冬のお金完全ガイド|11〜3月は「10月並み」より6.3万円多く出ていく——家計調査の月次データで見る光熱費・年末年始・車・お年玉の上乗せと、補助なしで迎える2026-27年冬の備え方
総務省「家計調査」の月次結果(二人以上の世帯、2025年10月〜2026年8月)を並べると、11〜3月の消費支出は10月の水準より合計6万3,080円多い。光熱・水道は2月の3万118円がピークで、12〜3月の4か月は夏の平均より3万3,865円多い。12月は食料が10月より1万7,928円、1月は交際費が1万172円増える。費目別の上乗せ額と、電気・ガス補助が決まっていない2026-27年冬の追加負担(月400kWh・40㎥で約5,900円)、月別に使えるシミュレーターと記事をまとめた。
6万3,080円。 総務省「家計調査」で、2025年11月から2026年3月までの5か月間に二人以上の世帯が使ったお金は、10月と同じペースで5か月過ごした場合より、これだけ多かった。
内訳を見ると、冬の上乗せは一つの大きな出費ではない。11月は車、12月は食卓、1月はお年玉と交際費、2月は暖房、3月は年度末の出費と、毎月ちがう費目が少しずつ膨らむ。だから「冬は物入り」と分かっていても、予算が立てにくい。
このガイドでは、家計調査の月次データを使って冬の5か月を月ごとに分解し、費目ごとの備え方と、使えるシミュレーター・記事を一か所にまとめた。
冬の5か月を月別に見る
10月を「冬支度前の平常月」として、11〜3月の支出と、その月に目立って増えた費目を並べた。
| 月 | 消費支出 | 10月との差 | 光熱・水道 | その月に目立つ増加(10月比) |
|---|---|---|---|---|
| 2025年10月 | 30万6,872円 | ― | 2万1,673円 | (基準) |
| 2025年11月 | 31万4,242円 | +7,370円 | 2万661円 | 自動車等関係費 +8,429円、被服及び履物 +1,992円 |
| 2025年12月 | 35万1,522円 | +4万4,650円 | 2万4,006円 | 食料 +1万7,928円、交際費 +8,224円、教養娯楽 +5,125円 |
| 2026年1月 | 30万7,584円 | +712円 | 2万8,362円 | 交際費 +1万172円(うち贈与金 +8,577円) |
| 2026年2月 | 28万9,391円 | −1万7,481円 | 3万118円 | 光熱・水道 +8,445円 |
| 2026年3月 | 33万4,701円 | +2万7,829円 | 2万8,855円 | 光熱・水道 +7,182円、教養娯楽 +5,362円、交際費 +4,560円 |
| 11〜3月合計 | 159万7,440円 | +6万3,080円 |
2月は日数が少なく、総額では5か月で最も少ない。それでも光熱・水道だけは、今回集計した2025年10月〜2026年8月の11か月で最も高かった。
5か月の増加を費目別に足し上げると、冬に膨らむのは次の5つだ。
| 費目 | 11〜3月の増加(10月比の合計) | 主な時期 |
|---|---|---|
| 光熱・水道 | +2万3,637円 | 12〜3月 |
| 交際費 | +2万3,495円 | 12〜1月(うち贈与金 +1万6,246円) |
| 食料 | +1万1,926円 | 12月に集中(+1万7,928円) |
| 教養娯楽 | +1万1,368円 | 12月・3月 |
| 自動車等関係費 | +1万182円 | 11月に集中(+8,429円) |
5費目の合計は8万608円で、全体の増加(6万3,080円)を上回る。2月に食料などが減った分で一部が相殺されているためだ。
1. 暖房・光熱費:12〜3月は夏より3.4万円多い
光熱・水道は「10月比」だと冬の重さを過小評価する。10月の請求には9月の冷房分が含まれるからだ。夏(2026年6〜8月)の平均と比べると、差がはっきりする。
| 項目 | 夏の平均(6〜8月) | 2月 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 電気代 | 1万293円 | 1万5,633円 | 1.52倍 |
| ガス代 | 3,783円 | 6,448円 | 1.70倍 |
| 他の光熱(灯油など) | 331円 | 2,668円 | 約8倍 |
