13年)−約251万円
実質の負担約4,137万円
参考:変動が毎年0.1%ずつ上がった場合の総返済5,152万円(利息1,652万円)

金利が横ばいなら、控除が利息の3分の1近くを埋めてくれる。逆に金利が上がるシナリオでは、利息は倍以上に膨らむ。この「横ばい」と「上昇」の間のどこに着地しても家計が回る借入額にしておくこと——それが7つの判断の中で一番効く、最初の1つだ。

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