| 光熱・水道計 | 1万9,369円 | 3万118円 | 1.55倍 |
12〜3月の4か月の光熱・水道は合計11万1,341円。夏の平均で4か月過ごした場合(7万7,476円)より、3万3,865円多い。
家計調査は支払った月で記録されるので、2月の数字はおおむね1月に使った分にあたる。そしてこの冬の数字には、国の電気・ガス料金支援(2026年1・2月使用分は電気4.5円/kWh・都市ガス18円/㎥、3月使用分は1.5円・6円)による値引きが入っている。
2026-27年の冬は「補助なし」が前提
2026年10月10日時点で、2027年1〜3月使用分の電気・ガス料金支援は決まっていない。昨冬と同じ量を使い、補助が出なかった場合の差は次の式で出せる。
> 電気:4.5円 × 使用量 × 2か月 + 1.5円 × 使用量
> 都市ガス:18円 × 使用量 × 2か月 + 6円 × 使用量
月400kWh・ガス40㎥の家庭なら、
> 電気:4.5円 × 400kWh × 2 + 1.5円 × 400kWh = 4,200円
> ガス:18円 × 40㎥ × 2 + 6円 × 40㎥ = 1,680円
> 合計:5,880円
これに再生可能エネルギー発電促進賦課金の上昇(2025年度3.98円→2026年度4.18円/kWh、月400kWhで月80円)が加わる。
減らす手段は大きく3つある。
- 暖房器具の組み合わせを変える:エアコン・石油ファンヒーター・こたつ・電気毛布の1時間あたりの費用は暖房器具の電気代比較シミュレーターで並べられる。在宅勤務の人は、足元ヒーターが犯人だった33歳単身の1月の分解も参考になる。
- 電力プランを見直す:使用量が増える冬ほど単価の差が効く。電気料金プラン比較シミュレーターで、冬の使用量を入れて比べるとよい。
- 灯油・給湯・加湿の個別対策:灯油の予算化は補助の3段階で試算した記事、10年超の給湯器は壊れる前に秋に決める記事、加湿器は方式別の実質電気代にまとめている。
2. 年末年始の食費・交際費:12月と1月で約4.5万円
12月の食料は10万7,937円で、10月より1万7,928円多い。1月の交際費は2万3,777円で、10月より1万172円多く、そのうち贈与金(お年玉や祝い金など)が8,577円を占める。12月の交際費の増加(8,224円)と合わせると、食料と交際費だけで12〜1月の2か月に約3.6万円。教養娯楽や菓子・酒まで含めると、約4.5万円が年末年始に流れている計算だ。
| 年末年始の上乗せ | 10月比 |
|---|---|
| 12月の食料 | +1万7,928円 |
| 12月の交際費 | +8,224円 |
| 1月の交際費 | +1万172円 |
| 12月の教養娯楽 | +5,125円 |
| 12月の菓子類・酒類 | +1,989円・+1,314円 |
| 合計 | +4万4,752円 |
この山は、日付単位で見るとさらに偏る。クリスマスケーキは12月24日の1日で月の26%が使われ、おもちゃは直前の土日に集中する(家計調査の日別支出で見た記事)。
備え方のポイントは3つ。
- イベントごとの予算を先に決める:クリスマス・正月・お年玉を合計した年間のイベント費は年間イベント費用シミュレーターで出せる。
- おせちは11月に決める:早割の締切前に、予約・単品詰め・手作りの差をおせち3択の記事で確認できる。
- 帰省の交通費は10月が最初の締切:家族3人・東京↔福岡で早割と12月予約の差は約5.4万円になる(帰省の早期予約の記事)。
3. 車:11月の+8,429円はタイヤの季節
11月の自動車等関係費は3万3,450円で、10月より8,429円多かった。全国平均なので雪の降らない地域の世帯も含んでおり、冬タイヤを買う世帯に限れば負担はもっと大きい。スタッドレスタイヤ4本(195/65R15・国産)で約5.5万円、型落ちや早期割引で最大2万円の差が出る(スタッドレスの買い時の記事)。
タイヤの寿命と交換費用を年額に均すなら、タイヤ交換費用シミュレーターで夏タイヤ・冬タイヤそれぞれの1年あたりの費用を出せる。
4. 健康:予防接種と「休日料金」
保健医療は5か月合計では10月比でほぼ横ばい(−463円)だが、出費の時期が年末に寄る。12月は10月より1,899円多かった。
- インフルエンザの予防接種は1回3,000〜4,500円、家族4人で約2万円かかる(予防接種の費用の記事)。
- 12月29日〜1月3日の受診は休日料金になり、大人の初診の窓口負担は870円が1,620円になる(年末年始の休日料金の記事)。
- 1年間の医療費が10万円(総所得200万円未満なら総所得の5%)を超えそうなら、12月中に領収書を集めておく。戻る額は医療費控除シミュレーターで計算できる。
5. 入ってくるお金と税:ボーナスと年末調整で取り返す
冬は出ていくだけの季節ではない。
| 時期 | 入ってくる・取り返すお金 | 確認できるツール・記事 |
|---|---|---|
| 12月上旬 | 冬のボーナス(手取りは額面の約8割) | ボーナスの手取りシミュレーター、ボーナスの年末配分の記事 |
| 12月の給与 | 年末調整の還付 | 年末調整シミュレーター |
| 12月31日まで | ふるさと納税の今年分の寄附 | ふるさと納税シミュレーター |
| 12月31日まで | iDeCoの掛金・医療費・寄付の今年分 | 12月中にやる節税5つの記事 |
ボーナスを受け取ったら、先に冬の上乗せ分(次の章の式)を取り分けてから、残りを貯蓄や繰上返済に回す順番にすると崩れにくい。
冬の上乗せ予算の立て方
家計調査の数字を、そのまま自分の家に当てはめる必要はない。使うのは「自分の10月」と「上乗せの比率」だ。
> 冬の上乗せ予算 = 光熱費の上乗せ + 年末年始の上乗せ + 車・健康の単発出費
- 光熱費の上乗せ:自分の家の夏の光熱費 × 0.44 × 4か月(12〜3月の実績は夏の平均の1.44倍)+ 補助がない場合の差額(上の式)
- 年末年始の上乗せ:自分の家の10月の食費 × 0.2(12月の食料は10月の1.2倍)+ お年玉・帰省・プレゼントの予定額
- 単発出費:冬タイヤ、予防接種、暖房器具の買い替えなど、予定があるものだけ
たとえば夏の光熱費が月1万5,000円の家なら、光熱費の上乗せは1万5,000円 × 0.44 × 4 = 2万6,400円。補助なしの差額(月400kWh・40㎥で5,880円)を加えて約3.2万円を、ボーナスか10〜11月の余剰から先に取り分けておく。12〜3月の4か月を「予定外の赤字」にしないための、最も単純な方法だ。
年間の特別出費をまとめて洗い出したいなら、年間特別支出チェッカーが使える。
よくある疑問
Q. この記事の前提データはどこから?
総務省「家計調査(家計収支編)」の月次結果、第6-1表「用途分類による1世帯当たり1か月間の収入と支出」(二人以上の世帯)の2025年10月〜2026年8月分を使った。平均世帯人員は約2.9人。毎月の調査世帯は約7,200世帯で、月ごとの数字には調査世帯の入れ替えによるぶれも含まれる。
Q. 自分の家の冬の光熱費は、平均よりずっと高い(安い)けれど?
地域・住宅の断熱性・暖房の方式・在宅時間で大きく変わる。北海道・東北の灯油世帯は「他の光熱」が平均の何倍にもなる。平均は「増え方の比率」をつかむ目安として使い、金額は自分の検針票で置き換えてほしい。数字が実感と大きく合わない場合は、お問い合わせから知らせてもらえると検証に使わせていただく。
Q. 2026-27年の冬に、電気・ガスの補助が再開されたら?
上で計算した「補助なしの差額」がそのまま小さくなる。支援が決まった場合は、経済産業省・資源エネルギー庁が使用月ごとの値引き単価を公表するので、その単価を式の4.5円・18円の部分に入れ替えれば再計算できる。
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- 10月:灯油代の3段階予算/給湯器の秋の交換判断/スタッドレスの買い時/帰省の早期予約/インフルエンザ予防接種の費用
- 11月:おせちの3択/大掃除を3つに割る/ブラックフライデーの家電買い替え/ドコモ12月値上げ前のプラン判断
- 12月:冬のボーナスの配分/12月中にやる節税/10〜12月のイベント出費を日別に見る
- 年末年始〜1月:年末年始の休日料金/冬の在宅勤務の電気代
*出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」二人以上の世帯 月次結果 第6-1表(2025年10月〜2026年8月)、資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」(2026年1〜3月使用分)、資源エネルギー庁「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価」(2025・2026年度)。*